太田守洋,山本健(琉球大)
昨年度は、漢字の線長と画数の間にはベキ乗則が成り立ち、そのベキ指数は0.5に近い値になることを報告した。今回はこのベキ指数の意味についてさらに詳しく考察するため、画数と線長それぞれの分布に注目する。画数と線長それぞれの下からの累積個数は、小さい領域でベキ乗則に従って増加する。これらの2つのベキ乗則と線長と画数の相関のベキ乗則を組み合わせることで、3つのベキ指数の間のスケーリング関係式を理論的に導出することができる。実際の漢字から得られた指数はこのスケーリング関係式を満たしていることを確認する。