Shadyside FHC受診ガイドブック

クリニック受診の流れ

はじめに

アメリカのクリニック受診と日本の病院もしくはクリニック受診ではいろいろな意味で大きな違いがあります。事前にこのガイドブックを読んでいただくことで、受診日当日にどのようなことが起こるかが予測できるのではと思います。当院を受診される方だけでなく、アメリカのどのクリニックを受診する際にも役立つと思いますので、ぜひ皆様にご利用していただければと思います。

ステップ1: クリニックへ来られる前に

  • 保険カードをお持ちですか?もし、入ったばかりでカードが届いてない場合、保険のID番号、グループ番号を控えておいてください。そして保険購入者の名前も聞かれます。(実際に保険を購入した人の名前です。)

  • 念のため筆記用具を持参していただくことをお勧めいたします。メモをとったり、スタッフに言いたいことを紙に書いて表現するために使用します。

  • 状況により待ち時間が長くなる場合がありますので、本や雑誌を持って来られることをお勧めします。また、お子様を連れて来られる場合は、スナック、紙おむつなどを持って来られることをお勧めします。

  • 予約時間の15分前に来院できるように勧められています。時間にゆとりを持って出発してください。

  • 医学的に必要な準備。(血糖もしくはコレステロールを測るため、朝食抜きなどあらかじめPCPより指定されている場合。 )

  • このガイドブックをプリントして持ってきてください。

ステップ2: クリニックへ

駐車場

Shadyside Family Health Center のすぐ隣の駐車場です。Urgent Care とFamily Health Centerの間にあります。Shadyside病院側ではありませんのでご注意ください。ゲートをこえる際に駐車カードを取ってパーキングに入ります。この駐車カードをスタッフ(受付、レジストレーション、もしくは採血室にいる看護師)にみせてトークンをもらってください。駐車場から出るときにこのトークンが必要です 。

入り口

クリニックは建物の2階にあります。建物には2つ入り口があります。(写真1)エレベーターを使ってクリニックに行きたい方は下の入り口を使用してください。その場合は入り口を入ったらすぐに左に曲がってください。正面突き当たりにエレベーターがあります。

ステップ3: クリニックの中で

Front Desk(受付)

待ち合いにきた時点でまず、受付の窓口に並びチェックインを行ないます。 受付スタッフが以下の情報を聞いてきますので、あらかじめ準備していただくことをお勧めいたします。(必要に応じて予約、予約リクエストカード をお使いください。)

  • 今回が初めての受診の場合

    • 保険会社と健康保険のタイプ。カードをまずスタッフに提示してください。もしHMOもしくはMedicaidの場合、PCP(主治医)が誰かも聞かれます。このPCPは実際にクリニックで見てほしい医者ではなく、保険会社で保険のプランを購入したときに指定したPCPです。もし、その保険上のPCPが当院で働いている医師でない場合は当院を受診できませんので、主治医を変更するように勧められます。(その情報が記載された紙をスタッフより渡されます。)PPOもしくはindemnity planの場合はPCPに関係なく受診できます。(あらかじめ保険会社に連絡を取って確認することをお勧めします。)

    • Name –実はこれが非常に大切です。日本人の名前はアメリカ人になじみのないSpellingになりますので よく間違えられます。私達がアメリカ人の名前のSpellingで苦労するのと同じです。

    • DOB (Date of Birth) – 誕生日を言う際に May 23th 1970と言ってもいいですが、5/23/70(ファイブ、トゥエンティー、セブンティー)と言っても通じます。

    • Address – 住所です。 Zip code(郵便番号)まで聞かれます。

    • Emergency contacts home phone # and cell #

    • Appointment time (予約時間) – もし予約をしている場合。

    • もし、予約をなしに受付けに来られた場合はそれに加えて、受付スタッフが、”Sick visit ” かどうかを聞きます。Sick visit は名前の通り、患者様の体調が良くなくて早急の受診が必要な場合の受診タイプです。この場合、スタッフはその日に開いている受診枠を探してくれます。もし開いてない場合は、隣の建物にあるUrgent care に受診することを勧めます。

