・全国的に商店街の衰退が進んでいるが、その原因は何であろうか。
・衰退した商店街を再興させるための取り組みにはどのようなものがあるのか。また、それらに共通していることは何か。
・今求められる商店街のあるべき姿とは、どのようなものなのだろうか。
○中沢2001、高橋2020、新2021・・・地域住民の自主性を主張
○藤津2011、高橋2020・・・一時の大きなイベントではなく、地域住民が持続可能なイベントを企画することの重要性を主張
○再興のために重要視されること
・「売る商品」にこだわった、個性的で専門的な店(中沢2001)が多いほど良い商店街→!個々の店の努力次第
・他の組織とも連携した取り組みや(藤津2011、金丸2020)、住民が自主的に関わっており持続可能な活動(中沢2001、藤津2011、高橋2020)→!商店街やまち全体としての努力
●新雅史,2012,『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道』,光文社新書
◎memo
p.55-56第一次世界大戦後、都市の小売業者が急増
しかし零細小売商は
・専門性なし
・資力なし
・営利追及なし(あくまで家族を養うための経営にすぎない)
そのため、ほとんどの店が短命であった。
p.199→解決策として小売店の組織化、規模の拡大、専門性の向上を行うためにできた組織が「商店街」
p.175 1980年(バブル崩壊後)、地方都市間のアクセス道路事業、土地の整備の実施
→国道バイパス沿いにショッピングモールの建設
→零細小売商の弱小化し、「コンビニ化」という生き残り戦略を立てる(←商店街の崩壊)
p.210「商店街の存在理由は『生存競争の平和的解決』」
●大上晴子,2021,「地方創生の現場から(10)商店街の空き店舗を「暮らすように滞在する」場に:クラウドファンディングで資金調達・高知県須崎市」『地方行政』(11041):10-12
◎memo
○高知県須崎市の空き家活用事業例
・ゲストハウス「暮らしのねっこ」・・・移住定住促進に向けて活動する特定非営利活動法人「暮らすさき」の事務局長の大崎緑さんは、空き家状態が長く取り壊し寸前だった1軒の古民家に注目した。その家は地域の人々の思い出があふれる場所であったため、その建物を残すことと、須崎を暮らしの拠点にしてもらうことを目的に、「暮らすように滞在する」をコンセプトにしたゲストハウス兼コミュニティーの場として「暮らしのねっこ」を作った。「暮らすさき」は「自分たちにできることは自分たちで」と考えていたため、資金調達の方法としてクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げ、チラシ配布をしたりホームページやSNSで配信をしたりして資金を集めた。ゲストハウスの成果としては、カフェのオープンによる地域の高齢者や若い女性にとっての食を通じたコミュニティー拠点の形成や、地域に残る空き家の活用相談の場の形成といった成果を上げられている。
●金丸弘美,2020,「新・地域力と地域創造(40)若者の新規事業で賑わう熱海銀座商店街:空き店舗を交流拠点に活用」『地方行政』(10991):8-11
◎memo
静岡県熱海市熱海銀座商店街での若者による新規事業
○「ロマンス座カド」・・・商店街の2階部分をリノベーションして作られたゲストハウス
・「ロマンス座カド」を手掛けたのは、リノベーションを軸に熱海の活性化に取り組む株式会社「machimori」の代表である市来広一郎さん。1階部分には飲食店が入っていたが、商店を継続的に繁栄させるためには2階部分も活用しなくてはならないと市来さんは考えた。その在り方として宿泊を提案し、ゲストハウスのオープンに至った。
・「ロマンス座カド」のコンセプトは、「街そのものが宿」ということ。朝食は商店街や地元の店で、お風呂は地元の温泉を利用してもらう。また、町の地図も作られており、オプションでガイド付きのツアーもある。
○「guest house MARUYA」・・・コンセプトは「二拠点居住の入り口」
・熱海全体のヒトとコトが出会う仕掛けがある。(朝食は、目の前にある3軒の干物店から好きな物を自分で選んで食べるスタイル。温泉入浴、路地裏の散歩、体験教室、グルメ会などの企画)
○ビルの2階部分の空きスペース活用ケース例
・「コワーキングスペース naedoko」
・住まいとして提供・・・空き部屋をリノベーションし、住まいとして提供している。空室リスクを避けるために、住みたい人の要望に合わせて部屋をカスタマイズしている。
●島村守,2016,「商店街衰退の要因とその復活のための方策」『商学研究論集』(45):181-200
◎memo
○3章『戦後の商業統計表』、『商店街実態調査報告書』の分析
・商店街の衰退は「近隣型商店街」が一番大きい
○中沢孝夫、菅井憲朗、宇野史朗・吉村純一・大野哲明による商店街衰退の先行研究の調査、商店街衰退の要因
p.196・先行研究における商店街衰退の要因の共通した指摘事項には、中小商売商業者の高齢化・後継者難・流通規則の緩和・集客施設郊外化への不適応がある。また、それ以上に、中小商売商業者の「困った時にはお役所に依存するという甘い構造」があり、それが商店や商店街等の経営力強化を阻んできた。
p.197・筆者は商店街振興組合の多くが自主性・革新性を想像しなかったことが衰退の要因と考える。
○筆者が考える商店街復活のための方策
p.199・商店街組織自身がその復活の方策を検討し、行動することが一番であり、振興組合や協同組合の商店街組合に、その傘下の組合員(個店)の英知を結集した次の取り組みが必要である。
p.200・全国各地の商店街が抱える問題には地域差があるため、全国一律の画一的な小売業政策ではなく、地域単位で商店街の問題を解決し復活させる仕組みづくりを行うべきである。また、商店街組合が土地を所有し、新規事業者に土地を貸し出す仕組みや、空き店舗の多い商店街組合同士を集約化する仕組みを作るべきである。同時に、これらをバックアップする法律面や金融面の仕組みを整える必要がある。
・商店街のビジョンやコンセプトを商店街組合自身で作成し、自助努力で進める仕組みや、商店街組合が個店の経営革新等を支援する仕組み作りを、地域消費者の共感を得ながら取り組むべきである。
●高橋大輔,2020,「シャッター通り商店街における空き家・空き店舗利活用に関する住民の意識向上を促す実践的活動について」『共立女子大学・共立女子短期大学総合文化研究所紀要』:33-41 (ISSN:24341320) (IRDBにて無料ファイル有:https://kyoritsu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3409&item_no=1&page_id=28&block_id=27)
◎memo
・住民のまちづくりに対する意識向上が目的(キネマ通り商店街での調査報告)
→成果:住民を巻き込んだ取り組みによって、住民の興味関心度の向上を実感できたこと
p.37「一時だけの大きな企画でこの地域をかき回すのではなく、住民たちにも持続可能な小さな活動を積み重ねていこう」
→!行政の力を借りた大々的なイベントでは将来性がない
!「一時だけの大きな企画」=行政の力を借りること(?)
