お医者さんへのかかり方

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[編集注] 以下に、小嶋先生からご寄稿いただいた原稿を転載いたします。肩書などは執筆当時のもので、現在はFHCには在籍されていらっしゃいません。

ピッツバーグでのお医者さんへのかかり方

PRISM Japan にて2007/01/13に行われた講演で配布された資料を一部改変したものです。文責は小嶋が負い、転載や引用に関しては必ずご連絡の上行ってください。

小嶋 一

Faculty Development Fellow

米国家庭医療学専門医

University of Pittsburgh, Department of Family Medicine

UPMC Shadyside Family Health Center

hajikojima (AT) yahoo.co.jp

異国での急な体調の変化、健康管理は大変ですよね。しかも英語で医者にかかるなんて考えただけでもゾッとします。自分の症状をうまく伝えられるか、お金はどれぐらいかかるか、そもそも誰に診てもらうか・・・・。今回はそういった誰でも持つ不安を少しでも解消するためにピッツバーグでの医療機関のかかり方を解説してみます。

ステップ1:アメリカの医療制度、医療保険について

アメリカの医療は非常に高額なことで有名です。一人当たりの医療費は日本の2倍以上します。そのため歴史的に様々な工夫がなされてきました。現在は以下で説明するマネージドケア型の保険が主流で、現実的に最も購入しやすい医療保険となっています。このマネージドケア型の保険では次のような流れで医療が提供されています。

  • いわゆる「かかりつけ医」としてPrimary Care Physician(以下PCP)を決め、ほとんどの問題はその医師に解決してもらう。必要に応じてPCPに専門医を紹介してもらう。

  • 急病のときはPCPに急患としてみてもらうか、救急Emergency Room(以下ER)を受診する。

PCPはFamily Practice(家庭医)、Internal Medicine(内科医)、Pediatrics(小児科医)、OBGYN(obstetrics/gynecology)(産婦人科医)のいずれかの専門科でなくてはなりません。大人は家庭医か内科医を、女性ならそれに産婦人科医をPCPに選ぶことになります。小児は小児科医もしくは家庭医をPCPに選びます。ちなみに家庭医を選べば大抵の産婦人科疾患や検診も同じ医師ができるので産婦人科医を選ぶ必要もありません。以下に成人男性と成人女性のPCPのパターンを挙げておきます。

成人男性のPCPパターン=家庭医のみ、内科医のみ成人女性のPCPパターン=家庭医のみ、内科と産婦人科医、家庭医と産婦人科医

ここで知っておかなくてはならないのがアメリカの医療保険の仕組みです。簡単に言うとどの医者、どの病院にかかっても一定の割合だけカバーしてくれるIndemnity Insurance「補償型」と、かかれる医者や病院を制限する代わりに医療費の手出しや掛け金をやすく抑えるManaged Care「管理医療型」があります。上記で述べたPCPを決めるやり方はManaged careのなかのHMOというタイプの保険で主に採用されている方法です。アメリカにも公的保険(Medicare/Medicaid)はありますが、老人や身体障害者、低所得者やその子供などを対象にしているため、ピッツバーグにいる日本人の方にはあまり当てはまらないかもしれません。

マネージドケア型保険の特徴を保険のカバー率で説明します。例えばおなかが痛いとき。自分では胃が悪いと考え、消化器専門医(Gastroenterologist)の診療を受けたいとする。その場合、PCPの紹介なしに受診すると保険でカバーされる率がグッと下がり、かなりの診察料金を請求されます。もしPCPを受診して、PCPが消化器専門医が必要と判断し紹介された場合のカバー率は高く、非常に良心的な支払いで済みます。こうやってマナージドケア型保険では専門医への受診を制限しています。そのシステムを良いものにするためにこの国のプライマリーケア、つまりPCPの養成には日本以上に力が注がれています。救急や入院診療は手厚くカバーされます。外来診療よりも入院や救急診療はコストがかかるため、マネージドケア型の保険はこの部分をカバーする割合を高めてあります。

