第19回例会

投稿日: Mar 02, 2014 6:20:26 AM

2/26(水)に日本棋院有楽町囲碁センターでPA会囲碁同好会の例会が行われました。今回は、ゲスト1名と新参加者のOM会員を含む11名の参加がありました。体調を崩された等の理由で参加を予定をされたのに不参加となった方が数名いたにも関わらずこの人数でした。 今回はRA会員とゲストの方が13路盤対局を楽しみ、他の方は主に19路盤対局を楽しんでいました。 最初に御紹介する対局は、KIT会員とMM会員との19路盤7子局です。この碁の見所は、黒の甘い手を打っている間に白が少しずつ差を詰めて勝負にする所です。 

黒2〜6のツケオサエ定石は前回の対局でも出てきました。MM会員の十八番のようです。

黒20は厳しい一手。続く黒22も好手。このようにして右辺の置き石を利用して白を厳しく攻めるのは置碁の要諦です。

白23に対する黒24は定石。知らないと打てない一手。

黒30は見損じ(白から30と22の間に打たれると黒20,22の2子が取られてしまう)。以下の変化図1のように打つべきだった。

黒1とカケるところ(これに対してデギって黒2子を取る手はありません)。

白2には黒3とナラんで繋がっておきます(このような形をタケフ(英語だとbamboo chain)と呼びます)。

続いて黒5とツケる手が厳しく白は6以下2眼を作らなければなりません。

そこで黒11とボウシすれば好調です。

白31,35も見損じ? 黒36は厳しい。これで黒優勢になった。

黒48は疑問手。白49と調子を与えてしまった。黒50,52は不要(事実上の一手パス)。

白53に対する黒54は部分的には好形だが、この場合はやや甘い。変化図2のように打つべきだった。

黒1とトビ下がって白を分断すべきだった。このように打てば、黒は一間トビの5子だけが弱いのに対して白は上下の2つが弱いので、黒が良かった。

白61と連絡したことで、左辺にそこそこの地を得ただけでなく左側の白が強くなった。

そのため左下隅の黒へ寄り付く手が生じた。具体的には白71,73,75と打つことで、左下隅黒の一団は眼の心配をしなくてはならなくなった。

この石は取られる石ではないが、攻められることで中央につきそうな黒地が減り、下辺に白地がつきそうになった。

また黒62は部分的には形だがたとえば変化図3のように厳しく踏み込みたかった。

この辺では逆転している。左辺と上辺の折衝で白が稼いだためです。

黒1と打ち込んだ方が良かった。たとえば実戦のように三々に入れば以下9までで左側の5子が非常に危険になる。

この石を攻めながら中央の黒地を大きくまとめることができた。

白77以下は、中央を荒らしながら左下隅の石に狙いをつける手。自分だけが弱い石を作ると、相手にこのような手を許してしまうのです。黒84はつらいですがやむを得ません。

白85は最後の大場。まだいい勝負でしょうが、棋力の差を考えると、この時点では白の勝勢といってもいいでしょう。

白101まででついに中央の黒の大模様が荒らされました。白が左下隅の黒に寄り付きながら、黒模様になだれ込んだのです。このような白の攻め方は大いに参考になるところ。

最後に総譜です。最後は白119に手入れしなかったため、白123で左辺の黒の一群が取られてしまいました。

第4譜〜第5譜で、黒が甘くなったスキをついた白の追い上げが光った一局でした。