ER: 救急医療

医療助言に対する免責事項

このページの内容、スライドおよび資料等は情報提供のみを目 的として作成されており、公式な医療助言や診療サービスを目的としたものではありません。このページで提供される情報は健康問題、疾病の診断や治療のため に使われることを意図とはしておりません。医療従事者による治療の代用になるものでもありません。もし、あなたが健康に問題がある場合や、その疑いがある 場合には、必ず主治医に連絡をとって相談をして下さい。このページで得た情報に頼り、主治医からの医学的助言を無視したり、主治医に相談することが遅れる ようなことが決して無いようにして下さい。

このページで提供されるすべての資料、情報から生ずる問題に は、いかなる責任も負いかねます。こちらの情報は場合によっては、一部の方がたには心象を損なう内容であることもあり得ます。あらかじめこちらの情報が心 象を損なう内容である可能性、閲覧者のご期待やご要望を満たさない可能性があることを十分ご承知下さい。

もし、あなたが医学的に緊急を要する事態にあると思う場合には、すぐにあなたの主治医もしくは救急医療サービス(911)に連絡を取って下さい。また、個人の健康問題に関する質問は必ずあなたの主治医にご相談して下さい。

どういう時に行くべきか

ER (Emergency Room: 救急医療)は、普通の病院と違い、日常的というより「いざと言う時」に使うサービスであることなどから、そのいざと言う時に「これはERに行くべきなの か?」と迷いがちです。以下は主にPgh-J上での、ERを体験された方とお医者様による議論からの内容を抜粋したものです。

あらかじめ家庭医をもつ事が重要

「くれぐれも家庭医をあらかじめ見つけるようにしてください。 まだまだ家庭医の役割が一般の日本人に理解されていないようです。」 (岡田 Apr 2002)

ERに行くべきかどうか

  • 外来医はたいがい24時間電話相談を受け付けていますので、かかりつけの家庭医がいれば、電話で相談してください。(家庭医は学生や独身者でも持つことができます。詳しくは家庭医を参照)

家庭医がいない場合は、学生なら大学のHealth serviceに電話する手もあります。

CMU Health Service

http://www.studentaffairs.cmu.edu/HealthServices

Phone (Questions and Appointments): x82157 or (412) 268-2157

Fax x86357 or (412)268-6357

Email (Questions only): health@andrew.cmu.edu

Univ. of Pittsburgh Student Health Service

http://www.pitt.edu/studhlth/

Phone: (412) 383-1800

Email: studhlth@pitt.edu

判断は自分で決めないできちんとできる医師に相談して決めて下さい。(自分の判断の結果で万が一の事が起きた場合、自分を攻めずに済むよう) (岡田 Apr. '02)

しかし実際は、病状を電話で、英語で正確に伝えることは大変難しく、また電話での診断に限界もあると思います。最終的には個人が節度を持っ て判断するべきことだと思いますが、あまりERの利用を遠慮しすぎてしまうのも危険なのではないかと思います。 (若山 Apr. '02)

ERの特徴

  • ERでは診察の順番はERに来た順番ではなく、緊急度の順番になります。軽い症状はどんどん後にまわされます。(UPMC ShadysideのER: 受付~診療終了まで平均3時間) (岡田 Apr 2002)

  • ERを利用するほどの緊急度のない病気でERを利用される場合は、1.待たされる。2.医師の興味/診療の優先順位は自分にはない。3.本当に重傷な患者さんの診療の質を落とす可能性がある。ことを御承知の上で利用される様お願いします。 (岡田 Apr 2002)

  • ERを利用した場合は、病気の重症度に関係なく通常の外来診療よりもかなり高額の請求が来ることもご覚悟ください。アメリカの保険を持っ ている場合はほとんどが「ERに行くことについて、かかりつけ医が必要と判断した場合」のみ保険から診療費が支払われます。 (岡田 Apr 2002)

ER体験記

(この体験記は、「ERに行くとどのような流れで受付、治療などが行なわれるか」 という点についての情報共有を目的として掲載します)

