家庭医

医療助言に対する免責事項

このページの内容、スライドおよび資料等は情報提供のみを目的として作成されており、公式な医療助言や診療サービスを目的としたものではありません。このページで提供される情報は健康問題、疾病の診断や治療のために使われることを意図とはしておりません。医療従事者による治療の代用になるものでもありません。もし、あなたが健康に問題がある場合や、その疑いがある場合には、必ず主治医に連絡をとって相談をして下さい。このページで得た情報に頼り、主治医からの医学的助言を無視したり、主治医に相談することが遅れるようなことが決して無いようにして下さい。

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もし、あなたが医学的に緊急を要する事態にあると思う場合には、すぐにあなたの主治医もしくは救急医療サービス（911）に連絡を取って下さい。また、個人の健康問題に関する質問は必ずあなたの主治医にご相談して下さい。

家庭医とは?

こちらの医療システムは日本と全く違います。家庭医 (Home doctor)を決めて、風邪、念座、予防注射、健康診断、家族全員の全て診てもらいます。症状が重い場合、特殊な治療が必要な場合は他の大規模総合病院を紹介され、そちらに行きます。

必ず、電話で予約をしてから行きます(初診の時も)。例えば、昨夜子供が高熱をだして、オマケに下痢で、なんて時も、朝に電話して、症状を説明して、いかに苦しんでるか説明すると、1時間後ぐらいに来てくれ、と言われます。

薬はお医者さんのところではもらえません。お医者さんが処方せんを書いてくれるので、それを、街中のドラッグストアへ持って行って、薬を買います。

私はSquirrel Hillに住んでいるので、家族はHome doctorはForbes & Murray の近くのピッツ大のHealth Place内の医者にかかっています(ピッツ大の Health Place は市内にいくつかあります)。3才と1才の娘がいるので、予防接種を受けに行ったり、家内の健康診断などで既に5回以上足を運んでいます。 (織田)

日本人の家庭医の先生

こちらで診てくれる日本人のお医者さんもいます。どうしても日本人でないと不安な方は連絡してみてはいかがでしょうか？日本人のボランティアが数名週に何日かいるそうです。その曜日にあわせて受診するのがよろしいかと思います。

Family Health Center

UPMC Shadyside Family Health Center

5215 Center Ave, Pittsburgh. 412-623-2287

家庭医に関するQ&A

CMU-Jにて、家庭医に関する疑問に岡田先生が答えて下さいました (May, 2002)。以下に一部抜粋して紹介します。

開業医とは? アメリカでも家庭医ではなく「○○耳鼻科」といった科毎の病院はあるのでしょうか?

家庭医は病気よりも「ひと」に興味があります。日常でよくある病気に関しての専門家であり，その人の置かれた社会的状況、精神的状況の中で病いを捕らえることに関しての専門家です。こう書くと病気に関しては表面的な事しか出来ないのか、と思われがちですが、日本からよく僕のところに見学に来る医学部の学生さんはみな「こんなに幅広くいろんな事が『きちんと』できるのか」と口をそろえて驚いて帰ります。

専門医も各々開業のオフィスを持っています。ただアメリカの保険に入っている場合は掛かり付け医からの紹介がないと診てもらえないとか自己負担分が高くなるとかの条件がつきます。日本からの保険の場合はこういった制限もありませんので，臓器専門医に最初から診てもらいたければそれは可能です。

取りあえず何でも掛かり付け医に最初に診てもらうべきですか?

事実としてアメリカ人の大半はそのようにしており、文化、習慣、制度に基づいているといえばそうなのですが、その事実が長年変わっていないのはそれなりに利点があるからだと思います。症状の緊急度 (骨折や急な失明など)や人の好みもありますが、「基本的には勧める」という答えになると思います。理由として、上に挙げた家庭医が日頃よく見られる病気の専門家であり、病気でなく「ひと」に重点を置くこと以外に、

顔なじみになり余計な気苦労がなくせることの利点
開業医としての認定医を持つ医師と日本の開業医の違いを体験するチャンス
日本と違い小さな事でも電話で相談ができる (患者さんと掛かり付け医が一度でも「会ったことがある上で」治療の関係を結#んでいる事が条件)

症状が出てから予約すると1週間先になったりすることもあるが、掛かり付け医との関係が成立していればなんとか当日か次の日に診てもらえる事がよくある。このことは風邪で内科、花粉症で耳鼻科、などとやっていると毎回初診になるので不可能。

を取りあえず挙げておきます．

どうやってはじめにドクターと知り合えばいいのでしょうか?

アドバイスとしては「人づて」が大半です。日本人でもアメリカ人でもいいから学校や職場、近所の人が問題なくかかっている主治医であれば問題ないだろうという事のようです。こちらの医師には調子が悪くなくてもかかっていいので (年1回の健康診断など)、取りあえず「会いに行く」こともできます。しっかりお金は取られますが。

家庭医になっていただくにはなにか契約が必要なのでしょうか?

アメリカの保険だと加入の時点で PCP (primary care physician)を決めさせられますので、書類の上だけで会った事のない主治医を持つひとも多いです。そうでなければ会いに行ってこれからよろしく、というところで「契約」成立です。

家庭医の方というのは、個人的に病院をやっておられる日本で言う「開業医」の方なのでしょうか? そうとも限らないのでしょうか?

どの科で研修を受けても開業すれば「開業医」と呼ばれる日本と違い、primary care (最初にかかる医療) を提供するための研修を受けているのは家庭医、内科医、小児科医だけです。ただ同じ3年間の研修でも外来の研修に関していうと、家庭医は内科医の3倍ぐらいの量の研修を受けています。内科医の研修はまだまだ入院患者が中心です。

独身でもホームドクターは持てますか? 大学のHealth serviceは嫌なのですが。

ひとり身でも掛かり付け医は持てます。

予約時の注意点

発熱で全身倦怠感がつよく、家庭医にかかりたいときは電話をして、看護師さんの問診を受けるのですが、体温を聞かれることがあります。自分が、 37.3度ぐらいでぐったり寝込んでいたときに、看護婦さんに37.3度と伝えたら、そのくらいなら、水分をとって様子をみてくださいと診療予約が取れなかったことを思い出しました。もちろん、自分は腋の下で体温を測りました。

今考えると、米国の家庭医・看護師は舌下温を前提として判断しているようです。日本の習慣で腋下温でアピールしても、0.3ぐらい低めですので、様子を見てくださいと判断されてしまったのだとおもいます。私は、医療関係ですが、このような前提の差は全く知りませんでした。知っておくと、役にたつかも知れません。

（瀬戸 Nov 2009）