久門正人(野村証券),守真太郎(弘前大)
本研究では、時間的相関を持つ Merton モデルを考察する。Merton モデルは極限において、対数正規分布した強度関数をもつポアソン過程に収束することを示す。また、このモデルと Hawkes 過程との関係について議論する。本モデルでは、時間的相関がべき乗型の場合に「超正規転移(super-normal transition)」が生じることを確認した。この相転移は、極限をとる前に見られるものと同一である。さらに本モデルをデフォルト・ポートフォリオに適用した結果、長期データに対しては、べき減衰モデルのほうがより良い汎化性能を示すことが分かった。