卒業生インタビュー企画:観光業界、観光業界以外で働く卒業生の紹介


国際観光学科では、毎年多くの卒業生が巣立っていき、社会で活躍しています。就職率も例年99%前後で、東洋大学内でも最も高くなっています。

国際観光学科の学びの多様性は、観光業界のみならず、他業種にも多くの卒業生を送り出し、それぞれ活躍の場を広げる結果になっています。

今回、さまざまな年代・業種の卒業生にインタビューを行い、生の声を集めました。

既に当学科で学んでいる在校生、またこれから受験を考えている高校生は、ぜひ参考にしてください。

更新年度                 氏名(卒業年)                   在籍団体 (取材当時)

 2022年度                 石原 佑哉さん(2013年卒業)                   株式会社船井総合研究所 士業支援部

                    小野﨑 廉さん(2013年学部卒、2015年大学院卒)       株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント
                                                   ※ホテル日航関西空港 出向中

                    野﨑 彩佳さん(2016年卒業)                 ANAあきんど株式会社
                                                 ※ANA Sales Americas ホノルル支店 出向中

                    李 佳宝さん(2022年卒業)                   芙蓉総合リース株式会社

                    渡辺 美希さん(2014年卒業)                  小田急箱根ホールディングス株式会社
                                                    ※箱根DMO(一般財団法人 箱根町観光協会) 出向中

※卒業生の名前をクリックすると個別のインタビュー記事に繋がります



2021年度                  渡邉 仁美さん (2019年卒業)                 一般社団法人日本能率協会

                    野村 森 さん(2016年卒業)                  日本航空株式会社 大分支店

                    松本 洋明さん(2009年卒業)                株式会社ホテルオークラ東京

                    興津 良太さん(2018年卒業)                神奈川県 横須賀市役所 北下浦行政センター

                    中川 茜さん(2015年卒業)                  証券会社

                    塚脇 七海さん(2016年卒業)                 公益社団法人日本観光振興協会

                    阿部 美月さん(2020年卒業)                 サントリー食品インターナショナル株式会社

                    鍋田 貴久さん(2008年卒業)                 株式会社 良品計画

                    多田 龍さん(2021年卒業)                  株式会社NTTデータ

渡邉 仁美さん (2019年卒業)

一般社団法人日本能率協会 在籍(2021年9月時点)

 

私は現在、一般社団法人日本能率協会で産業振興センターというところに配属されて、展示会の主催等をしています。私が担当しているのは、FOODEX JAPANという国際食品・飲料展で、国内と海外(アジア地域)の出展営業をする仕事をしております。具体的には、海外営業は大使館や政府機関に訪問したり、国内は海外に販路開拓を目指す食品事業者などに展示会への出展営業をします。自国の食品や食文化をアピールする場やインポーター(輸入業者)やエクスポーター(輸出業者)を見つけるといった、商談の機会を提供しています。自分の仕事を通じて、国内外のデパートやスーパーで出展企業様の商品が置かれるようにビジネスマッチングをできることが今の仕事の目標です。

こうした仕事に興味を持ったきっかけは、国際観光学科でMICE (Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition)に関する授業があり、それを受講していて、観光業は一般的な旅行会社やOTA(オンラインの旅行会社)だけでなく、展示会やコンベンションも観光業の一部だと知ったことでした。

その上で、私は大学が提携しているワシントンセンターインターンシップに参加する資格を得て、アメリカに4ヶ月滞在していました。その期間中に“US Japan Council”という、日本とアメリカの選抜されたリーダー達が、お互いの国の将来について議論をするカンファレンスにボランティアとして参加しました。その場で、日本とアメリカのプロフェッショナルな方々が、意見交換やネットワーキングをしているのを見て、「日本と世界の人をつなぐ場所をつくりたい」と思うようになり、MICEと関連業種に興味を持ちました。もともと海外には興味があり、海外で働きたいという思いもあったので、大学の時にはTOEICの勉強にも力を入れ、最終的に880点くらいまでスコアを上げました。ゼミも英語で実施するゼミに入って、授業も英語を使うものを見つけて取っていました。また、東洋グローバルダイヤモンドで実施されているプログラムも、積極的に参加して、海外の留学生をスタディツアーに連れて行くことなどもしていました。

