●問題関心
現代さまざまなスポーツが盛んに行われている。私は小・中・高と野球をやってきてスポーツを肌で感じてきた。段々学年が上がっていくにつれて親や指導者の子どものスポーツに関しての熱が膨れ上がっていくのがわかった。スポーツを教えるにあたって指導者や親が暴力を使うことを目にすることがある。近年指導者の暴力によって子どもたちが自殺や登校拒否についての事件が起きている。以前からスポーツの場には暴力で教える「体罰」というのが存在していたが、なぜ「体罰」は現在も残っているのか?
体罰を甘く見ている現状があるのではないか?
●メモ
体罰とスポーツ熱の過熱は関係あるのか?
体罰を軽視しすぎなのでは?https://www.sankei.com/west/news/130928/wst1309280079-n1.html
体罰事件と言ったら大坂桜宮高校バスケットボール部
国によって体罰の考えの違い
「地域の学校化」
●著者名検索 冨永良喜, 森田啓之編著の寄稿者 ○印の著者
2015年 神谷拓 ○運動部活動の教育学入門:歴史とのダイアローグ 大修館書店 請求番号 375,18
文献リスト
●社会学文献情報データベース
検索語 体罰 スポーツ いじめ
○084005335 //中嶋,明勲 (Nakajima,Akinori),1984「E. デュルケムの体罰批判論 (E. Durkheim's critical theory on physical punishment at school)」,『愛知教育大研究報告 (Bulletin of Aichi University of Education)』33: 31-40,愛知教育大学 (Aichi University of Education). //JPN 中央図書館 書庫3層
○104015399 //新美,みつ子 (Niimi,Mitsuko),1993「<書評> 先生、娘を殴らないで : 富士市岳陽中学体罰事件」,『専修社会学 (Senshu Sociology)』5: 95-101,専修大学社会学会 (Sociological Association of Senshu University). //JPN
メモ 学校とは何か? 学校が人格形成の絶対的な価値判断基準なのだろうか? 暴力=愛の鞭という考えはどこまでつうようするのか? 地域の住民も学校側の体罰を支持するようになり、子供たちの逃げ場、心の安らぐ場がなくなってしまっている。「地域の学校化」
体罰はこどもの感情を奪ってしまう。現代の子供は感情が薄れてきているのかもしれない。
○104015504 //新美,みつ子 (Niimi,Mitsuko),1994「横浜市『体罰報告書』から見た体罰問題」,『専修社会学 (Senshu Sociology)』6: 76-87,専修大学社会学会 (Sociological Association of Senshu University). //JPN
メモ 日本における体罰の定義が示されている。様々な体罰の事件概要が書かれていて事件に関しては参考になる。体罰の現場がビデオに映ったという珍しい事件もある。地域の親が共同して学校に抗議しに行く珍しい事件も書かれている。体罰事件を起こした教員に反省の色が見えない事例が多くやはり教師は全員ではないが暴力、体罰についてにんしきが甘い部分があるのではないかと思う。
○104015665 //新美,みつ子 (Niimi,Mitsuko),1995「体罰後における子どもの権利の回復 : 「子どもオンブズパーソン研究会」を事例として」,『専修社会学 (Senshu Sociology)』7: 68-83,専修大学社会学会 (Sociological Association of Senshu University). //JPN
メモ 体罰発生後の処理制度がきうすなため、親の対処の方法や学校の対応も曖昧なため「事後処理制度」や「子どもオンブズパーソン制度」が早急に必要になるだろう。
●Articless
検索語 体罰 スポーツ
2017年 朝日新聞出版 島沢優子 時代を読む スポーツと暴力 根絶には指導者の育て直し 体罰を受けた子に脳の容積の減少