!「住民たちにも持続可能な小さな活動を積み重ねていこう」=予算を低く抑えること(?)
p.41「住民が長く住み続けられるような環境づくり」
●中沢孝夫,2001,『変わる商店街』,岩波新書
◎memo
第5章 p.102「店の主張」と「''売る商品''が大事」(売れる商品はどこも同じ)
「''あの店''に行こう」「''あの店''の数が多ければよい商店街」!店が商店街を訪れるきっかけ
お客に「選ばれる店」であること、ターゲットを絞り専門化すること
第8章 p.169~「富山市の中央商店街の試み」について記述あり
p.177「『公共財としての地域』を消費し利用するだけでは、地域は疲弊する」
p.178・助成よりも自主性
●藤津勝一,2011,「商店街活性化に求められるコミュニティ支援機能――地域ニーズへの対応で新たな展開を目指す商店街事例」『信金中金月報』10(8):25-47 (https://www.scbri.jp/PDFgeppou/2011/2011-8.pdf)
◎memo
○p.29-p.38 中小企業庁『商店街実態調査報告書』(平成21年)を分析・考察
・商店街全体として店舗数は小規模化している
・日常生活により近いタイプの商店街で空き店舗が増加
→!日常生活に必要なものはショッピングモールで事足りる。商店街は個性的な店が集まっている ほど良いのか。
p.37「買い物弱者、高齢者等の見守り、子育て支援、防犯・防災、就業の場の提供、女性の社会参加支援」に大きな役割を与える立場にあるのが商店街
○p.39-事例紹介
p41・長野県佐久市岩村田本町商店街「佐久っ子WAONカード」・・・商店街から1km弱にあるイオンと連携したカードを導入(商店街またはイオンで買い物することによりポイント付与)
→!商店街の衰退理由の1つとされる大型ショッピングセンターと連携するという思考の転換
・その他の事例として、寺小屋、子育て支援、生涯学習(習い事)、図書館など
!モノと金の交換で成り立つ商売の枠組みを超えた取り組みがあげられている。
!これらはコミュニティの形成に特化した取り組みである。
○主張p.27,p.47
・単発的なイベントではだめで、地域の根本的な問題に対応することが大事
・「施策は助成金などを積極的に利用はするが自立し継続的に実行できるものとする」
・打上げ花火のような―過性のイベント、つまり目先の対応療法ではなく、根本的な問題解決を念頭に
○概念p.26(注1)
・近隣型商店街: 消費者が頻繁に購入する加工食品、家庭雑貨など最寄品中心の商店街。徒歩や自転車などで買い物に訪れる。
・ 地域型商店街: 最寄品や消費者が店を比較して購入するファッション製品、家具家電など買回り品の店が混在し、徒歩、 自転車、バス等で訪れる。
・広域型商店街:百貨店、量販店などの大型店もあり、買回り品が最寄品より多い。
・超広域型商店街:百貨店、量販店、高級専門店などがあり、遠距離からも訪れる。
●三橋重昭,2006,活き活き商店街とまちづくり(10)力強いまちづくり行政とのパートナーシップで再興を期す――金沢・横安江町商店街,『専門店』(663):26-32(http://www.siz-sba.or.jp/kamihon/yokoyasue.html)
・「金沢表参道ホームページ」,http://k-omotesando.com/
<大須商店街に関する論文>
CiNii検索ワード:大須商店街(22件)
▼週刊ダイヤモンド,1999,「空き店舗がまったくなし――大須商店街にぎわいの秘密(都市経済特集 名古屋の苦境)」『週刊ダイヤモンド』87(49):154-155 (http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/xc/search/%2A?os[keys]=&os[open_search]=rft.jtitle%3D%25E9%2580%25B1%25E5%2588%258A%25E3%2583%2580%25E3%2582%25A4%25E3%2583%25A4%25E3%2583%25A2%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2589%2B%253D%2BDiamond%2Bweekly%26lang%3Djpn)
▼日経BP社,2000,ベンチャー最前線:商店街再興:活性化に成功した大須商店街 若手店主育成にも一工夫 名古屋''ごった煮''文化の強さ,『日経ベンチャー』(189):38-41 (http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/AN10182717?hit=1&caller=xc-search)
○CiNii検索ワード:商店街 空き店舗 190件
<空き店舗に関する内容のもの>
△金丸弘美,2019,「新・地域力と地域創造(33)若手の活力ある創業が次々生まれる:新発想で商店街の空き店舗を活用:沖縄市 」『地方行政』(10871):12-15 (文献複写依頼要)
△垣田伊武紀,元嶋太一,岩崎貴弘,平田達也,小池博 建築デザイン,2019「14093 福島県飯塚しんいいづか商店街における空き店舗活用実験」『建築デザイン』186-187 (文献複写依頼要)
▼週刊ダイヤモンド,1999,「空き店舗がまったくなし――大須商店街にぎわいの秘密(都市経済特集 名古屋の苦境)」『週刊ダイヤモンド』87(49):154-155 (http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/xc/search/%2A?os[keys]=&os[open_search]=rft.jtitle%3D%25E9%2580%25B1%25E5%2588%258A%25E3%2583%2580%25E3%2582%25A4%25E3%2583%25A4%25E3%2583%25A2%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2589%2B%253D%2BDiamond%2Bweekly%26lang%3Djpn)
△東北ジャーナル,2004,「郊外店の影響で空き店舗化する中心商店街の大型店が続出 中心街のにぎわい復活に求められる利用活策」『東北ジャーナル』22(5):82-85 (文献複写依頼要)
<商店街再興、まちづくりの概念>
△駒木伸比古,2013,「地方都市中心市街地商店街における新たなまちづくり活動の展望」『日本地理学会発表要旨集』2013a(0) (http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/OJ01335522?hit=1&caller=xc-search)
○CiNii検索ワード:商店街 再興(10件)
▼日経BP社,2000,ベンチャー最前線:商店街再興:活性化に成功した大須商店街 若手店主育成にも一工夫 名古屋''ごった煮''文化の強さ,『日経ベンチャー』(189):38-41 (http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/AN10182717?hit=1&caller=xc-search)
△レジャー産業資料,2019,「滋賀県大津市 商店街ホテル 講 大津百町:地域商店街と密に連携''大津宿’’の再興目指す(特集 分散型ホテル:ホテル業態としての成立要件)」,『レジャー産業資料』52(3):46-49 ( http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/AN00072224?hit=1&caller=xc-search)
氷見まちづくり協議会が行う氷見市のまちづくりについて、マネジメントの観点からその特徴を捉える。
<エリアマネジメント>
・園田2022
市町村単位よりも狭いエリアにおいて、民間が主体となって関係者と協議し、資金や知恵を出し合いながら、自らの意思で持続的にまちの価値、例えば、人々の生活や緑などの周辺環境の質、まちへの愛着心を高める“まち育て”の取り組み
・国土交通省土地・建設産業局の定義
「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者などによる主体的な取り組み」
・木下2014
「『まちを一つの会社』としてみて、その会社のパフォーマンスを改善させること」(街づくり会社はそれを主導する。)
