テーマ
インターネット上と実際の姿のギャップが関係性にもたらす影響について
問題意識
SNSはいつでもどこでも連絡ができるという性質から既存の相手との交流を支える役割を、また誰とでも交流が行えるため新しいつながりを生み出す機能も持っている。SNS利用が当たり前になってきた今日では、ネット上で知り合い、対面で会うという”インターネットが先行する形でのコミュニケーション”が見られる。このような形態のコミュニケーションでは、どのように関係性を築いていくのか、どのような相手と対面で会おうとするのだろうか。また実際に会ってネットでの印象とギャップがあった際に、関係性は変化していくのだろうか。
(一番の問題関心=ネットと現実のギャップがその後の関係に与える影響。どう対応するのか、受け止めていくのか、拒絶するのか)
基礎概念
・”第0印象”
・ゴフマンの理論 『行為と演技』より
主題
以上要するに、行為主体には人前にでるとき、他者が状況から受ける印象を、統制しようとする動機がいろいろある、と私は考えている。この報告は、人々がそのような印象を保持するために用いるいくつかの一般的手法ならびにそのような手段を使用する場合に用いるいくつかの一般的偶発事件に関心を払っている。ここの参加者が呈示する・・・が論点ではない。私が感心を持つのは、もっぱら参加者が他者の前で挙動を呈示するときの演出上の諸問題にほかならない。演出技術、舞台操作によって取り扱われる事柄は、ときに末節のものではあるが、それらはきわめて一般的なのである。そのような事柄は社会生活の上でも随所に生ずるようであるし、組織的な社会学分析にとっては明確に確定された次元をなしていると思われる。(p17ー18)
↓
日々の生活の中で行われている相互行為を演出論の立場で、ドラマツルギカルな視点から研究することは有益なのではないか。
用語
”相互行為”・・・双方が直接身体的に相手の面前にあるときに、それぞれの行為主体が与え合う相互的影響(18p)
”パフォーマンス”・・・ある特定の機会におけるある参加者がなんらかの仕方で他の参加者に影響を及ぼす挙動の一切(18p)
”オーディエンス”・・・特定の参加者および彼のパフォーマンスを基本的準拠点とすると、他のパフォーマンスを寄与する人々(18p)
”役目”・・・あるパフォーマンスの間に開示され、別の機会にも呈示されたり、演じられたりする既成の行為の形式(18p)
”外面”・・・エゴがパフォーマンスの過程で意図的あるいは無意図的に用いる標準的な型の表出装備(24p)
”舞台装置”・・・人間の行為の流れがその前で、そのうちで、それに向かって演じられる背景や小道具となっている家具・装飾品・物理的配置・その他背景になる品々。(25p)
”個人的外面”・・・われわれがパフォーマー自身ともっとも密着しているものとみなす諸項、ならびにパフォーマーがどこへ行っても彼につきまとうとわれわれが自然に期待している諸項(25p)
”見せかけ”・・・われわれにパフォーマーの社会的地位を伝える機能をその(相互行為の)時点にもつような刺激(27p)
”態度”・・・その(相互行為の)時点で、われわれにパフォーマーが将来の状況ないですることを予期している相互行為上の役割を予告するような刺激を表示しているもの(27p)
”局域”・・・近くにとって仕切りになるもので、ある程度区画されている場所(124p)
”表ー局域”=”舞台装置”・・・特定のパフォーマンスを準拠点とした場合、そのパフォーマンスが行われる場所(125p)
”裏ー局域”=”舞台裏”・・・特定のパフォーマンスに関して、該パフォーマンスが人に抱かせた印象が事実上意識的に否定されている場所(131p)
”局域外”=すでに確認された二つの局域以外の全局域(157p)
外面(front)
定義・・・エゴがパフォーマンスの過程で意図的あるいは無意図的に用いる標準的な型の表出装備である。(Goffman、『行為と演技』24p)
要素
舞台装置
外面 見せかけ
個人的外面
態度
”個人的外面”・・・パフォーマーがどこへ行っても彼につきまとうとわれわれが自然に期待する諸項を表示するもの(Goffman,『行為と演技』26p) ex)服装、性、年齢、人種特徴...
”見せかけ” ・・・われわれにパフォーマーの社会的地位を伝える機能をその(相互行為の)時点にもつような刺激のこと(Goffman、『行為と演技』27p)
”態度” ・・・その(相互行為の)時点で、われわれにパフォーマーが将来の状況ないですることを予期している相互行為上の役割を予期する機能を持つような刺激のこと
ex)傲岸で攻撃的な態度→相互行為の主導権は自分が握る 弱々しいへりくだった態度→相手の主導に従う
・いうまでもなく、われわれはしばしば、見せかけと態度の間に相互保証的な整合性を期待する。...しかしいうまでもなく、見せかけと態度は互いに矛盾することがある。...見せかけと態度の間の期待される一貫性に加えて、われわれは当然舞台装置・見せかけ・態度の間になんらかの整合性を期待する。(27-28)
↓外れたもの
痛快なニュースになる 大金持ちと思われる人の家が実は庶民的
Twitterにおいて、
舞台装置→Twitter
見せかけ→?
態度→ツイート、リプでの交流、DM
リアルで会うということ=舞台装置がTwitterから実際の場にズレるということ オーディエンスがフォロワー全員から1人or数人になる パフォーマンスは変わって当然と捉える?
整合性に関しても寛容になる?それでも求められるような整合性とはなにか。(=許容できるギャップと出来ないギャップの差)
理想化
・行為主体がパフォーマンスの間に、理想的基準を表現しようとするならば、そのような基準と両立しないような行為は抑制するかかくすかしなくてはならない。(47p)
→隠すもの
1)自分にとっては利益に成、オーディエンスにはかくされた、しかも自分の現在の活動についてオーディエンスにもってもらいたいと彼が希望している見解とは矛盾する活動(48p)
2)過ちが犯され修正されたという明々白々の痕跡(49p)
3)パフォーマンスが披露されるまでの過程(49p) パフォーマンス=最終結果
4)”汚れ仕事”の証拠 それがないとショーが成立しない (49p)
5)遵守していなくてもバレない基準(50p) レストランにおいて、スピード>質
Twitterにおいて自分が持って貰いたい印象、理想像はあるのか?
それを維持するために隠す=ツイートをしない、趣味がバレるようなものにいいねを押さない、フォローしない...
Twitterにおけるパフォーマンス=ツイート+いいね、Rt、誰かをフォローする...
