第26回例会(その2)

投稿日: Sep 27, 2014 5:50:16 PM

続いてKU会員とSS会員との19路盤4子局を紹介します。

本局は戦いにつぐ戦いという一局でした。高段者のKU会員の打ち回しと、高段者相手に恐れることなく徹底的に戦うSS会員の打ち方をお楽しみください。

本局はKU会員による自戦解説です(KU先生、いつもありがとうございます)。

実戦のカケツギよりもこのように上に出て守ったほうがよかった気がしました。

下辺で、黒と白が弱い石を1つずつ抱えており、中央での力関係が今後どうなるかが焦点です。

白が左辺に先着した代償として、黒が34と中央の競り合いに先着しました。

白39では単に逃げておけば穏当でしたが、黒に響かないので実戦のように打ってみました。

白43で1とつないで下辺で生きても、中央を厚くされると形勢に自信がなかったので、この図を選びませんでした。

黒46のコウの解消は当然です。黒は、右下のコウ立てに受けると、延々と受けることになりコウに負けてしまいます。

黒58までで、フリカワリのような形にはなりました。お互いに弱い石がなくなったので悪くなかったのだろうと思います。

黒の反発は当然とはいえ、84の打ち込みは踏み込みすぎだったかもしれません。実戦の進行で、かなり圧迫されて不利な戦いを強いられました。

白83では1と守るのが本手ですが、右辺に先着されるととても地合いが足りないので手を抜きました。

白の目論見はこの図でした。これはさすがに右辺の白模様が大きいので黒からの反発は当然です。

白は93と二段バネして決して許さないという姿勢を示しました。右辺黒はこれで逃げ切れません。ただし、白にキズが多く、上辺の戦いが次なる焦点となります。

黒102と黒から的確に薄みを突かれて、白は困り始めました。

今思えば白1のカケツギで楽に生きていたのではないかと。

もしかしたら黒2のように取りかけにこられるかもしれないと思い、実戦ではカケツギませんでした。しかし、どうも死ぬことはなかったようです。

白はほぼつぶれです。しかし黒30のアテが紛れを呼びました。

白33で後手1眼できるのが命綱。

黒30で4と打ったら...以下15まで一本道。

この手順で打てばどうなっていたか?黒が正しく打てば白は死んでいたようです。

黒は先にこちらを決めるのが良かったと思います。これで中央の後手1眼が消えています。とすると、白は中央の後手一眼作成を急いで、上辺の眼とりと交換し、中央への進出に賭けるのが正しい手順だったことになります。

こういう手順でも黒は攻めあいに勝てなさそうです。

黒は38,40と上辺の1眼を消すしかありません。

白は41から黒を絞って、のぞきにつながせて準備します。

白47で黒8子と上辺白または中央白との攻め合いです。

黒50で1と差込みを防いで手数を5手に延ばすとまだ紛れがありました。しかし冷静に検討してみると上辺白は両コウでしのいでいます。

中央白との攻め合いも不発。

白51の差込みが決定打となり勝負ありです。

結果として黒がつぶれましたが、白もミスが多く反省の多い一局でした。

最後の攻め合いは変化が非常に多く、もしかしたら気づいていない妙手が潜んでいるかもしれません。

このような難解な局面を迎えないように打つのが上策なのでしょう。