藤江遼,牧野史,窪谷浩人(神奈川大)
これまで最適打順の決定は期待得点の最大化問題として扱われてきたが、本研究では投資のポートフォリオ理論に倣い、リスクを考慮した最適打順として効率的フロンティアを扱う。マルコフ連鎖モデルを用いて全ての打順の期待得点と標準偏差を計算し、効率的フロンティアを決定する。効率的フロンティア上の打順とリスク・リターンの関係は、円順列に対するKendall距離で説明できることを示す。さらに、打者の多様性を操作したチームでのシミュレーションにより、多様性が大きいほどより有利な効率的フロンティアが得られることを示す。