2010年12月17日 自他共に盛りだくさんな一日
とりあえず、時系列で書いていこう。
まず朝一。ダイタミ精製をやりながら論文直しをやろうと考えていたのだが、恒例のネットニュースチェックをやっていたら、今話題のクニマスの記事に目がいった。特に本来の生息地である田沢湖への再導入の話題があった。この記事を読んでいたら、自分なりの考えが湧いてきたので、パソコンでメモをとっていた。すると、『せっかくだから、HPに載せよう』と思い立ち、急遽upすることに。ただ、当初はこのサテライトに書くつもりだったので、『である調』で書き進めていた。しかし、やっぱり公式HPに載せることにしたため、随所随所を『ですます調』に直しながら記載していった。該当の記事で時々口調が違っているのはそのためだ。今度時間があったら直しておこう。
この書き込みのため、ダイタミスタートが大幅に遅れてしまったが、どうにか午前中には片がついた。そしてこれと同時に、カワヤツメ種分化論文直しに取り組んだ。昨日も書いたとおり、本文は一応の直しができているのだが、いざ読み返しながら直していると、やはり不満な点が出てくる。それらに一つ一つ対応しながら、そして細かい文献チェックとかをやりながら直していたら、結局は昼飯後までかかってしまった。この時点では、週明けに共著者に改訂稿を送ることを覚悟。
この後は、ちょっとだけ原稿を寝かす時間をつくる傍ら、この1ヶ月ある意味大仕事だった教務関連の仕事をまとめて、事務提出。そしてTSさんの実験やら、学生の卒論やら、はたまたTSさんのサンプル収集のための対応やらを行った。
そして夕方、残り2時間というところで、カワヤツメ論文の再度の読み直し。結果的に、自分の中でも一応は納得するものとなったので、共著者にメールで送ることができた。みなさん忙しいとは思うが、査読をよろしくお願いします。
まだまだ続く。今日の自宅残業は、カワヤツメ論文が一息ついたこともあり、ちょっと前に預かっていたTSさんの論文原稿のチェックを開始した。今回は少し細かめに原稿を直している。もちろん多少の時間を要するが、確実に進めていこう。
そうそう、肝心なことを書きそびれた。話は冒頭に戻るが、記録によるとクニマスは富山県にも導入されたらしい。ただネット情報によるとA湖へ導入されたように書かれているが、A湖(ダム湖)ができた年代と導入年代がイマイチ合わないような気もする。近々、絶滅生物第四弾として調査開始、、、そんなわけはないか。それともうひとつ。恐れてはいたことが起きてしまった(かもしれない)。富山県内で鳥インフルの疑いが出た。少し前に西日本で出た際に、半島経由ではなく、北方経由で飛来した鳥に由来する可能性が指摘されていたが、だとすれば、富山でも危険性はあると思っていた。そしてそれが現実のことになってしまったのかもしれない。ネット記事を見る限り、確定にはいたっていないようだが、覚悟は決めておかなければならないだろう。幸いにして、今のところは周囲への影響は出ていないようだ。また私自身の研究へも特別影響がでるものでもない。ただやはり、ことの重大さは認識しておかなければならないだろう。週末もこまめに情報収集を続けよう。
長い一日だった。
2010年12月16日 それなりに順調な再開
総じて見れば、予定通りに自分の仕事を再開することができた。まずは朝一でヤツメ種判別のためのPCR。その後、泳動、精製、ダイタミPCRまで進んだ。明日はダイタミ精製をやろう。
出だしはよかったのだが、その後の午前中の仕事は教務関連の書類作成。来年度に向けた大きな仕事が、明日締め切り。なんだかんだでギリギリ・マニアの本領をここでも発揮してしまった。もちろん、周囲の状況もあり、時間を要したのだが。ということで、明日はこのお仕事への対応が必要なため、外出(=野外調査)することはできない。曜日を考えると、年内最後の金曜日とも言えるのだが、ご了承いただきたい。
今日の仕事に戻ると、学生への対応もまずまずだったのではないだろうか。イタセンパラ対応もできた。後はできるところから、と言うか、今のうちにできるところをやっておいてもらいたい。TSさんの実験もうまくいくことを願うばかりだ。明日はKODを試してみようか。
さて、先日、最優先のお仕事として挙げたのが、カワヤツメ種分化論文直し。結局、大学では手がける時間がほとんどなかった。が、できるときはできるもので、先ほどまで自宅残業として、2時間集中して原稿と向き合うことができた。その結果、一通りの読み直しを終えることができた。要旨直しもできたので、成果は大きいだろう。ただ、考察とかで、読めば読むほど、『どうもな~』としっくりこないところが出てきてしまう。もちろん、こう思えるだけ、しっかりと読めている証拠ではあるのだが、『この論文は、何が言いたいんだろう?』と今更ながら首をかしげてしまうところもある。『そんなものだ』と割り切ることにしたいが、今夜は煮詰まってしまったので、明日また読み直そう。この進み具合にもよるが、上手くいけば明日中に共著者へ改訂稿を送ることができそうだ。
2010年12月15日 ようやく降った