・小林2018
まちの価値を公民連携で高める仕組みであるが、そもそもはエリアの価値を民の絆(ネットワーク)によって高める仕組みがおおもとにある仕組み
<リノベーションまちづくり>
・梯2022
アフタヌーン・ソサエティの清水善次氏が提唱する概念
空き家・空室が多く家賃の下がった衰退市街地の不動産をリノベーションの手法により最小限の投資で蘇らせ、意欲ある事業者を集めてまちを再生する「現代版家守」(公民連携による自立型まちづくり会社)による取組
<商店街>
・倉持2017
「①小売業、サービス業などを営む物の店舗などが主体となって街区を形成し、②これらが何らかの組織を形成しているもの」
<空き店舗>
・倉持2017
「本来店舗として利用できる空間が、店舗として利用されない状態が一定期間以上続いている物件のこと」
氷見まちづくり協議会の取り組みについて調べ、氷見市のマネジメントの特徴を掴む。
氷見市は循環型なのか、協調型なのか、あるいは両方の要素があるのか。
(breakは典型的な例として扱いやすそう)
・一過性ではなく継続的にイベントを行うために心がけていることはあるか。
・以前考えるパンkoppeに訪れたとき、氷見市では最近新しいお店が増えているということを教えてもらい、お店をオープンしやすい体制が氷見市では整えられているのではないかと考えたから。また、考えるパンkoppeの店主の方は富山県出身ではないが、氷見市の商店街は外部の人間でも新たにお店を構えやすいと言っており、その仕組みが気になったから。
「令和5年度当初予算(案)の概要について」(https://www.city.himi.toyama.jp/material/files/group/11/R5yosannnogaiyou.pdf)
・空き家活用まちづくり事業費:14,671,000円
主管課・・・移住定住推進課
(空き家優良物件化支援補助金等により空き家の利活用促進、「みなとがわ倉庫」の活用)
・まちなか活性化事業費:45,747,000円
主管課・・・商工振興課
(チャレンジショップの運営、イベント開催。街中支援員によりまちなかでの創業、新規出店、継業サポート。ヒミビズにおける事業者の継業、売上拡大支援)
・氷見市の地方創生・まちづくりの為に、氷見市・氷見商工会議所・氷見金融協会などからなる任意団体(会長:氷見商工会議所 専務理事 京田賢)。中心市街地の賑わいづくりや創業・継業支援を通してエリア全体の価値向上を図る「エリアマネジメント事業」と市内事業者の売上拡大を図る「ビジネスサポートセンター事業」の2事業を実施している。(https://www.city.himi.toyama.jp/gyosei/soshiki/shokoshinko/ereamanagement/8199.html)
・「エリアマネジメント事業」・・・「中心市街地の観光客流入と中心市街地の活性化とにぎわい創出に重点を置いた(https://www.wantedly.com/companies/company_4675188/about)」エリアマネジメント事業。まちなかの賑わい創出を目的に、新規出店者の支援やイベントを開催している。(例:チャレンジショップ「break」、イベント「BTREAKFAST」、イベント「WANGANPICNIC」、イベント「みなとがわのみのいち」)事業の担い手は、「まちなか支援員」の升方芳美さん。(https://www.city.himi.toyama.jp/gyosei/soshiki/shokoshinko/ereamanagement/7799.html)
<課題とまちづくり協議会の目的>(ムラカミフミヒロさん)
(https://www.wantedly.com/companies/company_4675188)
氷見市出身の藤子不二雄Ⓐのキャラクターモニュメントを設置するなどして、中心市街地へ観光客を呼び込むための施策を講じてきたが、商店主の高齢化や後継者不足による廃業などにより、中心市街地の魅力が低下しており、観光客の流入が少なくなってきている。そのため、既存事業者の支援や創業支援などにより、空き店舗対策を進め、まちの新陳代謝を促進し、中心市街地への観光客流入増加と既存事業者の売上増加、事業拡大を促進し、雇用増加と新たな仕事の創出を目指す。
○村上さんについて
多世代交流や生涯現役社会を目指した、高齢者と若者をつなぐことをメインにコトやしくみをデザインする「patch-work」の活動を行う。
民間プロフェッショナル人材として氷見市役所に任期付職員として中心市街地活性化、創業担当として従事した。
!「賑わい創出」とは具体的にどんなか。観光客が多く集まるまち?IターンやUターンなど転入人口(若い人)を増やす?
・「ビジネスサポートセンター事業」・・・通称「Himi-Biz / ヒミビズ」(センター長:岡田弘毅)。氷見市の中小企業や起業家のチャレンジをサポートを行う産業支援拠点。「Biz」モデルを取り入れた伴走型ビジネスコンサルティングで、売上拡大に直接つながるアドバイスを無料で行う。個別無料経営相談(新規事業開発、マーケティング、販路開拓、商品開発、プロモーションなど)、セミナー開催などを行っている。
(https://himi-biz.net/),(https://www.city.himi.toyama.jp/gyosei/soshiki/shokoshinko/2/3/himibiz.html)
概要:氷見まちづくり協議会が、まちなかの賑わい創出とエリア価値の向上、創業者のスタートアップ環境の整備を目的に、中央町の空き店舗を活用し整備した複合施設。期間限定で初期投資を抑えて店舗運営できる環境を提供している。飲食用1区画、物販用2区間が設けられ、内装や設備は最低限に止めて出店者それぞれが店舗づくりできる余白を残した整備が行われた。2020年12月から出店者を募集、選考し、飲食区画には近藤光雄さんが「サカナとサウナ SEAFOOD STAND」を、物販区区画には、中村晋作さんが「氷見つの遊び場」、石丸優香さんが「RAINBOW Style」をオープンした。
(https://himi-machi.com/feature/919)
概要:氷見まちづくり協議会が、「まちなか活性化事業」のエリアマネジメント事業の中心的役割を担う人材を募集。
主な業務内容は、
①まちなかでの創業・新規出店の支援によるエリア価値の向上
②継業が実現可能な事業者の発掘による魅力的な事業承継の実現
③まちづくりコミュニティの支援を通した自立したまちづくり体制の構築
④まちなかの賑わい創出のためのイベントの実施
⑤まちなか支援員の活動やまちの情報発信による地域の魅力発信(本ホームページ等の運用)
⑥チャレンジショップ「break」の管理・運営
氷見市ビジネスサポートセンターを活動拠点としており、業務委託の形態で、原則週3~4日勤務、年収は480万円である。
(https://himi-machi.com/feature/1132)
代表:升方芳美
経歴・・・観光業や宿泊施設などのコンサルティング業務に携わる。その後、IT導入支援や空き家活用事業を開始。現在はウェブコンサルタント会社の社長を務める。
事例③相談窓口
概要:氷見市で企業を考えている人向けの相談窓口。
(https://himi-machi.com/contact)
事例④ひみ物件情報局
概要:氷見市街地の空き物件を紹介。(https://himi-machi.com/estate/1052)
事例⑤HIMI HIRAKU PROJECT
概要:氷見市中央町商店街の空き店舗を自分たちの手でリノベーションし、コミュニティスペース作り、運用するプロジェクト。使い道は、趣味の集まりやリラックスした気分で仕事をしたい時など自由度は高い。プロジェクト員は氷見市地域おこし協力隊の3名。
(https://himi-iju.net/himihiraku01/)
事例⑥氷見市創業支援事業補助金、まちなか空き店舗等出展支援補助金(氷見市商工振興課)
概要:まちなかでの賑わいの創出を図るため、まちなかで空き店舗等を活用して新規出店する人を対象に、事業所の改装工事費、取得費などの初期投資費用について対象経費の1/2を補助する補助金制度。
(https://www.city.himi.toyama.jp/gyosei/soshiki/shokoshinko/2/4/1881.html)
