妖精王のかたびらChain_Shirt_of_Elven_Lord 開拓歴以前のおごったエルフの王家が創造した品。 殆ど黒く見える青いエルヴンシャツ。 まだ、ドラウ誕生以前のものである。 本来、元素界への大規模侵攻のために作られた。 地の元素界からアダマンティンを選りすぐり、火の元素界の炎で鍛え、風の元素界の風で炎を煽り、水の元素界の氷で焼き入れをした。
防具の特性 このかたびらは、エルフ族のみが同調できる、チェインシャツ+3である。 大休憩を取るごとに任意の一種の属性に対して抵抗を得ることが出来る。この抵抗は選びなおされるまで続く。 加えてその抵抗を得ている攻撃に対しては、リアクションを使用することで、使用者の次のターンの開始まで、自分のセーヴに有利、もしくは相手の攻撃判定に不利をつける。 全方言の始原語を読み書き、会話できるようになる。 また、アーマーofアダマンティンの特性を併せ持つ。
ランダムな特性:以下の特性を得る。大きな有利な特性×1小さな不利な特性×1の特性を得る。
・鎧の破壊方法 黄銅城のもっとも強い炎で一世紀劣化させ、ジニーの王たちが、それぞれ一撃攻撃することでのみ破壊できる。
真赤な誓い武器(ロングソード)、アーティファクト(要同調) 柄から切っ先まで一体成型の、アダマンティン製のロングソード。 柄頭には大きなブラックサフィアがはめ込まれており、その中には蠢く赤い霧のようなものが見え隠れする。
1050DRのころ、ドワーフにしてバハムートの司祭『"チビの"ムクボンガル』が幻視した未来、ティアマトと対峙する者のために秘儀を紐解いた。 ムクボンガルは、全ての色の金属ドラゴンから、祝福を受ける探索の末、完成させる。 完成した時は1100DRらしい。 しかし、ムクボンガルはティアマトを倒すための探索に出て、行方不明となる。 このアーティファクトがカリムシャンに流れ着いたのは、青の大竜オルルロアのコレクションとしであるが、推測の域を出ない。
・魔法の武器:命中判定とダメージに+3の修正が入る。 斬撃への抵抗を無効化し、耐性を持つ敵にも半減ダメージを与える。(現在は封印中?) クロマティックドラゴンには+3D6のダメージを与える。 軽妙な造りで、妙技特性を持つ。 ドワーフ語とドラゴン語を理解し、読み書き会話が出来るようになる。
・ランダムな特性 小さな有利な特性×3・魔法学を習得・ACに+1・恐怖にも魅了にもならない
大きな不利な特性・同調時、8d10の精神ダメージを受ける。
・剣の破壊法:このアーティファクトを破壊する方法は、バハムートのクレリックかパラディンの、その場でえぐりだした心臓に突き刺しながら、誓い破りしパラディンが、ブレスの呪文を7レベルスロットを用いて使用することである。
らせんの蛇アーティファクト:らせんの蛇武器(グレートソード)、アーティファクト(要同調) 黒い皮を巻かれたドラゴンの骨の柄に黒水晶の刀身を持つグレートソード。 透き通る刀身の中では、二匹の銀の蛇が、柄から切っ先に向けて、絡み合って動くさまが見える。
1357DR、呪文荒廃中、ダークロード『隻眼』オーゼンタがシャドウフェルで鍛えたアーティファクト。 オーゼンタをはじめとする四人のエラドリンの賢人が、シャダー=カイを不浄なものとして、宇宙から追放すべく、シャドウフェルのもっとも深い泉にあった黒水晶から、刀身を削りだしたもの。 しかし、オーゼンタ自身も、このアーティファクトの力に耐えきれず、魂を吸い取られ、銀色の蛇として取り込まれ、未完成のままでレイヴンクイーンのもとに運び込まれ、皮と骨の柄をつけられ、一応の完成を見た。
・魔法の武器 命中判定とダメージに+3の修正が入る。(現在は封印中?) この武器による攻撃は斬撃と力場への抵抗を無効化し、斬撃と力場への耐性を持つ敵にも半減ダメージを与える。