大学に入るまでは、観光=旅行会社、という風に思っていたのですが、さまざまな授業を通して、観光業界は裾野が広い分野だということがわかりました。また、授業の中で、先のMICEもそうですが、観光経営やマネジメント論、といった内容のものもあったので、仕事に直接役立つようなカリキュラムがあったことは、今も活かせています。先生方が、実務経験者の方も多く、実際に業界で働いていた人の生の見解が聞けることは貴重な経験でした。他にこの学科に入って良かったと思ったのは、インターンシップとか、実際に企業での働く体験が出来るプログラムがあったことです。私は、スリランカのホテルインターンシップにも1ヶ月ほど行きました。

国際観光学科が提供している様々なプログラムを自分で情報を集めて利用することで、積極的に、自分自身で考え行動する力が培われたと思います。また、この学科に入ってくる人達は、目標がすごくしっかりしていて、私も良い影響を受けました。

野村 森 さん(2016年卒業)
日本航空株式会社 大分支店 在籍(2021年9月時点)


私は大分県内にある日本航空大分支店で働いております、野村と申します。まずはJALグループについてご紹介をさせていただきます。JALは航空運輸業として、国内線では61空港・132路線を運航しております。また国際線については、63か国・79路線を運航しております(※2021年3月時点)。職種としては、皆さんが想像するパイロットや客室乗務員、また空港のスタッフだけではなく、私のような営業職や航空券の予約窓口、旅行商品の販売などの仕事もございます。

私は2016年に東洋大学を卒業いたしました。在学中は観光の商品企画などを勉強していました。その後、JALグループの中で営業・販売を担う、株式会社ジャルセールスに入社し、最初の配属は株式会社JALナビアというJALのコンタクトセンターとして航空券のご予約をいただくお客さまの電話窓口になる部門に出向し、国際線の予約業務に従事しておりました。その後、国際線の予約業務の知識を得た後、大阪に転勤となり、旅行会社様と商品を企画し、JALの座席を利用していただけるよう座席販売から旅行商品企画までの仕事を2年間担当いたしました。そして2020年4月から日本航空 大分支店に異動となりました。現在の業務は、旅行会社様との商品造成に加え、大分県内の企業様の出張などでJALをご利用いただくためのセールス活動、また、JALが注力している地域活性化の取り組みに携わっています。JALとタイアップすることでの地域振興を目指し、自治体様へのセールス活動も行っております。

学生時代に学んだことで今の業務に役立っていることとして、まずは旅行業務取扱管理者の資格を大学1年生で国内、2年生で総合、という段階を踏んで一つずつ国家資格を取得したということがあります。卒業する際の自信となりました。また、ゼミ活動で旅行企画やプレゼンテーションを体験させていただいたことは、現在のコンサルセールスという仕事において、企画立案からプレゼンテーションでどう相手に思いを伝え、一緒に仕事をしたいと思ってもらえるか、という部分で、日々生かされていると感じております。私は営業職のため、取引先の業務について理解をする必要があります。特に航空会社は旅行会社様とのお付き合いが欠かせません。大学で学んだ旅行企画の知識をベースとして旅行業務取扱管理者を取得でき、仕事に生かすことができているので、他の同期より秀でた点になっているかと思います。大学で学んだ知識基盤があると仕事をしていく上で馬力になりますので、学生にはそういった経験を積み、社会人というステップを踏んでいただけたらと思います。