●倉持裕彌,2013,「鳥取市 街なか空き家の実態調査と利活用の検討」『地域イノベーション研究 = Regional innovation research 』:19-22(https://www.kankyo-u.ac.jp/f/introduction/research/innovation/field/13.pdf)
◎memo
鳥取市の街なか空き家活用推進モデル地区3か所を対象に調査を実施。各地区の今後の空き家の活用の意向確認と、住民へのアンケート及びヒアリング調査を行った。
調査結果は以下の通り。
「問4 あなたのお住いの地区で、今後空き家は増加すると思いますか。」に対しての回答は、「増えていく」が最も多い。
「問5 空き家は誰が対処すべきだと考えられますか。」に対しての回答は、「行政が対処すべき」とする意見が多い。
「問8 空き家対策について話し合う機会があれば参加しますか。」に対しての回答は、「参加しない」が最も多い。
!以上のことから、空き家問題に対する問題意識はあっても、それに対する対処は行政に任せたり、自分自身の(自分の地域の身近な)問題として考えていなかったりする住民が多いことが考えられる。
住民に聞き取り調査を行うことにより、地域においてどの程度空き家が問題化しているのかを知ることができ、また、空き家の管理に関する情報収集や客観的な空き家の管理状態を可視化することを目的とした。
●倉持裕彌,2017,「エリアマネジメントを活用した商店街の空き店舗対策に関する考察」,『日本政策金融公庫論集 / 日本政策金融公庫総合研究所編』(35):61-83
◎memo
<本稿における基本概念>
・商店街:「①小売業、サービス業などを営む物の店舗などが主体となって街区を形成し、②これらが何らかの組織を形成しているもの」
・空き店舗:「本来店舗として利用できる空間が、店舗として利用されない状態が一定期間以上続いている物件のこと」(倉持2017)
・エリアマネジメント(国土交通省土地・建設産業局の定義):「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者などによる主体的な取り組み」
・エリアマネジメント(木下2014):「『まちを一つの会社』としてみて、その会社のパフォーマンスを改善させること」(街づくり会社はそれを主導する。)
<問題意識>
空き店舗の実態、発生要因を整理し、空き店舗解消に向けた一手法としてのエリアマネジメントの有効性や、実施する上での課題とその克服のために必要な取り組みについて、事例を基に検討している。本稿では、鳥取県内の商店街を想定している。
・鳥取県内の商店街・・・ほとんどの地域の商店街が近隣型・地域型に含まれる(一部は広域型)。地方都市の商業機能の中心からはやや外れた場所に位置している。空き店舗が自然に解消しないような環境(商業環境の悪さや店舗の老朽化など)。商店主の振興組合等への加入割合が高いのが特徴。(⇔商業環境が言い商店街ほど商店街振興組合への加入率は低い。)
<先行研究>
・青木2015(イベント時の空き店舗の利活用について)
<商店街の住宅化問題>
①商店街の多くは近隣商業及び商業地域に立地ている。そこを住宅化すると、商業環境よりも住環境を優先する住民が増えたり、長期間に渡って建物および利用方法の固定化を招く。これは、店舗、商品、サービスの流動性が魅力的な商店街にとっての影響が大きい。
②補助金によって商店としての環境整備(カラー舗装、アーケード整備)が行われているため、各店舗は買い物ができる場として維持する責務がある。しかし、住宅化してしまうと店舗所有者は「フリーライダー」となってしまう。フリーライダー化と、それ以前にフリーライダー的行為を許してしまう制度、組織のあり方は問うべき課題である。
③商業地区は多様な土地利用が可能であるために、迷惑施設ではない住宅は、非難の対象となったり問題視されたりしない利用形態である。
・鳥取県内の商店街の問題点・・・老朽化したアーケードの撤去やカラー舗装を行った。しかし、非商業地割合は70.7%で住宅が特に多い。空き店舗率は48.8%。
<エリアマネジメント>
・「協調型」のエリアマネジメント・・・一定のエリア内にある事業者や住民などが、主体的にエリアの維持管理に関わる方向性で、景観形成や防犯パトロールなどを行うエリアマネジメント。「民」を中心としたさまざまな主体が連携しながら一定の広がりをもった範囲=エリアをつくり、維持していくという、担い手のあり方が意識されている。景観形成やガイドラインを民間主体で設定できる点、行政や大学、都市計画に関する専門機関等と密な連携をとれる点において特徴的。
「協調型エリアマネジメント」によって可能となった活動・・・エリア内の景観形成、街づくりガイドライン策定、将来計画の制定、交通サービス、イベント、ICT事業、防犯パトロール、清掃活動
・「循環型」のエリアマネジメント・・・エリア内の課題をビジネスの手法を用いて解決し、ビジネスによって得られた収益によってビジネスの持続性を確保しつつ、イベント開催やほかの課題解決の共同事業などを行いエリアの価値を高めていくもの。持続的な管理運営の必要性が意識されている。マネジメントの事務を担う組織の多くが財源の課題や高度な専門性を備えた人材確保の課題を抱えている。財源の確保と人材の確保は密接に関連する課題である。
「循環型」の事例としては、地方都市における街づくり会社によるエリアマネジメント。
商店街振興組合等によるマネジメントは、「協調型」と「循環型」双方の要素をもつ。
!1⃣氷見のエリアマネジメントは「循環型」エリアマネジメント?
<協調型の例>
・小林2015
設備整備に補助金を活用した際、行政による事業チェックや予算承認、住民参画や住民へのアンケート調査など、住民や換気団体との調整を図る。
<循環型の例>
・木下2014
街づくり会社の仕組み・・・エリアの課題をビジネスの手法を用いて解決しつつ、収益が上がる構造をもつことで事業の持続性を確保しているところに特徴がある。
例:熊本市、城崎温泉、香川県高松市丸亀町商店街
丸亀町商店街・・・土地の「所有」と「使用」の分離により果たされた再開発により、収益事業の利益を公共的事業に再分配するシステム。(税収とその再分配に近い。)例えば、地域独自での、住民による費用負担に応じ、地域内のサービスが受けられる。また、事務、マルシェ、駐車場、地域循環バスのようなコミュニティ事業や、駐車場料金、在住する人の家賃などの一定の住民側の負担を得て、利益として再分配している。(参考:http://www.shoutengai.org/reikai/reikai2020_12.html)
<今、空き店舗対策にエリアマネジメントが期待される理由>
空き店舗問題の背景が複雑であるがゆえに、組合のみならず多様な組織や団体、専門家の積極的かつ主体的な取り組みが期待できるエリアマネジメントを採用すれば効果的な対策を実施できる可能性があるから。
!2⃣氷見まちづくり協議会の構成員(主にまちづくり支援員)にはどのような組織や専門家がいるのか?
<商店街におけるエリアマネジメントの必要性>
商店主の高齢化、後継者不足、組合員の減少により、商店街の活性化が失速している。その理由として、かつて積極的に商店街の発展に取り組んできた商店主であるが、高齢化により発想や行動が保守的になっている傾向があるからだ。そのような商店主によって構成された商店街振興組合は今の時代には合っていないと考えられる。
商店街の役割は時代とともに変化しており、現在は高齢者が安心して買い物できる場であることや、子育て支援の役割があると考えられる。そのため、それらに対応するためには各分野の専門性の高い人材を登用し、具体的な手法を用いる必要性がある。
!2⃣´氷見が目指すまちのあり方とは?それに合う人材を採用しているのか。
!2⃣´´氷見まちづくり協議会と商店街振興組合との関係性
<エリアマネジメントで活用する「資源」>
・空き店舗の一括利活用による空間の特徴づけ←関係者間でのビジョンの共有が必要
・各店舗の雰囲気
・商店街の名称
・「衰退しているイメージがついた場所」←弱者としてのイメージを情報発信の際の武器にする
!3⃣氷見のエリアマネジメントにおいて、氷見市の何を武器となる資源と捉えているのか。
<エリアマネジメントを実施する上での課題>
具体的な街のマネジメントには、
①熱意のあるリーダーや専門的知識・知見を有する人材
②十分な自主財源
が必要である。
対策が必要な理由の明確化が重要。
!4⃣まちづくり支援員の人のエリアマネジメント事業にかける想いは?財源はどこ?
