第1回新春囲碁大会(その2)
投稿日: Feb 07, 2015 2:53:30 AM
続いてはDグループの対局を紹介します。
Dグループは13路盤対局で、AO会員とSN特別会員の2名(どちらも女性で当同好会でルールを覚えました。)による3番勝負で勝敗を決めました。
まずは第1局。黒番がAO会員で白盤がSN特別会員です。
布石は穏やか。
白10は隅の地の確保を意図した手だが、これだと三々に入る余地がある。
黒11は三々入りを放棄した手。
黒13は疑問手。黙って11の一路下に堅ツギするところ(変化図1)。
白14〜18の囲いはいい見当。
なぜ黒13のカケツギが疑問手かというと、白1と当てられたときに2とツナいた形が良くないためである(×で表示した13の1子が不要になっている。)。
白24では25と押さえる一手(変化図2)。
白の不備をついた黒27のキリは当然とはいえ厳しい。ダメ詰まりで4子がアタリになっている。
白24では1と押さえるべきところ。以下3までで右上隅に大きな白地ができる。
黒33は相手の手につられて打ってしまった一手。前譜の黒27の1子を動き出す一手(変化図3)。
白34のツギも不要。前譜の黒27の1子を取る一手(変化図4)。
黒35までで白の大石が取られて右上隅が白地転じて黒地になった。
白36の三々は勝負手。
黒33では1と動き出したかった。白2に対して3〜7と打つ(「マクリ」と言う。)手があり、9までで隅の白は取られている。
白34では1と打てば前譜27の1子は取れていた。
黒37は当然の一手。白は38,40と生きるスペースを広げに出た。
黒39では1とサガる手があった。
2のハネ出しが怖いかもしれないが本局では周囲の黒が強いので心配ない(逆に周囲の黒が強くないときは打てない。)。
以下9とサガって...
白10とオサえても11とハネてスペースを狭めた上で13と置けば白は5目中手で死んでいた。
白40で1とハネる手を検討すると、2のオオサエに3とツナぐと黒4とハネられて2眼できない。.
やむなく白7,9から手をつけるが...
黒14まででAとBが見合いでダメ。つまり白は死んでいる。
ただこの変化も周囲の黒が強いから成立する変化である。周囲の黒が強くなければ前譜白7のキリを防がなければならない。
白3とカケつぐと黒4のアテに白5と弾いてコウになる。これが正着だった。
黒41はこの場合良くない。41の一路左に黙って下がるところ(上の変化図5,6)。
白42はソッポだし、スペースもそれほど広がらない。ここは41の右に押さえる一手だった。
以下、詳細に説明する。
白42で1とオサえると黒はキリトリを防ぐために2とツナぐ。
そこで3と「二の一」の急所で下がる手で生きている。
4と切って6,8とマクって4の箇所を欠け目にしても...
9と打てば◯の2箇所に目ができるので生きている。
黒4と急所に置いても、5とこれまた「二の一」の急所に打つのがうまい手。
以下黒は6,8と打って4の石を救出して目を奪うしかないが...
白9で3目取ることができるので、やはり◯の2箇所に目ができるので生きている。
白チャンスを逃した。
黒55を見て白投了、双方ともミスがあったものの、ミスを的確に咎めた黒番のNS会員が勝利した。
碁は最後にミスをした方が負けるという言葉があるが、まさに本局はその好個の例。