ステップ2:自分の保険を知る

まず自分がどのタイプの保険に加入しているか把握しましょう。

アメリカの保険の場合、マネージドケア型(HMO、PPO、PPIなどなど)なのか、そうでないのか。PCPを指定しなくてはならない場合は間違いなくマネージドケア型です。保険の詳細については分厚い説明書を参照するのが確実ですが、保険会社から送られてくるカードに概要が書かれていることが多いです。PCP受診時は自己負担がいくら、ER(救急)受診の場合はいくら、といった感じです。

マネージドケア型保険の場合、受診の理由や検査内容によってカバーしてもらえない場合があることに注意しましょう。例えば基本的に健康な人が年に2回以上健康診断目的でPCPを受診した場合や、はっきりした理由がなく胃カメラなど特殊な検査を行った場合です。良く理解できない請求書が来た場合にはPCPのオフィスに連絡を取り、調整が可能な場合もあります。また特定の検査などを目的とした受診の場合、医者にかかる前に保険会社に連絡をして、保険でカバーされるかどうか確認しておくことをお勧めします。

日本の保険の場合、旅行保険や会社の保険があります。この場合はとりあえず全額自分で支払いを行ってから保険会社に請求する場合が多いようです。場合によっては毎回医師による診断書などの書類作成が必要になる場合もあります。アメリカの保険会社と提携して自己負担金が出ない便利なものもありますが、自分の保険でどのようなお金の流れが発生するのかをきちんと確認しておきましょう。

ステップ3:PCPを決める

自分の保険の種類がマネージドケア型の場合はPCPを決める必要があります。マネージドケア型でなくても、PCPを決めておくことは良いことです。特に英語に問題がある場合、日本人のPCPを決めておけば何かと安心です。

マネージドケア型の場合は保険会社ごとにPCPの一覧があり、医療保険加入時に指定しなくてはなりません。口コミなどで特定の医師を選ぶか、数人で開業しているOfficeを丸ごと指定することができます。

PCPを決めたら、一度受診しておくことをお勧めします。健康管理のこと、緊急時の連絡先、PCPが指定する入院先、オフィスの場所やスタッフの顔など、一度受診するだけで不安がかなり解消されます。

PCPに一度も会ったことがなくても、登録してさえおけば問題ありません。PCPは電話一本で指定・変更できます。またHMO型以外の医療保険ではPCPを必要とせず、好きなときに好きな医師にかかることができます。(もちろんある程度の制限が保険ごとにあります)

ピッツバーグに日本人のお医者さんは何人くらいいるのかという質問がよくありますが、2007年の時点でピッツバーグにて開業している日本人医師は残念ながら非常に少数です。PCPとして開業されている方はBurns Harumi先生のみです。しかしUPMCにはFamily PracticeとInternal Medicineに研修医として在籍している日本人医師は数名います。Family Practiceの研修医が数名、Internal Medicineの研修医、そのほかプライマリーケア医ではない開業している専門医(放射線腫瘍学、救急医学、麻酔科など)が数名います。また直接患者さ んを診てはいないものの、日本で医師として働き、こちらに研究をしに来ている先生は結構いらっしゃいます。

日本人内科研修医が在籍しているオフィス

  • Shea Medical Center

5200 Centre ave, Pittsburgh, PA15232 412-623-2458

  • 日本人家庭医が在籍しているオフィス

UPMC Shadyside Family Health Center 5215 Centre ave, Pittsburgh, PA15232 412-623-2287 http://www.upmc.edu/shadysidefhc/

  • Dr. Harumi Burns(ピッツバーグ大学医学部卒業、内科専門医)

1000 Higbee Drive, Suite 103 Bethel Park, PA 15102 412-854-1224

家庭医とUPMC Shadyside Family Health Centerの紹介

Shadyside Hospitalの真向かいにFamily Health Centerがあります。ここではShadyside HospitalでFamily Practiceを教えている指導医(Faculty)と研修医(Resident)が診療をしています。2階建ての建物で、2階部分がFamily Health Centerです。中には19の診察室があって、常時5~10人の医師が診療にあたっています。ほとんどがFamily Practiceの医師ですが、産婦人科医が一人、またSports Medicineといって手術をしない整形外科医のようなイメージ(本当はスポーツに伴う障害とか怪我の予防などを得意とするのですが・・・)の医師も診 療にあたっています。施設専属のSocial Workerと心理療法士、精神科医、小児科医も在籍しています。