<事例①:上古町商店街(新潟市)>
・インタビュー調査、現地調査
・2015年9月10日、2017年1月20日調査実施
ピーク時に比べて明らかに衰退した商店街を憂い、2004年「上古町まちづくり推進協議会」が発足、まちのシンボルマーク「カミフルマーク」の作成、情報誌「カミフルチャンネル」の発行、ホームページの開設、イベントの実施を行う。2006年には「上古町まちづくり推進協議会」を前身とする「上古町商店街振興組合」を新しく設立。
!氷見まちづくり協議会の発端理由
空き店舗対策として、ソフト・ハード事業と空き店舗の利活用を促進する新潟市からの補助制度がある。補助制度としては、創業者に直接補助する「商店街内創業サポート事業(1年に100万円)」、商店街振興食い合いなどに対する補助「新潟市がんばるまちあか支援事業(600万円)」がある。これらの補助制度は集客力のある店舗の後押しとなっている。
!氷見市の創業者に対する補助制度は?
「家賃が相対的に安く、雰囲気作りが良い。」空き店舗はシャッターを下ろさず、空き店舗情報を載せている。また、商店主側との情報共有を行い、新規出店者に家主の紹介を行うことでネットワークの形成を形成をしている。新規出店者には「繁栄店づくり事業」を実施し、専門家によるアドバイスや商品開発を行い、魅力向上の支援をしている。振興組合理事長の迫氏は、新規出店し、サービスや雰囲気がよく、収益も確保できている店舗が3件以上あれば、商店街に継続的な新規出店の流れができ、空き店舗は埋めやすくなると考えている。(人材の循環)
!氷見市では、創業後に新規出店者に対して行っている支援はあるのか。
「古くて新しいカミフル」をキーワードに「個性的な店が集まり雰囲気の良い商店街」を目指している。迫氏は、「個々の小さな活動の積み重ねによってエリアブランディングができている」と考えており、この点において、上古町商店街のエリアマネジメントは「協調型」である。しかし、新たな出店者を確保するために商店街のブランド化事業を行い、新たな出店者もその流れを引き継いで次の出店者を確保するための事業を実施する、という人材の循環が見られる点においては、「循環型」のエリアマネジメントであると解釈できる。ビジネスの手法である、資金「循環」型のエリアマネジメント導入による課題解決が難しい場合は、上古町商店街のように人材を循環させることで持続的で効果的なエリアマネジメントを検討することも有効な案であると考えられる。
エリアマネジメントの担い手は、各商店街(町)から選出された役員の中でも若手の商店主。商店街振興組合が町内会や行政との意思疎通・連携を行っている。市が駐輪場整備の為に空き店舗を購入した際には、商店街、新潟大学、市、町内会の4者で検討を重ねて整備が行われた。また、常に新規出店者を確保することによりエリアマネジメントを持続させている。情報発信には、事務局のfacebookや、各新規出店者がそれぞれ利用しているfacebookやtwitterを通じて行われている。
<事例②:大門商店街(長野県塩尻市)>
・2016年11月25日調査
1980年に商店街振興組合を設立。131店舗あるうちの組合加盟店は29件、閉業した店舗は約30店、残りは更地化、駐車場化、住宅化している。
空き店舗対策として、「nanoda」という取り組みを行っている。空き店舗などの遊休不動産を借り、「~なのだ」という名称の企画で利用。(例:「朝食なのだ」では、有志から一口1000円で出資金を集めて空き店舗を借り、朝食を食べようという企画)月1回のペースで開催されている。「魅力ある商店街」を作ることを原点としており、今後もnanodaなどのイベントを継続して行うことで空き店舗を少しずつ埋め、魅力ある商店街を作る展望をもつ。直接行動することで、問題の共有や意識変化、取り組みへの理解を得ている「実践→協調」型のエリアマネジメントであるといえる。
エリアマネジメントの担い手は、市役所役員の山田氏。「nanoda」の人材はは出入り自由の緩いネットワークで構成されている。「自分の時間をお金を使って小さくスタートできる」のが「nanoda」のコンセプトである。nanodaは他にも、「シオジリング」、トークイベント「オールナイト商店街」、空き店舗・空き家清掃のイベントを開催している。山田氏は「nanoda」拠点の空き店舗の大家さんが亡くなるまで「nanoda」を継続する意向であり、現在におけるエリアマネジメントの持続性は、「nanoda」の継続と繋がっている。
!ある1つの組織がその地域におけるエリアマネジメントの持続性の鍵となっている。新たな組織やネットワークづくりが必要。
<事例③:智頭街頭商店街(鳥取市)>
2010年、組合理事を中心に新たに立ち上げられた街づくり会社が中心となり、戦略的中心市街地商業等を活性化支援事業費を活用し。歴史的建造物を再生する事業に取り組んだ。しかし、若手商店主の不在、商店主の高齢化、呪符宅化の進展、アーケードなどの施設整備維持等、中小規模の商店街に典型的に見られる問題を多く抱えている。
かつては商店街の雰囲気が良くなく出店しにくいという噂話をされる商店街だった。そこで、街づくり会社は商店街の歴史・文化の色合いを前面に出し、商店街のイメージを変えることを目指した。そのために行ったのが、歴史的建造物を文化と芸術のシンボルとして再生・活用し、商店街の空き店舗に文化・芸術系の教室を誘致することである。街づくり会社が複数の空き店舗を一括で借り上げ、サブリースすることで収益を上げ、それを空き店舗の改修費や工法などに充てていく、という「循環型」のエリアマネジメントが行われた。しかし、それ以上の広がりが見られず、「循環型」のエリアマネジメントは停滞している。
!「協調型」と「循環型」では持続性に差が出るのだろうか。持続性の高さは何と関連が高いのか。
歴史的建造物の改修作業は様々な事情から大掛かりにならざるを得ず、国の補助費以外に自己資金も相当額必要となった。当初は商店街振興組合が事業の担い手になる予定だったが、計画の各論の賛否に大きく偏りが出る傾向があったり、出資のリスクを負う条件が揃わなかったりしたため、別組織が事業の担い手となった。
街づくり会社の構成員は振興組合の理事等幹部であり、会社は停滞していても振興組合の活動は健在である。そのため、智頭街道商店街のエリアマネジメントは、振興組合の従来の活性化事業の継続を基盤とし、街づくり会社は事業によって利用するツールとなっている。
街づくり会社は振興組合の理事幹部で構成されているため、組合や町内会、行政等との連携は十分にあった。←!氷見はどう?
