だれもが参加する都市計画仲間NPO

だれもが参加する都市計画仲間NPO

2001/06/02

伊達美徳(日本都市計画家協会常務理事事務局長)

つい最近のこと、千葉県知事選挙に「都市プランナー」の肩書きで若井康彦さんが立候補した。結果は堂本さんに敗れたが、都市プランナーという肩書きは珍しかっただろう。

その若井さんから、選挙の顛末をうかがう機会があり、「都市プランナー」という肩書きの効果のほどを聞いたところ、一般に都市という言葉は、総じてプラスのイメージを持って受け取られてはいないことを感じたと言う。

都市計画=不動産開発や道路づくり=緑の破壊=無駄な公共投資という連想がはたらくらしい。それに対して、まちづくりは比較的受け入れられているという。選挙運動をやった人の身近な感覚としてとらえられたようだが、これには考えさせられる。

以前に早稲田グループの人たちが、まちづくりと都市計画のイメージキイワードの比較をしているのを読んだことがある。都市計画がハードで開発型に対し、まちづくりはソフトで保全型のキイワードがそれぞれ与えられていたと記憶する。

最近は、まちづくりはもう手垢がついた言葉だ、今は「まち育て」だ、いや「まち守り」だとか言う人もいて、ちょっと言葉遊びの感もある。

わたしとしては、都市計画がまちづくり、まち育て、まち守りと、なんら矛盾するものではないし、これからも使うつもりである。現実の都市計画には例えば伝統的建造物群保存あるいは緑地保全のような制度があるように、守ることも都市計画である。むしろ、都市計画のほうのイメージを変えたい。

120年ほど前に始まった近代日本の都市計画が、その出発点で道路や港湾をつくる事業制度主体であったことが、今に尾を引いて誤解を招いているのであろう。

まちづくりがソフトで、都市計画がハードという、イメージだけの単純分類をしたくない。都市計画は、作ることも、守ることも、育てることもするのだ。

人口減少のこれからは、できている街や道路を壊して、緑の田園や自然に戻すことも都市計画になるだろう。つまり、要らなくなった街の「まちこわし」も必要になる。都市計画という言葉の、真の意味の復権を図りたい。

さて、本題。そういうわけでこの度、そのソフトからハードまでの都市計画に関わる人たちみんなが協働する組織として、NPO法人「日本都市計画家協会」を発足させた。今、内閣府に認証を申請中だが、実は全国の500人弱の会員がいる任意団体として、すでに7年の活動実績もある。

学会や業界団体のような公益法人ではなく、特定非営利活動法人(NPO)としたのは、専門家だけではなく都市・地域づくりに関わる人ならだれもが会員となるようにしたかったからだ。

まちづくりへの関わり合いは、福祉の面からもあろうし、環境面からもあろうし、コミュニティ活動からもあろう。まちづくりをになう人たちには、まち歩きの好きな女性たちもいるだろうし、都市計画の専門家、行政の立場の人もいるだろう。

そのような、誰もが参画して活動する団体としたい、そこにこのNPO法人の大きな特徴がある。

まちづくりの好きな市民の参加の参加を待っています。お問い合わせは次ににどうぞ。(20010602)

(NPO)日本都市計画家協会

〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2丁目10番地

香取ビルアネックス2階

TEL 03-6273-7491 FAX 03-6273-7492

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