01 囚人のジレンマにおいて個人と公共の利益を上げるための意識の持ち方

吉野隆(東洋大)

プレーヤーが混合戦略を調整できる状況下で,ペイオフマトリクスが囚人のジレンマであるような繰り返し総当りゲームを検討した.プレーヤーは,混合戦略によって定義される確率に従って,ランダムに協調と裏切りを選択する.総当りが終わったあとで,プレーヤーは自分の利得と全プレーヤーの利得の平均(公共の利益)との差に従って混合戦略を調整する.結果は混合戦略の調整方法とペイオフマトリクスの組み合わせによって異なる.その中には,個人の利益と公共の利益が高い値を維持できる状況があることがわかった.