うさぎ
「今年のイースターは随分と遅いんだなあ、四月に入ってからだなんて。ここ数年はずっと三月だったからな。」
「そう言われるとそうだね。でも浮竹、イースターなんか祝わないでしょ?キリスト教のお祭りだから僕達には関係ないじゃない。」
「クリスマスにかこつけて俺からプレゼントが欲しいと言ってた奴が何を言う。」
「あはは…それはまあいいじゃない。浮竹だってクリスマスの夜はいっぱい楽しんだでしょ。」
「(赤面)そ、そんなことはないぞ!あれはなんとなく雰囲気に流されてだな…。そもそもお前が!」
「はいはい、わかってるって。僕が浮竹のことを好きすぎるのがいけないんだよね。でも、何でイースターなんか気にするのさ。」
「あ、ああ、それはだな、何年か前に弟達にイースターの習慣を話したら、イースターエッグが欲しいとせがまれてな。それで毎年チョコレートのイースターエッグを現世で買ってくることになったんだ。」
「へええ。相変わらずいいお兄ちゃんだね、浮竹は。」
「そんなことはないさ。とにかく、今年のイースターは時期が遅いからすっかり忘れてたんだ。早くチョコレートを買ってこないと。それにウサギのきぐるみも」
「ウ、ウサギ!!??」
「どうしたんだ京楽!なんでそんな赤い顔をしていきなり倒れるんだ!?」
「(浮竹がウサギのきぐるみを着ているところを想像しちゃったんだよ~!か、かわいいだろうなぁ)なんでもないよ、気にしないで。そのウサギのきぐるみをどうするんだい?」
「今年はちょっと趣向を変えて俺じゃなくてイースターうさぎからチョコレートを渡そうと思ってな。涅隊長に作ってもらったんだ。」
「そうなんだ。で、浮竹が着るの?」
「何言ってるんだ。俺が着たらすぐ本物のイースターウサギじゃないってばれるだろう!お前が着るんだよ。」
「え!!!!!ちょ、ちょっと待ってよ、なんで僕なの?それにうさぎって!どう考えても僕はうさぎって柄じゃないでしょう!どちらかと言えば浮竹のほうがうさぎってイメージじゃない!」
「いや、お前にはうさぎがぴったりだ。ほら
The rabbit has a charming face:
Its private life is a disgrace.
I really dare not name to you
The awful things that rabbits do
(うさぎはかわいい顔をして
私生活はとんでもない
本当に君に教える勇気が無いよ
うさぎのしているひどいこと)
っていうだろう。まんまお前のことじゃないか。」
「浮竹ぇ(泣)」
浮竹さんの中の自分のイメージを知って、ちょっとショックな京楽さんでした。
* イースター(Easter)とはキリスト教の大祭日でキリストの復活(the Resurrection)を祝う祭りです。
春分3月21日以降の満月の後の最初の日曜日(満月が日曜日ならその次の日曜日)にミサを行ったりパレードをしたりします。
日付は毎年変わって、早くて3月22日、遅くて4月25日で、この日をEaster Sundayと言います。まあ、クリスマスみたいなお祭りごとですね。
でもキリスト教にとってはとても重要なお祭りです。ちなみに今年2009年のイースターは4月12日です。
* イースターに付き物なのが「イースターエッグ」。本来は彩色された卵ですが最近は卵やウサギ型のチョコレートを子供に贈ります。イースターエッグは「イースターうさぎ」が運んできたとされます。
ゴリラ
姓名動物占いをしてみたら、浮竹十四郎さんは「ゴリラ」だと診断されました。
「ゴ、ゴリラ!!!!!!!!!」
「こらこら浮竹、これはただの占いなんだから、君がゴリラみたいだって言ってるわけじゃないんだよ。そんなに気にしなさんな。」
「で、でもゴリラって!それはどう考えてもお前のほうだろう!毛深いし、浅黒いし!」
「…あのねぇ、君、何気にかなり失礼なこと言ってるんだけど。」
「(聞いちゃいねぇ)何々、ゴリラの人の特徴か。えーと『体が大きく、恐そうな外見をしているけれど、
本当は優しい心の持ち主であるゴリラ。このタイプの人は、性格の良い、穏やかな親分肌の人で
す。』か。なんだ結構良いこと書いてあるじゃないか。」
「ほらね。なんだかんだ言ってそんなに的外れでもないんじゃない?基本的性格の傾向は『男っぽい
性格の親分肌で義理人情に厚く、とても面倒見の良い人です。それはそれで信頼されるのですが、頼まれると断れない性分なため、
他人から利用されたり、親切心があだとなることもあり、異性問題等にも注意が必要です。
ただ、身内ではガラリと違って、自己中心的になる人が多いようです。