私は学生時代から座右の銘として「挑戦しないことがリスク」という言葉をとても大切にし、果敢になんでも挑戦してきました。留学や海外ボランティア、ワーキングホリデーとして実際に現地で旅行会社のガイドとして働くなど、積極的にさまざまなことに取り組みました。それらの経験を通して、異文化を知ることもできましたし、海外との接点という部分が今のバイタリティーのベースになっています。まさしくそれは東洋大学の環境があったからこそできたことあり、仕事をする上で大きな自信につながっています。

松本 洋明さん(2009年卒業)
株式会社ホテルオークラ東京 在籍(2021年9月時点)

 

私は、㈱ホテルオークラ東京という東京都港区にある会社に所属しております。グループ全体では海外も含め80近いホテルを運営しているのですが、その中のホテルの一つの「The Okura Tokyo」というところに勤めています。以前はホテルオークラ東京という社名と同じ名前のホテルでしたが、2019年にThe Okura Tokyoとして、リブランドに近い形で新しいホテルとして開業しました。グループのフラッグシップホテルとしてラグジュアリー層をターゲットに舵を切った形になっています。

私は、入社してから現在13年目になります。入社した当初は宴会場でサービスをする仕事をしていました。そこからウェディングに移り、イベント関係の仕事を主に行う企画課に移り、さらに広報課に移って今に至っております。私が勤めているホテルは宿泊特化型ではなくいわゆるグランドホテルというタイプで、レストランも自社で運営しています。ホテル内には5つのレストランと3つのバーがあるほか、フィットネスやスパ、大小含めて宴会場も19個あります。このように幅広い施設、セクションがあるので、単にフロント業務を担当するというだけではない、いろいろなセクションに異動することがあり得る会社です。

大学入試の際にこの学科を受験しようと思ったのは、その時からホテルに就職したいと思っていたからなので、在学中は一貫して、ホテルでアルバイトをしたり、意識的にホテルの勉強をすることに取り組んだりしました。授業では、ホスピタリティと名のつくものはすべて履修し、それに付随したフード関係の授業やレストランについての授業、さらにそれらに関連するものを履修するようにしていました。また、図書館でホテルにちなんだ書籍をたくさん借りて読んだりしておりました。そのころ読んだ本の知識が、今の仕事に役立っていると感じています。

在学中に学んだ、ホスピタリティ系の授業やホテル経営論などは、今携わっている仕事にはかなり直結しているとも感じています。現在の広報の業務の中でも、ホテルが今どういった立ち位置であるべきか、経営の観点からどういう風に見ればいいのかなど大学で勉強したことが土台・きっかけとなり、社内にプレゼンテーションすることもあります。他にも、資格を取る中で宿泊約款について勉強することもありましたが、ホテルの中の運営内容が変わった関係で約款を改訂していかないといけないですね、と言及するような機会があった際に懐かしく感じました。少しでもそのことに触れたことあるかないかで、そのハードルが変わってくるかなと思います。大学では選択できるカリキュラム、科目がたくさんある為、幅広い分野を学習出来ます。それが専門学校と大学の違いなのかなとも思います。この学科でホスピタリティ分野に関する多くのことに触れられたことは、卒業して10年以上経った今も大事な経験になっていると感じています。

興津 良太さん(2018年卒業)
神奈川県 横須賀市役所 北下浦行政センター在籍(2021年9月時点)

 

私は現在、地方公務員として横須賀市役所に勤めています。業務内容は、管轄地区の町内会の管理、観光協会の事務局、あるいは社会福祉協議会や民生委員、児童委員協議会など、外郭団体の事務局機能などがあります。

今の職業を選んだきっかけは、昨今ではSDGsをよく耳にしますが、学部の中で、サステナブルツーリズムやエコツーリズムなどの授業でそうしたことを勉強していたことです。2年生の時にゼミ活動の一環で発展途上国への研修旅行に参加したのですが、現地で出会った地域住民の方が「自分の生まれ育った土地に感謝している、その土地のために自分の力を還元して守っていきたい」とおっしゃっていたことが忘れられず、「自分の土地を守るという持続可能な形があるんだな」と、まさに授業で学んだことを実感した瞬間がありました。

