大泉嶺(国立社会保障・人口問題研究所)
本研究は, フレドホルム理論を基盤に、離散時間IPMと多状態マッケンドリック方程式の固有構造を統一的に解析する. 主要固有値の存在と単純性を示し, 部分ベル多項式により固有関数の系列表示を導出. さらに, 自己寄与に基づく型再生数, 世代時間のキュムラント展開を与え, 世代間遷移の統計量として解釈する枠組みを提示する. 応用例として, 置換水準の総人口推定と平均寄与世代数の評価式を示し, 生物学的解釈を明確化する.