投稿日: May 17, 2014 2:57:21 AM
黒2は通常は白1の小目にカカるところですが、これもアリだと思います。
白7は下手の棋力を試す一手。
黒8は単刀直入に5と7との間を切断しようとした一手。この白の構えが薄いと見て仕掛けたのは良い。
ここは色々な手があったところなので少し詳しく説明します。
黒8では1とキルのが最も一般的。白2とアテると3以下逃げます。切られた石を助けようと白4と打っても黒9まででダメ(変化図2参照)。
変化図1の続き。白10と逃げても黒13まで助かりません。
変化図1から白6とサガっても黒7からはみ出します。
以下黒13と×の一子を制して黒は活きています。白は分断された2つの白石を凌がなくてはなりません。
また白2と下からアテた場合には黒3と逃げます。AのキリとB,Cと逃げ出しが見合いで白収拾不可能。
実戦は黒10とツナイで12と切りました。白は13以下、一間にトンだ一子を捨ててはみ出します。
これでも黒悪くありませんが、左辺〜左上隅の白地もかなり大きい。
黒18はその一路上にマクル方がアジよく地がまとまった(変化図7)。
黒10では1とキル手もありました。2のヌキには3とアテます。「初碁にコウなし」の格言通り、コウ立てもないので白は4(C)にツナグくらいです。そこで5から逃げ出します。
AとBが見合いで白苦しい。また1に白が2と抜かずに3とつないだらCの石を逃げ出します。
黒18では黒1とマクる筋がありました。白はダメヅマリなので2と打つしかありません。黒3と先手で左下隅を止めて5と打って、AとBに備えます。実戦よりも白の付け入る余地が少なくなっています。
下辺一帯は大きいがアジが悪くこのまま地にはなりそうもない。
黒24は大きいが、黒26は小さい。ここは右下隅に手を入れるべきだった(次譜参照)。
白29の三々が大きかった。
黒34は定石だが、35とノビる方が一般的(変化図8)。
ここでは1以下の定石を選ぶべきだった。これだと右辺の黒地は確定地になっていた。
黒40では41の右に打ってアタリにするべきだった。
白43,45のアジの悪いところをついてきた。
ちなみに黒38で黒1とキルのもよくある定石だがこの場合は良くない。
白4,6と打ってから8と三々に入る手がある。9と遮ると...
白10,12とハネツイだときに黒13は省けない。白14とスペースを広げたときに通常は黒15で死んでいるのだが、白18のサガリが下辺との連絡をみて利いているのがポイント。
黒19は止むを得ないが、白20で隅の白が活きてしまった。黒はこのままだと取られてしまうので21と打って2子を取って連絡するしかない。
この後の変化は一本道。
結局黒33までコウになる。しかしこのコウはそこでこの対局自体の勝負が着くコウで、これに見合いコウだてはない。
というわけでは黒はこの図を選ぶことはできない。
黒46,48と右辺を止めた。しかし黒52が敗着となってしまった。この手はダメを詰めた手で、次譜に見るように黒地が大きく減ってしまうことになった。
白55は当然のヨセ。これに対して黒は58と押えることができない(変化図12参照)。理由は前譜でダメを詰めてしまったから。これだけ減ってしまったのは痛い。
黒56で黒1と押えると白2,4で黒ツブレ。ただこの手を読んで黒1と打たなかったSN特別会員のヨミはかなりなものだと思った。
結果は白2目勝ち。黒残念。ただ有段者のYK会員に対して3子でこれだけ打てれば13路盤卒業でもいいと思います。