投稿日: May 04, 2018 3:52:55 AM
4月度例会は、18名もの方々にご参加いただきました。
PA会の会員だけでなく、他会派の先生にもご参加いただいたり、弁理士会外の方々にもご参加いただいたりしており、大変感謝しております。
さて、数多くの対局の中から、当同好会で囲碁を始めたKAT会員と、TSさんとの対局(KAT会員の黒番5子局)をご紹介します。TSさんは、当同好会と交流のある、弁理士会外の囲碁同好会のメンバーです。
<第1譜(1-16)>
黒は、ここまで問題なし。
黒16で、上辺に打ち込んで攻めに転じる姿勢を見せたのは、よい発想です。
なぜならば、黒には急いで守る場所がないからです。
<第2譜(16(再掲)-29)>
黒16の打ち込みは好着想でしたが、黒のその後の打ち方は大失敗です。
上辺を白地にされた上に、中央方面にも頭を出されては、つらい。
<変化図1(黒18での変化)>
一例ですが、黒18で、じっくり伸びて(変化図1の黒1)、白の根拠を奪うことが考えられます。このようにすると、天元の石が上辺の白の一団をにらんでいる感じになります。
<変化図2(黒22での変化)>
黒22では、ツギを打って要石(△)を助けるべきです。
これによって、白に守らせる(白4のゲタ)ことができます。
黒は、しっかり上辺~右上を連絡しておけば十分と思います。
実戦では、要石が切り取られてしまい、上辺に大きな白地を与えてしまいました。
<第3譜(30-45)>
黒は、上辺で損しましたが、5線に壁を形成したとはいえます。この壁を活用して、右辺で有利に戦えるはずでしたが・・。
実戦は、ダメヅマリの石を作ってしまった上に、右下が切り離されてしまいました。
白45が来た時点で、右下の黒は、かなり危ない状態です。
<変化図3(黒42での変化)>
黒42では、棒ツギで受けておけば、白が生きるのは困難だったと思います
<変化図3-1(変化図3の白2での変化)>
仮に、変化図3図の白2で、反対からアテを打ってきたら、単に逃げ出すだけで、白は分断されています。
<第4譜(46-69)>
白69までで、右下隅だけでは二眼ができなくなりました。
<変化図4(黒66での変化)>
黒66では、白69の地点(変化図4の黒1)に打つのが安全でした。このように打てば、問題なく二眼確保できます。
<第5譜(70-83)>
黒は、形を決めてしまったので、生きがなくなりました。右下隅にはすでに一眼あるので、真ん中にあと一眼作れるように工夫する余地はあったと思います。
<変化図5(黒72での変化)>
変化図5は、コウに持ち込む手順の例です(白も工夫してくるので、このようにうまくいかないかもしれませんが)。
なお、変化図5の白10で、黒11の地点に打って欠け目にしようとすると、白8の上の地点の断点にキリを打たれて、白の負担が重くなります。
<第6譜(84-100)>
<第7譜(101-242:表記は1-142)>
<総評>
右下の黒が全滅して勝負ありでした。
本局では、以下の教訓が得られました。
・要石を大事にしましょう(変化図1、2参照)。
・自分が連絡しているか確認しましょう(変化図3参照)。
・二眼あるか確認しましょう(変化図4参照)。