その時から、自分の生まれ育った地元の人や土地など、そういうことに自分も貢献したいと思い始め、帰国してから引率してくださった先生にその思いを伝えたところ、「公務員なんていいのでは?」との一言をいただきました。そこから公務員を目指そうと思い、3年生の春から公務員試験の勉強を始めました。今でも、この途上国への研修旅行が自分の仕事の原点だとよく思い出します。

国際観光学科で学んだことが、現在の仕事にどのように役立っているかというと、何をするにしても観光と関連しているな、と感じることが今の仕事で多々あることです。観光学を勉強する前は、旅行に行くことが観光だな、くらいに感じていたのですが、学科で学んでいくうちに、観光地を守っていく保全活動だったり、経済的な側面から地域を活性化することだったり、あるいは人を輸送する飛行機や電車だったり、お客様を笑顔にして帰っていただくホスピタリティだったり、と多くのことが観光に繋がっている、と感じ、観光という概念が変わったことはすごく良かったです。観光的側面、つまり多方面から物事を捉えることができるようになり、仕事でも1つのタスクに様々な観点から取り組めています。

地元の話ですが、高齢化と人口減少がすごく進んでいる横須賀市で、それでも住み良い街をつくるために何をしたらいいか、と考えることが多々あります。何をしたら住んでいる方々を満足させられるか、訪れる方々にどうしたらこの土地を魅力に思ってもらえるか、そういったことを考えながら仕事をしている時にも、大学での4年間の学びは役立っています。例えば、社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会の仕事は、専ら福祉のことと捉えがちですが、ホスピタリティで勉強していたことが案外役に立っていて、社会福祉の対象の方々に、どのように要望に寄り添い満足いただけるサービスを提供できるのか、などと考えることができます。

それから、勉強とは関係ない話ですが、国際観光学科で、本当にいい仲間がたくさん出来たことは、かけがえのない宝となっています。やはり旅行が好きだったり、流行に敏感だったりなど、自分と同じ価値観や趣味をもった仲間がたくさん出来たので、今でもその仲間と遊びに行ったりして、こうした仲間は一番の財産になっています。 


中川 茜さん(2015年卒業)
証券会社 在籍 (2021年9月時点)

 

新卒で証券会社に入社し、以来6年程勤務しています。入社して最初の2年間は個人のお客様への株式や社債等の金融商品を提案するコンサルティング業務、そしてその後は社債の引受業務に従事していました。社債の引受では、買収や設備投資、資金の借り換えなど企業の様々な資金ニーズがある中、マーケット環境に応じて通貨(円/ドル/ユーロ)や社債の年限(満期年数)の推奨、資金調達に係るコストの見通しなどを提案させて頂いていました。私のこれまでのキャリアを旅行会社に例えるならば、最初に店舗で様々な旅行商品の販売を経験し、その後旅行商品を作る側(=社債/証券の発行)にキャリアをシフトした格好です。そして現在は新たな目標に向かって、MBAを取得するためにニューヨークに留学しています。金融業務に携わる中で経営や経済を始めとしたビジネスの基礎を一から学び直したいと考えていたこと、また入社当時から将来的には海外で働きたいと考えていたため、今回その希望が叶った形と言えます。

国際観光学科で学ぶ過程においては、物事を網羅的に捉え分析する訓練ができたように思います。一口に観光と言っても宿泊施設や交通機関、海外情勢に為替、観光地の環境問題、はたまた旅行業法などの法律等、様々な要素が深く関連していること、ビジネスというのはこんなにも広がりがあるのだと学ぶことができました。金融に当てはめると、銀行だけではなく、証券会社や保険会社、年金基金やファンドなど、1つの金融という業界の中で各々がそれぞれの目的と役割を持ってマーケットに参加しているという構図、高い視点や様々な角度から考察することができるようになったように思います。