このタイプの人は、いわゆる’平均的な人‘は少なく、良いか悪いかに極端に分かれる傾向があります。
それだけに本人の努力次第で大きく人生が変わってきます。』だって。当たってるなあ。惣右介君の時も天貝君の時も、利用されたからねえ。」
「お前だって、と言うか俺たち皆利用されただろう!!!それに俺は家族に対して自己中心的な態度は
取ってない。」
「君の家族にはそうかもしれないけど、僕には結構言いたい放題やりたい放題じゃない?」
「俺がお前に優しくしてどうするんだ。それに京楽の前でわがままを言えなかったらいつ言えるん
だよ。」
「(やっぱり良いか悪いか極端に分かれてる~(泣)っていうかどうして僕にばっかり辛くあたるの?)」
「俺の中年期の性格は、っと…ふむふむ『物事を大局的にとらえることが出来るので、人望を得て順
調に発展します。穏やかなリーダータイプで面倒見が良く信頼されますが、頑固でわがままな一面も
あるので自重しましょう(まあ、自重はしてるよな。京楽意外にはわがままなんて言わないし)。真面
目で気配りも出来るので、ピンチになっても年輩者の助力を得ることが出来ます。』か。うん、当たっ
てる!もっとも俺達より年配なんて山本先生と卯之花隊長ぐらいしかいないけどな。」
「よっぽどのことが無い限り卯之花隊長の助力は仰がないけどね。後が怖いし、借りを作りたくないタ
イプだよね。えーとそれから若年期の性格は『強い性格で頑固、負けず嫌いなために、なかなか他人に理解されにくく、
それまで順調であっても、対人関係でのトラブルを生じ、信用を失ってしまいます』かぁ。
院生の頃の浮竹は確かにそんなところがあったけど、それって僕に対してだけじゃなかった?
ここにも『外に良く、内に悪い傾向があり、特に家庭内のトラブルを生じやすい人です』って書いてあるけど、内って僕のことだよね?
浮竹って内弁慶なの?それともやっぱり僕のことなんてどーでもいいの!?」
「こら!泣き付くな!あのなぁ、京楽。俺がお前に対してだけ態度が違うのは、お前になら俺の全てを
曝け出してもいいと思ってるからなんだ。お前のことを信頼してるから、少しわがままになってしまう
んだ。」
「う、浮竹(うるうる)」
「(こんな手に引っかかってくれるなんて、やっぱり京楽を丸め込むのは簡単だな)」(←対外的な性格
に『かけひき上手、世渡り上手の知略家ですが、向上心が際限なく、常に不平不満が絶えず、
暴走してことを仕損じる結果になります。』とあるけど、京楽に対してだけは大丈夫なようですね。By作者)
「晩年期は『表面は穏やかでのんびりしているように見えても、知力・行動力に優れ、その上強い意
志を持っているので、困難に遭っても打ち勝ちます。誠実で心優しい人柄なため人望もあります。
ただ、タイミングを見極めるのが苦手で、チャンスを逃すこともあるので気を付けましょう。』だって。
概ね当たってるよね。タイミング云々ってのは浮竹の体調のせいであって浮竹のせいじゃないからね。」
「(じーん)あ、ありがとう、京楽。」
「どういたしまして、僕のゴリラさんvvv」
「…やっぱりゴリラは嫌だーーー!!!!」
ぶた
姓名動物占いをしてみたら、京楽春水さんは「ブタ」だと診断されました。
『ブタの人の特徴:いのししを改良して、食用に創られた動物のブタ。このタイプの人は、人のために尽くすのだけど、報われることの少ない損な人です。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうして泣いてるんだ、京楽?」
「いや、だって、ブタって利用されるためだけに生まれてきたような文章じゃない?僕、もう切ないやら、可哀想やらで。」
「まあ確かにちょっと凄い説明だよな。でもお前には当てはまらないじゃないか。仕事は全部伊勢君に押し付けてるし、それにお前が人に尽くすところなんて見たこと無いぞ。」
「(やっぱり僕って報われない(泣)こんなに浮竹に尽くしてるのに肝心の相手は尽くされてることにすら気付いてない!!)」
「しかしこれ当たってないなあ。基本的性格が『一見すると穏やかで冷静のように見えますが、
内面は感情の起伏が激しく、せっかちで気難しいと思われがちな人です。
向上心があり、頑張ろうとはするのですが、欲に執着しすぎてしまい、中途半端になってしまうことが多いようです。
不満から反逆精神に火が付くと、暴走してしまうことさえあります。能力はあるのですから、それを見極めて、忍耐強く、行動するようにしましょう。』だぞ。
お前に向上心があるとはとても思えないし、欲も性欲くらいしかないだろう?」
