第1回新春囲碁大会(その5)

投稿日: Feb 21, 2015 9:39:43 AM

Cグループ、Dグループに続いて今回から3回はBグループの対局を紹介します。

Bグループは有段者同士の総互先です。

最初に紹介するのは、TO特別会員とYKAT会員との対局です。

黒1,3,5の布石は小林泉美流。

白8は趣向。通常は一路低く小ケイマにカカる。

黒11は左辺の白の勢力を意識した手。12のカカリと13のワリウチを見合いにして左辺では穏やかに打とうという作戦。

白12は手堅くゆっくり打とうという一手(変化図1)。

白14は星の一間シマリの急所でこう打ってみたいところ。

黒15とハサンだため戦いに突入。

白12では、私であれば1とハサみ、黒2には白3,5と打って黒を攻めて局面を動かす。手抜きはAのケイマが厳しいので黒6と打つくらいだが、白7と飛ぶと左辺が◯の一間シマリと連動していい感じの模様になる。

白16からお互い頭を出そうと競り合っている。白26までで一応一段落。

黒27はヒラキとツメを兼ねた絶好点。

白28は、壁を作るときに打たれる手ではあるが、もしそうであれば30では続けて何か打つべき(変化図2)。28と29だけで放置すると相手を固めたマイナスの方が大きい感じ。

白30は相手の根拠を脅かす一手。

ここで黒はどうするか?

白28の続きは1以下が定型。白からはAと目を奪う手があるので左辺の黒にはまだ攻める余地がある。

黒31は悪手。頑張りすぎ(変化図3,4)。

白32から38までで黒を分断して優勢になった。

黒39は相手を固める手なので辛いがやむを得ない。

黒45もやむを得ない。これも分断されたため。

黒32では1と控えるところ。白2と両ノゾキされても3で受かっている。

白A黒B白Cのデギリは、黒D白E黒Fで大丈夫。

黒33では私なら1とハネ出すかもしれない。

以下白8までで隅は大きく取られるが、黒も9に回って攻めることができるのでやれそうな気がする。

でも白地大きいか?

ちなみに白8に手抜きは、黒A白8黒B白C黒Dで手になってしまう。

黒47もつらいがやむを得ない。

本譜の黒の手はすべて中央の黒の生きを確かめる手。しかしこのような手は相手を固めてしまっている。

白は黒石を攻めながら上辺を地にしている。理想的な展開。

白66は打ちすぎだと思う(変化図5)。

黒67は勝負手(変化図6)。

黒73,75は下辺の白を取りかけにいっている手。

白66では1と左下隅を守っているところ。白7で地合ははっきり白が良い。

黒67では「攻めはケイマ」の格言通り1から攻めるのが第一感だが白2,4で大した効果はないと判断したのだろう。確かに中央〜右辺の◯の白一団が厚いし、白A黒B白Cの粘りもあり、この程度の攻めではダメかもしれない。

白76は頑張った打ち方(変化図7)。

黒77から下辺の白を分断して取りかけに出た。

白76では1とハウのが安全。黒A白B黒Cで×の2子は取られるが、下辺の白が安全になるだけではなく下辺の黒も薄くなるのでこれで良い。

黒91は俗筋(変化図8〜10)。

白92〜100のサバキはうまい。黒もダメヅマリのため99,101と手が戻るのが痛い。

黒91では1とツケるのが手筋。以下9まででAとBが見合いで白一団は非常に危険。

黒3とぶつかって打つのもある。

白は2とハネ出して白5子を捨てるのが相場。それでも7までで、Aのツケから白一団を攻める手とBと打って左下隅を荒らす手がある。

黒11は待望の一手。しかし黒13は誤った(変化図11)。

白は14〜18と自然に外回りに石を持って行きながら下辺の黒に寄り付く展開に持ち込んだ。

黒13では1とハウ方がよかった。以下7までで、◯のワタリとAからのデギリが見合いで白が非常に危険。

白20,22で下辺の黒が逆に危険になった。

白32で黒投了。

序盤右上隅の折衝で主導権を握った白がそのまま押し切った一局。