    • もし、Sick visit でない場合は、スタッフがどの日の受診でどの医師の受診を希望するかを聞きます。保険上患者様が指定したPCPにこだわらなくて結構ですので、希望する医師名を述べてください。自信のない場合は“予約リクエストカード”を使用してください。

    • SSN (Social Security Number) – 持ってない場合は持ってないと言っていただければ結構です。(最近は原則聞かないとのことでした 。)

  • 以前受診をされている場合

    • Name

    • DOB (Date of Birth)

    • Appointment time (予約時間) – もし予約をしている場合。もししていない場合はスタッフが“Sick visit”かどうかを聞きます。

  • HealthTrakを通じてオンライン予約をされている場合。

    • Name

    • Appointment time (予約時間)

    • 受付スタッフ が情報をすべてコンピューターで入力、予約を確認もしくは“Sick visit”の受診枠を取った時点で、患者様に 待ち合いに戻って座って待つように勧めます。そして、マイクでレジストレーションからアナウンスを されるのを待ちます。

    • 待ち合いには雑誌がありますがすべて英語で書かれた本となっています。

    • 子供用のスペースがありますので、同伴のお子様のためにそこを使用していただいても結構です。そこにある本や小さいおもちゃはそのまま診察室に持ち込んでもらってかまいませんが、帰宅時に忘れずに返却してください。

    • 待ち合いには患者さま用のお手洗いが子供用スペースの中にありますが、受付スタッフに鍵を借りる必要があります。診察室エリア(写真)にも2つお手洗いがあります。

Registration(レジストレーション)

レジストレーションは受付の角を曲がってすぐ隣にあります。レジストレーションでは椅子に座って対面式にレジストレーションスタッフと話すことになります。ここが日本とはかなり違うところですので詳細に説明します。ここでは主に以下3つのことを行ないます。

  • 患者様基礎情報をもう一度そしてより詳細に聞かれます。

  • 受診の際に必要な資料を渡されます。

  • 1から3つの資料にサインを求められます。

患者様基礎情報 –以下の情報が聞かれます。

  • 今回が初めての受診の場合

    • 住所

    • PCP ここでは保険上の PCPを聞かれます。そしてもし、その保険上のPCPが当院で働いている医師でない場合は当院を受診できませんので、主治医を変更するように勧められます。(その情報が記載された紙をスタッフより渡されます。)

    • 電話番号(自宅、携帯、職場)

    • Emergency contact’s phone number

    • Language – 母国語

    • Marital status –配偶者の有無

    • Race – 人種。Asianと答えた場合は日本人か中国人かも聞きかれます。

    • 保険のIDナンバー、Groupナンバー、そして購入者(subscriber)の名前。

    • Copayをどの方法で払うか? 現金、チェック、もしくはクレジットカード、スタッフはクレジットカードの支払いのことを”charge”とよくいいます。

  • 以前受診をされている場合

    • 住所

    • 保険上のPCP。

    • Copayをどの方法で払うか? チェック、現金もしくはクレジットカード。

    • 保険のIDナンバー、Groupナンバー、そして購入者(subscriber)の名前を聞かれる場合もあります。

渡される資料 –ほとんどが新規の患者様用の資料です。

  • Patient information/demographic sheet

    • レジストレーションすべての説明が終わった後に渡されます。この中の情報(名前、住所、電話番号等)が正しいかどうかをチェックしてください。そして、この紙は次のFlowの隣にある壁に備え付けられた容器 (bin)に入れることになります。(写真1)

  • Receipt (サイン必要)

    • クレジットカードで支払う際、オリジナルにsign。患者用コピーを手渡されます。間違った請求をされる場合に備えて”Billing sheet”(領収書)は最低2ヶ月間保管することを勧められます。