・蛇の鎖 同調者は標準アクションでこの『蛇の鎖』を起動できる。毎ターン開始時、HPを一から六点のダメージを受ける。 このダメージは起動停止するか、同調を解除するまで変更できない。『蛇の鎖』は標準アクションで解除するまで停止できず、その間HPを回復できない。 しかし、このアーティファクトで行われる攻撃には、(減らしたヒットポイント)D6の力場属性のダメージを追加できる。『蛇の鎖』起動中に、攻撃ロールで出目20を出すと、攻撃対象に敏捷度セーヴ難易度15を要求できる。 セーヴに失敗すると、対象者は次の自分の手順の終りまで拘束状態となる。 一度に拘束状態における対象は最大で二体であり、対象から同調者は10ft以上離れられない。(どちらかが強制的に移動された場合、拘束は即座に解除される)
・このアーティファクトの特性(不利益):このアーティファクトと同調している間は、エルフ語、森語、ドルイド語およびその方言を理解できなくなる(コンプリヘント~も無効となる)。
・アーティファクトの破壊法:このアーティファクトを破壊する唯一の方法は、産まれて百一年と一日の間、一度も嘘をついたことのない女性の手で、折ることである。
アーティファクト:無限のバッグその他(背負い袋)、アーティファクト(要同調)
・外見 ひんやりとした、白い革製の背負い袋。 竜語で現在入っている財宝の金銭的な価値がリアルタイムで浮かび上がる。
・起源 100DR。世界の背骨山脈に居をかまえる『業突く張り』ランダーガというホワイトドラゴンが作り出した。 ランダーガが仕える神は、ティアマトである。 ランダーガは、ホールディングバッグで足らず、略奪で得た物品、果ては全ての宝を持ち歩こうと考え、ティアマトに百一年と一日の間、祈りをささげた。 彼は望む品を手に入れたが、その時には富は冒険者により失われた挙句、失意のうちに討たれ、この無限のバッグも散逸してしまった。
・利益 ホールディングバッグと同様に生物、他のバッグ類は入れられない。 合計二万pdまでの荷物をおさめることができ、どんなに入れても、重量は最大2pdにしかならない。 ただし、物品ひとつの重さにより、出し入れに必要な時間が変わる。一pd以下の物品:ボーナスアクション五pd以下の物品:物品アクション十pd以下の物品:標準アクション二十pd以下の物品:一分間百pd以下の物品:六分間五百pd以下の物品:一時間一千pd以下の物品:一日二千pd以下の物品:一週間四千Pd以下の物品:一月一万pd以下の物品:一年二万pd以下の物品:十年四万pd以下の物品:百年
・不利益 コインやマジックアイテムでない、財宝(宝石、装飾品、芸術品)を入れると、即座に価値が半減してしまう。
・破壊法 百年の時間をかけて、四万一pd以上の物品を入れた瞬間、このアーティファクトは破壊され、内容物はアストラル界にばらまかれる。
アーティファクト:ニルベの護符その他(護符)、アーティファクト(要同調)・外見 所持者のこぶし大の紫水晶の原石、いびつなかたまりだが。ミスリルの鎖で首からぶら下げるようになっている。
・起源 神を越えた存在になろうとした、ヴェクナの霊統に連なるタイタンのリッチ”愚か者”ニルベが作り出した護符。 最終的にニルベは、ヴェクナとは異なり、支配欲を超越し、デミリッチになり、既知世界より去っていった。 残されたこの護符は、神を越えて段階に至ろうとする存在への贈り物として、様々な次元の求道者の手を渡り歩いた。
・利益 同調中、全能力値が22になる。 同調中、同調枠が3ではなく、5になる。
・不利益 十時間以上熟睡しないと、クラス特徴を再利用可能な、大休憩にはならない。 空腹になりがちで、小休憩でクラス特徴を回復するのに、一般人の十倍の食事と水を欲する。※この不利益は、クリーチャーの特徴や、クラス特徴といった、睡眠や食事を必要としないなどのテキストを超越する。 大小休憩を取るのでなければ普通に生活は可能である。
・破壊法 ニルベを物質界に再降臨させ、彼が持つ、10レベルのオリジナル魔法パワー・ワード・デストラクションを、この護符に使ってもらう事。
Arcana Tiny Starアルカナの小さな星
来歴 DR以前の古代種族が、世界の全てを知るために作り上げた品。 その全ての中にはエイオーの存在に迫る、危険な知識があったため、ミストラにより封じられた。 しかし、第二次分割の混乱に乗じ、シャアが封印の地より持ち出し、地上に散逸している。