○2017年 南部さおり 学校運動部活動における重大事故と顧問の法的責任 : 大分県竹田高校剣道部暴行・熱中症死亡事件裁判からの教示 中央図書館 書庫 2-3, 7-12
日本体育大学紀要 = Bulletin of Nippon Sport Science University 47(1), 1-11, 2017-09
○2017年 日本心理学会 為末大 スポーツにおける体罰の背景 : 根絶に向けて取り組めること (特集 暴力 : どこから生まれるのか? いかにして克服できるのか?) 心理学学会 電子ジャーナル7
メモ スポーツ体罰は表面化しにくい現状があるのだ。部活動を売りにしている学校ならなおさら表面化しにくい。生徒が指導者から暴力を振るわれたからそれを告発することは自分の評価をさげることになってしまうという考えが強豪校んわどはとくにそうだ。告発したことによって自分は試合にでれなくなった、学校が謹慎処分をうけることによって他の部員に迷惑がかかるなどどいった感情が生まれ、体罰が表面化しにくい事態が起きている。
心理学ワールド (77), 17-20, 2017-04
○2017年 仙台大学 平田忠 高校の部活動における体罰経験と体罰に対する評価をめぐって : 仙台大学の場合と他大学による調査との比較研究 書庫3層 2-3、5、7-14、16-18
仙台大学紀要 48(2), 23-36, 2017-03
2016年 日本大学 南部さおり 愛知県立刈谷工業高校野球部体罰自死事件の死亡見舞金支給に関する日本スポーツ振興センターの決定
長谷川誠 2016 学校運動部活動における「体罰」問題に関する研究 : 体罰を肯定する意識に注目して
メモ 教師と生徒の立場は対等ではないこと、絶対的生徒の立場が弱いことは忘れてはいけない。体罰をふるった教師がよく口にする言葉「信頼関係があった」しかしこの言葉永続的に続くものなのだろうか。引退後生徒から「あの時の暴力は嫌だった」などこちらもよく耳にする言葉である。教師が思っているほど信頼関係は永続的なものではなく、信頼してるからといって生徒、選手は暴力をみとめるわけではない。教師の勘違いや思い込みで体罰がおきることもある。
富永良喜 スク-ルカウンセラ-の立場から大人のかかわり方を考える (シンポジウム いじめや非行に学校はどのように対応するか--これからのスク-ルカウンセラ-はどうあったらよいか)
メモ 最近の日本ではボーダレス現象が起きている。様々なところで境界が薄くなっている「じゃれあいのいじめ」「いじめごっこ」「いわゆる昔からのいじめ」「いんしつないじめ」犯罪行為としてのいじめ」これらのいじめの境界線がうすくなっていることによって自殺するほどの暴力、体罰がいじめとして見られ、いじめが以前とは変わってきたというひとが増えるのである。そもそも現在行われているいじめは「いじめ」なのだろうか?という部分をこれからは見ていかなければならない。
森田啓之 「スポ-ツ教育」の概念検討のための方法論的視座に関する一考察
メモ 体育とは教育の一環であり、スポーツは教育の手段である。体育とは体を鍛えることによって団結力、忍耐力、責任感、規律、勇気、チームワークといった徳目を身につけさせること。スポーツ教育の目的は人格形成である。
●富山大学図書館
検索語 体罰 スポーツ
2014年 冨永良喜◎ 「いじめ」と「体罰」その現状と対応:道徳教育・心の健康教育・スポーツ指導のあり方への提言 森田啓之編者 金子書房 図書館5階 書籍番号 161442344 請求番号371,42
メモ この本はいじめがどうなのかではなく、いじめ予防に重点を置いている。いじめゼロが絶対的に正しいのか?いじめに対する社会の共通理解がなければあやまった対処をしてしまう。蹴る、殴る、無視するだけがいじめではない、それだけによって子供たちは自殺したのではない、今までの心の痛みが蓄積されたことによって自殺はおきる。国会で長時間議論される、政治的な問題として体罰、いじめ、自殺が取り扱われる、教育制度への問題関心に焦点が集まる、これらのことが実施されるまで時間がかかり過ぎたのではないか?
