齋藤伊吹さん
齋藤伊吹さん
齋藤伊吹さん
◆2024年卒業
◆株式会社ソラシドエア 在籍
Q1:現在従事されているお仕事について、具体的に教えてください。
『九州・沖縄の翼』として主に羽田と九州・沖縄を結ぶ航空会社「ソラシドエア」にて、運航支援者として運航管理補助業務を担当しています。
具体的には、運航管理者が作成した「フライトプラン」や航空情報の確認、気象情報の提供、重量・バランスの管理などが主な業務です。
特に、航空機の航行には気象情報が密接に関係しており、揺れの少ない高度や航行に支障をきたす雲(雨雲・雷雲など)の予測・解析を通じて、運航乗務員に情報を提供し、安全運航を支えています。
現在は、飛行ルートや高度、燃料量などを決定する「フライトプラン」の作成を担う運航管理者の国家資格取得を目指して日々研鑽を積んでいます。
Q2:現在お勤めされている会社や業界に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
大学2年生までは、航空業界を志すとは思ってもいませんでした。
東洋大学に入学し、多様なゼミの中から「航空経営ゼミ」「鉄道経営ゼミ」「歴史観光ゼミ」で迷いましたが、当時もっとも知識のなかった航空分野を勉強してみたいという思いから、「航空経営ゼミ」である野村尚司ゼミを選びました。
ゼミでの学びを通じて、多くの人々が関わる巨大な装置産業としての航空業界や、法律など厳しい制約の中で経営を行う航空会社の面白さに魅了され、志望するようになりました。
また私自身乗り物好きということもあり、いつか航空機の運航に直接関わる仕事がしたいという思いから、航空会社本体への就職を目指しました。
「ソラシドエア」は、数ある航空会社の中でも「九州・沖縄の翼」として地域貢献を掲げている点に強く惹かれ、国際観光学部で学んだ知識を活かせると考え、志望しました。
Q3: 現在のお仕事に活かされている「国際観光学部での学び」について教えてください。
現在は気象情報や航空機航行に関する知識を日々学びながら、オペレーション業務に従事しております。そのため、国際観光学部で学んだ内容が直接的に活かされる場面は限られているものの、航空経営ゼミでの学びを通じて、航空会社における各部門の役割や使命を体系的に理解できたことは、日々の業務において大きな支えとなっています。
オペレーション部門は、企画やマーケティング部門など多くの部署が連携し、綿密に計画されたフライトを、安全かつ円滑に実現する最終工程を担っています。各部門の努力が集約された1便1便を、安全に目的地までお届けする責任を感じながら、業務に取り組んでおります。
また東洋大学国際観光学部では、観光に関連する多様な分野に加え、他学部の授業も履修できる柔軟な学びの環境が整っており、学際的な視点を養うことが可能です。
私自身、学生時代には想像していなかった分野である「気象」「航空工学」などの専門知識を、社会人になってから必要に迫られて学ぶことになりました。こうした経験を経て、在学中から分野を限定せず、広い視野を持って多角的に学ぶことの大切さを実感しています。
将来の進路が明確でない段階であっても、興味を持ったことには積極的に触れてみることで、思いがけない形で自身のキャリアに活かされることがあります。ぜひ学部や専門にとらわれず、柔軟な姿勢で学びを深めていただきたいと思います。
Q4: 学生時代に力を入れたことの中でとくに、やって良かった!と思うことは何でしょうか?
机上で学習するだけでなく、実際に観光地に赴き、五感を通じて「観光」することです。
机上で観光について学ぶことには意義があります。観光客をより多く誘致し、楽しませるための論理や手段を理解することは、将来観光を提供する立場を担うには必要な視点です。しかし実際に「観光客」として現地を訪れ、被提供者側の目線を体感することもまた非常に重要だと思います。
また旅先で得た歴史的・文化的知識や感覚は、机上で得た知識以上に強く記憶に残ります。例えば、冬に新幹線で移動中、「関ヶ原付近、積雪のため徐行運転をしております」というアナウンスを聞き、東海地方も雪が結構降るのだなと感じたことがありました。
その後、仕事で気象について学ぶ中で、冬型の気圧配置の際に北西の風が若狭湾から関ヶ原を越えて名古屋、常滑(中部国際空港周辺)まで雪雲を運ぶことを知り、この経験と知識が結びつきました。
このように、旅を通して得た感覚や知識は、他の分野ともつながり、深い理解を生むことがあります。ぜひ、大学生の4年間で積極的に観光地へ足を運び、実体験を通じて学びを深めてください。
Q5 : 国際観光学部の在学生、受験生に向けて、メッセージをお願いします。
受験生も在学生も意志をもって観光を学ぼうと入学し特定の業界を目指す方もいれば、まだ自分の志望する進路が見えていない方、たまたまご縁があってこの学部に入学した方もいらっしゃるかと思います。
私も入学時点では自分の進路について明確には考えていませんでした。しかし東洋大学国際観光学部で様々な分野を学び、航空経営ゼミに入ゼミしたことで航空業界を目指し、結果的に航空会社のオペレーションに携わることができています。
「志を立てるのに遅すぎるということは無い」という格言があります。私も周りの人間に比べれば、志を立てるのは遅かったように感じますが、現在は運航管理者を目指すという目標ができ、日々邁進できていると感じます。
現在進路に悩まれている方も焦らず、東洋大学国際観光学部で観光に関わる様々な分野を学びながら、新しい進路を切り開いてみませんか。
東洋大学国際観光学部で様々な分野を学ぶ中で、航空業界、ひいては「ソラシドエア」にも興味をお持ちいただけますと幸いです。
「ソラシドエア」で皆様をお待ちしております。