質問案
QTwitterでこういう風に思われたい、というような理想像はあるか
Q逆に持たれたくない印象はあるか
Qそのために意識して行っていることはあるか
QTwitterの情報で自分はどのような人物として捉えられていると思うか
局域
・ショーの大事な秘密のある舞台裏が可視的であり、またそこにいる間パフォーマーは役割を離れて行動することもあるので、表ー局域から裏ー局域hの通路はオーディエンスには閉鎖しておくか、あるいは裏ー局域全体をオーディエンスにかくしておこうとするのは当然である。(133p)
閉鎖→鍵アカウント
隠す→メインのアカウントと関連のないアカウントにする
・オーディエンスは、自分に向けられた行為を見て、その行為に幻滅を覚えることはもちろんあるが、自分に向けられたのではない行為を見て、その行為に幻滅を覚えることもある。(159p)
・右の問題の解決法は、パフォーマーが自分のオーディエンスを分離して、自分のたくさんの役割のうち一つを演ずるところを目撃する人びとと、別の役割を演ずるところを目撃する人を別にすることである。(=”オーディエンスの分離”)・・・この統制を維持できないと、パフォーマーがそれぞれの時点でどういう役割を投企しなければならないのかわからないという立場に立つことになり、ついにはどの時点においても演出上の成功を得られなくなるのである。(159-160p)
・自分のそのときどきの一貫性のない呈示を見そうな人々をオーディエンスから排除するのは、パフォーマーにとって有用であるが、同様にまた自分が過去にその前で現在の行為と背?する行為をして見せた人々をオーディエンスから排除するのもパフォーマーにとって有益である。(160p)
大学で完全に新規のアカウントにする=中学・高校の同級生をオーディエンスから排除
第一印象の重要さ
・参加者が、面前の他者のする(状況の)定義上の要求を受け入れる傾向に留意するならば、エゴが仲間の参加者に関して最初に持っている、あるいは獲得する、情報が決定的に重要であることをわわれは納得できる。というのは、まさしくこの最初の情報に基づいてエゴは状況を定義し、対応行為の方針を立て始めるのである。・・・相互行為が一度進展し始めると、続いてとられる処遇の方向をエゴが変更することは、出会いの初期にその場に居合わせた他者に、どんな方向の処遇を要求し、またこちらが相手にどんな方向の処遇を与えるかに関して選択するよりもむずかしいように思われる。
(Goffman、『行為と演技』12-13p)
if)最初の情報=ネットからの情報 対面で会ってギャップ 方針が瓦解する
if)最初の情報=ネットからの印象はあるが、実物は違うと想定 始めて会った時が方針を練るとき
偽りの呈示
・多くのパフォーマーが事実を偽って呈示する能力も動機も豊かに持っているのであって、ただ恥・罪・恐れだけが彼を引き止めているにすぎない。(67p)
・うその種類
1)”見えすいた””まったくの”うそ・・・話し手が自分はうそを言っていると知っていて、しかも故意にそうしたという疑問の余地がない証拠があるうそ(71p)
2)”善意からの”うそ
”まったくの”うそがバレる→面目丸つぶれになる。一度でもそんな嘘をいうなら、全幅の信頼を置けなくなる。
・おそらく何よりも重要なことは、エゴの遂行するルーティーンのどれか一つが他者に偽りの印象を与えると、それは該ルーティンがその一部であるにすぎない関係全体ないしは役割全体にとって脅威になる。(74p)
・われわれが知りたく思うのは、どんな種類のリアリティについての印象が、リアリティについて人に抱かれた印象をゆるがす力があるのか、ということである。(76p)
Twitterにおけるギャップ=意図的ではない 受け手の問題という語り
どんな種類のリアリティ...の文章=ギャップと一緒。どんな種類のギャップが関係性を中断するほどの力があるのかということ。
神秘化
・オーディエンスにさまざまのことを禁止することは、それがオーディエンスに対してどういう機能をもつにせよ、パフォーマーが自己の望む印象を作りあげるときに彼に多少の猶予を与えパフォーマー自身のためにあるいはオーディエンスのために遮蔽物あるいは威嚇ーこのようなものは近くによってくわしく調べられれば影も形もなくなってしまうーとして機能することができるのである。(80p)
矛盾した印象
・エゴが他者の前にでたとき、効果的に状況の定義を投企するという事実に基づいて、相互行為をしているうちにこの投企された定義に矛盾したり、それへの不信をつのらせたり、あるいは他の点で疑問を投げかけるような出来事が生ずることがあり得る、とは想像出来ることである。このような攪乱的事件が起きると、相互行為自体混乱したり、(双方が)しどろもどろになったりして中断されることもあり得る。参加者の反応を予測する根拠になってい仮定のうちのあるものが維持しにくくなり、参加者は状況が謝って定義され、したがってもはや規定を欠く相互行為を自分たちが行っていることに気づくのである。(Goffman、『行為と演技』14p)
相互行為の進展中の話。ギャップにそのまま用いて良いのか?相互行為=ネットの段階からスタートとして捉えれば〇
投企されていた定義(ネット上)とは矛盾した印象(リアル)=当惑に結びつくはず。
・まさにこの記号ー受容という傾向のため、オーディエンスはある手がかりがそれを伝達するために考案された当の意味を誤解するかもしれない。あるいは、偶然のものであったり、不図でてしまったり、瞬間的であったり、またパフォーマーが何も伝達するつもりでしたのではない仕草とか出来事に(パフォーマー自身が)当惑するような意味が込められることがあるかもしれない。(58p)
・社会生活の研究者としてわれわれは(パフォーマーに)共感を抱くオーディエンスでも、彼らに呈示された印象にささいな矛盾が発見されると、一時的には困惑を覚え、衝撃を受け、彼らの(パフォーマーに対する)信頼が弱められることがあるということを認める用意に従来やや欠けていたのである。(59p)
・装われる慎ましさの量とパフォーマンスの行われる時間の長さにはある関係があるように見える。オーディエンスがごく短期間のパフォーマンスしか見ないことになっている場合、当惑する出来事の蓋然性は比較的小さく、ことに匿名適事態においてパフォーマーは比較的安全に多少胡乱な外面さえも維持することができる。(259p)
・パフォーマーに関してオーディエンスが持つ情報が多ければ多いほど、相互行為の最中に彼らの得るものが、彼らを根底から揺るがす可能性は小さくなる。反対に、あらかじめなんら情報がない場合、相互行為の最中に漏れてきた情報は決定的重要性をもつことになると考えられる。したがって、概して人びとは、長年の知古と同席するとき外面の維持の厳重さを緩め、新しく知った人々の間にあるときは外面を引き締めるものと考えられる。未知の人びとを前にしては、慎重なパフォーマンスが必要なのである。(Goffman1959、260p)
・パフォーマーが現時点で演じている役割は自分にとってもっとも重要な役割であり、彼らが自己のものと主張するかあるいは(他者によって)彼らに帰属される諸属性は、自分にとってもっとも本質的で特徴的な属性である、という印象を与える傾向があり、またこのような印象に矛盾しないようにする傾向がある。(Gofffman1959、158p)
