投稿日: Feb 02, 2015 1:27:49 PM
2015年1月24日(土)に第1回PA会囲碁同好会新春囲碁大会(仮称)が日本棋院市ヶ谷本院で開催されました。
大会には12名の会員と特別会員が参加し、棋力別に4つのグループに分かれてリーグ戦又は3番勝負で競いました。
大会の対戦以外にも手空きの人たちで対局したり、地下一階の展示館に入ったりと充実した1日でした。
今回最初に紹介するのはCグループ(もうすぐ初段〜級位者)のNS会員とKAT会員の2子局です。
白7と打つのであれば5,6の交換はしないほうが良い(変化図1)。
黒8は悪手ではないが消極的。14に打ち込みたかった。実戦のように3〜13まで進んでから打ち込むと周囲の白石が増えているので苦しくなる。
白15はコスんで封鎖を目指すべきだった(変化図2)。
黒8では1に打ち込んでみたかった。以下11までが予想されるが、白○と黒×の交換が悪手になっている。○に打っても白の根拠にはそれほど役に立っていないし地としても小さい(この図で○と×がない状態で地を考えれば白は×に飛び込む一手)。
白15では1とコスんでみたかった。以下14まで右辺黒を封鎖して生きを強要してから15のツケに回れば白の壁が強固になる。
黒18は打ちすぎ。格言は「弱い石から動き出す」と教えます。よって19と打つところ。
黒22は弱気。27と頭を出す一手。
白25は右辺の連絡を絶った一手だが小さい。まずは封鎖が先(変化図3)。
黒26はソッポ。やがて必要になる一手だが今打つ手ではない。格言の「大場より急場」です。
白27に打たれて黒苦しくなった。
白27では1とハネたい。以下黒は8まで生きるところだが、白9に回ることができれば優位になる。
黒36はソッポ。右辺の黒をどうにかすべき(変化図4)。
白45で右辺の黒はただでは済まない形になった。
黒36では1と抑える一手。以下4までで黒3子は取られるが右上隅と右辺の白2子を取り込めるので悪くない。
白51はカス石(自分の石を切断していない)を手をかけてわざわざ取りに行った手で小さい。
黒54は損コウだがやむを得ない。
黒58でコウを解消して右辺の黒は生きた。
白59は51同様に小さくほぼ一手パス。
一応右辺の死活についても解説すると、白1と目を奪いに行っても黒2とアテコんで白3とワタったときに黒4と切られて3子が取られてしまうので今の所生きている。
しかし白石が2,4のどちらかに来ると死にがある。
白61から布石のやり直し。
黒64は厳しい。
白67は頑張った手。
白69は白71と打つつもりなら悪手。黙って71とカケたい(変化図6)。
白75では、白69と黒70の交換がなければ74の上に押さえることができた(白65,67の2子を取りに来たときに70にフリカワることができるから)。
白75で1と押さえると6までが定石。この後白は×の三々に入って捌くのだが、本局では×があるためダメ。つまり左下隅はまるまま取られてしまう。◯と×の交換が悪手である所以。
黒76ではまず78と分断するところ(変化図7)。
白79は薄い。黙って80とノビるところ。
黒80,82を決めて84に回ったのはうまい。左下隅の白はまだ生きていないので手入れが必要。
黒76では1とツケて白を裂きながら中央突破を目指したい。以下5までで白はかなり苦しかったはず。
黒92は方向違い(変化図8)。
黒94は形。以下100まで頭を出したのは良い。
白103までで中央の白は一息ついたが、左下隅と下辺の白は依然危険な状態。
さて黒の次の一手は?
黒92では1とノビたかった。黒5の頭ハネが厳しい。
格言は「二目の頭見ずハネよ」と教えます。
6〜12と中央に迫りながら14と打ち込んだのは面白い。ただ18は打ちすぎ(変化図9)。
黒18では1と打つ手がある。仮に2と中央を補強すれば3のアテから7までで、A(中央の切断)とB(1目つなぐことで上辺の白を取れる)が見合い。
白33は小さい(変化図10)。
白33では1が成立した。以下7までで隅の黒を取ることができる。
白43では一路左にコスむべき。これでは連絡できていない。
黒46は疑問手。白47が来て右辺の黒は手入れが必要になった(第13譜参照)。
黒48は中央の.白を狙った手だがまずは自陣の安全を図るべきだった(変化図11)。
黒48では1と突き当たって連絡を確かめるべきだった。以下黒15まで左下隅の白に生きはない。
黒ようやく64に回る。
白65は手筋。これで白に生きはあるのか?
黒68は大悪手。白71までで連絡を許してしまった。最初から70につないでいればこの手は成立しなかった。
黒78,80もおかしい。
前譜で78,80と打ったため白81,83で取られていたはずの左下隅の白が連絡してしまった。
白93は第10譜の47が来たために成立してしまった。
白95を見て黒投了。
この対局で勢いに乗ったNS会員は残り2局にも勝利して全勝優勝を果たした。