「そんな人を変態みたいに言わないでよ。(浮竹がそんなだから時々鬼畜みたいなことしたくなるんだ
よね。)まあ、向上心がないのは認めるけどさ。中年期の性格は『金銭感覚に優れており、お金を貯
めるのが上手いので、事業家等に向いています。温和でおっとりしているように見えますが、芯はし
っかりしており、思いやりもあって親しみやすい社交的な人です。あまりに裕福すぎて、他人からねた
まれないように配慮しましょう。』だってさ。」
「まあ確かに芯はしっかりしてるし思いやりもあるよな。それにお前が金持ちなのは生まれつきだから
今更ねたむ奴もいないだろうし。しかしこの若年期の『弁舌さわやかで、頭の回転も鋭く、客商売などで優れた才能を発揮できます。
また学術・技芸的なセンスも持っています』っていうのはお前そのものだな。
『やや感情的なところはありますが、小さなことにクヨクヨせず、周囲から親しまれて人気を集めるでしょう。』はちょっと分からないが。」
「それはどっちかっていうと浮竹に当て嵌まるよね。でもこの対外的性格の『実力以上のことに手を出
しては失敗する誇大妄想的なところがあります。不相応な大望を抱いても、中途挫折を繰り返すので、冷静になって自己を見つめ堅実な努力をしたほうが良いでしょう。』っていうのはねぇ。
っていうかもうブタとか関係なくないこれ?あ、でも『対人面では小心のうえに、気持ちを表すことが苦手なため、孤独になりがちです。』っていうのはあってるよ。
僕シャイだから、なかなか人に心を開けないんだ。」
「単に面倒臭がりなだけだろう?シャイな奴がそんな派手な格好するか?あーでもなんだかんだ言っ
て『義理人情に厚く、困っている人を見ると放ってはおけず』ってのはお前らしいよな。普段はいいかげんなふりしてるけど、本当は誰よりも優しいもんな、京楽は。」
「(う、浮竹に褒められた!やっぱり浮竹はちゃんと僕のことを好きなんだね!!!!!!!)ありがとう、浮竹!」
「あ、なんだか酢豚が食べたくなってきた。作ってくれよ、京楽。」
「!!!!!!!!!」
うま
京楽さんのテーマ「Por una cabeza」は競馬狂の男が、賭け事にどうしようもなく引かれてしまうことを女に惹かれるのに喩えた歌です。
「・・・やっぱりお前の女好きは病気だったんだな。この曲の男は明らかにギャンブル依存症だ。お前は賭け事をしないから、つまりお前は女性、あるいはセックス依存症だってことだな。」
「ひ、ひどいよ浮竹~!」
「仕方ないだろう。久保先生がお前のイメージはこんな感じだって言ってるんだから。」
「確かに僕は女好きだって設定だけどさぁ。依存症だなんてひどいよぉ。僕はただ可愛い女の子を見るとつい声をかけたくなるだけなんだって。」
「だから自分で自分を制御できないんだろう?それが依存症だって言ってるんだ。依存症の治療の第一歩は自分が依存症だってことを認めるところから始まるんだぞ。」
「はいはい。依存症の人は人生における困難や辛苦、精神的身体的苦痛から逃れるためにアルコールや薬物などに依存するんでしょ。依存によって問題をすり替えてるんだよね。」
「なんだよく知ってるじゃないか。」
「そりゃあね。若い頃は確かに軽度のセックス依存症だったからね。」
「なんだ認めるのか?」
「まあね。若い頃はとにかく快楽だけ求めて放蕩三昧だったし、将来のことなんてどうでもよかったからね。本当堕落していたよ、あの頃は。でもさ、ある日気付いたんだよね。自分が恋だと思っていたもの は全部偽物だったんだって。僕が本当に欲しいものはセックスじゃない、僕が耽っていたようなセックスからは何も得られないんだ、って。だから本当に好きな人に振り向いてもらえるためには自分を変えなきゃいけないって思ったんだよね。まあでも今も癖で確かに女の子に声をかけることはあるけど絶対に手は出さないよ。僕がセックスをするのは本当に心の底から好きな子とだけだから。」
「京楽・・・」
「だから浮竹は僕の大事な大事な治療薬なんだよ。僕の健康のためにも見捨てないでね。」
「・・・そうか、責任重大だな。でも俺で出来ることならなんでもするよ。」
「じゃあ早速」
「だからっていきなりさかってるんじゃない!!!!!!!」
ばきぃ、という豪快な音ともに吹っ飛んだ京楽の顔はそれでも幸福そのものだったそうな。
30.04.09
2009年3―4月分の拍手お礼文でした。
書いているときは気が付かなかったのですがどれも京楽さんが可哀想なお話になってますね^^;
動物がテーマということでもっといろいろ意外な動物に挑戦してみたかったのですが、無理でした。
誰か「かものはし」がテーマで京浮書いてくれないかな・・・