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子供 貧困 教育 子供の権利 希望格差 家族
家庭の貧困状況が子供の教育希望に影響を与えるプロセスはどのようなものなのか。
貧困を原因に進学を諦める可能性を持つ子供たちは何を思ってそうしようとするのか。
県内の低収入世帯の子供の大学進学希望率が全国調査のものよりも低いのはなぜか。
進学しない、したくないという子供たちの希望はどのように受け入れられるのか。
高等教育に進学し,良い職に就き経済的に豊かになることを子供達は本当に望んでいるのか。
進学希望率が低いことは必ずしも悲観的に見られるべきことなのか(多様性の尊重と表裏一体であるという可能性はないのか)
子供に関係する政策は少子化対策の一環として子育て支援として行われることが多いように思う。家族・家庭という枠を超えて子供本人の自由意志はどのように尊重されているのか知りたい。子供の貧困対策,教育格差の是正に対するアプローチに,家庭への経済的支援以外の方法があるのではないか。
2023年2月15日、富山県は県内で小中学生がいる計4千世帯を対象とした生活実態調査の結果を公表した。中学2年生がいる世帯の687件の回答のうち,低収入世帯(世帯収入が中央値の半分〔162万5千年〕未満の世帯)は9.1%で、このうち中学生本人が大学進学を希望する割合は19.3%だった。全体の平均(47.8%)よりも28.5ポイント低く、内閣府が行った全国調査(2020)の結果(28.0%)よりも低い。県は結果を踏まえ、低収入家庭の子供やひとり親への支援に力を入れる方針。(「低収入世帯の県内中学生 大学進学希望19.3%」『北日本新聞』2023年2月16日朝刊第1面)
富山県 厚生部 こども家庭室こども未来課「こどもの生活状況調査の結果について(概要)」
PDF※onenote「地図」にpdfあり
<https://www.pref.toyama.jp/documents/32000/r4seikatujyoukyou-gaiyou.pdf >(2023年3月24日参照)
富山県HP
<https://www.pref.toyama.jp/120102/kodomomirai/r4seikatujyoukyou-houdou.html >(2023年3月24日参照)
調査対象
県内の①小学5年生・②中学2年生がいる世帯の児童・生徒及び保護者。①・②共に2千世帯が対象。回答数は①836件(回答率41.8%)、②687件(34.4%)。
調査方法
無作為抽出によって決定された対象世帯への郵送調査(一部ウェブ上で回収)
調査期間
令和4年9月28日〜11月15日
クロス票集計(①n=779 ②n=650)
世帯年間収入を同居人数で除した数を算出し、中央値以上、中央値の2分の1以上中央値未満、中央値の2分の1未満の三階層に分類。(※以下、三つ目の階層に当てはまる世帯を低収入世帯と書く)
ひとり親世帯と、ふたり親世帯に分類。
*ひとり親家庭の中で、全国調査の結果に比べて、県小学生では低収入世帯の割合が高く、県中学生では低くなっている。小学生の子を持つ親より中学生の子を持つ親の方が収入が高い?
