翁長朝功(九州大学),森野佳生(九州大学)
「Eメールやキャッシュレス決済がどこまで広がるか?」や「ドライバーはどの経路を選択するのか?」などの社会現象についての問題は、ゲーム理論によりベンチマークを得ることができる. 近年, ゲーム理論に複雑なネットワーク構造を加えたモデルが研究されている. 解(ナッシュ均衡)の存在が数学的に証明されたり, 解の効率的な探索法などが提案されている. しかしながら, 現実的にはN=20個体程度に限られていた. 我々は, 統計物理学の効率的な解法であるメッセージパッシング法を用いて N =10^4個体のゲームの解(ナッシュ均衡)を求めた. 我々の解法は, 戦略的代替性(統計物理学では反強磁性)のゲームに特に有効であることがわかった.