富山市の平野部で,しっかりした雪が降ったのは,これがこの冬始めてだろう.雪自体は嫌いではない,というよりも好き.でも雪道を車まで運転するのは嫌い.それと,雪道を歩いていて,車に邪魔されるのも嫌い.雪の日は,極力広い歩道のある道を選んで歩いている.と,書いては見たが,今日の雪はすぐに溶けてしまい,雪上歩行の機会は無かった.長期予報では『12月は寒い』と言っていたような気がするが,幸いにして今のところは当たっていないようだ.考えてみると,今年は「ブリ起こし」と呼ばれるような雷雨が少ないような気がする.今年に限ったことではないのかもしれないが,以前のイメージだと,11月から12月にかけて,ゴロゴロと鳴り響く日が続き,小高い山を越える通勤の際に,ちょっとした怖さを感じたものだ.それと瞬時停電による310停止もある意味恐れていた.気温が高めであることにしても,雷が少ないことにしても,「気候変化」とひとくくりにしてしまうのはどうかとは思うが,以前とは違うんだな~という実感はある.
さて,今日は無事にフォーラムが終わった.自分の発表はそこそことして,私個人的には,I先生の生物間相互作用の話が圧倒的に面白かった.話術やスライドもさることながら,長年のしっかりとした研究に裏打ちされた話の中身がすばらしく,久しぶりに聞いていてワクワクする講演だった.もちろん基調講演や他の演者の方々の講演も勉強になった.それと,交流会で基調講演をいただいた名古屋市立大学のK先生にお話を伺える時間があり,その場でも貴重な情報をいただいた.特に富山にいると,生物多様性に対する全国的な動きもさることながら,環境省が進める「生物多様性地域戦略」の動向が気になる.丁度県庁の方も同席されていたので,有意義な意見交換をすることができた.私にどこまでできるかわからないが,多少は私の果たすべき役割もありそうだ.出来る限り富山という地域に貢献していきたい.
さてさて,フォーラムも終わったし,明日の教養講義を終えれば,年内の講義関連は終了だ.事務仕事が幾つか残っているが,早めに片づけて,自分と学生の研究に勤しみたい.
2010年12月13日 12月だというのに、、、
今日は無事に二枚貝調査を終えることができた。恐れていた増水があったが、どうにか一連の調査を終了。でもおまけつき。調査冒頭、調査区設定のためにメジャーを張る私の目の前に、『ナガモノ』が、、、未だ冬眠していないようだ。確かに今日は暖かかったし、以前も12月に出会ったことはある。久々に直視してしまった。『シマ』だった。
学生時代の私だったら、ここで戦意喪失。が、成長したというのだろうか、それとも目先の調査の重要性が勝ったのだろうか、その後はあまり意識せずに調査を続けることができた。何はともあれ、皆んなお疲れ様。
さて、明日のフォーラムのプレゼンだが、今日の朝と夕方の時間を利用して、どうにか形になった。一応自宅残業用に持ち帰ったのだが、イマイチやる気が湧かない。ま~、あとは成り行き任せでいいだろう。でも、フォーラム自体は楽しみにしている。COP10の総括も聞けるし、経済学的な立場からみた生物多様性の話も聞ける。私のプレゼンの中にも、メッセージを含めたつもりだ。もしかしたら、ちょっと言い過ぎかもしれないが、それも善しとしよう。
そして意識は早くもフォーラム後にある。年内にやっておきたい、やっておくべきことは沢山ある。時間軸と優先順を勘案すると、
1.カワヤツメ種分化論文改訂稿を完成させ、共著者へ。【今週中】
2.TSさんの論文原稿を査読し、返却。【来週中】
3.頼まれているヤツメ種判別実験。【来週中】
4.卒論チェック×3【今週中】
5.頼まれているフナ系統解析対応【今週中】
6.TSさんのDNA実験を私も試す【来週中】
7.年明け講義のスライド準備【年内】
8.イタセンパラ免疫系遺伝子群のDNA分析本格化【今週中に着手】
以上で年内は一杯になりそうなので、以下は年明け早々に着手。
9.イノシシMS
10.生態学会要旨書き
とりあえずはこんなところだろうか。これくらいならば何とかなりそうだ。追加仕事が入らないことを祈ろう。
2010年12月12日 ヨン様だった(らしい)
昨日の昼間、羽田空港国際ターミナルで待ち受けられていたのは、ヨン様だったらしい。う~む、待っていればよかったような気もする。
さて、今日は朝からフォーラムの準備、、、と言いたいところだが、そんなのそっちのけで、カワヤツメ種分化論文の直しに取り組んだ。ヨン様を袖にしてまでのがんばりの甲斐あって(?)、お昼には一通りの改訂稿が完成。フォーラムが終わるまでの間、プチ寝かしだ。
その後はようやくフォーラムプレゼンの準備。まずは使い回しが効きそうなスライドを探した。さすがに今年は沢山の講演をおこなったので、結構出てきた。そして今も継続中の自宅残業で、いくつか追加スライドを作成中。明日の空き時間を利用すれば、なんとかできるだろう。
さてさて、明日は再び二枚貝調査で氷見に行く。この調査自体は明日で終わりにした。だが、今夜は大雨の予報だ。結構増水するので、苦労するかも。水没覚悟で二枚貝を採ろう。明日が終われば年内調査は、、、成熟やつめ採りを残すのみ。
2010年12月12日 誰が来たのだろう?
