思わず目を瞠った。
一瞬息をするのを忘れてしまった。
ああ、本当に僕の恋は重症だ。
毎日顔を見ているのに、気の遠くなるほどの長い年月を共に過ごしてきたというのに。
日の光を浴びて眩しいほどに輝く真っ白な髪を、そっと耳に掛ける、ただそれだけの仕草なのに。
君のその磁器のような細い指。
ちらりと見えた項。
柔らかい笑みを湛えた桜色の唇。
もう、何度も見てきたはずなのに。
「どうしたんだ、春水?」
君があまりにも美しいから、思わず見惚れていたんだって言ったら、君はなんと答えるだろう。
照れて、頬を紅く染めるのだろうか。それとも、何を今更と言って、笑うのだろうか。
「なんでもないよ。」
君の姿は、常に新鮮な美しさを持って、僕の心に焼き付けられるから。
僕は何度でも君に恋をする。
07.02.09
京楽さんが乙女だ。
「常に新鮮な美しさ」というのはベニジウムの花言葉だそうです。