また、旅行商品の企画は金融におけるマーケットの分析・資金調達の提案と思考プロセスが重なるようにも思います。所属していたゼミでハワイを題材に新たなマーケットを開拓する商品を考え実際に旅行会社へ提案するという機会がありました。ハワイという日本人に対して最も成功したマーケットについて成功要因を細分化し、他国の成功例と照らし合わせて企画の糸口を探ったり、統計データを元に仮説を立てたりしながら新しい商品を企画し提案しました。金融でも、例えば日経平均株価の上昇に対し、金利や為替、海外の株価や様々なニュースを見ながら何がマーケットの変動要因となっているのかを考えます。過去のマーケットの推移と照らし合わせて今後の動向について仮説を立て日々マーケットを見る中で検証したり、それらを元に資金調達案について提案資料を作成したりもします。一見観光と金融は大きく離れているように見えるのですが、アンテナを張って多種多様な情報を取得し、ロジックを組み立て企画・提案していくプロセスにおいては近い部分があるように思っています。これら物事の考え方の基礎は全て在学中に教えて頂いたと思い、感謝しています。

塚脇 七海さん(2016年卒業)
公益社団法人日本観光振興協会 在籍(2021年9月時点)

 

私は現在、公益社団法人日本観光振興協会に在籍しています。日本観光振興協会は、観光振興に関する中枢機関(ナショナルセンター)として、国内観光の振興を総合的に図るため各種事業を行い、観光立国の実現、地域経済及び観光産業の発展、国民の生活及び文化の向上に寄与するとともに、国際親善に資することを目的としています。

現在は、地域のブランド価値を創造・創出する部署に所属し、「日本酒蔵ツーリズム推進協議会」の事務局を担当しております。日本酒蔵ツーリズム推進協議会では「酒蔵」をひとつの観光コンテンツとして活用し、域内の周遊を促すことでその地域での消費拡大を目指しています。また、公共交通機関を活用して日本遺産・文化財を周遊する事業も担当しています。この事業は文化財の保護から保護と活用を両立させることで、新たな観光資源のひとつとして生み出し、さらにそれぞれの資源をストーリーでつなぎ公共交通機関で域内周遊を促すことで、地域全体の活性化につなげる取り組みです。地域の方々と一緒になって作り上げていく過程にやりがいを感じています。

入学した当時、観光業界の就職先は「旅行会社や航空会社」というイメージを持っていました。1年生の時に観光学について幅広く学ぶ中で、そのような企業だけでなく、観光客を受け入れる側の地域も観光業界の就職先のひとつであることを学び、興味を持ちました。2年生以降は特に「まちづくり」や「地域振興」に興味を持ち、授業を受けました。これらの授業をきっかけに、自分から一歩踏み出し「まちづくり」や「地域振興」に関係するさまざまな活動にも参加し、さらに学びを深めました。

国際観光学科で学んだこと・授業内容は、今の私の土台となっていると考えています。その中でも、特に印象に残っている授業が2つあります。

1つ目は、「観光立国推進基本法」について学ぶ授業です。その授業では、法律に関連する資料や観光庁から発表された資料から、日本の観光に関する法律や観光産業の成り立ち等を学びました。今の仕事では、各省庁が出す資料を目にする機会が多く、当時の基礎知識が今に活かされていると感じています。

2つ目は、「観光統計学」と「観光調査予測理論」です。統計や調査の基礎を学んだ上で、自分でテーマを設定し、計画、調査、分析、報告・発表を行いました。授業で学んだ内容が今の仕事でも活かされており、大学時代に学べて良かったと思っています。

社会人になり、観光学部の先生方・先輩方とご一緒する機会が多くあります。国際観光学科の卒業生として恥じないよう、これからも業務に取り組んでいきたいです。


阿部 美月さん(2020年卒業)
サントリー食品インターナショナル株式会社 在籍(2021年9月時点)

 