予定通りの東京出張から夕方に無事来富。今日の日中は時間に余裕があったので、羽田空港めぐりをやった。ANAに搭乗するため、本来なら第二ターミナルを利用するのだが、まずはバスで第一ターミナルに降り立った。第二ターミナルができる前は、よく利用していたので、それとなく内部を覚えていた。空港に来ると、ついつい飛行機関連のグッズ売り場にトラップされてしまう。久々にいった第一ターミナルには、第二よりもはるかに品揃えのいいお店があった。
続いて、まだまだ時間があったので、できたばかりの国際線ターミナルへ。まずはついてびっくり。いわゆる『出待ち』の群集がいた。花道がつくられ、それに沿うように数百人は並んでいただろうか。いったい誰が来たのだろうか。かなりの大物と思われる。ちょっと見てみたかったのだが、立ち見するような場所もなさそうだったので、上の階のお店コーナーへ。と、そこはものすごい人だかり。明らかに出発客よりも『観光客』の方が多かっただろう。もちろん私もその一人だが。さすがに人が多すぎたので、全く見ずに第一ターミナルに戻った。ここでなぜ再び第一ターミナルか?昼飯を食べる店を選んでおいたのだ。中華料理、といってもラーメン。某有名な料理店の羽田出張所だ。実は、土曜日に到着したときにも第二ターミナルの同じ系列の店で、タンタン麺を食べた。そして今日は、スヮンラータン(サン~ではないらしい)麺を食べた。どちらも美味しかったのだが、『特別に美味い!』ってほどではなかった。でも超細麺は最高だった。博多ラーメンの細麺よりも細いくらいだ。
さて、出張の主目的の話もしなければなるまい。ポスドク時代にお世話になったN先生の学会賞受賞パーティー兼研究室引越しお披露目パーティー兼忘年会だ。N先生自らキャンパスを案内してくれたり、懐かしい顔をみたり、とても楽しい時間を過ごすことができた。キャンパスも今風だった。いくつかの研究棟が並んでいるのだが、どれも個性的な建築家やデザイナーが手がけたものらしい。そしてキャンパス自体も新しく、関東平野のど真ん中に作られた学園都市(ほどではないが)って感じだ。こんな環境で研究するのもありかなんだろう。が、正直私は無理。長くいるところではない。なんか落ち着かない、地に足が着かない感じ。もっともこのキャンパスで研究する機会はないだろうから、問題はないのだが。
ところで、仕事は進んだ。大きな宿題だったカワヤツメ論文直しだが、初日に時間があったので、落ち着かない建物の中で、直しがはかどった。そして今日も空港の待合室のベンチで原稿を広げ、格闘。おかげで、一通りの直しはできた気がする。予想外の進展だ。明日中に一通りの改訂稿を仕上げてしまいた。だが、明日はフォーラムのスライド作りもある。こちらの準備もそこそこできた。主に話の流れをつくった。今回は凝ったスライドは作らないことにして、使いまわしで対応しよう。
2010年12月10日 続き
今日も昨日に引き続き、カワヤツメ種分化論文直しが主な仕事。と、言いたいところだが、もろもろの仕事も入り、論文直しが進んだような進まなかったような。
予定では、今週中に一通りの改訂稿を完成させるはずだったが、そこまでは届かなかった。でも、それなりにしっかりと原稿やコメントと向き合うことができたので、善しとしよう。惜しむらくは、週末のために仕事が途切れてしまうこと。でも明日からの東京出張(遊び?)へも原稿をもっていくことにしたので、高度1万メートルでの論文直しに期待だ!