また、歴史的建造物の再生においては住民から募金を集めたり、地元シンクタンクや大学などと連携して利活用方法の検討を実施しており、鳥取市にとって街づくり会社は期待のできる民間主導事例となった。
マネジメントの持続性としては、街づくり会社に専従の職員や事務所がなく、基本黒字経営であるため会社の持続性は高い。また、智頭街道商店街の場合、組合が主体となっており、これは従来からある商店街によるエリアマネジメントの一形態であるため、持続性はもともと高い。しかし、フットワークの軽い若手の担い手が不在であるため、事例①、②のようにソーシャルメディアを使ったPRに疎く、また、課題を客観的に捉えることも難しい。
<まとめ>
エリアマネジメントによる空き店舗対策の要点は、
1.商店街の集客装置としての機能を必要としている新規出店者や、課題解決を業務とする自治体などが担い手にいること
2.常に新規出店者の目線に店舗状況を届けること(具体的な空き店舗対策手段)
3.担い手や手段が効率的に機能するためのプラットフォームを作り、イベントや新規出店者が商店街のブランディングに作用する流れを作ること(商店街に特徴を備える)
ことである。
<本研究における課題>
・実態を踏まえたエリアマネジメントの的確な分類
・明確なエリアマネジメントの定義
・詳細な調査(非商業地の割合、商店街の変換、主な担い手の人々の動機やバックグラウンド、マネジメントに関する具体的な数字)
←新規出店者がどのような店舗なのか、賃料や初期投資などの金額、廃業者数などを把握し、マネジメントの課題部分を掘り下げることで、マネジメントの正確な評価や分類は可能になると考える。
●大阪経済大学中小企業・経営研究所,2017,「解説および書評 倉持裕彌(鳥取環境大学経営学部准教授)エリアマネジメントを活用した商店街の空き店舗対策に関する考察」,『中小企業季報』2017(4):4141-43(https://www.osaka-ue.ac.jp/file/general/19553)
◎memo
エリアマネジメントとは、エリア(地区)の価値を高めるための取り組み。故に、エリアマネジメントの観点から空き店舗対策を評価する場合は、エリアに関係する組織や個人の連携やリーダーシップのあり方を含めた総合的な枠組みで評価されることになる。
空き店舗対策は商店街が総体としてエリアの親和性を向上させなければならない。空き店舗対策がエリアマネジメントとして実施される際、実施される取り組みを構成する何らかの指標が拡大再生産循環をともないながらすすめられることが前提にあると評者は考えている。
●国土交通省,2008,「エリアマネジメント推進マニュアル」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk2_000068.html)
◎memo
・エリアマネジメントの定義
地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取り組み
・特徴
①「『つくること』だけではなく『育てること』。」:開発は維持管理・運営の方法まで見据えて行うこと。
②「行政主導ではなく、住民・事業種・地権者などが主体的に進めること。」:地域の問題の多様化に対応するためには、地域の担い手の主体的な取り組みが重要である。
③「多くの住民・事業主・地権者等が関わり合いながら進めること。」:地域の総意を得ること、地域の担い手が活動メンバーとして主体的に参画することが求められる。
④「一定のエリアを対象にしていること。」:地域の担い手が関わり合いながら進める以上、エリアを明らかにすることは基本である。
・契機
①「地域の課題・目標に対応する場合」:既成市街地におけるケースで、地域活力の低下や業務・商業地としての質の低下、住宅地における環境の悪化、魅力的な地域の形成に対する問題意識がある。
(!氷見はこのケース?)
②「既に地域が有する仕組みや財産を手がかりとする場合」:計画的住宅地におけるケースで、地域の共有財産や良質な街並み維持のための仕組みづくりにより付加価値を持つ良質な住宅地を企画する。初期段階でエリアマネジメントの手がかりや基礎的な仕組みが整っており、それをさらに豊かにしていこうとする。
●小林重敬,一般財団法人森記念財団,2018,「まちの価値を高めるエリアマネジメント」学芸出版社
◎memo
p.26
エリアマネジメントは、まちの価値を公民連携で高める仕組みであるが、そもそもはエリアの価値を民の絆(ネットワーク)によって高める仕組みがおおもとにあっての仕組み。
(例:ガイドラインやルールによって連続性を持った空間整備を民の連携で実現すること。信頼をもとに互酬性の世界を実現できるソフトな仕組み。)
p.29
公の役割・・・開発への対応とコントロールという役割に加え、エリアの単位で絆を結んだ民と連携して街を再生してゆくこと。エリア(民が積極的にまちの価値を高めようとしているエリア)を絞って公共投資を行い、その公共投資が確実に活かされるように、民によるエリマネ活動によって「小公共」を実現すること。
→公共投資がエリア価値を上昇させ、公の税収に好影響を生み出すものであると考える必要がある。「公と民の関係をエリア全体で活かす仕組み」
p.36
エリマネを担う主体はエリアの関係者とコミュニケーションを重ね、価値観(エリアの課題、まちの将来像)の共有を促すような取り組み(=「エリアの目標づくり」)から始めていくことが必要である。
p.50
!循環型マネジメントの例
・名古屋地区街づくり協議会:名古屋市と協力。協議会の会員企業等からサポーターを募集し、その協賛金によって花の管理を会員企業にて行う。「国家戦略特区道路占用事業」のエリマネ広告から得られた収益の一部を清掃備品の購入や花壇のメンテナンス等に充てる。
・大阪うめきたせんこう開発地区:一般社団法人グランフロント大阪TMOが「うめぐるチャリ(レンタルサイクル)」、「うめぐるバス(エリア巡回バス)」、「うめぐるパーキング(パークアンドライド)」を運用。バスのラッピングを利用した広告を販売し、収益の一部をエリマネ活動の財源に充てている。
→倉持2017の定義に当てはめるとするならば、広告事業という''ビジネス''で得た収益を他の活動の資金とする「資金の循環」がある。
p.107
今後、エリマネ活動を一層推進するためには社会の情勢・ニーズの変化に合わせて民間事業者による空間活用に対する行政の柔軟な対応が求められる。また、行政や民が連携してエリマネを行うための空間づくりと、それを活用する仕組み構築のためのガイドラインや空間整備計画の策定が必要である。
p.108「空間の分類」
空間・・・「屋外」または「屋内」、「公有」または「民有」に分類
エリア全体の価値を高めるため、エリア内の複数の種類の空間を組み合わせることがある。(ex:道路と周辺の公開空地)
p.117~エリマネ団体の役割・特徴
・空間活用の準備段階において、行政と主催者の仲介者としての役割と、道路などの占用を申請する公的団体としての役割(エリマネ団体=主催者の場合もある!氷見はこれ)
・主な収入源として最も多いのが会費、次いで事業収入。
・他の団体がイベントを主催する際のコーディネーターとしての役割を果たす。(収入有)
p.119 行政の役割
エリマネ団体に対して活動許可を与える。福井市では、協議会に行政も加わり、調整や協議にスムーズな手続きを促している。
p.131 公共空間の利用手続き、利用料
p.160 「東京のしゃれた街並み推進条例」を始めとし、2011年以降公共空間を活用する規制緩和が増えている。2011年10月に施行された「都市再生特別措置法」では、道路の無余地性の基準が緩和された。2014年4月に施行された「国家戦略特区における道路占用許可の特例」では、刻足性のある道路の活用の際に手続きの簡素化が定められた。同年7月の「中心市街地活性化法における道路占用許可の特例」では、道路占用に関する無余地性の基準を撤廃する特例が創設された。こうした規制緩和を受け、道路空間の常設化や日常的な利活用を目標とした社会実験が多くなっている。社会実験は、行政の立場から見ると長いスパンで見たときに都市再生を促進するという目的があり、税増収が期待できる。エリマネ団体の立場からは、地域価値の向上や周辺の人々と相互的に納得できる関係の構築(=地域での合意形成)が課題となる。利用者からの立場からは、公共空間の使い勝手の良し悪しを捉えることができ、このようなアプローチは行政やエリマネ団体にとって重要なことである。