メモ・軍国主義的発想の元、ある時期から運動部の過熱化が始まり今まで以上に「管理・統制」によって子ども達を厳しく顧問や教師がしばるようになった。このことを軍国 主義の「焼き直し」ともいわれている。「心の教育」という立場に立って子ども達を服従させ、自分の言葉に従わない者・態度が悪い者は暴力によって徹底的に従わせようとしていたのが1980年代の教育であり、体罰が部活動に見られる時期でもあった。80年代の子どもが現在教師になり、生徒に体罰を使い服従させている現状がある。
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検索語 体罰 スポーツ
2017年 朝日新聞出版 スポーツと体罰 トップ指導者14人の証言
2013年 川口智久 先生、殴らないで! 学校・スポーツの体罰、暴力を考える
●WEBサイトより
検索後 体罰 スポーツ いじめ
2016年 11月22日 石井聡 専門家が答えるスポーツディア 1MUSTER 【スポーツ界の根深い問題、「体罰」という名の暴力を絶やすために】 https://muster.jp/course/473/
メモ 体罰というのは指導者の指導方法の未熟さから生まれるものである。選手が体調が悪いや怪我をしている場合でも体罰という暴力を降りかざせば選手を無理にでも動かせるのである。「罰」という言葉は、「しつけ」・「しおき」などのニュアンスを持つもであるが、スポーツ界における「罰」はただの「暴力」となっているのが現状なのである。
2013年 3月22日 碓井真史 いじめ・体罰の深刻化(犯罪化)、いじめ自殺・体罰自殺を防ぐために https://news.yahoo.co.jp/byline/usuimafumi/20130322-00024000/
メモ 現代のいじめは以前のいじめと変化してきている。以前のいじめはいじめる人といじめられる人がいて、その周りにはいじめる側につく人といじめられる人を助ける側の人といった2つ勢力が分かれていたが、現代のいじめはいじめる大人数といじめられるひとりの人といったいじめられる人が誰からも救われず孤立していくのである。
随時更新 岩熊豊和 スポーツ問題解決のための法律相談窓口 http://sports.lawyer-iwakuma.com/coach/
メモ スポーツ指導者はどれくらいスポーツ選手を指導するにあたってどれほど「法律」を意識しているのだろうか?スポーツ選手が安全に怪我なく指導を受けることができるように指導者は安全を十分に配慮した指導をしなければならないという民法上の義務があることを自覚しなければならない。
2013年3月2日 碓井真史 体罰の5つの副作用:体罰の定義「体罰の心理学」反対するなら根拠を持とう https://news.yahoo.co.jp/byline/usuimafumi/20130302-00023704/
メモ この記事は体罰の定義について考えている文である。体罰の定義とは・・・親、教師、コーチなどが、指導する上で与える肉体的苦痛を伴う懲戒である。他にも体罰の副作用などが書かれている。
2013年 有田憲一 スポーツ界の体罰問題って? 朝日新聞東京本社スポーツ部 http://www.asagaku.com/jkp/2013/2/0215.html
メモ この記事は、小学生にもわかりやすい文章で柔道のオリンピック選手にあった体罰や大阪の桜宮高校の体罰がどう報道され今はどうなったのかがわかりやすく書かれている。
不明 サイト運営者 ジャパンライフNaVI事務局 体罰が多いスポーツとは?体罰がスポーツに及ぼす効果! http://japan-life-navi.com/archives/1429.html
メモ 体罰はなくらないかも?という発想を持っている。なぜなら今のアラフォー世代は愛のある教育=暴力という考えが根付いている世代であって、「愛のあるムチ」「スパルタ教育」といったうってつけのキーワードを振りかざしている。その世代の意識を変えなければこの現在の体罰というのはかwらないのかもしれない。
●新聞記事より
検索後 体罰 スポーツ いじめ
2013年 2月20日 源田公樹 ファガーソン監督は怒鳴っても.....体罰問題を考える 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZZO51913120Z10C13A2000000/
メモ 欧州では体罰がないわけではないが、日本のように激しい暴力を振るわれるわけではない。激しく怒鳴り散らすことは多くあるが、選手に手をあげることは滅多にないのである。国によって体罰の考えが大きく変わってくるのだと思う。
●体罰の時代変化
体罰をした公立教員の推移
Source: asahi.com via odajori on Pinterest
朝日新聞より
●有名体罰事件
2018年 岐阜県女子ハンドボール部体罰
詳細・女子ハンドボール部顧問が部員に対して「チームを強くする」と言う目的で顔を殴ったり髪の毛を引っ張ったりしていることが発覚した。
2013年 大阪桜宮高校バスケットボール部主将自殺
詳細・バスケットボール部の主将が顧問の体罰により自殺した。その後メンバーの保護者から匿名の投書が送られ、顧問の体罰行為は告発された。
1995年 近畿大学付属女子高校体罰
詳細・被害者はテストで良い成績を残しており、追試試験を受けなくてもよいのだが、放課後追試試験が行われる教室になぜかおり、教師から出て行けと注意され教室から退出しようとする際に鏡で髪の毛を整える行為をしたことによって教師が激怒し被害者をなぐり、その反動でたおれコンクリートに頭をぶつけ死亡した。
1991年 青森県三戸町立三戸中学校体罰事件
詳細・ソフトボールの顧問が生徒に対して部活中に体罰を加えたことによって生徒がある早朝に農薬を飲み自殺した。「先生を殺したかった」という殺意まであったという
1952年 東京学芸大学付属世田谷中学校
詳細・授業開始の礼の際一人の男子中学生がくしゃみをし、それに対して教師が怒り廊下に立たせたところ生徒が窓から飛び降り自殺した。