中山寺から奥ノ院へ向う途中に「夫婦岩」というスポットがあり、ここで休憩される方も多いようです。地理院地図で見ると一見四辻風に見えますが、現地では脇道だらけでどこで交わっているか分からない様な状況です。ここに現在の木札風の案内板があり、その一つに「売布1.6㎞→」と指示される道があり、これを地図上で案内板から260m南に下ると右手に分岐する小さな辻が有り、売布へは左側のやや広い道を進む事になります。がこれを右(西より)に細い方へ分岐し10mの金網フェンスの角に道標があります。勝手に「宝塚市売布きよしガ丘北の道標」としました。
この自然石の道標の北面に「右、かうぢ(ん)」とあり、清荒神への案内に違いないと思うが、地理院地図では途中で途切れてしまいます。これを『今昔マップ on the web』明治の地図で見ると一本道で「清澄寺、清荒神」に繋がっています。この道を探しに行ってきました。
売布きよしガ丘北の道標を南に見る
結論から先に言いますと、道は消えており到達できませんでした。が、別項「宝塚市売布きよしガ丘北の道標」の記述に誤りがある事が判明しました。お詫びして訂正します。
ではその経緯を書きます。
中山寺の西、北中山公園を出発点としました。
もし丁石を追って、0丁から出発したい方は中山寺信徒会館西からになります。詳細は「中山寺奥の院その他丁石」を参照下さい。
今日は時間を節約する為、2丁(218m)から出発と横着しました。
すぐに、北中山寺公園北の新道から来る道の合流点に建つ「中山荘園4の道標」が右手にあります。
住宅地北で西に向きを変えた道は、再び北西に向かって登ります。
この先、道標への道が少し難しい。
「売布きよしガ丘北の道標」の北20mの分岐点に着きます。辻の北部、西側に「神戸営林署」とある案内板が立ち、今下って来た夫婦岩方面を指して「・・・㎞」と肝心な部分が読めない。この道沿いから西は林野庁兵庫森林管理署神戸森林事務所、北中山国有林であるらしく、「国有林野施業実施計画図」を見ると「宝塚自然休養林」とあり、夫婦岩から今来た道上、この道標から西に荒神川迄真っすぐ下り、荒神川に沿って支流合流点を過ぎ、清澄寺の北側を南限としている。よってこの道標西側の金網(フェンス)がそれを示しているのかも知れない。
道標に変わりが無い事を確かめる為に、例の如く掃除を終え、案内文字をよく見ると、「右 かうぢ」と読んでしまった。帰って確認すると、「右 かう志゛」『たからづかの道標』昭和61年教育委員会編、としており無批判にそれに倣ってしまった様だ。変体仮名で自信はないが、「右 かうぢ」が良いと思うがそのままにしておきます。又、碑面の額部分は長方形でなく、将棋の駒型を縦に延ばした形状であった。
地理院地図には道が描かれていないが、清荒神に行ける様に思える。ただGPSの位置からは『今昔マップ on the web』明治の地図に該当しそうでないルートの為、これ以上下るのは中止し、現道標に戻る事にする。(地理院地図では砂防提辺りに出そう。)
ただし写真位置から上部には赤いテープもなく、踏み跡も無い為、登り易そうな所を強引に進みました。
登山道に出たのは道標の有った位置より50m程北辺りであった。参道前後をウロウロし谷筋への進入口らしきを探すが見つからなかった。
三度目の道標からもう一度南に下ります。広場風の地点の南西部に僅かな踏み跡らしきものが見え、木の枝を払いながら進入します。10m程はそこそこ進めますが、その後は潅木の間を屈みこみ、右へ左へと進みやすい所を選んで行ったが、ものの10m程で行けなくなってしまった。フェンス際なら進めるかとやや北に進み辿り着き、金網を味方に又10m程進んだが、ヒイラギの葉でギブアップ。一瞬イバラかと思ってしまい、先に進む意欲が無くなりました。
林野庁「宝塚自然休養林」地図、下部やや右、楔形に切れ込んだ辺りが夫婦岩。道標はその下の角か。
本日の第一目的はここで断念です。「右 かうぢ」道は「まぼろし」のままとなります。夫婦岩方面に引き返すが、直前辺りで行の十字路にショートカット出来そうな道を見つけ東に折れることにしました。直進では十字路に到達しませんでしたが、すぐ東の参道バイパスに突当り、右下(南)に10m程下りて左(東)に分岐すると旧参道の十字路にでました。行きしなにはこの道を上って来たので下るのを止め、参道バイパスに戻り、改めて下る事にします。こちらの方がやはり歩き易く、下りに使って正解でした。
旧道と合流直後に、右(西)よりに下る分岐が出てきます、先に「後で調べる」とした道です。
結果、3地点とも繋がる確認が出来ませんでした。尚、寺北西の山に向かう道からの可能性を考え、本堂北側、宝稲荷社、拝殿西側を見るも道は無かった。
ただ3地点の内①の近くの対岸(東側)中腹に何やらフェンスか手摺の様な人工構造物が有る様で、ここに行けたなら手掛かりがつかめるかもしれない。
今回も、清荒神への道は確認出来なかった。次の予定にして、今日は戻ります。
3回目の挑戦です。売布自由ガ丘、売布きよしガ丘方面からアプローチしてみました。明治の地図では道が有りませんが昭和42(1967)年改測の地図では夫婦岩から売布ガ丘に繋がっていたようです。現在の地図では繋がっていないが、住宅地より尾根筋に出る事が出来る可能性もあり入口を探しました。
市立売布北グランド辺りから調べる事にしました。グーグルストリートビューではグランド西端から北に登る大きな階段が見えます。ここからなら尾根に出られるかも知れません。阪急売布駅北の菰池からが最短であろうと思い進むが、坂がキツクその上途中分かり難い所もあり時々地図を確認しながら進み、北グランド入口から野球場のネットに沿って西に回り込みました。少年野球の練習中で階段下にはご父兄や奥様方がテーブルを囲み談笑中です。その奥の階段登り口はテニスの網の様なもので塞がれています。お母さま方に登れませんかとお聞きすると立入禁止ですとの事、無視して登ってもフェンスで外へは出られないとも言われ、他のルートが無いかお聞きすると、グランドからは多分無く住宅地内を探す方が良いのではと教えて頂き、きよしガ丘住宅地に向かう。
現行地理院地図に載る尾根筋の道への進入地点は、宝塚市売布きよしガ丘21から北に繋がっている様に描かれているので此処を目指すが北へは門扉があり個人宅内になる様で進入出来ません。
さてどうしたものか、地理院地図ではすぐ北側に道が有るはずだが、東端に戻るも北に廻りこむ事は出来ず道標迄進む事にする。道標から西に分岐する道が通れる様になった可能性に掛ける事にする。
踏み跡らしき感じのある向きに進むと、先ほど引き返したフェンスの北側に出た様で、これに並行して南西に進んでいる事が分かりました。こちらの方が本来の道の様です。尾根筋になり歩き易くなりましたがこの辺りから赤印は無くなりました。ヒイラギ地点の北側辺りで西に下り始めフェンスからは遠ざかりつつ進むと、1m程土がえぐれておりこれを越すと、やや開けた地点となります。西尾根筋に下る道が怪しくなり、踏み跡的に南に進む方が良さそうにみえます。元は三ツ辻であったのかも知れません。
12月1日、多少の成果(南西に分岐する道があるかも知れない)を得て帰宅します。