第17回例会

投稿日: Dec 15, 2013 10:13:6 AM

11/27(水)は今年最後となるPA会囲碁同好会の例会でした。

今回は開始時間をPA会の研修と同じく18:30開始として、場所を最近八重洲から移転したばかりの日本棋院有楽町囲碁センターにしました。会場は交通の便もよくとても綺麗な場所でした。

今回の参加者は、前回の例会から参加してくださったS会員とA会員、入会以来皆勤のT会員とK会員、13路盤卒業も間近のKT会員とHT会員、会長の私に加え、私の同僚であるO会員がゲストとして参加してくれました。前回同様、今回も盛り上がりました。私も9路盤、13路盤、19路盤とすべて経験できました。

終了後は忘年会で盛り上がりました。何だか近いうちに新しい囲碁サークルができるかも、という話で盛り上がりました。

さて今回はS会員と私の4子局を紹介しましょう。

9は互先では打たない手ですが、相手のどの程度打てるのかを見る手です。黒10は封鎖を避けながら自身の安定を図った手で気分の出た手です。白13はデギリの狙えない場合に打たれる手です(本局では黒2があるためデギリが狙えない)。

右下隅を決めずに17,19とよそへ打つのは上手の常套手段。あとの展開次第で右下隅の打ち方を決めるのです。

白19に対して黒20は遠慮し過ぎ。これでは左辺の白に響かないので単に逃げ出す手になっている。ここは変化図1のように一路上まで足を伸ばすところ。または25に打ち込んで競り合うのも有力な手です。

黒26は27と打って下辺全体の根拠を奪うようにして攻めるところ。◯の一子を取るのはモノが小さい。格言は「活きている石の近くは小さい」と教えます。すでに活きている右下隅の一団から白石をさらに取っても小さいのです。当然白は27と下がって捨てました。格言のいう「二子にして捨てよ」です。黒28は29にコスむべき(変化図3参照)。実戦はピッタリ締め付けられて下辺白が安定しました。

白が2〜4と守れば、黒5と打って右下隅〜右辺の白石を攻めて黒好調。ちなみにこの大ケイマはなかなか切られない形です。一例として変化図2を示しますので各自ご確認ください。本局では、無理矢理キリに行っても下辺の白が薄くなるので白は到底戦えません。

28で1のようにコスむと以下5のようになるが、このときに白には×のキズが残るところがポイント。1のコスミは締め付けを避ける手筋なので覚えておきましょう。

白33は左下隅への攻めを焦った。34あたりにトンでおいてじっくりと攻めを狙うところでした(変化図4参照)。34は好手。35はやむを得ないが如何にも薄い形。

36は着想は正しいが着点が良くなかった。ここは42に打つ一手でした(変化図5参照)。以下37〜42となったときに36がムダ手になっているのが分かります。

白41は右辺の割打ちと右上隅の荒らしを見た手ですが、一路上に打つべきでした。白は45と打って細碁を目指します(このときに白42よりもその一路上の方が良い)。

一旦1とトンでおいても、黒は隅で根拠を持つには2手必要となるので、白5などの大場に回ることができます。

この黒1は星のツケノビ定石で白の手抜きをとがめる常套手段。2に対しては3と二目の頭をハネることでアキ三角を強要して、以下7まで白を攻めます。

50は場合の手で好手。白×の手が悪手になっています。54は本手だが消極的。55に回られては細碁模様。ここは上辺の白二子を攻めたいところ(変化図6参照)。

黒58は兼ねてからの狙い。黒60までで黒の攻めは成功したようにも見えます。ここで白の一手は?

色々な手が考えられますが、黒1と高く打ち込む手が可能性の一つとして考えられます。もし白2と飛び出せば、黒3と上辺の白を分断するのです。4と急所に打たれても黒9と頭を出せばこの戦いは黒やれます。というか白は3つ弱い石を抱えて収拾がつかなくなっています。

白の対抗手段は63のツケコシでした。これで左下隅の黒一団を切断しておけば何とかなるだろうと考えていました。

63以下は両者必死の攻防です。白71と黒のダメヅマリを強調したときに黒72と押えた手では、白×の一子を抜いていた方が良かったかもしれません。なぜならこの×の一子があるから下辺の白一団は活きているからです(つまり抜けば白は手を入れなければならない)。

黒74は地としては損な手ですが下辺の白一団を取りに行くにはこの手しかありません。

黒76もしょうがありませんが、×と出て◯の黒二子を取り込む手が残ってしまいました。

白77を利かして79と一旦逃げ出します。黒80は封鎖を避けるための当然の一手ですが、ここで81のアタリが利くのが命綱。85まで先手でさらに利かしておいて、87と目を持てばこの下辺の白一団は活きています。黒は88と諦めましたが、これでなおも取りに行く変化も以下の変化図7で紹介します。

黒1とサルスベリすれば一眼しかないようにも思えますが、白2と捨てるのが好手で、以下白8に対して黒は×と四子をツナぐことができません(◯に切られて取られてしまうから)。

白93は貪りでした。Aと出て、黒Bに対して白98と打って二子取り込んでいて十分でした。実戦は105まででまた一波乱おきそうな展開になりました。

黒は6と切って左辺白との攻め合いを目指しました。

黒28が好手で、私はこの手を見落としていました。コウになりましたが、コウ立ては1コウ足りませんので譲りました。なお左辺の黒と白の攻め合いは所謂「目あり目なし」です。

左下隅の大石は助かりましたが、左辺の黒9子がこのような形で取られてしまってははっきり白が優勢になり、黒のチャンスはもうありません。

最後に総譜です。結果は白の23目勝ち。黒は序盤で少し慎重過ぎて攻めるチャンスを失ったのが大きかったかもしれません。対局前T先生が、S先生に「会長は厳しい手を打ってくるから気をつけてくださいよ」と助言したのが敗因ではないかと個人的には思っています。S先生、次回はのびのび打ちましょう!