投稿日: Dec 31, 2013 5:37:31 AM
12/22(日)はPA会囲碁同好会例会番外編ということで、14~18時まで日本棋院有楽町囲碁センターに集まりました。「番外編」だったにもかかわらず、ゲスト参加の方2名を含む9名もの参加がありました。
ゲスト参加の2名は女性弁護士で、10月から参加されたA会員が連れてきてくれました。彼女達はルールから教えて欲しいとのことだったので、S会員と私(会長)で教えました。この日一日で彼女達は、9路盤4子局で私たちを負かすレベルにまで到達しました。
今回は、彼女達がルールを覚えてから9路盤対局を楽しめるようになるまでをご紹介します。当同好会が、どのようにして初心者を受け入れているのかお分かり頂けると思います。
まず最初にルールについて教えました。囲碁のルールとは基本的には以下の5つだと教えました。
1.線と線の交点に石を置く
2.黒と白が1個ずつ交互に置く
3.相手の石の縦と横を自分の石で囲めば、その相手の石を取ることができる
4.(自分の石で縦と横を囲んだ空間(地又は陣地)の大きさ)+(自分が取った相手の石の数)の大きい方が勝つ
5.置いてはいけない場所がある(着手禁止点、コウ)
3については、実際に石を取る練習問題を数題出しました。
4については従来、地の大きい方が勝つと教えられてきました。しかしそれだと実際に対局を始めるときに取った相手の石を相手の地中に埋めることを説明しなければならず、地と取った石との関係が分かりにくいので上記のように教えました(これでも結果は同じです、念のため)。これは張栩九段考案の「ななろのご」の教え方を参考にしています。あと地の数え方も練習問題形式で理解してもらいました。
5については簡単に説明し、実戦で現れたときに詳しく説明することにしました。
また「二眼活き」についても説明した方が良いだろうというS会員からのアドバイスがあったので説明しました。その際には、(i)自分の石が離れた場所に眼を2つ持てば、その自分の石には着手禁止点が2つ存在することになり(ルール5)、(ii)相手も1度に1個しか石は置けないため(ルール2)、その自分の石は取られないと説明しました。つまり「二眼活き」は、ルール2と5から帰結されるということを説明しました。
彼女達から質問を受けた後、対局を開始しました。まず私とN弁護士の第1局目。
白の着手に対し、いきなり左上隅を囲おうとしました。結果は左下一帯がほぼ白地になって白勝ち。このときに簡単に検討し、
1.相手が離して打ってきたら、自分の離して打つ。近くに打ってきたら近くに打つ。
2.大きい(空間の空いている)ところから打つ。大きいところを打ち終わったら小さい(狭い)ところを打つ。
3.置き石と置き石をつなげるように打つ
ということを教えました。
続いて第2局。
黒100点の進行です。
黒10,12は最強手。
黒16までは良かったが、黒18は攻め合いを焦ってしまった。
白19と切られてしまっては白が息を吹き返してしまいました。
気を取り直しての黒24ですが、これも頑張り過ぎ。
白25以下、下半分の黒が全滅してしまいました。
本局の失敗は、1.第3譜の黒18、2.第4譜の黒24です。1については、以下のように打てば良かったと以下の変化図を示しました。
1とがっちりとツナイでおく一手でした。以下白はどう頑張っても攻め合っている黒5子を取ることができません。
黒7とダメを詰めた後に白8以下二段コウにする手があるように見えますが...
黒13と打てば、上方の白4子が取られます。
この変化を示した後で、「ナナメにご用心」ということを教えました。ナナメはつながっていないので、本局のように切られて石が取られる場合があるので、大丈夫か否かを確認しましょうと教えました。その大丈夫か否かを確認するために、「三手のヨミ」が出来るようになりましょうとも教えました。
この後数局打ち、4子局卒業の見極めの一局を行いました。以下ではその一局を紹介します。
前回とは違い、今回は黒10,12と右下の石を捨てて、左側一帯を地にしようとしました。
黒16,18は攻め取りにする一種の手筋。
黒20では黒22の左斜め上に打つと良かった。
白27以下略。いくら黒6子を取り込んでも左側〜上辺一帯にこれだけ大きな地を作られては勝てません。というわけで無事4子局卒業しました。
この後N弁護士と平行してS会員から教わっていたもう一人のB弁護士と4子局卒業の見極めの一局を行いました。
黒6はその一路左に打った方がもっと大きく地を囲うことができた。
黒8は手筋。実戦は黒10と打って右下を捨てたが、ここでは黒11とキる手があった(変化図1,2参照)。
黒16,18で上辺〜左側一帯に巨大黒地ができて勝負あった。
白の悪あがきにも冷静に対処しました。以下略。黒勝ち。ただ黒24はちょっと危険(本局では大丈夫だけど)なので、一応黒24の右斜め上に切る手が生じることが多いので、気をつけましょうと教えました。
とはいえ基本的には非常に良く打てていて、彼女も無事4子局卒業しました。
ちなみに第2譜の変化図を示しておきます。
黒1と切る手がありました。以下白2と打たれると先に打った黒1子が取られますが...
黒7と一度アタリして、9と打って10とワタる手をみます。白10とワタリを遮れば黒11と打ちます。これで下辺の白5子は取られています。
今回はルールから覚えたいという新入会員がどのようにして囲碁を覚えたのかを紹介しました。「これならやれるかも?」と思った皆さん、是非PA会囲碁同好会に遊びにきて下さい。