結果から分かること
(P.4)収入が低い、ひとり親世帯であると「生活が苦しい」と感じている。*これは親の回答であると予測できるが、子供はどう感じているのか
(P.5)収入水準が低いほど、子の大学以上への進学希望する割合が低く、高校までと考える割合は高い。
(同)県中学生において、収入水準が低いほど「まだわからない」の回答割合が高い。*収入水準が高い家庭の親ほど子の将来について明確なビジョンを持っているのか?親が子の将来について早い段階から考えていることは子にどのような影響を与えるのか。
(P.8)授業時間外の学習時間は、小学生では世帯収入や親の人数による差は見られないが、中学生では低収入世帯ほど時間が短く、ひとり親世帯の方が若干時間が短い。
*小学生では差が見られなかったのに中学生になると差が生まれるのはなぜか。中学に上がると学習塾に通う子が多くなるが、お金がないと通えない→学習時間が短い、となるのか。
*中学になると将来についてより考え始める?この進路についての「分からない」という回答との関係は
*親の教育熱との関係は
(P.9)小学生より中学生の方が世帯収入と成績の関連(低収入世帯の子ほど成績が低い)が強い。*上の学習時間と同じ要因か
(P.11)進学したいと思う教育段階(子の回答)で「大学またはそれ以上」の割合(資料内のデータから表を作成)
*低収入であると大学以上へ進学したいという割合が低い。
*小学より中学の方がその差が大きい
インタビュー調査(教育,貧困対策に関連する施設)
・一般社団法人Teena Light(富山出身の現役大学生による教育団体 10代のための相談援助、進学支援事業を行う)
< 子ども応援未来塾 OneAll | Teena Light(テーナライト) (teenalight2021.wixsite.com) >
*代表は2003年生まれの現役大学生。オンライン個別指導塾を経営している。調査対象にするにはちょっと違う気もする。
アンケート調査
〇団体へインタビュー→個人(可能であれば中高生本人)へのインタビュー等の調査につなげたい
検索ワード
「相対的貧困」 「教育」 CiNii Articles…19件
「意欲格差」CiNii Research 論文…24件(2023/04/03)
「貧困」「進学」CiNii Research 論文…64件(同)
新谷龍太郎, 2016, 「学力格差是正に向けた就学前教育の研究」『保育研究』44 : 23-31
今井 朋実, 2012, 「子ども福祉の課題からの検証 : アメリカヘッドスタートから見えるものとは」『社会環境論究 = Studies on social environments』4 : 293-310
卯月由佳・末冨芳,2015,「子供の貧困と学力・学習状況:相対的貧困とひとり親の影響に着目して」『国立教育政策研究所紀要』144: 125-140
(国立教育政策研究所〈 https://www.nier.go.jp/03_laboratory/kankou_kiyou_144.html 〉)
●木下真,2019,「子どもの貧困を覆い隠してきた民主教育 (特集 子どもの貧困)」『チャイルド・サイエンス = Child science : 子ども学』18: 21-24
(日本子ども学会〈 https://kodomogakkai.jp/03/18.html 〉 )
斉藤知洋,2017,「子供の貧困と中学生の教育期待形成」『社会学年報』46(0): 127-138
(J-STAGE 〈 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tss/46/0/46_127/_article/-char/ja 〉)
杉井潤子・改田仁実,2016,「子供の貧困の現状と課題:教員が貧困問題に気づくための視点と支援の手立ての検討」『京都教育大学紀要』129: 93-107
〈http://tosho2.kyokyo-u.ac.jp/webopac/S007v129p93-107_sugii._?key=ATQVPK〉
高田 一宏, 2000, 「ヘッドスタートの研究--その歴史と今日的評価」『姫路工業大学環境人間学部研究報告』2 : 153-162
玉置 哲淳, 1996, 「エンゼルプランをどう生かすか-2-エンゼルプランを契機に同和保育の改革を--アメリカのヘッドスタートを踏まえて」『部落解放』404 : 106-117
樋口和美, 2022, 「子どもの学びのスタートを支える環境つくり : 異文化交流・外国語活動のヘッドスタートの研究」『福岡女子短大紀要』 87 : 83-93
深堀聰子, 2014, 「アメリカおける学力格差是正にむけた幼児教育改革」『教育制度学研究』 21 : 134-139, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjseso/2014/21/2014_134/_pdf/-char/ja
藤田武志, 2006, 「意欲格差と学校--東京都S区の事例から」『教育経営研究』 12 : 70-79 上越教育経営研究会
増渕哲子,2015,「『貧困』記述からみる家庭科教科書教育論についての一考察」『一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集』67 (0): 123
松田茂樹, 2007, 「親が勉強を教えている--子供の学力格差を生む親の意欲格差」『Life design report = ライフデザインレポート』181 : 28-35 第一生命経済研究所
矢野円郁,2014,「『貧困観』から考える現代日本社会の貧困問題 : 貧困の連鎖を断ち切る教育の機会均等」『ヒューマンサイエンス』17: 1-11 〈複写資料あり〉
書籍
●阿部彩『子どもの貧困――日本の不公平を考える』,2008,岩波書店
エドワード・ジグラー, スーザン・ムンチョウ著 ; 田中道治訳, 1994, 『アメリカ教育革命 : ヘッドスタート・プロジェクトの偉大なる挑戦』,学苑社. 【9784761494056】
添田久美子, 2005, 『「ヘッド・スタート計画」研究 : 教育と福祉』,学文社. 【9784762013836】研究室貸出 教育学部