第27回例会(その4)

投稿日: Jan 04, 2015 3:58:58 AM

続いてはKU会員とYKT会員との4子局を紹介します。本局はKU会員による自戦解説です。

1の点が必争点のようなものなので、空き三角にはなりますが、この方がよい感じがします。今のところは、上辺白1子が動いても攻めの標的になるだけなので、このまま手抜きで他に回れます。

ここまでは、黒まずまずの進行かと思います。

ただ、右上が少し凝り形になっており、4子の差から、3子に縮まった感じ。

29のツケから白が動いていきます。下辺白がわりとしっかりしているので、サバキやすくなっています。実戦の経過は白良しです。

ここは、黒1のように、がんばる手もあったかもしれません。白が厚くなる変化を例示しましたが、右下に穴があいているので、それほど大模様にはなりそうもありませんので、黒も悪くないと思います。

ここまで白が大威張りで治まってしまい、リードが2子に減ったような感じです。

白43の三三入りは白の失着。理由はこのあとわかります。

黒52では左辺に仕掛ける手がありました(変化図3)。

白は53と、ひとまず命拾いしました。

黒54の守りは少し重複気味。左辺の浮石との絡みで、ノゾキを利かされるといやみではあったと思いますが、ノゾキにつながなくてもせいぜい20目弱なので、他の大場、例えば右辺の打ち込みに回るほうがよかったです。

白は右辺の打ち込みがこわいので、55と黒にもたれて補強にかかります。

黒58の一着は、模様の接点でよい所です。ただ59の小ケイマの方が安全ではありました。

左上黒が厚くなったため、黒1の切りが発生してしまいました。左辺白を助けるように打つと、左辺から上辺の黒模様が深く、かなり黒が良くなっていたと思います。

白は75と黒模様の奥のほうで動き始めます。黒の断点を狙って模様の削減を図ります。

黒78では断点が気になるところですが、上からボウシしました。これは好手だと思います。間接的に断点を守れています(変化図4)。

白は仕方ないので81と変わり身を狙います。黒模様の中の白は捨てる方針に切り替えました。

仮に白が1と切ってきても切り離された黒は安全で、切ったほうの白はとても逃げ切れそうもありません。

黒98では97と伸びたかった。

逆に白から97を利かすことができて、にわかに白模様が大きくなりました。やはりこの点が模様の接点で大きかったです。

黒はこの地点に伸びて守るのが最善だったでしょう。実戦とはまるで風景が違います。

黒は左辺白の取りかけを狙っていたところ、白はなんとか守らずに済ませようと画策しましたが、結果として23と守ることになりました。

白49に回って白の弱みがなくなりました。

黒86の手入れで2目損したことになり、最後の最後で逆転です(変化図6)。

黒の上辺手入れは不要で、このようにヨセていれば黒1目勝ちでした。上辺から白に手はないように思います。

終局。白1目勝ち。白97のハネが大きく、一気にヨセ勝負にもつれました。大ヨセ入り口では5〜6目黒リードというところだったでしょうか。細かいとは思っていましたが、作って1目勝ちを確認したときはなんともいえない気分でした。

全局を通しての感想ですが、YKT先生の受けは手厚い印象です。しかしその裏返しで局面に遅れる点がありました。黒52、54、96がその点です。参考図との違いを見ていただければと思います。