さてここで家庭医・Family Physicianの宣伝です。 Family Physicianは日本では家庭医と訳されるようですが、なかなか日本では家庭医というのは見かけません。Family Physicianはプライマリーケア医として特別にトレーニングを受けた医師で、外来での診療を中心にしています。年齢、性別や専門にとらわれず幅広く 診療にあたることを得意としています。生まれたての新生児からご老人まで診ています。良くある症状、たとえば頭痛、目のかゆみ、湿疹、腹痛、腰痛、水虫、 ちょっとした外傷、小児の発熱なども得意分野です。小児健診もしますし、成人の健診もします。お産も取ります。それ以外にも妊婦健診や子宮頸がん検診など の産婦人科領域、うつ病や不眠、不安神経症といった精神科領域もカバーします。外来でできる小手術、たとえばイボを取ったり、傷を縫合したりもします。予 防医学も得意としています。予防接種、妊娠相談、禁煙指導、がん検診などがそうです。日本の開業医よりもずっと幅広い診療を行っています。

入院が必要になったら主治医として毎日病院で患者さんを診ますし、専門医が必要なときには適切な時期に紹介します。一般的には外来患者さん の一割ほどが専門医や専門的な治療を必要とされ、紹介されています。出産に始まり、ずーっと家庭医に診てもらっているという人もアメリカでは珍しくはあり ません。そうなると家庭の状況からその人の性格、今までの病歴などもいちいち話さずにすみ、意思疎通も簡単なものになります。

家庭医をPCPにする、絶対お勧めですよ!

  • お産をするなら家庭医!

  • 眠れなくなっても家庭医!

  • タバコをやめたくなったら家庭医!

  • 腰が痛くなったら家庭医!

  • なにかあったらとりあえず家庭医!

ステップ4:緊急時に備える

いざとなったら受診する自宅近くのERの電話番号やアクセスは必ずチェックしておきましょう。病院によっては外傷を扱わないところ、子供や妊婦は診 られないところなどがあります。ピッツバーグで一番大きな病院としては成人なら外傷を含めUPMC Presbyterian、産婦人科ならMagee Women's Hospital、小児ならChildren's Hospital of Pittsburghなどがあります。ERは24時間、毎日診療しています。

緊急時には救急車を呼びましょう!番号は「911」です(日本の119の反対)。 意識がない、しゃべれない、痙攣、倒れて動けないなどは絶対に911!吐血、下血、麻痺、胸痛、呼吸困難、腹痛、軽症以外の外傷、発熱、ひどい嘔吐、ひど い痛み、意識障害などは911もしくはER受診を考えます。一般的なERでは受付で重傷度を判断され、どれぐらい待てるかが決まります。そのためERでは 受診までに数時間も待たされることもあります。それでもERは保険の種類、保険の有無を問わず受診しに来る患者の診療を拒否することができないよう法律で 定められているので、どのような状況でもいざとなったらERを受診してください。

ERを受診したら帰宅するか入院するかしかありません。日本のようにERで経過観察をするということはほとんど行われず、ER受診数時間以 内には入院か帰宅かが決められます。 入院になる場合、PCPが決まっていればその医師もしくはそのグループ内の医師が主治医として病院まで診療に来ます。大抵は朝早く、その医師の外来が始ま る前に一度診療をするだけです。PCP以外に専門医が必要になる場合はPCPと専門医が連絡を取り合いながら退院まで診療を一緒に進めていくことになります。PCPがいない、もしくはPCPがその病院で患者さんを診れない(保険の制限上)場合はその病院の医師が仮のPCPとして診療にあたります。ですから PCPを決めたらそのPCPが患者さんを診療できる病院を確認しておく必要があります。