  • Annual questionnaires (1年に1回行われる患者様問診票、緑色)

    • 病歴や生活歴等を聞かれます。鬱病のスクリーニングの質問にも答えます。Flow(写真2)もしくは診察室で待っている間に記入する。初めての受診の場合は 白色の問診票に記入することになります。

新規患者様用資料

  • A handout of HIPPA

    • 個人情報保守義務についての内容。

  • UPMC consent for treatment, payment and health care options (サイン必要。)

    • このクリニックで治療していいということに同意してsignをするform。

  • A handout of Medical Decisions in Advance

    • Living will(リビングウィル), Power of attorney(意思決定の委任)などのAdvanced directiveについての資料。

  • Advance directive record form (黄色い用紙). (サイン必要。)

    • Advanced directive があるかどうかをこたえるform。 “Yes”または“No”のところにcheckをしてsignをする。 もしPOAやAdvanced directive がない場合、どのように取るかの説明を受ける。渡されたパンフレットの中にその用紙があるのでそれに記入して弁護士かNotary publicに持っていくことを勧められる。Notary publicの方が安いと言われた。

  • New patent questionnaire (新規の患者様に渡される白色の問診票)

    • 病歴や生活歴と生活習慣や鬱病のスクリーニング の内容を聞かれる。Flow (写真)もしくは診察室 (写真)で待っている間に記入する。

  • Personal Representative Designation Form (For minor patients)

    • 18歳未満の患者様(いわゆるminor patients)の場合に使用するform。

  • その他受診のタイプによって渡される用紙

  • OB Questionnaires (妊婦検診の患者様のみ、ピンク色)

    • 妊婦検診に必要なスクリーニングの内容(家庭内暴力や鬱病)について聞かれる。

  • EPSDT screening form/ Advance Beneficiary Notice of Non-coverage. (Medicaidの患者様用)

サインが必要な資料

すでに上述しましたが、受診のタイプや支払い方法によって2つもしくは3つあります。

  • UPMC consent for treatment, payment and health care options

  • Advance directive record form (新規患者様のみ、黄色)

  • Receipt (Billing sheet)

Copayについて 保険証の表に”Office Visits $5/20と書いてあると思います。保険によって違いますが、定期の健康診断、そして婦人科検診等は低い方の数字(5ドル)が適応されます。ただ、定期検診は1年に1回しか適応されません。Sick visit の場合に高い方の数字(20ドル)が適応されます。もし、定期健康診断中に何か健康に問題があって両方を相談したい場合は高い方の数字が適応されます。

最後にReceiptとPatient demographic sheet を受け取って、レジストレーションスタッフがブザーを鳴らして中にドアの通してくれます。

計測エリア( “flow”)

ドアを通ると左側に血圧や身長を測るエリアがあります。そこに入る前に、このエリアのすぐ奥に壁に備え付けられた容器(bin)があるのでそれに”Patient demographic sheet”を入れる。

(写真1)

(写真2)

測定エリアにはいって看護助手さんに血圧等を測ってもらいます。込んでいる場合は横にあるいすで待つことになります。

ここで測定もしくは聞かれる内容は

  • 今回が初めての受診の場合

    • 血圧(自動血圧計で)

    • 体温(成人は口腔内で)

    • 体重(靴は脱がない)

    • 身長は、成人である場合で再受診の場合はまず測らない。初めての受診の場合でも身長を測らずに聞かれる場合がある。インチ、フィートで聞かれるのでそれを覚えておいた方がよい。

  • 以前受診をされている場合

    • 血圧

    • 体温

    • 体重

小児の定期検診の場合は、以下の2つの用紙を看護助手より手渡されます。

  • PEDS FORM – 小児検診用の問診票

  • MCHAT questionnaire – 自閉症のスクリーニング質問票。(18ヶ月と2歳の受診のときのみ。)

