第32回例会(その5)
投稿日: May 06, 2015 2:58:49 AM
続いてはTO会員とSN特別会員との13路盤4子局を紹介します。
黒4,6,8は中央に頭を出そうという発想で、その発想自体は良いが足が遅い(変化図1)。
黒10は根拠を確かめようという手だが遠慮しすぎ(変化図2)。
黒6では1と一間トビしたい。仮に白2のワリコミから切断しようとしても上図の通りカケツギになっているので大丈夫(×に打っても◯で取れるので繋がっている)。
黒10では1,3とツケヒキたい。以下5までで左上隅は10目以上の地を持って安定する。
白19からのキリチガエは局面を複雑にしようという手だが黒は冷静に対処している。
ただ黒24は手堅すぎた(変化図3)。自分の傷を守るのも重要だが、相手に圧力を
かけることが守りになることもある(「攻撃は最大の防御なり」)。
黒24では1と押さえたかった。これで前譜24の傷は守れている。
白2と一旦逃げてからの4のキリは黒11までで成立しない。
黒32の抜きは不要(変化図3参照)。右下隅に一着入れたかった。
黒34はなかなかの手。
黒手堅く打っていて確実にリードしている。
白47に黒48は遠慮しすぎ。47の右に押さえてよかった。
黒60も好手。
白61は当然の踏み込み。
黒62は敗着ではないが失着(変化図4)。大きく隅に進出されてしまった。
黒68.と74は着想は良いが手順前後(変化図5)。
黒70,72は白の地が減るだけで黒の眼形の足しにならない。
黒62では1を利かしてから3,5と捨て石にして7,9と止めるのがよかった。
このように打てば黒11までで無条件に活きていた。
黒70では1を利かすべきだった。白2はやむを得ないが、その後黒3と急所に打つ。
白4と眼を奪いに行けば黒5のホウリコミでコウになる(オイオトシのため、×につなぐと◯で取られてしまう)。
白89は悪手。ここに打たなくてもここで黒2眼作ることはできない。むしろ変化図6のオイオトシまたは変化図7の攻め合いを防ぐべきだった。
黒90はチャンスを逃した(変化図6,7)。
黒90では1と打てば無条件で活きていた。
黒90では1とキル手も成立した。以下手数は長いが攻め合いは黒が勝っている(白から×にすぐ打てないところがポイント)。
総譜。最後は白91とツナガれてしまい万事休す。死活の重要性を学んだ一局だったと思います。
とはいえ途中までは手堅い打ち回しで白にチャンスを与えなかったのでもう13路盤卒業の実力は十分あると思います。