ところで、もろもろの仕事と書いたが、もちろん重要な仕事が多かった。特に学生にシーケンスを教えたのは、今後のことを考えると有益だろう。山崎研の310が不調なこともあり、生物学科共通の3130を使わせてもらった。TSさんとY君とともにRUN。やはりPOP7はシーケンスに適しているようだ。明らかに310のPOP4で読むよりもきれいに読める。当面は3130を使わせてもらおう。何はともあれ、これで一通りの実験はできるはずなので、確実に実験を進めていってもらいたい。
さて、明日は東京だ。どれだけの人が集まるのかはわからないが、当時の人たちと再会できることを楽しみにしている。でも私のポスドク時代というと、今から10年以上も昔の話だ。ずいぶんと時間が流れたものだ。でも声高に言いたいのは、過去よりも今のほうが楽しい研究生活を送ることができている。そして今があるのは、過去があってのことだ。さてさて、将来に向かって、今という過去をしっかりやっていこう。と言うややこしいことを考えないことが、将来にとって大切なことも実感している。まずは明日からの東京出張?を楽しんでこよう。
2010年12月9日 中間型
ヤツメウナギの種分化において、寄生性回遊型種から非寄生性河川型種が直接派生したという仮説が主流だが、Beamishはいくつかの種分化において中間型として寄生性河川型の種(生活型)が出現することを報告した、、、ってなことを盛り込んだ文章(英語)と今日は朝から格闘した。もちろんカワヤツメ種分化論文のことだ。上のことが、レビュアーから指摘された大きな点。わかってはいるのだが、全体を書き直すのは苦労する。今日はどうにかイントロ部分を直した。
ただ苦労したとはいいながら、レビュアーからの指摘やその対策、そして必要な文献の大部分がすぐに理解できたあたり、自分がヤツメ研究者として歩んできたことを実感した一日でもあった。もちろん、理解できることと、それを英語で表現できることは別問題であるが。何はともあれ、ヤツメ論文を書いたり直したりしていると、次もヤツメ論文を書きたくなる。イタセンパラはまだ魚つながり?だからいいとして、イノシシの論文は書けるのだろうか。でもそんなことを言いだしたら、ヨコエビ論文なんて、、、ネタは沢山あるのだが。
そんなこんなで、今日は大半を論文直しに当てることができた。明日もそうしよう。幸い来週の講義スライドは先ほどまでの自宅残業で終わった。学生の卒論研究はぎりぎりまで傍観?しよう。もちろん、来週のフォーラムは成り行き任せだ。な~んてことができるかどうかはわからないが、今は論文直しに時間を費やしたい気分。
さて、身内ではすでに話が伝わっているが、24日の夜は山崎宅でパーティーを開催する。私の担当はもちろん料理。そろそろ何を作るか考え始めよう。詳しくは、久々に裏ブログに書き込むので、そちらを(見れる人は)みてもらいたい。
さてさて、明後日は東京だ。ポスドク時代にお世話になって先生の学会賞受賞パーティーと、その研究室の引越しお披露目会だ。私自身は大した準備は必要ないのだが、道順はしっかりと確認しておく必要がある。明日忘れずにやっておこう。
2010年12月8日 今夜はゆっくりと
予定通りに氷見調査を実施。連日の二枚貝調査だ。一連の調査としては3日目になる。ただし、まだ終わっていないので、来週もう一回実施予定。
そもそもの調査は、他の研究室の先生の発案で始まった。当初はお手伝い程度の参加を考えていた。しかし、二枚貝調査自体は以前からやりたいと考えており、そして今秋から行ってきたイタセンパラ野外調査との関連性も高く、両調査をあわせることにより、イタセンパラの『自然繁殖』に対する重要な情報が得られることが期待される。そしてもちろんその成果は、すぐにでも論文になるだろう。ということで、今回の二枚貝調査を本格的にやることにした。が、論文化も考えると、かなりしっかりとしたデータが必要だ。で、それを満たすために、昨日も今日も、そして来週も調査が必要になる。後一歩のところまできたので、山崎研の若者にもがんばりを期待しよう。もちろん、Nさん、TSさんはじめ、若者たちのここまでのがんばりには感謝だ。今夜は暖かくしてゆっくり休んで、明日からは自分の実験をしっかりとやってもらいたい。書く言う私も、今夜はゆっくりと杯を重ねたい。
さて、明日は何をしよう。もちろん講義がある。ただ、その5限目までは時間がある。ここはやっぱり論文直しだろう。もちろん自分のカワヤツメ種分化論文。せっかくいい感じでレフェリー対策ができてきたので、明日と明後日で形を仕上げてしまいたい。ということで、自他の実験が多少おろそかになるが、論文直しが順調に行けば、午後から実験再開ということで対応しよう。
それはそうと、来週水曜日はフォーラムでの発表がある。内容は生物多様性絡み。新しい情報をまとめる時間もなさそうなので、これまでの使いまわしで対応しよう。今になっても何となく自分の中で盛り上がらないので、準備に対しても優先順位は低くなる。今週末の東京出張の際に、お話の構成を練ることにしよう。火曜日は二枚貝調査の予定なので、実質的に月曜日と自宅残業でのスライド作りで対応だ。ただせっかくの機会なので、自分の研究を通してメッセージを発信したい。その辺もできるだけ含めたお話を作りたい。
2010年12月7日 朝の2時間
今日はこれから調査.そのためいつもより早く大学にきたため,出発まで2時間のゆとりがあった.さて,何をするかと考え,おもむろにカワヤツメ論文直しを再開.結果,残り2人のレビュアーコメントへの対応策が完成!もちろん,細かい直しは今後必要だが,大きな問題になりそうなしてきはなかった.これならば集中する時間をつくることができれば,今週中のたたき台作成は夢ではない!