↓成し遂げる方法
・パフォーマーが自分のオーディエンスを分離して、自分のたくさんの役割のうちの一つを演ずるところを目撃する人と、別の役割を演ずるところを目撃する人を別にすることである。
(Goffman1959、159) 縮小アカウントの運用に近い
・自分のそのときどきの一貫性のない呈示を見そうな人々をオーディエンスから排除するのは、パフォーマーにとって有用であるが、同様にまた自分が過去にその前で現在の行為と背?する行為をして見せた人々をオーディエンスから排除するのもパフォーマーにとって有益である。(Goffman1959、160)
大学で完全に新規のアカウントにする=中学・高校の同級生をオーディエンスから排除
・(状況の定義に矛盾するような事が起きると)第二に、これらのその時点における・・・のほかに、パフォーマンスの攪乱はより遠くにまで影響力の及ぶ種類の帰結をも生ずる。(すなわち)オーディエンスは現に進行中のパフォーマンスにおいて、個人的パフォーマーが投企した自己像を、彼と同類の集合、彼の所属チームならびに彼の所属組織の責任ある代表として受け取る傾向がある。(286p)
ギャップはあるものだと捉えるようになる。
主要なパフォーマンス攪乱(=”出来事”)の型(243p~248p)
1)何気ない仕草
2)不時の新入
3)踏み越し・・・相互行為の中に、自己の定義と矛盾するような事実を含んだパフォーマーの過去及び現在の日常を導入すること。
4)騒ぎ
・オーディエンスが低調な相互行為のゲームをこれ以上続けるわけにはいかない、あるいはそのようなことをこれ以上したくない、したがってそれぞれのチームが受け容れがたいと承知している事実ないし表出的挙措をパフォーマーに向ける場合に、別の型の場面=騒ぎがおきる。これは、人が社会的勇気を鼓して相手との”事の決着をつける”あるいは”彼の欠点を洗いざらい言い立てる”ことを決意するとき、おきるのである。(247p)
相手の印象にギャップを感じたとき、なにか言及するのか。ex)「ネットと印象違うね」
言われたらどう思うのか?C・D=無意図的だから評価を気にしない
・出来事が出来したとき、パフォーマーが主導するリアリティはおびやかされる。同席する人びとはろうばいし、落ち着きを失い、当惑し、いらいらして(状況に)反応することになりがちである。参加者はまったく文字通りに自分が顔色を失っているのを感ずることがある。これらのあわてふためく様子ないしは当惑のさまざまの徴候が知覚されるとき、パフォーマンスを支えているリアリティはさらに危殆に瀕し、弱化することになるのが普通である。というのはこれらの神経過敏状態の微表は、たいていの場合、ある役柄を呈示する個人の一側面であって、彼の投企する役柄の一面ではなく、したがってオーディエンスは仮面の背後の人物に関してあるイメージを押しつけられるのである。(248p)
Twitterにおけるパフォーマンスの一つのツイートでは、”素でいられる” リアリティが剥がれることがない
印象が全然違う→キャラとしてプラスに受け取られる。これは何故か?*追加インタビューで聞く。
当惑を回避する手法
”防衛的措置”・・・エゴが自分自身の投企を防衛するために取る戦略・戦術のこと(Goffman,『行為と演技』、16p)
”保護的措置”・・・参加者が他者の投企した状況の定義を救済するために用いる戦略・戦術のこと(Goffman、『行為と演技』16p)
1)招かれていない局域には入らないようにする。(269p)
2)察しよく注意を向けないこと。(270p)
”察しに関する察し”・・・オーディエンスがパフォーマーのために働かせた察しを有効にするために行うパフォーマーの振るまい(274p)*自分でまとめた定義
1)ほのめかしに敏感に応じ、それらをすぐに受け容れる。 ほのめかし=パフォーマーに今の行為は受け容れがたい、修正した方がよいと警告できる
2)偽りの呈示を行う場合には、偽りの呈示のエチケットにしたがって行う。 冗談を言うときには冗談口調で 頭髪が薄い人がカツラ、落ちる=言い逃れできない
「ギャップがある」と言われた側の行い
ギャップがキャラとしてプラスに捉えられる理由もここにあるか?
偽りの呈示のエチケット、「リアルとTwitterは違いますよ」ということを醸してツイートを行っている?端から同じであると思われないようなツイート
再調整ー行為
・互いの意見や地位が不明の場合、エゴが一時的にちょっとずつ自分の考えや地位を相手に許す探り入れの過程が生ずる。ちょっと警戒を緩め後で、エゴは相手(の出方)を街、エゴが相手に考えや地位を知らせても安全な理由を示す。このように再度の保証のあとで、エゴは警戒をさらにもう少し緩めることができる。相手に許す一つ一つの段階をあいまいに表現しておいて、エゴは、相手からなんら手応えが得られずしかもエゴが宣告した打ち明けが序の口ではないかのように振る舞える点で、外面を脱ぐ過程を中断できる立場に立つのである。(226pー227p)
=相手がどういう人かわからない、自分の情報は小出しで、ヤバそうだったら外面を被ろう。
基礎的データ
・SNSの利用率
QLINE、Facebook、Twitter、mixi、Mobage、Greeのいずれかを利用している割合
全体
2012年→41.4%
2016年→71.2% SNSの利用が社会に定着してきているという現状
若い世代
10代
2012年→54.7%
2016年→81.4%
20代
2012年→81.8%
2016年→99.7% 特に若い世代の利用が盛んである。
(総務省平成29年度(2017年)版 情報通信白書 第1部第1節(3)より)
URL:総務省|平成29年版 情報通信白書|SNSがスマホ利用の中心に (soumu.go.jp)
・相手への信頼度(そう思う+ややそう思う)
オンライン
QSNSで知り合う人たちのほとんどは信頼できる
1.6%+11.3%=12.9%
Qインターネット上で知り合う人達について、信頼できる人を見極める自信がある
2.5%+18.1%=20.6%
オフライン
Qほとんどの人信頼できる
2.8%+30.9%=33.7%
Q信頼できる人とできない人を見極める自信がある
4.2%+32.4%=36.6% オンラインで知り合う人に対して、信頼度が低め
(総務省平成30年度版(2018年)版 情報通信白書 第1部第3節2(1)より)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|オンラインでつながる他者への信頼 (soumu.go.jp)
・ネット上で知り合う人を信頼する際の判断基準
Qインターネットで知り合う人を信頼するかどうか判断する上で、重要視していること(複数回答可)
全年代(20~70代)
1位オンラインでの発言(28.7%)
2位相手の名前がわかること(27.9%)
3位相手のメールアドレス等の連絡先や、ほかのサービスで利用しているアカウントがわかる(22.2%)
→この項目、TwitterにおけるInstagramのリンク。Insta=リアルの要素が強め、信頼の基準に?