看護助手がそれを電子カルテに記入し、近くにある椅子で看護師が迎えにくるのを待つ。その間に問診票や質問表を記入します。すいている場合はその暇がない場合があります。

そして看護師が迎えにきてくれて、診察室(exam room)に誘導される。

*もし、お子様を同伴していてキッズスペースで待ちたい場合は看護助手に知らせてください。その場合、担当の看護師がキッズスペースに迎えにきます。

Examination Room(診察室)

看護師が以下のことを問診し電子カルテに記入する。

  1. 受診の理由、主訴 – どのような症状、理由で来たのか

  2. 簡単な病歴 – 症状の期間くらいしか聞かれない。

  3. アレルギー

  4. 症状に関連した痛み。10段階で聞かれます。10が最大。

  5. 何か薬のrefill (再処方)が本日必要か?

  6. 普段使っている薬局。(電子カルテを通して薬を直接処方するときに必要です。)

  7. 鬱病のスクリーニングの2つの質問を聞かれて“はい”もしくは“いいえ”で答えます。問診票で既に答えていたとしても、聞かれる場合があります。

その後、医師が来るのを待ちます。その間に問診票や質問表を記入してください。

医師の診察後、医師よりAfter Visit Summaryという紙を渡されます。その中には主に以下のことが記載されています。

  1. Visit Information その日に診察した医師の名前。

  2. Vitals 患者様の血圧、体重等。

  3. Visit Diagnosis 本日診察されたときの(推定)病名、保険上の病名。

  4. Visit Disposition 推奨される次回の受診日程。

  5. Outpatient Medication List 患者様の定期薬。(もし、情報が古い場合は医師に知らせて更新してもらってください。)

  6. Medication Ordered This Encounter 本日処方された薬とその薬局。

  7. Orders その日に出された血液検査等のオーダーや専門科医への紹介。

After the encounter (医師の診察後)

診察室からでたら、診察室に入ったときの順路を逆に戻るようなルート(測定エリアを通りブザーで入ってきたドアから出ます。)で待ち合いへ出ます。

  • 次回の受診予約をしたい方

    • 受付窓口にならび、診察した医師が渡した”After visit summary”を受付スタッフに渡します。受付スタッフが医師より推奨された次回診察日に準じて予約を行ないます。予約日が都合の悪い場合、スタッフにその旨を伝えてください。推奨された次回診察日が1ヶ月以上先の場合は勤務表が出ていない場合があるので、その日に予約できない可能性があります。

  • 専門科受診が必要な方

    • 紹介先の専門科の電話番号を診察医師からもらってない場合は受付スタッフに聞く。

  • 血液検査が必要な方

    • 血液検査がある場合は血液検査用の部屋がレジストレーションの向かい (写真)にあるのでそのドアに備え付けられた容器(bin)に”After visit summary”をいれて待ち合いで呼ばれるまで待つ。

  • 駐車場を使用された方

    • 駐車場から出るコイン(token)が必要な場合は受付のスタッフもしくは採血をする看護師からもらう。

Shadyside Family Health Centerの基本情報

UPMC Shadyside Family Health Center

住所 5215 Centre Ave. Pittsburgh, PA 15232

電話 412-623-2287

*祝日のスケジュールに関してはクリニックに問い合わせてください。

当クリニックで日本語を話す医師のリスト(2011年3月現在)

  • 竹大 禎一 医師 Teiichi Takedai MD

  • 廣岡 伸隆 医師 Nobutaka Hirooka MD

  • 仲川 晃平 医師 Kohhei Nakagawa MD

  • 若井 俊明 医師 Toshiaki Wakai MD

  • 宮下 偉路 医師 Hiromichi Miyashita MD

  • 許(ほ)智栄 医師 Huh Jiyoung MD

  • 西蓮寺 智子 医師 Tomoko Sairenji MD

  • 林 恒存 医師 Tsuneari Hayashi MD

編集注:2015年現在、日本語を話す医師はほとんど入れ替わっております。