ピッツバーグのERの一例

  • UPMC Presbyterian Emergency and Trauma Center 412-647-3333(成人、全科)

  • Magee-Womens Hospital of UPMC 412-641-1000(成人、産婦人科)

  • Children’s Hospital of Pittsburgh 412-692-5325(小児全科)

  • UPMC Shadyside ER 412-623-2121(成人内科)

  • Allegheny General Hospital 412-359-3131(成人、小児など)

  • Western Pennsylvania Hospital 412-578-5000(成人、小児、産婦人科など)

  • Mercy Hospital 412-232-8111(成人、小児、産婦人科など)

  • Western Psychiatric Institute & Clinic (WPIC) 412-624-2100(精神科)

救急を受診するほどはなくても、病気になったときにはどうしたら良いのでしょうか? まずPCPのオフィスに電話をしましょう。夜間でも当直の医師が電話で対応してくれます。日中はオフィスのナースなどがアドバイスをしてくれます。緊急で 受診が必要かどうか自分で判断がつかない場合には一番適切な対応を指示してくれます。症状を電話で話し、自宅で適切な薬などで様子を見るのか、ERへ行く のかの指示を受けることができます。薬も電話で処方してもらうことができます。 アメリカのPCPのオフィスで時間外診療をすることはまずありません。ですからどうしてもその場で医者にかかりたいときは、時間外の場合はERに行くしか ありません。

アメリカでは基本的には予約がないと医師に診てもらえません。予約も完全に早い者勝ちのシステムをとっているところから、ある程度は急患用 に枠をあけているシステム(Open Accessと呼びます)のところもあります。 そしてはっきりと受診の理由を告げましょう。あまり難しく考えず、"I am sick"といえば大抵の場合は話しが通じます。予約がすぐに取れないようならERにいくことも考えましょう。今までどこも受診したことがなく、保険の種 類も良くわからない場合は予約を取るときに自分の保険が受け付けてもらえるかを聞きましょう。(大抵の場合は予約を取るとき一番最初に聞かれるはずです)

ステップ5:アメリカで健康を守るには

アメリカで医療を受けるのは大変です。医療制度の違い、文化・言葉の壁など様々な原因が挙げられます。 日本にいたときよりも積極的に病気にならないように健康を維持する、病気を予防することがとても大切になります。そのためには以下のポイントを強調したいと思います。

  • PCPを決め、自分の健康上の問題を把握すること、

  • PCPと気軽に健康上の問題を相談できる関係を築くこと

  • 病気や健康維持に関してProactive(先を見越した行動をとること)であること

健康推進するためには規則正しい生活、適度な運動、体重管理、ストレス解消などが主なものです。特にアメリカの食事で健康が崩れることは日本人には 多いようですので、できる範囲で自分にあったライフスタイルを見つけてください。お酒の飲みすぎにも注意です。 病気の予防という意味では自分の健康のリスクを知ることです。年齢、生活面(タバコ、お酒、体重、ストレス、性生活など)、そして肉親の健康(たとえばガ ンとか高血圧の家系など)。 リスクがあると思った場合はどのような健康管理が必要なのかを知りましょう。定期的な受診や検査が必要なのか、血圧や体重を家で測るべきなのか。PCPと 相談して適切なプランを作りましょう。

精神面でのストレスは異国では大変なものです。FHCの統計では日本人のうつ病受診率は1%以下になっています。日本でのうつ病、アメリカ 日系人のうつ病は統計によるともっと高い率になっていますから、本当はうつ病やうつ状態になっても受診していない人がいるのだろうと思います。うつ病、う つ状態は適切な方法(カウンセリング、お薬など)でコントロールできることが多いです。FHCではうつ病やうつ状態を診療しています。ぜひ気軽に相談して ください。

セルフメディケーションもアメリカでは普及しています。ただし自分でどこまで我慢してよいかわからない場合はすぐにPCPに連絡を取りましょう。

英語の問題 たとえ日本人のPCPを持っていたとしても、急病のときをはじめ、英語はいつも大きな障害になりますよね。これに関しては魔法のような解決方法はありません。自分の英語の能力を良く知り、必要なときは通訳や英語の出来る人の助けを得ましょう。