20代男性 20代女性
1位相手の名前がわかる(38.0%) オンラインでの発言(45.0%)
2位オンラインでの発言(32.0%) 相手の写真(29%)
3位相手の写真(23.0%) 相手の名前がわかる(28.0%)
若い世代ほど写真を重視していた。(全年代平均14%)
(総務省平成30年度版(2018年)版 情報通信白書 第1部第3節2(1)より)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|オンラインでつながる他者への信頼 (soumu.go.jp)
・ネットで知り合った相手と対面で会っている割合
Qソーシャルメディアで知り合った人と実際に会ったことがあるか(1度でも~頻繁)
*分析対象=ソーシャルメディアで自ら情報発信や発言を積極的に行っている人
Facebook→52.3%
Twitter →50.0%
Instagram→36.2%
(総務省平成30年度版(2018年)版 情報通信白書 第1部第3節(2)より)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|実際に会うことによる信頼度の変化 (soumu.go.jp)
・実際にオンラインで会った際の信頼度の変化
信頼度が高まった、やや高まった 9.2%+44.2%=53.4%
変わらなかった =44.2%
信頼度がやや下がった、とても下がった1.9%+0.5%=2.4%
信頼度が高まっている割合は半数以上で、下がっている割合が非常に少ない
(総務省平成30年度版(2018年)版 情報通信白書 第1部第3節(2)より)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|実際に会うことによる信頼度の変化 (soumu.go.jp)
・信頼度が高まった理由
趣味などの共通の話題が見つかった51.8%
性格をより知ることができた51.8%
容姿や言動がイメージ通りかそれ以上だった48.2%
自分のことを仲間として受け入れてくれたと感じた31.8%
オンラインよりも対面のほうが話しやすかった27.3%
自分のことを理解してもらえたと感じた22.7%
オンライン知り合う相手に対して警戒心強め→ある程度理解した上で会っているため、結果的に信頼度が高まるという考察がここで。
(総務省平成30年度版(2018年)版 情報通信白書 第1部第3節(2)より)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|実際に会うことによる信頼度の変化 (soumu.go.jp)
・SNSとリアルでの人格の使い分け
QあなたはSNS上とリアルで、キャラクターを使い分けていますか?
意識的に使い分けている→25.3%
無意識のうちに変わっている→16.3% 合計して4割以上が使い分けしている。
(トレンド総見 『~「ネット人格」事情を徹底調査~』2013年より)
URL:684f79bb84bd2e5efe7b02292948b75f.pdf (trendsoken.com)
QSNSではキャラを作っている(投稿に関して)
対象;20~60代男女1342名
結果
全体9.2%
20代18.8%、19.5%
30代14.3%、9.0% 20代30代の若い世代が高い値
具体例抜粋
「普段の私は、どちらかというと地味。でも、インスタ上ではキラキラ女子なんですよ、これでも。ちょっとでもオシャレに見せたくて、写真加工もかなり上手くなりましたし、休みの日はインスタ映えするお店や場所を巡ってます。背伸びしている部分はありますが、『インスタの私が本来の私』だと思ってます。」(20代女性)
演出しているインスタの自分を本来の姿と捉えている
URL:GENKINGだけじゃない! SNS上で「別人」を演じる人たち – ニュースサイトしらべぇ (sirabee.com)
・SNSの種類による人格の使い分け
QあなたはSNSの種類ごとにネット上の人格を使い分けていますか?
使い分けている→66.7%
具体例
「Facebookやブログでは真面目な人間。Twitterでは楽しい人」(20代男性)
「Twitterではふざけた感じ。ブログでは女の子らしい感じ」(20代女性)
インタビューでもTwiterとインスタの投稿内容の規範の違いについて語りがあった
Twitter→素、何でも言う Instagram→私こんなに充実してますよアピール
(トレンド総見 『~「ネット人格」事情を徹底調査~』2013年より)
URL:684f79bb84bd2e5efe7b02292948b75f.pdf (trendsoken.com)
・SNSとリアルで人格が異なる人への評価
Qソーシャルメディア上とリアルとで、人格が異なる人を見てどのように感じますか?(複数回答可)
好意的
普通だと思う(38.2%) 最多
その人の本性を知ることが出来ると思う(24.5%)
面白いと思う(21.8%)
その人の新たな魅力が感じられやすいと思う(5.5%)
親近感がわく(2.7%)
否定的
どちらが本性なのか分からなくなる(30.9%)
怖いと思う(18.2%)
気持ち悪いと思う(13.6%)
今後の接し方を考えてしまう(10.0%)
本性を知ることが出来る、どちらが本性か分からなくなるというのは、ネット上での姿が現実と同等、もしくはそれ以上にその人の本性だと捉えられているということ
現実が表で有り、ネットが裏と捉えている→間柄などのしがらみがないネット=素
(トレンド総見 『~「ネット人格」事情を徹底調査~』2013年より)
URL:684f79bb84bd2e5efe7b02292948b75f.pdf (trendsoken.com)
・関心と近い小説、ブログ記事
〇各年代、場面毎に周りが求めるキャラクターに呼応してきたハルカ。中学生時代は”委員長”、高校では間抜けな”アホカ”。大学に入るとサークルでは”姫”、バイト先では男らしい”ハルオ”、会社では”ミステリアスタカハシ”であった。
一部文章抜粋
私は溜息をついた。皆、どうしてそんなに簡単に自分を「統一」できるのだろうか。元サークル仲間にせっつかれて、SNSを始めたときもそうだった。どこからか名前を検索した子供時代の友
達と高校時代の友達とサークルの仲間とバイト仲間と今の職場の同僚が見ている場所で、一体何を書けばいいのかわからなかった。アイコンすら、何にすればいいのかわからなかった。「姫」
の選ぶようなカラフルなマカロンのアイコンでは、私を「ハルオ」だと思っている人間が違和感を覚えるだろう。「ミステリアスタカハシ」にぴったりの深海業のアイコンは、「アホカ」を知
る友達から訝しがられるだろう。(村田沙耶香2019年『生命式』孵化 255-266より)
SNSで今までの人みんなとつながる=過去の印象、現在の印象と矛盾する可能性が出てしまい、発言内容に制限がかかってしまう。
そうした事態を避けるために、大学アカウントを新規で作る人が多いのではないか。
