第27回例会(その2)
投稿日: Nov 22, 2014 5:14:53 AM
続いてゲストのTK社労士と私(会長)との一局を紹介します。
この対局は、序盤白が優勢になったのですが、その後白が緩んで途中までは細かい碁になっています。
以下では自分自身への反省をこめて解説します。
ここまでは普通の進行。
黒19は17の左下にハネるのが普通だが、手を抜いて19のカカリに回った。
白20は一間にハサむべきだったか?
黒23ではその前に右上隅にスベるべき(変化図1)。
白24はスベリを打たなかったのを咎めた当然の一手。白攻勢。
黒23では1とスベる一手。以下3まで定石。右辺は白石が多いのでこのように早く治まっておくべきところ。
黒31は貪り。
白32は当然の一手。以下35まで隅は手にされるが、右上隅から中央の黒一群を攻めて取り返せると見ていた。
黒は39〜45と2子を諦め(たフリをし)て中央に向かった(変化図2,3)。
黒39では1とハネれば以下5まででコウになる。このコウは白の負担が重いので白は2で3と打ってコウを回避するのが相場。つまり右辺の黒2子は連絡していた。
しかし3と連絡した後、白4が利き、その結果6まで侵入されて右上隅の黒が非常に危険になる。×あたりに白石がくれば生きのない形。
白46,48,50はすべて右上隅の黒に利いている。
白52は疑問手。53と打たれてみて弱った(変化図4,5)。54と受けたがこれでは受けになっていない。
白56は、黒が58に備えて手を入れると見込んだ所謂勝手読み。手抜きして57に回られて一気にいい勝負になった。
さらに60も疑問手。ここは黒の大石の攻めを見るべきだった(変化図6)。
この52,60で白の優位は失われた。
白54で1と受けるのは、2とコスまれる。3と受ければ4,6とデギられて
黒20までで上辺が荒らされる。
白56では1とカカるべきだった。下辺は黒A、白B、黒C、白Dとなるところだから3と打って下辺を盛り上げたかった。
これだと白依然優勢だった。
白60では1と黒の大石への攻めを見たかった。もし2と受ければ3とさらに攻めて5と肩をつけば中央の白模様が大きくなった。
白も左辺に地を作ったが黒の大石が安定したのは大きかった。こうなると黒に地で先行されているだけに苦しい。
この段階ではヨセ。中央の地はあまり増えないのがよくわかる。
黒99は鋭い。これで上辺の白地が破れた。
黒121以下省略。この後右下隅で事件が起こり白中押し勝ちとなった。
優勢な碁を勝ちきるのは難しいと改めて思わされた一局だった。