さて,今から調査に行って来よう.案の定,今日は寒そうだ.
2010年12月6日 明日は再戦
今朝、週明けの新鮮な頭を使って、論文直しに取り掛かった。埋めていない堀もあり、埋めたくなる堀もあるのだが、ある程度は無視して、城攻めを強行したという感じ。カワヤツメの種分化論文だ。意を決してのことだったのだが、冒頭のコメントでいきなり壁に当たった。ヤツメの種分化プロセスについて、割と簡略して書いていたのだが、『詳しく書け!』という趣旨だ。もちろんしっかりと対応すれば問題ないのだが、全体の構成をいじる必要もでてくるくらいの大事だ。さすがにすぐには全体を直すことはできそうになかったので、対応を保留して、次に進むことにした。
最初からこれでは先が思いやられる、、、と思いながらも順番にコメントを読んでいくと、その後は割りと簡単に対応できそうな内容ばかり。最初のレビュアーは約4ページに渡るコメントを書いていたので、冒頭のコメントを読んだ時には投げ出したくなったが、よくよく読み進めてみると、半分近くのコメントは、冒頭と同じことを、個々の行について指摘しているものだった。その他のコメントも書き直しが必要な部分が多いが、ネガティブなコメントはほとんどなかった。結局、途中別の仕事を入れたが、夕方までにはこのレビュアーへの対応策はできた。まだ二人分のコメントがあるのだが、ページにして2ページ。全体コメントを読む限りでは、これらも好意的なものだ。本腰を入れて、今週中には改訂稿のたたき台をつくってしまいたい。
ところで、今日の論文直しをやりながら、いまさらながら実感したことがある。私のこれまでの論文の書き方としては、得られた結果から考えられることを、可能性とか、今後の課題として考察の後半で載せることが多かった。ただその多くは、レフェリーから『スペキュレーションだから書いてはダメ』的なコメントをもらい、削除してきた。これまで何度も言われてきたが、なんとなく実感できない面もあった。が、今日の直しの中で、そのような指摘がなんとなくわかった気がした。「可能性」を列挙するということは、やはりやるべきではない。なぜならば、その可能性こそが、次の論文のテーマであり、時には仮説となるからだ。そして本当に「仮説」としたかったり、ましてやそれを検証したいのであれば、無意味に披露することなく、それを検証するための研究を進め、その成果が得られた際に、論文のイントロとしてその「仮説」を披露し、検証(時に証明)となる結果・考察をまとめるべきだろう。じゃないと、場合によっては、他人(読者)にアイディアをばら撒いているだけで、本当にいいアイディアだった場合には、先取りされてしまう。
いまさらながら、こんな風に実感するのは、これまで1つのテーマに対して競争の場に身をおくことがほとんどなかったことも原因の1つであろう。私がやっているヤツメの研究の多くは、多少のんびりやっていても、誰も同じテーマをやろうとはしないような分野だった。もちろん、今回の研究の次のステップが、どこまで競争を伴う研究になるかはわからないが、適度に競争を意識することは重要だろう。そう考えると、『お前の考察はスペキュレーションだ』というレビュアーのコメントが以前よりもわかる気がする。
さて、長くなってしまったが、今日はもうひとつ重要な仕事をした。卒論スケジュール組だ。当該学生には直接知らせたので、詳しくは述べないが、しっかり取り組んでもらいたい。もちろん、時間は限られている。例年と多少やりかたが違う点もあるかもしれないが、目標は同じだ。そのつどそのつど、目標に向かって、最善と思われる手順で進むのみだ。兎に角、学生さんはしっかりと自分の卒論と向き合ってもらいたい。
と、言った直後でなんなのだが、明日と明後日は野外調査。先日『嵐』で順延になった二枚貝調査を仕上げてしまいたい。これこそ今を逃したら、1年またなければならない。それに別の調査との兼ね合いも考えると、今年多少の無理をしておいた方が、成果を得る上では効率的だ。よくないことに明日から寒くなるようだが、気合を入れて、やり遂げよう!