外見 タロットカード。 星と月と太陽をあしらった裏面を有している。 21枚の大アルカナのセット。 現在フールはない。ただ、鏡のような表面のカードがあるのみ。
利益・アルカナの力 ウィザード、ウォーロック、ソーサラーが同調した際、呪文セーヴのDC、攻撃ロール、呪文のダメージに+4される。
・地上の星 21チャージを有す。このチャージは〝COSMOS〟に使用する。 このチャージは毎夜明け、同調者の知力度ボーナスに等しい値回復する。
・COSMOS 同調者は、ウィザードの呪文リストより、占術呪文を通常通り発動できる。 物質構成要素は必要だが、消費される物質構成要素は消費されない。 ただし、発動したレベルに等しい〝地上の星〟のチャージを使用する。
不利益 このアーティファクトは、体力、敏捷、耐久が10(固定)になってしまう。
破壊法 このアーティファクトは、同調者が真に絶望した時、燃え尽きてしまう。
アーティファクト:天鳴武器(グレートソード)、アーティファクト(要同調)・外見 アダマンティンの刀身を持つ大剣。刀身に十一個の宝石がはめられている。 宝石には、剣の真の名前を知る十の賢者と、力の源である天使が封じられている。
・出自 邪悪なタロスの、やはり邪悪なエグザルフ『アザーマン』が、タロスへの反逆をもくろみ、善なるエンピリアンと手を組み(そして彼を裏切って)、剣に封じたもの。 タロスが持つという噂の雷のルーンの、模倣を目指したという風聞があるが、セスDM以外知らないだろう。 反乱に敗れた『アザーマン』は、百の欠片に刻まれ、奈落に放り込まれたという。 封じられたエンピリアンが、自らを呪縛できる、彼の十の真の名を呼ぶとき、剣は砕けエンピリアンは解放される。 しかし、エンピリアンは自分が呪縛されることを恐れ、真の名を教えようとはしないのだ。
・有利な特性①天罰雷臨 このアーティファクトと同調時、ダメージと命中判定に+4の修正がつく。 このアーティファクトによる全ての攻撃ダメージは[雷鳴]に置き換える。[光輝]のダメージダイスは、本来のd8から、d10へと変更される。
②雷鳴伝道 このアーティファクトは30ポイントのチャージを持っている。 このチャージを使用して、5ft以内の対象一体に、[雷鳴]への脆弱性を与える。 使用するチャージは相手の脅威度に等しい。1未満の場合は、チャージを使用しない。 この脆弱性は、対象のターンの終了までつづく。
・不利な特性 激しい消耗により、あなたに対して、ダイスを振るHPの回復は、すべてのダイス目が1になる。
・アーティファクトの破壊法 天鳴を握りしめ、エンピリアンの隠された十の名前を、一分以内に正しい順序で呼ぶこと。 それにより、天鳴からエンピリアンは解放され、天鳴はすべて力を失う。
・鴉の女王が下した神託(無限の袋)(ニルベの護符) ビーンは先日、遺跡で炎に蹂躙された。 先日とはいっても、ふた月前であり、炎は正確には火の精霊である。 その顛末は、アレーナの加護もあり、ビーンの背中には水ぶくれひとつできていない。 さすが、癒しの力篤きアリーシャ女神の力だ、と言うしかないのだ。 肉体はまるで傷つかない。 しかし、ビーンの身の回りの品はそうもいかないのだ。 特に少年が背負っていた背嚢。 それはバルダーズゲートの浮浪児時代から使っていたものだ。 まあ、正直、ぼろ布同然で、質の良いものではない。 だが、冒険という局面では、使いやすく、馴染んだ道具は大きく生死を分けるだろう。──ビーンはということで、グレートソード『女狩人』をゲパードに渡し、鉄髭のローンから解放され、自由砦の市場で手ごろなザックを探しに来たのだ。 できれば頑丈な背嚢がいい。同時に軽い背嚢がいい。 矛盾しているように聞こえる。 だが、両立できない訳ではない。 そういった矛盾を抱えたまま、クォリティを追及していくと、途方もなく高価になり、行きつくところまで行けば、魔法の品になるだろう。 しかし、そんな余裕は一介の民兵であるビーンにありはしない。 金貨五枚という途方もない値段の白い革の背嚢を目にした時、ビーンは天啓を感じてしまったのだ。 これをパラディンの召命と呼ぶなら呼べ。 とはいえ、レイヴンクイーンは、自らのしもべに意味のないお告げなどしないはずだ。 だからといって、ビーンには軽々しく買える値段ではない。 ビーンにとっては、背嚢の脇に何かの文字が輝いているのを見て、これは魔法の品に違いない、そういう直観もある。 それはそれ、これはこれだ! ちなみにビーンは中庸なたちである。 たしかに『理性』を重んじるし、『感情』も無視しない。 その上で最終的に求めるものは『場の空気』である。 判断に良心も悪意も介在しないのだ。
