中川 茜さん(2015年卒業)
中川 茜さん(2015年卒業)
中川 茜さん(2015年卒業)
証券会社 在籍 (2021年9月時点)
新卒で証券会社に入社し、以来6年程勤務しています。入社して最初の2年間は個人のお客様への株式や社債等の金融商品を提案するコンサルティング業務、そしてその後は社債の引受業務に従事していました。社債の引受では、買収や設備投資、資金の借り換えなど企業の様々な資金ニーズがある中、マーケット環境に応じて通貨(円/ドル/ユーロ)や社債の年限(満期年数)の推奨、資金調達に係るコストの見通しなどを提案させて頂いていました。私のこれまでのキャリアを旅行会社に例えるならば、最初に店舗で様々な旅行商品の販売を経験し、その後旅行商品を作る側(=社債/証券の発行)にキャリアをシフトした格好です。そして現在は新たな目標に向かって、MBAを取得するためにニューヨークに留学しています。金融業務に携わる中で経営や経済を始めとしたビジネスの基礎を一から学び直したいと考えていたこと、また入社当時から将来的には海外で働きたいと考えていたため、今回その希望が叶った形と言えます。
国際観光学科で学ぶ過程においては、物事を網羅的に捉え分析する訓練ができたように思います。一口に観光と言っても宿泊施設や交通機関、海外情勢に為替、観光地の環境問題、はたまた旅行業法などの法律等、様々な要素が深く関連していること、ビジネスというのはこんなにも広がりがあるのだと学ぶことができました。金融に当てはめると、銀行だけではなく、証券会社や保険会社、年金基金やファンドなど、1つの金融という業界の中で各々がそれぞれの目的と役割を持ってマーケットに参加しているという構図、高い視点や様々な角度から考察することができるようになったように思います。
また、旅行商品の企画は金融におけるマーケットの分析・資金調達の提案と思考プロセスが重なるようにも思います。所属していたゼミでハワイを題材に新たなマーケットを開拓する商品を考え実際に旅行会社へ提案するという機会がありました。ハワイという日本人に対して最も成功したマーケットについて成功要因を細分化し、他国の成功例と照らし合わせて企画の糸口を探ったり、統計データを元に仮説を立てたりしながら新しい商品を企画し提案しました。金融でも、例えば日経平均株価の上昇に対し、金利や為替、海外の株価や様々なニュースを見ながら何がマーケットの変動要因となっているのかを考えます。過去のマーケットの推移と照らし合わせて今後の動向について仮説を立て日々マーケットを見る中で検証したり、それらを元に資金調達案について提案資料を作成したりもします。一見観光と金融は大きく離れているように見えるのですが、アンテナを張って多種多様な情報を取得し、ロジックを組み立て企画・提案していくプロセスにおいては近い部分があるように思っています。これら物事の考え方の基礎は全て在学中に教えて頂いたと思い、感謝しています。