2010年12月3日 激変
まさにこの言葉があてはまる今日の天気。
今日は朝から予定通りに氷見に調査へ。目的は二枚貝。当初から心配事の1つは天候だった。予報では雨。大雨関連の警報まででることが予想されていた。が、大学出発時にはぱらぱらと雨が降っていたが、現場に着くと曇り空。それどころか、時間とともに天候が回復し、晴れ間ものぞいてきた。太陽の下では暖かいくらいだ。多少拍子抜けしながらも、晴天を喜びながら調査を順調にこなした。そして昼飯を食べ、現場に戻って再度ウェーダーを着込んだときもまだ晴れ間はのぞいていた。
が、調査を続けるにつれ、次第に雲の流れが速くなり、暗い空が広がっていった。これは雨になるかな~と、未だこのときは気楽に考えていたのだが、やがて雷鳴が響き渡るようになり、そして雨。さらに風。それも次第に強くなり、ついには横殴りの豪雨が降る嵐となってしまった。さすがにこれではフィールド仕事も計測もできず、現場での活動は中止。採集した二枚貝を持って、氷見市の施設を間借りさせていただき、計測のみ続けた。その間も雨風が強く、大荒れの天候だ。
結局、その計測が終わった段階で今日の作業は終了。放流のために現場に戻ってみると、川は大増水。撤収しておいてよかった。そしてそのまま帰路へ。何はともあれ、我々は無事に戻ることができた。ただ、富山県内では、大きな事故がおきてしまったようで、とても残念。
野外調査をしていると、天候の変化にはちょくちょく出会うが、今回のような激変は経験がない。多少臆病なくらいでもいいから、調査は安全第一だ。
2010年12月2日 つかの間の大画面
研究費で、パソコンとモニターを購入し、昨日納品された。モニターは大きい。22型ワイドだ。早速、今使っている卓上パソコンのモニターと交換。これまでのも19インチだったので、小さくはないのだが、さすがに今度のは大きい。パワーポイントで講義スライドを作る際にも便利なのだが、なによりもカシミールで地図を扱う際に、地図の映し出される範囲が広く、とても使い勝手がいい。
そして今日の夕方、時間があったので、新規購入パソコンのセッティングを行った。こちらは実験室に置き、共通Windows(日本語)パソコンとして使うことにした。そして私の机で使っていたモニターをつなげようとしたのだが、、、コネクターが合わない。何とか接続したが、映らない。どうやら古いアナログ対応モニターは使えないようだ。設定変更の仕方はあるのだろうが、変更するにしても1度はモニターをつなげなければならない。ということで、泣く泣く22インチモニター(デジタル対応)をはずして、新規パソコンにつないだ。これで無事に使用することができるようになった。一方、私の卓上パソコンは、ほぼ1日で元の画面サイズに戻ってしまった。
さて、今日は講義の日だが、先週で理学部向けの1単位講義が終わったので、今週からは5限目の教養講義のみ。準備もずいぶんと楽になった。今日から生態系多様性の話。と言っても、その基礎となる生態学を3回に渡って話す。今日は個体レベルから個体群レベルの話をした。この手の話は、これまでの講義で沢山話している。概要を話すといっても、使用するスライドを選択するのに迷うくらいネタはある。あまり細かい話をしても生物の基礎知識を持たない学生が寝てしまうので、生物の写真を沢山だしながら、トピック的な内容を中心に話した。概ね好評だったようだ(といいのだが)。
一方で、『論文直せない病』がまた出てしまった。以前、スナヤツメ分散論文のときにもこんな感じだったのだが、今回もひたすら外堀を埋めている感じ。明日は調査だし、留学生のTさんから彼の論文原稿を渡されたし、結局自分の論文直しは、来週になりそうだ。でも来週こそは、集中して取り組もう!でも頼まれ仕事のヤツメ種判別もやらなければ。イタセンパラのMHCやイノシシのマイクロサテライトもそろそろ本格化する必要がある。う~む、『時間』and/or 『すらすら仕事ができる能力』がほしい。
2010年12月26日 今日は何曜日?
