問題関心
Twitterは気軽に発信ができるSNSであり、多くの人が登録している。アカウントを複数持つ人も少なくない。アカウントは、大きく分けると学校の人やバイトの人と繋がる「リアルアカウント」と同じ趣味や考えを持った人と繋がる「趣味アカウント」の2つがある。趣味アカウントでは趣味に関連するものだけではなく、「○○を食べた。」「○○へ行った。」というような日常的なツイートも多く見られる。人々はリアルアカウントと趣味アカウントを「日常か趣味か」以外のどのような基準でツイートを分けているのかについて考えたい。また、フォローしている人のツイートにおいて、許容できるツイートと許容できないツイートの違いについて考え、一般にどこまでが許容されるのかを調べる。
先行研究
松田美佐, 『「遠征」をめぐる人間関係―Twitter上で親しくなる過程と社会的場面
の切り分けを中心に』, 2019
複数アカウントを使い分ける動機として,リアアカについては「所属集団の変化」(→
例:高校から大学)と「所属集団の関係の深さ」(→例:仲が良い人用の裏アカウント
)が,趣味アカについては「(趣味アカ上での)関係の深さ」と「周囲の視線」(「
趣味の隠匿」「リアルの保護」「周囲への配慮」)を挙げている. 趣味で複数アカ
ウントを使い分ける動機は,「社会的場面の切り分け」と「開示情報の調整」の二つ
であるといえよう.前者は,高校や大学,あるいは特定の趣味といった「関係性の生
じる場」での使い分けや,すべての人に開かれているか,親しい特定の相手のみとつ
ながるのかといった「関係性の深さ」による使い分けである. 後者は,リア友に自分
の趣味を隠したり,逆に趣味アカでつながる見ず知らずの人に自分の本名や社会的属
性を隠したりするためのアカウントの使い分けであり,さらには,ネタバレや特定の
趣味など相手にとって「見たくない」情報が見えてしまうことがないようアカウント
を分けるといった利用方法である
→リアルアカウントで自分のフォロワーに見たくない情報が見えてしまわないように気を
つけているのなら趣味アカウントでも同じように何かしら配慮しているのではないのか
CiNii検索語
Twitter,アカウント→114件
Twitter,複数→107件
Twitter,複数アカウント→4件
Twitter,使い分け→12件
岡村季光,多根井重晴2010,「青年期後のSNSアカウント保有数と自己隠蔽傾向の関連」,『奈良学園大学紀要』,奈良学園大学(12)23-28