私はサントリー食品インターナショナル株式会社に籍をおいており、現在は、サントリービバレッジソリューションで営業の仕事をしております。私がサントリーという会社に興味を持ち始めたのは、学生時代のアルバイトで、東京ドームでサントリービールの売り子をしていたことがきっかけです。その時に、お酒を飲んで笑い合う幸せな光景をたくさん見てきましたし、お客様から、「この1杯があるから仕事も頑張れるんだよね。」と言って頂いた時に、とても嬉しい気持ちになりました。

さらに、サントリーという企業は、水を商品に使う企業でもあることから、“水と生きる”という約束を掲げて、水や森、土を保全する活動も実際に行なっています。自分が所属していたゼミが、特に自然環境保全をテーマにしていたので、ゼミ活動が自然や水などの資源を守ろう、と思ったきっかけとなり、サントリーが第一希望となりました。

ゼミでは、町おこしのコンテストに参加したり、発展途上国に研修旅行に行ったりしましたが、こうした経験が、観光とは一見関係なさそうな現在の仕事にも役立っています。ゼミ活動で、地域の現場を実際に訪問して人々の声を聞いたり、途上国でマングローブの植林体験をしたりしましたが、頭で考えたりネットで調べるだけではわからないようなことを、現場で実際に見たり聞いたり体験したりすることの重要性を学びました。これは現在の営業の仕事でもすごく役立っています。

最初に国際観光学科に入学した際は、旅行代理店や、ホテル、キャビンアテンダントなどに興味がありましたが、大学で学んでいくうちにだんだんと他に興味が移っていきました。これは、もともと興味のあった業界や業種にマイナスな面を発見して移ったということではなく、やはり先に述べたように、学んでいくうちに、地方の農業や、サステナブルという側面、自然環境保全などにより興味が湧いて、自分がそれが好きだと感じたので、そういう方向に移っていきました。観光の仕事があまり好きじゃないな、っていうネガティブなことを思ったのではなく、より興味のあるものが見つかっていった、という感じです。

この学科で良かったことはいろいろありますが、特に、「たくさんチャレンジできる環境」に居られたことが一番良かったです。私は大学1年からラクロス部に所属していて、週5日部活があったので、留学や海外に行く機会はないかな、と思っていたのですが、国際観光学科では、短期プログラムもたくさんあったので、3週間のアメリカ研修に行くことができました。またゼミでも自主参加で途上国に行く研修があったりなど、自分から動けばいくらでもチャレンジができる環境であったことはとても大きかったです。

部活にアルバイト、そして学業と、全部を頑張って続けたことも、自分のバイタリティを得る結果につながったと思います。いろいろなことを並行して行う管理能力とかも、知らないうちに身についていたと思うので、そういったことも企業に入ってから役立っています。


鍋田 貴久さん(2008年卒業)
株式会社 良品計画 在籍(2021年9月時点)

 

私は就職先として株式会社良品計画に務めております。新卒で入社して14年目になります。現在は、無印良品銀座でフロアを担当しながらMUJI HOTELのマネジメントにも携わっております。入社後、販売部中京エリアに配属となり、店舗業務を行い、まずは店長になりました。その後、商品の卸売りや新規販売チャネルを開発するチャネル開発部という部署に配属となり、小型店の出店を担当していました。4年前には、無印良品がホテルを作るという新規のプロジェクトの社内公募があり、それに手をあげMUJI HOTELの開発から運営にいたるまでのプロジェクトを立ち上げてきました。中国の深圳、北京、そして日本初のMUJI HOTEL GINZAを立ち上げ、現在は銀座の店舗で店舗業務を行いながら、MUJI HOTELのマネジメントや、サポートを行っています。