また現在の印象でも、親しい人にしか見せられないもの=縮小アカウントを用いての交流をしようとするのではないか。
〇ネットの第一印象の何が恐ろしいかというと、現実の第一印象がすっ飛ばされて会うより先に自分へのイメージを完成されてしまう点にあります。自分にも経験があるのですが、ブログを見てブログのイメージで話しかけられるとちょっと対処に困ることがあります。大きくズレたことはないですけれども、微妙にズレがあることがあり、「この人自分をどんな人間だと思ってるんだろう」と不安になりながら話すという珍しい体験をすることになります。
反対に普段現実で知り合っている人のブログを読むと「この人こんなに暗いことも考えるんだ」とか「めっちゃ明るいじゃん」という意外な発見もあるかもしれません。残念なことにこういったネットと現実の不一致について経験豊富な人は少ないため、普通のビジネス書などには対処法が書かれていません。特にネット上に理想人格を形成しようという意図など持たず、正直に書いていてもズレるものはズレるんですよね。
自分もたまに困るんですがどうしたらいいんでしょうか。
自分がどう思われているのか、という視点
(ネットで第一印象が決まるまでの時間は現実の10倍?:一般システムエンジニアの刻苦勉励:オルタナティブ・ブログ (itmedia.co.jp)より)
理論
『大学生のリアルとSNSでのキャラの違いーゴフマンの概念を用いてー』清水万里名、2017年
研究目的
・大学生のキャラは現実世界とSNS上で異なるのか明らかにすること。
・異なる場合、その理由について明らかにすること。
筆者予想
普段所属している集団で見せるキャラクター→SNSが現実世界の延長→変えることはできない。
もし変えたいなら、裏アカウントを作成するだろう。
導入
しらべーの記事、基礎データに追加する。
調査
2017年、大学生9名にインタビュー調査
質問;リアルのその人とSNS上のその人のどちらに好感が持てるか?使おう
結果
・SNSごとの投稿内容の違い
日常的→Twitter
非日常→Facebook、Instagram Twitterは特性上ツイートを遡りにくい 自分のページを見たときに一覧で見られるFacebookやInstagramの方が思い出の記録には適している?
・SNSとリアルでキャラが違う人のエピソード例(リアルが先のパターン)
真面目な人が軽い雰囲気の投稿
穏やかな人が批判的な内容の投稿
SNS上で普段では絶対にしないような発言をしている
知り合った時の第一印象とSNS上で印象が変わる
・ギャップをどう評価するか
好意的・・・キャラが違う人言われたこと有り、自覚あり、SNS利用頻度高、アカウント複数所持 SNSとリアルでキャラは異なるモノだと考え、受け入れる
否定的・・・SNSとリアルのキャラが基本的に同じ、投稿を全くしていない SNSもリアルも同じ人間、異なる=マイナスイメージ
語り抜粋
生活している時は表立って言わないけど、おとなしいから。でもそういう人がTwitterで感情をぶちまけてるのとか見ると、それが本当の気持ちなのかなみたいな(中略)悪いものはすごい更
に悪く見える。 SNS上の方が本当の姿だと捉えられている。
『オフ会の蜜と罠』田中研之輔、2013年
研究目的
新たなつながりの場として、インターネットのオンラインコミュニティが登場。若者のコミュニケーションにどのような影響を与えているか調査する。
対象
SNS=mixi
2008年に形成された女性歌手のファンコミュニティへの参与観察。mixi上で出会い結婚にまで至ったカップル、婚約済みカップル2組へのインタビュー調査。
mixiの特徴
招待制
初期は本名公開を推奨していた ”みんなで信頼し合って本名公開で交流しましょう”という、根拠のない相互信頼論が広まっていた。
Twitterではむしろ逆。匿名でするのがベーシック。どうして信頼できるのか?
マイミクという機能で、公開範囲をコントロールすることが出来る。(マイミクの中のこの人と、この人というやり方も可。)
Twitterでは返信できる相手を限定することは出来るが、公開範囲を選択することは出来ない。そのための縮小アカウント作成。
Instagramは投稿に関してはTwitter同様、公開範囲のコントロールは不能だが、ストーリーは範囲を限定できる。
結果
mixiで知り合い婚約まで至ったカップルへのインタビュー
ネットでの出会いのデメリット
・デメリットはネットだと顔が分からないことじゃん。お互い顔を知らないまま出会う。出会いは顔を知らないことが9割くらいかな。うちらはそれで出会った。(女性)
・○○を引いたってのは嫌じゃん。その子がmixiの日記やプロフとか他の人のコメントを見て、まず1)歌がうまい2)大塚愛に似ている3)可愛い、三つ並べたやん。期待するじゃん。どんだけ歌
うまいんだーって。期待膨ら増しまくりで会ってみたら、あれー違うじゃん。ホント外れで。全員お世辞かよーってなる。これは確実に言えることは、女が女に言う可愛いの9割は信用しちゃいけな
いっていうこと。男が女に書いている可愛いの内の半分までしか信用できない。(男性)
筆者考察 自分が労力をかけるに見合う相手かどうかを確認するために、顔写真の交換をするのではないか。
恋愛的視点では確かにそうかもしれないが、写真の交換はいつ行われるのだろうか?
会って間もない時期=よく分からない相手に、自分の顔を公開するのはリスキーな行為。
関係が出来た時期 =顔が想像以上に悪かった場合、今まで築いてきた関係が一瞬で崩れる危険性がある。
友達目的の場合、顔の重要度はどの程度あるのか。また匿名のTwitterでは本名を教え会うタイミングも。
『インターネット上の知り合いに抱く友人像』渡辺未緒・山下清美、2013年
研究目的
ネット友人がいる人といない人、ネット友人と会ったことがある人と無い人との比較を通じて、理想としている友人像の違いや、友人に求めるモノを探ること。
調査対象
専修大学ネットワーク情報学部生169名(男104名、女65名)
結果
・ネット上に知り合いがいる割合、会ったことがある割合(*ネット上での知り合いであって、特にSNSに限定していない。オンラインゲーなども含んでいる)
知り合い有→67名(39.6%)
実際に会ったこと有→38名(56.7%)
会うまでの期間→1年以内がほとんど(1ヶ月以内20%、半年以内30%、1年以内30%)
・ネット友人と会った際のギャップと影響
実際に会った際の印象変化 ネット上で関係を継続している
有り(27.2%) 77.7% ギャップがあった方が関係を継続している
無し 41.2% ギャップが必ずしも悪く作用しない、むしろプラスに働く可能性すらあるという示唆
・ギャップの生じやすさ
事前に入手していた情報の種類 印象変化あり
属性情報や日記のみ 66.6% 属性情報や日記のみでは表面的なことしかわからない。創作的なもの、内面が伝わるためギャップが少ないのかも知れない。
創作的なもの 22.2% 入手していた情報の種類によってギャップの生じやすさが変わる。(種類ではなく深さ?)