日本におけるエリアマネジメント団体は様々な事業を展開し工夫を凝らしながら財源を確保し活動している。しかし、実際には財源不足の団体がほとんどであり、筆者は公民連携の財源と都市整備の重要性を論じている。
●小林重敬,2015,「最新エリアマネジメント 街を運営する民間組織と活動財源」,学芸出版社
◎memo
p.113
エリマネ団体は当初は任意団体の協議会から始まることが多いが、活動を進めていくと法人格しなければならない事項が出てくる。例えば、任意団体であれば事故などの無限責任が全て代表者に及ぶ可能性が出てくることなどである。それ故、わが国のエリマネ団体は法人化したり、まちづくり協議会(非法人)と並行して法人組織を置いたりしており、多層な組織にが展開しているのである。
p.114
・行政の役割はエリマネ団体が活動しやすくなるよう、ルール作りや規制緩和を行うこと。
p.116
規制緩和が進むにつれ、公共空間を利活用した地域の活性化を進める動きが顕著である。これらの活動は今後、収益事業として本格化することが考えられ、法人格をもった組織による安定的な事業への取り組みが求められる。また、法人格としての期待や必要性も大きくなるため、専門性をもった常駐スタッフの確保が必要不可欠になる。
●小林正和,2016,「商店街『空き店舗』等支援事業の取り組みについて:広島県三次市みよし本通り商店街のケース」『福山大学経済学論集』40(1):19-30(PDF有 file:///C:/Users/%E6%B1%9F%E5%B0%BB%E3%80%80%E4%B8%80%E7%A8%80/Downloads/02_kobayashi.pdf)
◎memo
みよし本通り商店街は広島県三次市の北に位置する商店街である。江戸時代からの歴史をもつ商店街で、昭和初期には約300店舗あったが、近年では53店舗まで減少している。そこで、平成11年に事業者や住民が中心となって「三好町歴みち協議会」が立ち上げられた。平成17年からは三次氏の補助制度を利用したチャレンジショップ事業と空き店舗支援事業が開始された。
チャレンジショップ事業では、店舗開業希望者などに期間限定で店舗を貸与する。補助対象者は、法人格を有する商店街振興組合、事業協同組合、三次商工会議所および三次広域商工会であり、出店希望者への直接補助はない。
空き店舗支援事業では、1年以上継続して事業を実施する人等5項目を補助対象者とし、市内で過去に事業を営んでいたが現在は閉店した店舗が対象店舗となる。
これらの事業の成功要因は、空き家・空き店舗を活用したい人と家主の視点(メリット・デメリット)についての意見をよく聞き、それを受け入れる商店街がうまく調整しているからであった。特に、みよし本通り商店街では、相談相手として絶大な信頼を得ていた人物の存在が非常に重要であった。
●桜井政成,2020,「兵庫県豊岡市城崎温泉における観光まちづくり取り組みに関する調査結果―地域コミュニティの課題との関連、サステイナブルツーリズムへの視座―」,『地域情報研究:立命館大学地域情報研究所紀要』(9):94-106
◎memo
コミュニティ城崎:定年を終えた住民が多く所属し、スポーツ大会、文化祭、子ども向けの課外授業、高齢者向けの「みんなのカフェ」、挨拶運動、清掃活動などを行っている。→!協調型?
●宋俊煥,泉山塁威,御手洗潤,2016,「組織・活動特性から見た我が国のエリアマネジメント団体の類型と傾向分析」,『都市計画論文集』51(3):269-276
◎memo
我が国のエリアマネジメントの特徴と傾向を明らかにする。また、①組織特性、②活動特性、③財源調達、④エリアマネジメント効果の観点から、エリアマネジメントの実態を評価する指標を構築し、エリアマネジメントを定量的に評価する。さらに、類型別に組織の比較分析を行い、特性を明らかにする。
GroupⅡ:まちなか賑わい活動中心型
まちの賑わい創出のための物販・飲食やイベント活動を行う。(例:一般社団法人We Love 天神、サンマークシティ日暮里商店街、一般財団法人柏市まちづくり公社)
地方都市では官民が適切な役割分担の元に連携し、補助金に頼りすぎず、存在するリソースを集約し小さな投資とパブリックビジネスで着実な事業や仕組みを構築する必要がある。特に、地域の中で行政による画一的なサービスや補助金では対応できない地域課題に対しては、地域の特性に合わせた独自の都市計画・経営が必要である。
「協議会」の名称を持つ組織は、まちのビジョン・ルール等を策定している団体が多く、会費よりは行政の補助金などに依存しているケースが多い。
●園田康貴,2022「持続可能なまちづくりとエリアマネジメント」『三田評論』(1269):38-43(https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/features/2022/08-4.html)
◎memo
今後目指すべきまちづくりのヒントをエリアマネジメント(エリマネ)の視点から考察する。
エリマネとは、民間が主体となって関係者と協議し、自らの意思で持続的にまちの価値を高める''まち育て''の取り組みである。また、人々の繋がりとしての社会関係資本を構築し、これと地域資源を交らわせ、新たな活動や価値を創造していくというクリエイティブな要素がつまっている。
まちづくりの計画段階から関係者が地域の課題と資源を認識し、地域独自の活動に繋げることがエリマネの核心である。また、エリマネがもつ要素こそが年の課題を紐解く課題であり、都市を正常な状態へ導き、競争力を高める原動力になると園田は考えている。
本論文で紹介されている事例では、持続可能性や多様な機能を持つ面、地域資源の活用、高度なソフトサービスの提供という点で共通している。
エリマネは持続可能なまちづくりの考え方や手法の一つとして有効である。今後のエリマネの役割は、都市の大きさに関係なく、クリエイティブな思考で新事業の創出、新たなライフスタイルの提案することであり、いかにまちのイメージ更新と生活満足度の向上をするかが課題である。
●梯輝元,2022,「滅びない商店街のつくりかた リノベーションまりづくり・エリアマネジメント・SDGs」,学芸出版社
◎memo
北九州市にある魚町商店街を事例に。
リノベーションまちづくり・・・「空き家・空室が多く家賃の下がった衰退市街地の不動産をリノベーションの手法により最小限の投資で蘇らせ、意欲ある事業者を集めてまちを再生する「現代版家守」(公民連携による自立型まちづくり会社)による取組」
エリアマネジメント・・・魚町商店街においては、リノベーションの次の目標として実施された。「年々予算が厳しくなって管理、更新ができにくくなっている公共施設、公共空間すなわち北九州市の管理する道路、公園、河川などをリノベーションすることで、更なる新規企業者、雇用者を生み出し、北九州市のにぎわいづくり、活性化に貢献する事業」
SDGs・・・2018年に「SDGs商店街宣言」を発表。商店街がSDGsに取り組むことで、市民のSDGsへの認知度を高め、市民がSDGsに取り組むことにより持続可能な社会の実現と市民の意識向上を図る。
「小倉家守講座」講師
・清水義次・・・地域再生プロデューサー
・山崎亮・・・関西学院大学建築学部教授、造園家、ランドスケープデザイナー
・木下斉・・・社会起業家、まりづくり専門家、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、内閣官房地域活性化伝道師
●田口陽子,中川大起,クリンカス クン,柄沢祐輔,後藤隆太郎,三木悦子,清水耕一郎,田中妙子,2018,「クリエイティブコミュニティによる空き家活用体制の構築:『未来の有田』シナリオプロジェクト」,『住総研研究論文集・実践研究報告書』(45):219-228
