京楽が目を覚ますと、隣で寝ていたはずの浮竹の姿は無く、代わりに不思議な物体が寝そべっていた。
「あれ?浮竹は???それにこのぱんだみたいなものは一体??????」
もしかして僕寝ぼけてるのかな?などと頭を掻きながら京楽がよくよくそのぱんだ(仮)を見てみると、なんとこのぱんだ(仮)頭部に真っ白な毛が生えているではないか。
しかも『十三』と書かれた隊長羽織(のようなもの)まで着ている。
「ま、まさか・・・・・!これ、浮竹!?!?!?!?!」
あまりの事態に京楽は呆然としてしまう。
「う、嘘でしょ?どうしてこんなことに????って言うか何でこんなわけのわからない生き物に変身するのさ!
どうせ変身するならカフカみたいな文学的なものに変身してよ!それならまだ何とか対処できるのに!!!!」
あまりの出来事に京楽は最早何を口走っているのか自分でも分からなくなっている。
「浮竹、こんな姿になっちゃって・・・可哀想に」
ひょい、と竹ぱんだ(笑)を抱き上げて、京楽はじっと竹ぱんだを見詰める。
キュン・・・!
「ちょ、ちょっと可愛いかも・・・」
なんだか無表情で不気味かも、と思っていた竹ぱんだだが、これも愛しい浮竹だと思うと京楽の目には可愛らしく見えてしまうから不思議だ。
愛は盲目と言うか、あんたは浮竹だったら何でもいいのかと至極真っ当な突込みは京楽には届かない。
「触ると柔らかいし、すべすべしてるし、これはこれで結構持ち運びにも便利でいいかも」
持ち運びって何なんだ!?!?
もうこの話、どんどん訳の分からないことになっている!
「あ、そういえば昨日のお土産のおはぎがまだ残ってるんだった。ぱんだ(仮)になっても浮竹はおはぎ好きだよね?食べるかい?」
すっかりこの状況に馴染んでいるのか、何と京楽は竹ぱんだに餌を与え始めた。
流石古参の隊長と言うべきか、ちょっとやそっとのことでは動じない。
(でも恋人がぱんだ(仮)になるのはちょっとやそっと以上のことだと思うけど^^;)
「あれ?でも口はどこにあるんだろう?この黒いのは鼻だよね?」
と、そこへ大問題が発生した。
何と、竹ぱんだには口が無いのだ。
元ネタのたOぱんだも口が無かった気がするから当たり前といえば当たり前なのだが、じゃあどうやって奴らは好物のすあまを食べていたんだ?
そもそも奴らに消化器官及び内臓はあるのか?
半分に切ったらジャムか何かが出てきそうな気がするのだが^^;
と、京楽(と管理人)の疑問をよそに、竹ぱんだがゆっくりとおはぎに向かって動き出した!
そして、30分後。
(ほら、たOぱんだって動きがのろいから)
何と竹ぱんだはおはぎに乗り上げたのである!
そして、一体何が起こるのかとドキドキしながら成り行きを見守っている京楽の耳に、異様な音が聞こえてきたのである!!!!
ずずずずずずずず
「え?えぇぇ???えええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」
何と恐ろしいことに、竹ぱんだはおはぎを腹から吸収し始めたのだ!!!!!!
「そ、そんな!これじゃあ危なすぎて迂闊に抱っこできないよ!!!!!!」
一番に気にするところはそこではない気がするのだが、京楽の心配にも一理ある。
(油断したら食べ物と間違えられて吸収されかねないからね^^;)
「で、でも大丈夫さ。僕は浮竹のためならどんな危険も乗り越えてみせる!!!
僕の愛は永遠に不滅だよ!!!!」
そう言うと、京楽は思いっきりぎゅむぅぅぅぅぅぅと竹ぱんだを抱き締めると、
「浮竹、好きだよ~~!」と叫んだのであった。
******
「隊長・・・あの髭オヤジ、止めなくていいんスか?すっかりあれを隊長だと誤解してますよ?
もうそろそろいたずらだって教えた方がいいんじゃないですか?」
「・・・・・・」
「隊長?聞いてるんですか?」
「京楽・・・あんな姿の俺でも愛してくれるなんて(ぽぽぽぽぽ)」
やっぱりバカップルだよね、この二人!
(落ちてないけど終わる^^;)
16.11.09
「羊小屋」の黒木ひつじ様がMEMOにて描いて下さった「竹ぱんだ」があまりにもツボだったので思わずこんなフザケタSSまで書いてしまいました(笑)
竹ぱんだ可愛過ぎですvv