・ネット上の友人と会ったことがある人、ない人の友人間の差
会ったこと
有り 無し
1位娯楽性 娯楽性
2位安心・気楽さ 肯定・受容
3位学習・自己向上 学習・自己向上 求めるモノの順位の違い。会ったことが無い人=敢えて会ってないのではないか。
4位肯定・受容 ネットが居場所の場合、直接会ってギャップが発生してしまうと友人から好意を持たれなくなってしまう=居場所を失ってしまう危険性
『twitterを介したつながりの感覚ー女子大学生へのインタビュー調査からー』中山満子・二宮麗、2014年
研究目的
Twitterがどのような使われ方をしていいるのか、インターネットの”つながり”をどのように捉えているのか、女子大学生へのインタビュー調査から明らかにすること。
導入
Twitterの利用者数の変化
2009年→20万人
2012年→1400万人 利用者が急増した(総務省情報通信白書、2014)←チェックしよう
調査
時期;2012年7月~10月
対象者;19-23歳の女子大学生12名(平均年齢21.08歳)
各Twiiterの利用形態をバランス良く選んでいる(単独、重視、、、)
結果
・Twitterでのつながりに対する語り
Twitter上のつながりってなると、実際、会ったこと無くて、顔も知らないけれど、なんか思ったことを、共有できたり、写真とかでいいですねって言う感じのを「つながり」って感じ。
ある程度の距離感を保ちつつの”つながり”。どういう時にこの距離感が縮まるのか?会おうと思うのはどういうとき?
URL;CiNii 論文 - Twitterを介したつながりの感覚 : 女子大学生へのインタビュー調査から (特集 差異と交感の人間学)
『ソーシャルメディアは新しいつながりを生んでいるのか?ー女子学生の利用実態ー』高田邦彦、2017年
研究目的
若者のソーシャルメディアを使って行うコミュニケーションの実態について捉えること
導入
”オンラインのオフライン化”
現実の関係をより強化するために、オンライン空間が用いられてる現状
インターネットのつながり
2種類
既存の友人関係を維持するためのつながり
見知らぬ人々との出会い・・・メリットのはず。筆者の所属大学では「怖い」「気持ち悪い」という声があがる。
調査
対象;筆者の所属大学の学部生(1・2年)106名+過去3年のコメント(336件)
結果
・利用目的
「多くの見知らぬ人と知り合いになるため」(6.8%)低い値 質問文の言い方はあるだろうが、確かに低い値。
・Twitterの”ゆるいつながり”
TwitterにはLINEやmixiのような「既読」「足跡」機能がないので、すべてのツイートを読んでいなくても相手にはわかならないし、基本的にツイートの多くは独り言なので毎回リアクション
をする必要はない。空リプのところで使えるかも
・Twitter利用に関する学生のコメント
いち早く情報が分かるから欠かせない存在になっている。何個もアカウントが作れるから、友達と趣味のアカウントを分けることで共通の趣味を持った地方の友人が増えた。相手の顔が分から
ないため多少怖い部分はあるけれど、Facebookと違って個人情報を入力しなくていいし、いざとなればすぐにアカウントを消すこともできるから気軽にできる。
アカウントの作成が容易=つながる相手をコントロールすることが容易であるということ。自分のどの部分を見せるかということがコントロールしやすい。
URL:CiNii 論文 - ソーシャルメディアは新しいつながりを生んでいるのか? : 女子学生の利用実態
『「強いつながり」と「弱いつながり」のSNSー個人情報の開示と対人関係の比較ー』石井健一、2011年
研究目的
個人情報の開示度によって、利用者が得ている効用や対人関係に差があるのかどうか明らかにすること。
(個人情報の開示=個人の要素、SNSサービスの要素)
導入
”ネットワーク外部性”・・・類似したサービスにおいては、利用者が多いことが利用者の効用を高める効果
→似た性質のSNSは、いずれ淘汰されていく。
調査
比較SNS:mixi.mobage,Gree,Twitter,Facebook
対象者:モニタ会社に登録している15-69歳750名。(各サービスを1番多く使っていると回答した人150人ずつ)
平均年齢38.9歳(標準偏差9.7)、男性57.5%
結果
・SNSでどのような効用を得ているか。利用と満足に関する質問の回答をジャンル分け
第1因子=ネットでの交流に関する因子 (「違う自分になれる、ネット上の友達を作れる、まわりにはいない自分の好みの合う人と知り合える...)
第2因子=情報・知識の獲得に関する因子
第3因子=娯楽・息抜きの因子
第1因子はTwitterが最も高く、2番目がmixi、3番目がFacebookであった。SNSの中でTwitterの利用者が最も多いことの反映であるだろう。
・個人情報の種類分け
回答者が公開している情報を、等質性分析した結果2つのジャンル分けできた
”識別情報”=個人を特定化する情報(氏名、所属会社・学校、顔写真)
”属性情報”=どのような人かを示す情報(性別、年齢、住所、誕生日、結婚の有無、趣味・関心)
・SNSでの友達の数と内訳
総量ではTwitterが1番多かった
既知の友達=Facebook
SNSでの友達=Twitter
SNSで知り合ってオフラインで会った「出会い」の数の順位=既知の友達の数の順位
→SNSでの出会いが既知の友達を媒介にして行われていることの示唆であるだろう。
・SNSの種類分け
”強いつながりのSNS”=個人情報の開示度が高く、既知の友達が多い(mixi、Facebook)
”弱いつながりのSNS”=個人情報の開示度が低く、既知の友達が少ない(Twitter、モバゲー、グリー)
・情報の開示が対人関係の促進に与える影響
識別情報の開示=既知の友達に対しては有意、SNSのみでの友達の数には×(係数が負)
属性情報の開示=既知・SNS上、どちらでも有意
→ネット上でのみ交流する場合は、個人を特定化する識別情報の開示は、かえってマイナスになる。 これはなぜか?深い関係になってしまうのがめんどうだから?
