第14回例会
投稿日: Sep 08, 2013 6:43:20 AM
8月28日に西新橋の樹林で第14回PA会囲碁同好会の例会が行われました。
今回は総勢7名の参加がありました。対局も19路盤、13路盤、9路盤と
非常にバリエーションに富んでいました。
対局だけではなく、局後の検討と、実戦で現れやすい基本死活の勉強を
行いました。
今回はそのうちの1局をご紹介いたします。19路盤2子局で、黒はS会員で
白は私(会長)です。
白のミニ中国流は2子局でよく打ちます。8は6の石が治まることを
目指した手ですが時期尚早。8,10の手前12も当然ですが、13まで
で重くなってしまいました。ここは単に13に打って軽く逃げ出すことを目指すべきでしょう。
予想される図は以下です。
白2と上辺を守れば、この上辺は堅いので3にツケて治まります。この白を固めても惜しくないからです。
白2と攻勢に出れば、3と飛び出して、Aの薄みを狙いにしてBを伺います。
とにかく相手の石の多いところでは軽く打つのが原則です。その場で治まるのは逃げるあてのない場合又は
逃げても損をする(さらに攻められる)場合くらいです。
封鎖を避けた14ですが15のツケコシが成立して黒は封鎖されました。
22のキリを入れてはみたものの...
23と取り返されたあと黒から適当のコウ立てもなく(「初碁にコウなし」
という格言があります。序盤はコウ立てがないのでコウを仕掛けられない
ことがほとんどです)、24のつなぎはやむを得ませんが、25にノビられて
黒のキリは空振りです。
28,30は辛いですがやむを得ません。左上で得た厚みを背景に31とカカります。
33は×に打って左辺を盛り上げるのも考えました。実戦は33に打って戦いを
全局的に拡大することを狙いました。戦いになれば左上の厚みが活きてきます。
黒34は「攻撃は最大の防御なり」の手。ここで右上隅の黒を封鎖できるかどうか考えていました。
しかし、
1とカケた後、変な手ですが、2,4と打った後に6と打って右上の白が取り込まれる変化を読んで止めました。上の図は白ツブレです。
白は右上隅からの一帯の封鎖を目指します。この一団に対するヨリツキ(攻めながら得を図る)をみているのです。
53で左辺が大きくなってきました。ただ黒も54に打って反撃を目指しました。
次の白の一手は大失着でした。
55と打って戦線拡大を目指しましたが、これは打ち過ぎでした。黒56が厳しい一着でした。
60に石が来ると右辺からの白の一団が薄くなってきました。そこで61に備えましたがこれは
変調。62にキラれてせっかくの打ち込んだ石が取られてしまいました。右下隅の黒を取り込ん
で白も相当かと思いましたが、この黒には動き出すアジが残っています。
しかもただ取られただけでなく、右辺の黒が強くなったことで、右辺からの白の一団が
めっきり薄くなりました。これでは当初の予定だった、×へ打つ黒へのヨリツキどころではなく、
自分の心配をしなくてはならなくなりました。黒70と打たれて攻守交代です。
61では以下のように打ち込んだ白2子を守るべきでした。黒2の切断には白3以下「西は西。
東は東」で打って戦うのです。これでも白は苦しいですが、こう打つよりなかったところでした。
71,73と応援を送りましたが、黒は当然デギってきました。黒は82と引きました。
白は81の下に突き出したいところですが...
83の突き出しは黒の罠でした。84にキラれて事件です。どっちが勝つにせよここで勝負が着きます。
中央は一旦放置して、左下隅でコウになりました。次に白に大失着が出ました。
7はコウ立てのつもりでしたが大見損じでした。これは8にキル手をみたコウ立てですが、
2子を取ってコウを解消すればそこで終わりでした。
不幸中の幸いは、黒もそれに気づかずに8にツイでくれたことでした。
白は必死に下辺を何とかしようとしています。中央の白の大石は左辺の黒又は下辺の黒との攻め合いに
持ち込めないか考えていました。
17とコウを取り返した後の黒18が失着でした。白19に打たれて次の図で示すように
下辺の白が活きました。
21に打たれて黒は20の左につなぐことができないのです。
黒36は敗着。これで37以下で左辺の黒が取られてしまいました。
36では下図1のように打つべきでした。
白は2以下で中央から右辺の大石を生きに行くしかありません。
中央の黒には色々な利きがあるので8まででAの眼を作る手と
Bのキリが見合いなので生きています。
しかし黒9が上手い手で、Bのキリを防ぎながらCの突き出しを
みています。白がCに受ければ黒Aで今度こそ白の大石は死にます。
よってこの図以降、白A黒Cとなるところですが、これだと上辺白
の一部を取ることができるので、黒も相当です。
総譜です。まさに手に汗握る一戦でした。