急病でなくても予約を取るときは受診の目的をはっきりと告げておかないと、十分な時間を予約してもらえません。受診の時には用件を確実に伝 えるのは難しそうですが、予約のときに症状などを伝える必要はあまりないので、一言で受診理由を言えるようにしておいたほうが良いです。例えば

  • (一般的な)健診=Check-up

  • 運転免許証健診=Driver's exam/physical

  • 小児健診=check-up/Well child check-up

  • 急病=I'm sick today

  • 妊婦健診=Prenatal

  • 子宮頚ガン検診=PAP smear(パップスミア)

  • 婦人科検診=Gyne exam(ガイニイグザム)

アメリカではとにかく電話を多用するほうが何事もスムーズに運ぶようです。医療に関しても例外ではありません。言葉の問題はあってもこのシステムには慣れ るしかないようです。最近はメールによるコミュニケーションも発達してきましたが、個人差というかオフィスによる対応に差は大きなものです。

お薬について

アメリカでは徹底して院外処方です。病院からお薬をもらって帰ることはほとんどありません。(サンプルというかたちで数日分の薬をもらうことはあります) こちらのお薬はRefillをするシステムです。たとえばナントカという薬を30日分、Refillは3回などと回数が書いてあります。それ以上の Refillが必要なときにはPCPのオフィスに電話をすると処方箋を書いてもらえるか、直接薬局に電話(Call-in)してもらえることもあります。 PCP に電話するだけで、以前、処方してもらった薬は処方してもらえることを知らない日本人も多く、日本のように再受診が必要と思っている人も多いようですが、 必ずしも必要ではないことがありますのでぜひ電話して聞いてみましょう。

処方箋をもらったら薬局に行きましょう。CVSやEckerdなどの薬局専門店、またGiant EagleやWalmartなどのスーパー内の薬局でも薬を処方してもらえます。大切なのはここでも保険です。自分の保険がその薬局でカバーされるかを事 前に確かめましょう。初めて薬をもらうときにはアレルギーや他に飲んでいる薬などを聞かれることが多いです。処方箋をPriscription Drop-offという窓口で渡し、大体30分から1時間で薬が調剤されるというのが一般的なようです。急ぎの薬でなければ翌日取りに来るとか配達しても らうということも可能です。薬局で問い合わせてみると良いでしょう。薬によっては最初の処方箋を出したときにRefillを一気にもらうこと、つまり3か月分のお薬をもらうことなども可能です。 一度薬局を決めたら必ず電話番号を覚えておくか記録しておきましょう。次に薬を処方してもらうときに便利です。Refillは電話一本でできます。薬の 入ったボトルにかいてある処方番号を電話で入力もしくは口頭で薬剤師に伝えるだけです。ここでも電話を多用するのはアメリカならではですね。

ブランドと一般薬(Generic)というのも理解しておきましょう。最近は日本でも一般薬をジェネリックという呼び名で手に入れられるよ うになりました。同じ成分のお薬でも製薬会社の特許期間がすぎたものは他の製薬会社がジェネリックとして製薬・販売することができます。ジェネリックの利 点は値段が安いことです。成分は同じですが、効き目がブランドとジェネリックでは違うと考える人もいます。証明された差はありません。一般的には薬局側で ジェネリックがある場合は自動的にジェネリックに変えられている場合があります。特定のジェネリックは非常に安く、例えば30日分の処方でも5ドル以下の ものが数多く販売されています。リストは各薬局で手に入ります。長期に薬を飲まなくてはならない方はぜひ参考にしてください。

またOver The Counter(以下OTC)という処方箋無しで買えるお薬は保険が効かないことも良くあります。保険が使えた場合よりも安売りのOTC薬の方が安くつい たなんてことは実はよくあります。普段良く使う薬はOTCで同じ種類のものがないか、どこで安く薬が買えるのかもチェックしておくと良いでしょう。