「浮竹。」
京楽の低い声が俺の名を呼ぶ。少しざらざらした広い手が、まるで壊れ物を扱うように、俺の頬をそっと包む。
伝わる温かさが気持ち良くて、俺はうっとりと目を細める。そんな俺を見つめる京楽の瞳は今にも蕩けそうなほど優しい。
「好きだよ。」
愛の言葉は、神経を焼け尽くしそうな熱をもって耳に響く。頭の奥が甘い痺れで満たされる。
こんな幸せがあるなんて知らなかった。
愛する者に愛されることがこれほど幸福なことだったなんて、初めて知った。
「俺も。」
京楽が好きだ。
好きで好きでたまらない。
好き過ぎて、泣きたくなるほどに。
「もう一度言ってくれ。」
お前の声が、お前の言葉が、俺を満たして溢れ出すまで。
「可愛い子だね。」
そう言って、京楽はぎゅうと俺を抱きしめると、今度は俺の耳に囁いた。
「好きだよ。」
なんて幸せなんだろう。
今この瞬間に世界が終わっても悔いはない。
「好きだよ、浮竹。」
好きだよ、京楽。
18.02.09
俗に言うFluffってやつです。ヤマナシイミナシオチナシを体現したようなものですね(汗)。
このシリーズの浮竹さんは結構素直だったりします。