(http://www.jusoken.or.jp/pdf/1722.pdf)
◎memo
空き家活用により、地域の担い手がアーティストとともに文化芸術活動に取り組む。アート作品を都市空間に埋め込むことにより、空き家活用の動きに繋げた。
●濱中静香,2010,「イベントとまちづくり―まちなか賑わい広場「グランドプラザ」の事例研究―」,
◎memo
グランドプラザはまちなかに位置しアクセスしやすいため、通りすがりの人や買い物目的以外の人も集まることができる場所としての機能を果たしている。また、そのような場所でイベントを開催することにより、多様な価値観や理念に触れたり情報を得たりすることが可能となり、まちづくりが活性化する。グランドプラザは個人と社会をつなぐ場である。社会性を帯びたメッセージを発信する場としてまちを機能させることで、新たな賑わい創出や販促に結び付けられると考えている。
●宮崎薫,御手洗潤,宋俊煥,2019,「都市の人口規模と人口動態によるエリアマネジメントの効果とその態様いよる差異の分析」,『都市計画論文集』54(1):30-40(https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/54/1/54_30/_pdf/-char/ja)
◎memo
<本稿における基礎概念>
ヘドニック・アプローチ:キャピタリティゼイション仮説を背景に、環境条件の違いがどのように地価等に反映されるかを観察し、それをもとに環境の便宜の推定を行う手法。
エリアマネジメントが行われる都市の特性による効果の差異と、どのような都市でどのようなエリアマネジメントが有効かを探求することを目的とし、2つの仮説の検証を試みる。
人口規模が大きい都市ほどエリアマネジメントの担い手やや自治体財源は相対的に豊か(大きい)であることが想定されることを受け、仮説1では、区町村の人口規模又は人口増加率と商業地におけるエリアマネジメントの効果は比例する、とした。また、都市の特性により有効なエリアマネジメント活動が違うと考えられることから、仮説2では、仮説1が支持された場合、小規模都市や人口減少率が高い都市においても効果のあるエリアマネジメントが存在する、とした。
諸富2010を受け、分析上効果=地価に対する影響と言い換えることができるとする。
分析の結果、仮説1は人口規模が大きいほど、人口増加率が高いほど、商業地における地下に対する影響が大きい=エリアマネジメントの効果が上がりやすいと考えられ、仮説1は立証された。この原因として、大規模都市のほうが一般的にエリアマネジメントが盛んであり、参考にできる先行事例が多く、活動がより効果を生み出しやすい。逆に、人口減少率が高い地域では、高齢化による現役世代の担い手不足とそれによるノウハウの不足が起こりやすく、結果として効果が小さくなると考えられる。また、小規模都市では、賑わいや集客、消費活動の売上、雇用等の地域経済の活性化を目的としたエリアマネジメントが効果があると考えられる。衰退都市においては、「良好なまちなみや景観の形成」、「賑わいや集客」、「消費活動や売上」、「防災・防犯・安全」を目的としたエリアマネジメントが効果的であると考えられる。大規模都市においては、「消費活動や売上、雇用などの地域経済の活性化」が特に効果がある。成長・現状維持都市においては、「賑わいや集客」、「消費活動や売上、雇用などの地域経済の活性化」に効果がある。人口の規模、動態に応じて効果的なエリアマネジメントの類型は大きく異なるが、目的については、人口の規模、動態に関わらず経済系の目的をもったエリアマネジメントが効果的であることが分かった。
<先行研究>
御手洗ら2016・・・都市の人口規模が小さいほど、イベント・アクティビティの活動が相対的に多く、公共発意で設立されやすい。人口規模が大きい都市ほど、まちづくりに関する活動が活発であるため、例えば、大都市空間では、規模の大きな民間施設を公的に利用するタイプのエリアマネジメントが有効だと想定される。
六車ら2016・・・人口規模、人口増加率は都市の特性を規定する代表的な指針。かつ、都市再生整備計画の目標達成度に正の影響を与える。
平山ら2015,2016・・・エリアマネジメントには、(1)まちなみ景観、(2)防災・防犯・安全、(3)賑わいや集客、(4)消費活動や売り上げ、雇用等経済への効果、(5)住民等の意識の向上、相互理解、ネットワーク形成への効果がある。
諸富2010・・・(5)は現代地域における地下創出の根源である。
●副島脩平,寺島隆世,井本雅史,岩崎義一,2019,「市街地開発事業に関わった地権者意識からみたエリアマネジメントの実施課題に関する研究」,『日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集』17(0):101-104(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cpijkansai/17/0/17_101/_pdf/-char/ja)
◎memo
松原市天美地区、曙川地区で、地権者にまちづくりのニーズをアンケート調査。
曙川地区では、まちづくりに対し、地域社会の信頼や厚生の増大を望んでおり、天美地区では、安全・安心の強化、地域社会の信頼の増大を望んでいることが分かった。
天美AB及びCD地区の比較では、AB地区が開発地区であることから、商業施設・商業サービスが新たに整備される新たなまちに地権者の期待が見られ、CD地区では、CD地区が既存地域であることから、地域のつながりを重視したまちづくりが期待されている。
天美地区では、天美北小学校で「みんなで育てる花いっぱいプロジェクト」が緑豊かなまちづくり・まち育ての一環として行われている。
住民のまちづくりに対する意識は、まちの歴史的背景、立地条件から、地区ごとにその認識が変化していることがまちづくりにおける要素の一つである。
●木下斉,2014,「地方経済を再生する、まちづくり会社最前線」『いばらきの未来を語る「地域オピニオン誌」』46(534):4-15
●古賀陽子,本間里見,位寄和久,2013,「商店街の類型化と衰退要因の抽出:熊本市における商店街に関する研究」,『都市計画』:769-770
●国土交通省,「エリアマネジメントについて」(https://www.mlit.go.jp/common/001059393.pdf)
◦CiNii検索ワード:エリアマネジメント 空き(20件)
●金野幸雄,2015,「エリアマネジメントによる地域資源を活かしたまちづくり:篠山の空き家活用プロジェクトと地域再生戦略」,『都市計画=City planning review/日本都市計画学会 編』64(2):52-55
●篠部裕,山下紗生,2023,「エリアマネジメントによる空き家・空き地の整備体制に関する調査研究」,『日本建築学会中国史部研究報告集』(46):903-906(現在調査中?)
◦CiNii検索ワード:エリアマネジメント 丸亀町商店街(5件)
●吉田克己,2015,「エリアマネジメントと定期借地権による土地所有権と土地利用権との分離―高松丸亀町商店街の事例を素材として」,『明日の地方創生を考える』:253-270
●吉田康造,2008,「商店街の活性化とエリアマネジメント:香川県丸亀町商店街の試み」,『21世紀ひょうご : 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構研究情報誌』(4):24-29
◦CiNii検索ワード:エリアマネジメント イベント(19件)
◦CiNii検索ワード:まちづくり エリアマネジメント 商店街(14件)
●三橋重昭,2015,「活き活き商店街とまちづくり(83)柏地区エリアマネジメントを主導する商店街振興組合:柏二番街商店会」『専門店』(750):62-65
●倉持裕彌 ,2017,「地方の商店街における空き店舗問題とエリアマネジメント」,『信用金庫』71(21):7-11
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