「ぼうや魔法の背嚢だよ、金貨五枚で売ってあげよう。中身は冷やせるから、この先、夏場は特に役に立つアルヨ」 そのノームの売り手は揉み手しながらビーンにそう囁く。「暖かい品なら今役に立つけどね。金貨一枚なら考えるかな?」 ビーンは銅貨一枚でも値切るべく、自己の主張の正当性を語りだした。「いやいや、そんな金貨四枚と銀貨八枚に銅貨二枚を銅貨一枚でも下回ったら、わたしの一族郎党これもんよ?」 言って手刀でノドを掻っ切るジェスチャーをするノーム。 自らの商品に、銅貨一枚でも高く値をつけようとして、自らの論法を展開する。 互いに一歩もひかない。「いやいや、あなたの家族の心配は大事だね。使いやすそうだから金貨一枚と銀貨四枚で手を打たない? 魔法と言っても役に立ちそうな力はないし」「なんだなんだ?」 周囲には論戦を見物しようと、人の囲みが出来る。 どちらの言い分が通るか、賭けも始まる始末。 ノームが将来性を謳えば、ビーンは魔法の価値を問う。 互いにそれぞれの意図から論点をずらしながら、主張の着地点を求める。 結果だけ言えばノームの勝利だった。金貨三枚と銀貨五枚、加えることの銅貨四枚で背嚢をビーンの財布から引っ張り出したのだ。「いい買い物したよ、そんな気がするよ」 逆を言えば、ノームはビーンがそこまでして買う理由が分からなかった。 高そうな背嚢をダシにして、客の足を止めさせ、他の小物を買わせる──それがノームの商法だ。(まあ、ホンモノかニセモノかなんてどうでもいい。金貨三枚をカモれたのだから) ノームはカモがネギをしょってやってきたことを喜び、集まった囲いの中から、新たなカモを求める。 人は人を呼ぶ。市場の鉄則だ。
ビーンは新しい背嚢に腕を通して、勝手を試している。 使い心地は悪くない。だが‥‥金貨三枚の価値があるだろうか? ビーンは背嚢に小銭入れを放り込む。その瞬間、背嚢の文字が変わった。「ん?」 小銭入れを出す‥‥文字が変わる。 もういっぺん出し入れする。また変わった。「中の金額が?」 ビーンは推論する。 同時に違和感があった。 小銭入れが明らかに軽くなっている。いや、中のコインがゴミのようなものに変わっているのだ。「‥‥まさかね──金を食う!」 ビーンは民兵という立場でなければ、今すぐ戻って背嚢を叩き返したくなった。 だが、背嚢の中に手を入れてコインをさぐると、違和感がある。 硬質だ──おそらくは石? のような触感だ。 ビーンが引っ張り出すと、銀の鎖をつけた、大ぶりな紫水晶のペンダントらしい、護符だろう。 ビーンの指先に、不思議な『なにか』を感じた。明確に言おう、『力』だ。 兵舎に戻ると、業務時間の合間を縫って祈祷(パラディンは思想職でもある)を、する。 ビーンが護符と心を通わせあい、同調する。 すると、護符から漏れてきた力により、ビーンは不思議なほどに心身が充実してくる。 極論すると、自分と宇宙の関係とかも理解出来る。「ああ、こんなに簡単だったんだね」 力はオーガを越え、巨人の域に達するなど、もはやビーンは今までの領域ではなかった。「ええと、ビーンくんお風呂入ったの?」「‥‥うん」 微妙な沈黙。 同僚のアレーナは、清潔は美徳と、普段からビーンに苦言を呈している。 とはいうものの、普段とは打って変わった、少年の雰囲気に、すれ違うときに聞いてしまった。「言えた義理ではないですが‥‥あまり魔法の品に頼らない方がいいかも」「大丈夫。理屈じゃないよ」 少年の言葉に一抹の不安を感じるアレーナであった。
ビーンの祖母レイヴンクイーンでさえ、自分が下した神託の品に、このような『イレギュラー』があるとは考えなかった。「必要とあれば夜鳴き鶯を遣わすまで──」 自身の血に連なるものとは言え、彼女の決断は苛烈な力の行使となるだろう。 それが明らかになるのには、あと僅かであった‥‥。