第18回例会(その4)
投稿日: Feb 16, 2014 3:4:39 AM
例会報告その4は、昨年の例会番外編から参加されたSN特別会員と私との9路盤2子局です。
昨年12月にルールから教えたのですが、今回はぐんぐん強くなり、9路盤卒業できるまで強くなりました。
これからご紹介する一局はその卒業対局です。
3のハザマは相手の棋力を試すマギレの手。黒は4と押して以下あっさりと打ったが、4では1と3の間に出る反発も有力だった。
黒4で1と出れば以下のようになります。◯の1子は取られますが×の1子を取れるのでこれは黒よしです。このように相手に地や石を与える代わりに自分も
地や石を得る打ち方を「フリカワリ」と呼びます。フリカワリが理解できるようになればもっと碁が強くなるし、また碁の面白さや奥深さが分かるようになるでしょう。
黒8で黒1と出る手もありました。少なくとも右半分はほぼ黒地になりそうですね。
また変化図2の黒1に対して白2と受けるのは無理。3とキラれれば、◯と打って×の1子をシチョウに取る手と黒A白B黒C打って白3子を取る手が見合いになります。白ツブレ。
白に9と守られたものの黒10と打って依然として黒優勢。SN先生の碁は無理せず分かりやすく打って勝つという方針と御見受けしました。
白11は無理を承知の勝負手。14は眼形の急所で非常に鋭い着想。あるいは13の左上斜めに打っても良かった。
16では1と出ていれば以下5までで2,4,×の白4子が取られるのでそこでゲームセットだった。
白19,21が利いたため23で手になりそうな展開。24は眼形を奪いにいった手だったが惜しかった。
黒18では1と打ってスペース(囲碁では「フトコロ」と言うこともある)を狭めるのがわかりやすかった。以下5までで黒は連絡しているので隅の白は死んでいます。
石を取るときには、1.スペースを狭める、2.眼形を奪う、ことを意識してどちらがよいか考えると良いでしょう。
黒24では1と打つのが正解。これで白に生きはありません。黒5までで五目ナカデです。
白の他の応手も検討しましょう。
白2と下がっても黒3と割り込んでスペースを狭めた上で黒5と急所に打って眼形を奪えば白死です(ここでアタリだからといって黒3の石をつながないことが大事)。黒7と打って黒3のヌキ後が欠け目になっていることをご確認ください。
白2と打てば黒3,5とスペースを狭めておいて黒7と急所に打って眼を奪えば三目ナカデでです。3,5の石はアタリですが、白から抜かれても欠け目になります。
ここまででお分かりの通り、「二の一」が急所になっていることが分かります。
というわけで黒1に対して白が「二の一」に打ったらどうなるのかを検討しましょう。
白2と「二の一」の急所に打ってきたときには黒3,5といきなり眼形を奪うのが好手。以下7までで三目ナカデになります。途中白4,6で7と打てば、それぞれ黒4,6と打てば3,5の石が連絡しますので、白には一眼しかできません。
結局白は31までで生きました。黒32は大きいところですが左下隅がそのまま白地になると少し足りなそう。
本局はSN特別会員の残念譜でした。とはいえ基本的にはよく打てていたので、これだけ打てれば9路盤卒業として十分だと思います。
あと当同好会の囲碁ガールRA会員とKB特別会員も非常によく打てていたので今回で9路盤を卒業しました。おめでとうございます。
次回からは13路盤で対局してもらいます。