第32回例会(その3)
投稿日: May 05, 2015 6:37:24 AM
続いてはKU会員とAO会員との18路盤9子局です。本局もKU会員による解説です。
黒6は左辺を盛り上げようという打ち方(変化図1)。
黒10では左辺に一着入れたかった(変化図2)
黒14は趣向だが、その前に打った手との一貫性があるともっとよかった(変化図3,4)。
白15は左辺が大きくなるのを防いだ手(変化図5)。
このように上辺の石から動くのが普通ですが、実戦のように白に囲わせて左辺を厚くするのも有力な打ち方です。
ここはせっかく広げた左辺の模様に芯を入れたかった。
実戦は白に響かず、下辺に先着を許した。
置き碁でよく見るのは、コスミツケから形を決めていく手です。
上から迫る方針なら、下辺黒から動くより、左辺を大事にする方が意思がある手でよいです。
しかし、実戦が悪手というわけではありません。
白から間を裂いていくのは、いかにもダメ場を打たされている感じ。
黒16のコスミは非常に良い手です。これまで毎回言っていた、真ん中に頭を出すことの重要性を理解されたようでうれしいです。
黒18の受けは疑問手(変化図6)。
白19はサバキの手筋(変化図7,8)。
スソ払いにはコスミで受けるのが形です。白に守らせて、左下を固める方針がよかった。
白のツケコシは、捨石で形を整える手段。左辺白は簡単には死なないので、例えばこんな感じで足早に展開します。
黒から遮っても、白はたぶん簡単には死なない。たくさん利きが生じて、黒は戦いきれない。
黒36は弱気(変化図9,10)
黒42は小さい(変化図11)。
このように下辺を固めるのが最善でした。
切っていく手がありそうですが、コウになるので白の望むところ。
右辺先着がよかったでしょう。実戦は守った手ですが、急がないところ。
黒46は辛い。47に押さえたかった(変化図12〜14)。
押さえると...
下手するとこのような変化で黒がつぶれます。
遮って、下をハネられても、だまって上をつなげば問題ないです。
黒66は弱気(変化図15)。
黒68の二段バネはコウを仕掛ける手。コウにする気がないのであれば69に伸びるところ(変化図16,17)。
ここは絶対に下がるべきところ。白から切ってもシチョウでとれています。
コウを嫌うなら、黒68では69と引くしかない。
しかし、この前に67に下がりを打っておけば、このように惨めな思いをせずに済む。
二段バネするならコウを覚悟するべきです。実戦のようにただで取られるより、コウ立てで代償を求めるほうがよい。
白88手以下略。左上黒の一団が切り離されて、白地が巨大化しました。この後打ち続けましたが、白が約35目勝ち。黒残念でした。
ここはきっちり押さえて問題なし。むしろカケツギになっていて好形。白からは大した手段がないです。