講義が終わり、週の半ばに休日が入り、金曜日にパーティーをすると、曜日の感覚がなくなってくる。特に金曜日のパーティーがとても充実していたためか、昨日が日曜日のような感覚が強かった。でも今日が日曜日。
何はともあれ、金曜日のクリスマスパーティーには、数名の学生が参加できなかったのは残念だが、山崎研メンバー+その家族でとても楽しい時間を過ごすことができた。今後も何かしらの口実を設けて、集まろう。
さて、今年も残すはあとわずか。仕事日にすると2日間だ。この間にやるべきことは盛りだくさん。なんと言ってもカワヤツメ種分化論文に対して共著者からのコメントがそろったので、改訂し、年内に返却してしまいたい。それから年明け早々の講義準備や、いくつかの年内締め切り事務仕事も重要だ。これらを考えていると、実験をする時間はないかもしれない。実は金曜日の実験で、ナマコのPCRがうまく行った!もう少し改善の余地はあるが、大きな一歩だ。もちろんTSさんに任せる実験だが、私ももう少し詰めておきたい。そして頼まれ仕事のイタセンパラDNA実験なども手がけておきたいところ。ただ、時間がないかもしれない。やれるところまで、しっかりとやろう。
2010年12月21日 ナマコ週間
ようやく仕事に追いついた感がある。今までは、仕事が多すぎて、次から次へと降ってくる仕事を後追いするだけだったが、年末の今になった徐々に片付いてきた。今日もまずは頼まれていたヤツメウナギの種判別をまとめ、依頼主に返事を出した。続いて事務仕事諸々。
そして今の大きな仕事が「ナマコ」だ。今日もナマコ標本収集のために、何件かとやりとりをして、いずれも状況は良好だ。結局魚津の鮮魚店へ明日買い付けに出かけることになった。ただし、今は持ち帰る余裕はないので、水族館で預かってもらうことに。これと同時に、といいたいところだが、結局昼過ぎになってようやくナマコ論文の直しに取り掛かることができた。そして夕方、どうにか査読が終わり、修正点を記入してTSさんに返却。この段階で仕事に追いついた感じだ。
ゆとりが出てきたので、卒論の状況をチェックしたり、ナマコDNA実験に私も取り組んだり。こちらは年内にシーケンス用のPCRまでは確立させたいところだ。残る仕事はといえば、年明け早々の講義×3の準備が一番大きなところだろうか。それから卒論チェック。こちらは適宜対応していこう。
2010年12月20日 ナマコ三昧
普段よりも1時間ほど早く大学へ。その時間を利用してTSさんのナマコ論文の査読。続いて、みんなが集まったところで、ナマコ標本採集へ。といっても近隣の漁協に買い付けに出かけた。TSさんの研究で使うものだが、マナマコ各色を富山県内はじめ、各地で集める予定。今日は新湊の漁協へ。多くはアカナマコだったが、目的の数は集まった。
ところで、買い付けに出かけた際に、やはり気になるのは値段だ。明後日買い付けに行く予定の魚津の場合は、1個体あたり何円。で計算してくれる。だから50個体ならば、、、とあらかじめ予想がつく。が、当初の情報では、新港の漁港では、キロ当たり何円、とのことだった。ということは、小さい個体ならばいいが、大きい個体ばかりだと、それだけ高価になる。そしていざ漁協の蓄養水槽を覗くと、予想よりも大きな個体ばかり。それを喜んで網に入れていく漁協のおじさん。正直、いくらになるんだろう?と内心どきどきしていた。そしていざ支払いの段になって恐る恐る値段を聞いてみると、1個体あたり##円との返事が。それも魚津と同じ相場だったので、ほっとした。
さて、大学に戻った後は、ナマコ計測を学生たちに任せて、私は次のナマコ採集手配と、ナマコ論文直しに勤しんだ。結局論文は自宅残業でも継続しているが、まだ時間を要しそうだ。でもしっかりと直せているので、善しとしよう。
そしてもうひとつの大仕事。購入し、計測し、サンプルを採り終えたナマコをどうするか?という問題が残っている。結局、今日の約50個体は、すべて調理することに。とりあえず切り刻んで酢の物を作った。まさに「売るほど」あるので、ご希望の方は山崎研まで。『キロ当たり何円』でお分けします(ウソ!無料です!!)。『通信販売』承ります(ウソ!でも面白いかも)。そして自宅残業?として、ナマコの美味しい料理法を模索。1つめはノーマルに醤油とみりんと砂糖で煮込んだ。無難に美味しく完成。明日大学にもって行こう。もう一方は、趣向を変えてワイン蒸し風、、、が、イマイチ。ワインの感じが全く残らず、ぬた和えのようになってしまった。それならばと味噌とごま油と豆板醤を和えて、辛みそ風に仕立ててみた。するとこれがなかなかの逸品。お酒の肴にもってこいだ。さて、これで今回の個体はどうにかなったが、明後日の個体はどうやって料理しよう。。。
2010年12月27日 誰でも考えることは同じ?