・「出会い」を促進する要素(出会い=SNSで知り合って、オフラインで会う)
出会いを従属変数として、回帰分析。
有意=属性情報のみ 識別情報=Not有意
→識別情報の開示は、新たな出会いに有効ではない。(マイナスではないから、ネガティブに作用するということではない。)
係数 「既知の友達の数」>「SNSのみでの友達の数」
→出会いの多くは純粋のSNS上の交流から生まれるのでなく、既知の友達を媒介にしている
・チェック論文
小寺敦之(2009)『若者のコミュニケーション空間の展開ーSNS「mixi」の利用と満足、および携帯メール利用との関連性』
URL:「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS (jst.go.jp)
『自己開示の深さを測定する尺度の開発』丹羽空・丸野俊一、2010年
研究目的
自己開示の深さを測定する尺度を作成すること。
調査
対象;大学生299名(男94名、女205名)平均年齢19.85歳
時期;2008年
質問;「初対面の人の場合」「すでに親しく今後更に親しくしたい場合」を想定させる。
=浅い =深く なるはず
親和動機との関連も考える。高いほどより行うだろうが、いきなり深い自己開示=なぜ?当惑に結びつくためそこまで行われないのではないか。
対面でのコミュニケーション=仲良くなるにつれて、だんだんと深い自己開示をしていく
Twitterでのコミュニケーション=相手のツイートで既に自己開示がなされている。
結果
妥当性〇
自己開示の深さを測定する尺度
Ⅰ;趣味
Ⅱ;困難な経験(困難な状況を乗り越えるためにがんばったこと、過去のつらいことが現在どのように役に立っているかということ...)
Ⅲ:決定的ではない欠点や弱点(少しダメだなと前から思っているところ、ささいな欠点ex時間にルーズ)
Ⅳ:否定的な性格や能力(自分の性格のすごく嫌なところ、能力で劣等感を抱いているところ,,,) Twitterのツイート内容のところで使おう
URL:自己開示の深さを測定する尺度の開発 (jst.go.jp)
『SNSにおけるプライバシー設定機能の利用動機と個人情報の記載行動との関連:大学生のTwitterユーザーを対象とした検討』澤田昴大・五十嵐祐、2020年
研究目的
あまり実証的な研究が行われてこなかったプライバシー設定機能の利用動機について、Twitterを対象として検討する。
導入
・SNSの利用はオンライン空間のみならず、現実世界(オフライン)の人間関係の形成と親密化を促進している(五十嵐、2012)
・SNSの利用が「オフラインコミュニケーションの補完」と「ソーシャルメディアを契機とする新たなコミュニケーション」の両方に影響。(総務省2011)
・SNSには多くの個人情報を記載するが、記載している本人は誰がその情報を閲覧しているのか十分に把握できないという状況がある。
・プライバシーに関する研究
プライバシー指向性に関するモノ・・・プライバシーが確保された環境・状況を望む程度
情報プライバシーに関するモノ ・・・個人的な情報やデータが他者に伝わる事への懸念 SNSはこっち
・”プライバシーパラドックス”(Barnes2006)
SNSに個人情報を記載すること→不安
SNSを活用することで個人やコミュニティの問題を解決している
大学生の友達作りでも?個人の情報を載せるのは不安だろうが、ある程度情報を載せないと友達を作ることが難しい。
調査
時期:2017年
対象者;講義の参加者+筆者の知り合いから縁故法 153名(男63名、女67名、不明1:1年生70名、2年生18名、3年生44名、4年生以上21名)
結果
非公開設定機能の利用動機尺度(=鍵アカにしている理由をジャンル分け)
第1因子・・・公開範囲のコントロール(つぶやきを見られたくない人具体的にいる、誰が自分のつぶやきをみているか把握したい、所属するコミュニティに会わせてTwitterでも住み分け...)
第2因子・・・不利益の回避(個人情報の流出懸念、不要なトラブル避け)
第3因子・・・社会的影響(周囲の人が非公開にしていた、進められた)
負の相関
学年と個人情報の数=学年が上がるほど掲載する個人情報の数が減る 対象者教育実習参加者で指導が会った。学年が上がるにつれ社会の第三者の目を意識する機会が増えるためでは。
利用歴と社会的影響=歴が長いほど周囲の人を参照しなくなる 就活などもあるし、当てはまりそう。+関係が固定化して、新しい関係を築く際に必要な個人情報を載せなくなった?
チェック論文
三上俊治 (2015). SNSにおける自己開示とプラ イバシー・パラドックス 東洋大学社会学部紀 要, 53, pp.65-77
五十嵐祐 (2012). 「メディアコミュニケーション の普及は,私たちに何をもたらしたか?」 吉田 俊和・橋本剛・小川一美(編著) 『対人関係の 社会心理学』 ナカニシヤ出版, pp.193-215.