はじめに

アパートからUPMC Shadysideがすぐ隣なため、そこに行くことにしました。 ホームドクターがいればまず電話すべきなのでしょうがいなかったし、夜中 で大学のHealth Serviceもやっていなかったためです。

医療保険

保険については JAL Family Clubの海外赴任者総合保障制度のオプションプラン である海外旅行保険に入っていました。手引きによると「まずフリーダイヤル の番号に電話しろ」とのことだったので電話しました。ここでは、患者から 医療機関への支払い一切なしで処置が受けられる「キャッシュレスメディカル サービス」に対応した最寄りの医療機関を教えてくれます。お姉さんに教えて いただいたのは UPMC とは違う病院でした。が、「UPMCっていう大手の総合 病院が家の隣なのでそこに行きたいのですが」と言うと、答えは「リスト にはありませんが、大概の大手の総合病院なら保険IDを見せればキャッシュ レスで大丈夫でしょう」ということでした。ので、UPMC Shadysideに決定。

到着

「救急患者が歩いていて良いのだろうか」と思いながらも、近いし歩行に 支障ないので歩いていきました。当然ながら救急の場合は自分の車で、 救急受け付けまで乗り付けることもできるようです。 夜の12時ごろでしたが、到着するときれい な待合室に5,6人ほどの人が待っていました。

受け付け・問診

まずはじめに受け付けの紙に名前だけ書いて数分待つと、入口のステーション にいる看護婦さんのところに呼ばれます。そこで名前、年齢などを言い、血圧 を計り、症状を説明しました。医療用語なんて普段英語で話さないので たどたどしかったですが、持参した電子辞書で言葉を調べながら。いつ、 どこで、何をやっていて、どうして、どこが痛い、など。また各種アレルギーや 飲めない薬の種類などもここで言います。私はアメリカに来る時に、自分の アレルギーと飲めない薬の種類を英語で1枚の紙に書いてきた (医者が書いてくれた) のでそれを見せました。もしもの時のために用意しておくと楽で はないでしょうか?

患者登録

次にまた待合室でまつこと20分ほど、隣の個室で事務のお姉さん相手に 患者登録をします。ここでは名前、住所、電話番号、年齢、SSNなどを告げます。 保険ID書を見せて、「日本で加入したAIUの保険です」と言います。問題なく処理されました。その他の質問としては(多分万が一の時のためなのでしょ う) 信仰する宗教も任意で聞かれました。終わると患者を識別するための、名前や 保険会社名 (!) が印刷された腕輪をはめます。付添いの人は警備員に「付添」 と書いたステッカーを貼ってもらっていました。

待つ

この後、治療を待つことになります。ERは当然緊急度の高い患者さんが先に 治療を受けるので、ERに到着した順番は関係なくなります。交通事故らしい 重傷患者さんなどはそのまま待合室横のルートから治療室に入っていったようでした。おとなしく自分の番がくるのを待ちます。どうしようもなく 辛い程ではないし、自分でも「これは優先順位は低いな」と分かっていた ので、持参した宿題を少しずつこなしました。待つこと3時間。ちなみに待合室横にはジュースやコーヒー、ハンバーガーの自動販売機がありました。

治療

名前が呼ばれ、治療室に向かいます。(以降、症状によって状況は違うと 思いますが) 私の同伴者も同伴可能でした。個室の治療室に入って更に 先生を待ちます。15分。またもやいろいろな医療用語を学びながら治療をして頂きました。(どんなにゆっくりでも良いので、状況をきちんと 全部先生に説明することが必要ですね。)

処方せん/退出

治療後、さらに少し待つと、先生が Prescription を持ってきました。 私の場合は帰宅できる状態だったので、ここでお礼を言って退出、退院。

Oaklandの CVS Pharmacy (3440 Forbes Ave. Pittsburgh PA 15213, (412) 687-4181) は24時間やっているので薬をすぐにもらいたい時には 良いかと思います。

終わりに

私の症状が「ERに行くべき症状だったか」についての議論はまた別にあると思いますが、本当にERに行くべきだと判断された場合 (主に ホームドクターの方に相談したり、又自分自身でそういう結論に 達した時も) は、上記の体験記が参考になれば幸いです。 (大越 Jun 2002)