今年も残すは後数日。今日も年内に仕上げてしまいたい仕事に集中した。
朝、久々の大雪の中をスノトレして大学へ。道すがら今日、明日の予定を考えていたら、残念ながら実験をする時間がないと判断されたため、泣く泣く年内の実験はあきらめた。そしてまずはカワヤツメ種分化論文の直しを開始。途中、急なメール対応や、締め切り間近の事務仕事などをこなしながら、どうには昼時には完成。最後の全体読み直しをやって、明日返却しよう。それにしても自宅残業で細かい点を見直していたが、結構ミスはあるものだ。
さて話は戻って、午後は講義の準備、と行きたかったのだが、これまた大切な予算消化の作業を行った。特に、TSさんのナマコ実験がそこそこ進んできたので、マイクロサテライト用のプライマーを発注した。普通ならば、まずは蛍光ラベルされていないプライマーの合成依頼を出すのだが、今回は既報と全く同じことを行う。なぜならその論文を書いた著者の協力を得ることに成功し、共同研究としてやることになったからだ。そこでほとんどの条件がわかっているので、いきなり蛍光標識プライマーを発注した。とはいえ、論文よりも効率化するために、蛍光の種類や組み合わせをあれこれ考えながらのプライマー発注だったため、結局すべてが終わった時には帰宅1時間前。だが時間をかけた甲斐あって(結果を見なければわからないが)、3回のマルチプレックスPCRと2回のRUNで、11プライマーを読むことができそうだ。ま~、それはいいのだが、蛍光プライマーって結構高い。少し前までは予算が余って「何を買おうかな~」と考えていたが、プライマー発注の結果、カツカツになってしまった。ま~、どの予算も有効に使ってきたので、善しとしよう。
そして残り1時間でようやく講義の準備を行った。まずは1月4日にある1回ものの講義なのだが、昨年も行ったし、教科書もある。ほぼ同じスライドで大丈夫だと思っていたら、、、結果的に大規模な構成・スライド変更を行うことになり、1時間でどうにか形になった。のこり2つの講義と共に明日やってしまおう。
それはそうと、当たり前なのだろうが、年内に仕事を片付けたいと思うのは私だけでは無いようだ。山口にある大学のS先生からは、私も実験を担当したフナの論文原稿が送られてきたし、レフェリー依頼も来た。そして別のところで以前協力した海産魚の論文投稿が済んだという連絡ももらった。おかげで残業用の持ち帰りファイルには、いくつもの論文原稿を詰めることになった。もっとも、すべてに年内対応することは無理なので、できる範囲でやていこう。
2010年12月28日 投稿&カツ!
年内最後の仕事日。そしておそらく、年内最後の書き込み。
今日も朝からカワヤツメ種分化論文直しに勤しんだ。そして形が定まったので、ついに、そして予定通りにJFBに返却。良い返事がもらえることを期待したい。そしてもちろん、今日の昼飯は『カツ丼』だ。ただし、コンビに弁当だが。この論文も含めて、最近投稿時にカツを食べると良い結果が得られている。だから今日も食べてみた。
そして午後はひたすら講義の準備。1月4日担当の日本海学、5日担当の生物多様性実習向け講義、そして6日の教養講義。結構使いまわしのスライドが多かったが、それでも一通りの準備は終わった。これで晴れ晴れと正月を迎えらそうだ。ちなみに明日から実家に帰省。空模様が若干気がかりだが、移動日はどうにかなることを祈ろう。
さてさて、これで今年も終わり。果たしてどんな1年だったのだろうか?結局自分が筆頭著者として投稿できた論文は2つだけ。特に上述のカワヤツメ種分化論文にはこの一年ずっと取り組んできた気がする。ま~、これがいいか悪いかといえば、仮にも今の段階までこぎつけることができたので、良いということにしよう。研究室も一時はどうなることかと思ったが、4年生もそれなりにやってはいるようだ。それと博士課程大学院生が2名加わってくれたことは大きい。
一方で、最近ちらちらと来年の計画を練っている。全体的に地に足をつけた研究を行う予定。論文の方は、たまりに溜まったネタをできる限り吐き出したい。イノシシ、イタセンパラ、そしてスナヤツメ南方種、これらDNA3本は投稿したいところだ。そしてD院生がそれぞれ最低1本を投稿してくれれば、山崎研としては十分だろう。何はともあれ、皮算用で終わらないようにしっかりやっていこう。