総 務 省 (2011). 平 成23年 版 情 報 通 信 白 書 Accessed 2019, January 11
URL:SNSにおけるプライバシー設定機能の利用動機と個人情報の記載行動との関連:大学生のTwitterユーザーを対象とした検討 (jst.go.jp)
『大学生におけるインターネット上の自己のパーソナリティ特性の 認識:現実の自己および理想の自己との比較』小杉 大輔 2018年
研究目的
大学生はインターネット上で現実の自分を見せる自己開示を行うのか、それとも理想像に近い自分を見せるような自己呈示を行うのか明らかにすること
調査
対象;静岡芸術文化大学の「心理学」を受講していた大学1年生318名
時期;2012年~2016年
手法:Big Five因子を用いて調査を行う
コミュニケーションの場面を想定し、Big Fiveの各項目について、現実・ネット・理想の自分はどの程度当てはまっているか自己評価
ネットの自分が、現実と理想のどちらに近いのかを調べる
結果
・情緒不安定性 現実>ネット>理想
・外向性・協調性・誠実性 理想>ネット>現実
これらの4因子において、ネットが理想と現実の中間に位置している
→ネット上で、現実の自己と異なる、より理想に近い自己を選択的に表出している。(=自己呈示)
原文ママ、理想に近い自己を表出しているは正しいが、選択的にとまで言えるのか?無意識かもしれない
・開放性 理想>ネット=現実
ネット上でも現実の自己に近い表出(=自己開示)
開放性=芸術的感覚が優れているというような項目 筆者考察;日本人は調和を重視するため、この要素はあまり表出しないのではないか
チェック論文
・インターネット上でも、現実の自己に近い姿を見せる自己開示が行われるのではないか、という文脈
長谷川孝治,宮田加久子,浦光博(2007)インターネット 上の自己評価と現実の自己評価との相互影響過程に ついての検討: 両者のズレと精神的健康との関連の 観点から.社会心理学研究 23(1):45-56
URL:インターネット上の自己評価と現実の自己評価との相互影響過程についての検討 : 両者のズレと精神的健康との関連の観点から (jst.go.jp)
参考文献・書籍
・アーウィング・ゴッフマン著 石黒毅訳1974年『行為と演技ー日常生活における自己呈示』誠信書房
・清水 万里名 2017年『大学生のリアルとSNSでのキャラの違いーゴフマンの概念を用いてー』早稲田大学文化構想学部岡部ゼミ/卒業論文(2021年6月8日最終閲覧)
URL:www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/
URL:1717marina_shimizu.pdf (waseda.jp)
・田中 研之輔 2013年『オフ会の蜜と罠』法政大学キャリアデザイン学会紀要(10)109-130(2021年6月9日最終閲覧)
・渡辺 山下 2009年『インターネット上の知り合いに抱く友人像』専修ネットワーク&インフォメーション(14)11-15p(2021年6月10日最終閲覧)
・中山満子、二宮麗 2014年『twitterを介したつながりの感覚ー女子大学生へのインタビュー調査からー』奈良女子大学文学部研究教育年報(11)83-90(2021年6月10日最終閲覧)
URL:CiNii 論文 - Twitterを介したつながりの感覚 : 女子大学生へのインタビュー調査から (特集 差異と交感の人間学)
・高谷邦彦 2017年『ソーシャルメディアは新しいつながりを生んでいるのか?ー女子学生の利用実態ー』名古屋短期大学研究紀要(55)13-27(2021年6月10日最終閲覧)
URL:CiNii 論文 - ソーシャルメディアは新しいつながりを生んでいるのか? : 女子学生の利用実態
・石井健一 2011年『「強いつながり」と「弱いつながり」のSNSー個人情報の開示と対人関係の比較』情報通信学会誌29(3)3-25(2021年6月13日最終閲覧)
URL:「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS (jst.go.jp)
・丹羽空、丸野俊一 2010年『自己開示の深さを測定する尺度の開発』パーソナリティ研究18(3)196ー209(2021年6月13日最終閲覧)
URL:自己開示の深さを測定する尺度の開発 (jst.go.jp)
・村田沙耶香 2019年『生命式』河出書房新社(2021年6月14日最終閲覧)
・澤田昴大・五十嵐祐、2020年『SNSにおけるプライバシー設定機能の利用動機と個人情報の記載行動との関連:大学生のTwitterユーザーを対象とした検討』社会情報学8(3)177ー189(2021年6月14日最終閲覧)
URL;SNSにおけるプライバシー設定機能の利用動機と個人情報の記載行動との関連:大学生のTwitterユーザーを対象とした検討 (jst.go.jp)
・小杉大輔 2018年 『大学生におけるインターネット上の自己のパーソナリティ特性の 認識:現実の自己および理想の自己との比較』日本教育工学会論文41、129ー132p(2021年8月19日最終閲覧)
URL:大学生におけるインターネット上の自己のパーソナリティ特性の認識 (jst.go.jp)
参考サイト
・総務省平成29年版 情報通信白書(2021年6月6日最終閲覧)
URL:総務省|平成29年版 情報通信白書|SNSがスマホ利用の中心に (soumu.go.jp)
・総務省平成30年版 情報通信白書(2021年6月6日最終閲覧)
URL;総務省|平成30年版 情報通信白書|平成30年版 情報通信白書のポイント (soumu.go.jp)
・トレンド総見 『~「ネット人格」事情を徹底調査~』2013年(2021年6月6日最終閲覧)
URL:684f79bb84bd2e5efe7b02292948b75f.pdf (trendsoken.com)
・ニュースサイトしらべぇ『GENKIGだけじゃない!SNS上で「別人」を演じる人達』2017年(2021年6月8日最終閲覧)
URL:GENKINGだけじゃない! SNS上で「別人」を演じる人たち – ニュースサイトしらべぇ (sirabee.com)
Cinii 検索ワード
「SNS ギャップ」17件(6月14日)
「SNS キャラ」31件(6月14日)
「SNS 出会い」18件(6月14日)
CiNii 論文 - 教育・保育実践ノート SNS利用による出会いに関する消費者教育教材の開発 : 教員養成課程における一考察 中高生のネット出会い防止の文脈。会った率のデータはある。
CiNii 論文 - 青少年女子のインターネットを介した出会いの過程 : 女子中高生15名への半構造化面接結果に基づいて(研究)
「SNS 印象」45件(6月14日)
情報学広場:情報処理学会電子図書館 (nii.ac.jp)発言だけでも印象形成できるという主張。信憑性?似顔絵、対象者数少
「SNS ゴフマン」1件(6月14日)
CiNii 論文 - SNS分析の基礎視角:?ゴフマンのパースペクティブから
「SNS ゴッフマン」0件(6月14日)
「SNS 交流」183件(6月14日)
CiNii 論文 - 子どもたちはなぜSNSにハマるのか : 2010 年代のSNS利用とトラブルの動向 最新のSNS動向乗っている、要チェック
CiNii 論文 - ネットコミュニティでの自己表現と他者との交流
「SNS 知らない人」5件(6月14日)
「SNS 新しいつながり」1件(6月14日)
「SNS 会う」9件(6月14日)
CiNii 論文 - 高校生がSNSで知り合った異性と対面で会うまでのやりとり
「SNS 社会学」57件(6月14日)
神戸大学学術成果リポジトリKernel詳細画面 (kobe-u.ac.jp) ゴフマン、要チェック
東洋大学学術情報リポジトリ (nii.ac.jp)プライバシーパラドックス”に関するモノ、一応
慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA) - XooNIps (keio.ac.jp)利用と満足
「ネット 印象」436件(7月18日)
「SNS コミュニケーション」771件(7月18日)120までチェック済み
「ネッ友」3件(7月18日)
CiNii 論文 - リア友とネッ友に対する自己開示の差 : Twitterを題材に
「ネット 人物像」25件(7月18日)
Bing 検索
8月18日(日)
「ネットと現実の自分のズレ」
・ネットで第一印象が決まるまでの時間は現実の10倍?:一般システムエンジニアの刻苦勉励:オルタナティブ・ブログ (itmedia.co.jp)
8月19日(月)
「ネットで知り合った人と会う 割合」
SNSで出会う時代? 「SNSでつながった知らない人と実際に会ったことがある」20代36.3% - 産経ニュース (sankei.com)
「SNS 第0印象