第13回例会

投稿日: Sep 01, 2013 8:26:43 AM

こんにちは会長です。遅くなりましたが7/31に行われましたPA会囲碁同好会の例会の報告です。

今回は4名の参加でした。19路盤3子局1局と13路盤3子局1局が行われました。

今回は13路盤3子局をご紹介いたします。黒は幹事長で白は私です。

5の三々は時期尚早でした。左下にカカところでした。この手は敗着といっても良いほどの悪手でした。理由はこの手で局面を狭くしてしまった(白の選択肢を少なくしてしまった)からです。

黒6は当然の一手。黒10は定石の一つですが、ここでは下図の1のように打っている手も有力です。大抵の場合、実戦の二段バネよりものびている方が良いです。

×にノゾくアジはあるものの左下の隅には色々な利きがあるので左側一帯はほぼ黒地とみてよいでしょう。さらに左下の厚みを活かして右側の◯の白2子を攻めることが出来るので、中央にも相当の黒地が見込めます(し、黒の厚みがあるので右側の白地は大きくならない)。

14は悪手で17に打つべき。実戦のように17に出られては良くない。また14では以下のような決め手がありました。

14で上図のように1に切り、×の黒1子を捨てる代わりに◯の白2子を取り込む方が実戦よりも勝っていました。実戦よりも左下の黒の形がしっかりしているのがわかるでしょう。この図以降、黒から△に打たれると、左側の白5子は2眼ないので、白は生きにいかなくてはなりません。そうすると必然的に黒は、白を攻めながら、左上隅や中央に大きな地を作ることができます。

前譜で紹介したように白◯に突き出されてしまったため、黒の形には×で示された4カ所のキズがあります(このような形を「節がつく」と言います)。そのため黒20,24はやむを得ません。しかし白は貴重な先手を得たため、25に回ることができました。依然として黒優勢ですが、かなり差が縮まっています。しっかりとした形で打つことが重要であることがお分かりいただけるでしょう。

黒26は所謂「感じの出た手」。中央を囲いながら左側のキズに間接的に守ろうとしています。しかし28は疑問手。部分的には右上隅を確定地にする立派な一手ですが、白に29に打たれてしまってはせっかくの26が台無しになってしまいます。黒30は悪手。黒26,30のダメが詰まってしまったため、後で白に上辺へ侵入されてしまいました。

黒28は、下図に示すように1(実戦の29)に打って中央を囲うべきでした。

以下13までが予想されますが、実戦と比較して多少右上隅は侵入されますが、それ以上に中央の黒地が増えているのがお分かり頂けると思います。

黒は32,34と下辺を地にしようとしましたがこれは小さい手。というのは、白A、黒B、白Cとなる蓋然性が高く下辺はせいぜい数目の地にしかならないからです。白37は黒△の2子のダメヅマリをついた手。もし黒が一路右に切れば、白は36の下に切って、△の黒2子を取ることができる。

白に37まで打たれてみると、前譜の△2子、黒36,38がほとんど地を作っていないことがわかります(ダメ場を打っただけの手になっている)。前譜の26は好手でしたが、以降の手がそれを活かせなかったのです。

私は以前「囲碁というのは、前に打った手を如何に活かすのかが重要だ」と教えられたことがあります。これはつまり、打った石は前に打った石と関連して働くものでだということです。その関連がうまく行けば、少ない石で効率的に石の一団を働かせることもできる一方、その関連がうまく行かなければ、たくさんの石を使ってもその一団は乏しい働きしかしません。

最後に総譜です。結果は黒の2目勝ち。いくつか黒に疑問手はあったものの、基本的には打てるようになってきています。3子局卒業までもう一歩です。