第25回例会
投稿日: Sep 20, 2014 6:24:14 AM
8月27日(水)に日本棋院有楽町囲碁センターで第25回例会が開催されました。
今回は11人の参加がありました。
今回紹介するのは、昨年末の番外編から参加しているSN特別会員と私との19路盤9子局です。
SN特別会員の19路盤デビュー局です。
黒2は中央を大事にしながら打とうという気分が出ていて良い。
しかし黒4,6,10はおかしい。こんなにお互いに石が離れている段階で2線に打つべきではない。
また黒8はソッポ。白7と右下隅の封鎖を狙っているのだから右下隅を動き出すべきだった(変化図1)。
黒8では1と打つべきだった。以下白が無理矢理切断しようとしても9と×の箇所を守れば大丈夫(6,8の白2子は取られている)。
これだと前譜の黒6の顔が立つ。
黒16も好印象。9子局ではこういう中央に出て行く手が良い手になりやすい。
白17に黒18と打った図を見ると2線にある前譜の黒10が不急の一手であることがおわかり頂けると思う。
つまり最初に黒18があるとして白17に対してその左には打たないでしょ、ということ。
黒20,22は肝要な手。
白23に対する黒24も良い。
黒26は白23,25の白2子を攻めようという手で意欲的。
白27はハザマと呼ばれる場所をついた一手。相手の出方を見た。
黒28は悪くはないが、中央に出て行った方がもっと良かった(変化図2)。
黒28では1とケイマに出てみたかった。以下5までで白は弱い石を2つ抱えているので苦しい。
白31は当然の一手。黒32は弱気(変化図3)。白33,35,37となって白がくつろいだ。この黒32は「アキ三角」と呼ばれる愚形で
極力このような形を作らないように打つべき。
白43に対する黒44では45に切るべき(変化図4)。白45で黒の石がバラバラになってしまった。このような形は「裂かれ形」と呼ばれる愚形で極力このような形を作らないように打つべき。
黒32では1とハネる一手。以下5までで白は×のキズを守ったものの眼はない。しかも黒5が来たことで◯の白2子がすっかり薄くなった。
さらに黒A、白B、黒Cと封鎖する手も残っている。
黒42では1とコスむのも有力。以下3まででAとBが見合いなので黒は中央に顔を出すことができ、同時に白は分断されて苦しくなる。
黒46はアキ三角。
白55が打てたことで白57から左上隅〜上辺の白のサバキに出た。
白59に対する黒60は弱気。59の左にオサえたい。ただアジの所だからしょうがないか?
SN特別会員は局後、左上隅〜上辺の白は取れていると思っていたけど活きられたという趣旨の感想を述べていた。
確かに左上隅〜上辺は黒石の多いところだが、いくつかアジの悪い場所(この場合では弱点と言ってもいいかも)があり、
そういうところをつきながら活きられるだろうと踏んでいました。
上手はこういうところで力を出しますのでご用心を(私も何度もそういう目に遭ってきました)。
白61が打てれば左上隅はまず大丈夫な格好。
白は右上隅、右下隅のサバキに出た。
黒66では1にカケる手も有力。以下白が抵抗しても7までで黒強いので十分戦える。
ここで黒が強化されると右下隅への攻めが厳しくなる。
白87は大きい。黒88は鋭い一手。白89は止むを得ない(変化図6,7)。
白89で1に切る変化を紹介すると、黒2は絶対だが、ここで白3とオサえると黒4のキリが成立する。黒8までで白ツブレ。
前図白3でノビると黒は4,6とハネツグのが良い。以下12までで隅の白との攻め合いは黒が勝っている。
つまり1のハネダシは無理。
黒94もアキ三角(一路左にハネたい)。
黒100はダメ場(一目の得にもなっていない)。
白103が決勝点となった。以下105までで左辺の黒に活きはない。
黒100では1とマガりたかった。以下白2とオサえても黒3が急所で、A,Bが見合いで活きている。
白7で左辺が死んでしまった。ここを活きれば黒良さそうだったのに...残念。
総譜。残念な結果になりましたが19路盤デビュー局としては上出来なのではないかと思います。
まずは、
1.怪しくなったら頭を出す(中央に向かうように打つ)
2.アキ三角を作らない
3.裂かれ形を作らない
を意識するだけでもかなり強くなるでしょう。