当時の国際観光学科では、語学や旅行業法、ホスピタリティ論、サービスマネジメント等、観光に関わることを一通り学びました。観光業のあり方や旅行商品の利益率など、色々な問題を考えさせられる機会が多く、普段と違う視点から観光を学ぶことができました。観光業を学ぶということで、ものの見方や視野を大きく広げることがでたと思っています。また、3年生の時にゼミで株式会社を作るという課題に取り組みました。実際に会社を作るにあたり、株の発行、投資家の募集、学園祭と通して会社の出店、売上管理、株主への配当、最後は会社を清算するところまで行いました。経営の仕組みを学んだことと同時に、会社をマネジメントする面白さを体感できました。

これらのことは、就活時には、会社の説明会や面接でとても役立ちましたし、良品計画という企業に興味をもつきっかけにもなりました。大学で学んだことは、現在の仕事にも役に立っています。MUJI HOTELは、世の中のホテルは、高いホテルと安いホテルの二極端であり、その真ん中のちょうど良い価格でちょうどよく眠れるホテルをということがコンセプトでした。このプロジェクトに携わるにあたり、今まで観光学を学んできた経験を活かせることと、1からプロジェクトを立ち上げるというところが非常に魅力的だったので、自ら手を挙げ、このプロジェクトの一員となれました。ホテル以外にも無印良品として、観光業にも携わることとなり、「無印良品が日帰りツアーをしたら・・・」、など、企画を立てる際にも、観光業の基礎が知識はあることで、様々な角度から物事を見ることができています。また、中国をはじめ海外への出張がありましたが、大学で培ったコミュニケーション能力が発揮できたと思っています。観光学は、観光業に特化ということではなく、様々な可能性がある学問だと思っています。観光学を学んだことは、社会にでてからも多くの場面で役立っていると感じています。

多田 龍さん(2021年卒業)
株式会社NTTデータ 在籍(2021年9月時点)

 

私は現在、株式会社NTTデータの、データセンタ&クラウドサービス事業部サービスインテグレーション統括部という法人分野で、システムエンジニアとして働いております。

観光とは直接関係のない職種ですが、きっかけは自分自身で某大手IT企業のインターンシップに4ヶ月ほど行っていたことがあります。

また在学中に、協定校語学留学のプログラムでニューヨークに行っていた際に、現地で日系企業のロゴなどをあまり見ることが無かったことで、逆に今後の日系企業の参入に携われるような仕事がしたい、となんとなく感じました。その際に、B to C (企業が消費者にモノやサービスを提供するビジネスモデル)より、B to B (企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデル)の方が日本の会社は強いのでは、と思ったことと、同時に世の中がIT化が進んで商材も柔軟になってきていることから、IT業界で力があり、かつグローバルを視野に入れている会社、ということで今の会社に興味を持ちました。

国際観光学科に入った時には、なんとなく観光に携わる仕事をしたい、くらいで思っていて、それから、もともとITに興味があった、というよりは、商材がいろいろある会社に入りたい、と思うようになりました。

学科の授業の中で、2年生の時の実習科目で、コンサルティング業務のようなことを学生自らにやらせていただく体験があったのですが、その時に学んだことは、今の自分の中でもよく活用していると思います。自分の中では、こうした授業と、それから留学の経験、あと大学1年の時に参加した、東洋大学グローバルダイヤモンドの中のインドネシア訪問の経験、こうしたことが特に役立っていると感じます。インドネシアのプログラムでは、寄付金だけで成り立っている助産院を、いかに継続的なビジネスとして成り立たせるか、といったことを、エンドユーザーの声を集めたりしながら提案する、っていうようなことをやりました。

国際観光学科には、パッションのある先生がたくさんいらっしゃったことが良かった、と思っています。先の実習系科目でも、先生が「やりたいならやってみたら」ということで、実践的に学ばせてくれることが多く、自分達の提案にアクションやヒントをくれるっていうのがすごく良い環境でした。

あと自分は、サービスコミュニケーションコースというホスピタリティ系のコースだったのですが、選択コースに関わらず、他のコースの授業も取れるので、エグゼクティブマネージメントコースの授業などもいろいろ取ったりして、授業の中でもビジネスをさまざまな形で学ぶことができました。