瀬戸:愛・地球博覧会に行ってきたけど(2005年10月)
瀬戸:愛・地球博覧会に行ってきたけど
伊達美徳
(2005年10月)
1970年に大阪で万国博覧会が開催されたが、私は行っていない。以後、これまで万国博、特別博覧会いずれにも行ったことがなかった。
思い出したが、バンクバーで何か忘れたがはいったことがある。博覧会のようなお祭り騒ぎが嫌いではないのだが、特に興味がなかったからだ。
さて、こんどの2005年の名古屋郊外での万国博覧会には行ってきた。6月中旬にモリゾーキッコロメッセで開いた「クリエイティブジャパン」なる、全国の地場産業産地が、地域のものづくりのすばらしさを展示するイベントがあったからだ。
そのイベントの話はどこか別のところでするとして、初めての博覧会の感想は、なんだこりゃ巨大遊園地か、というところだった。
せっかく来たのだからほかの展示館にも入ろうと見回し、行列のないところに入ろうとすると、予約券を見せろという。
もともと行列が大嫌いだから、ゴンドラだけは仕方なく行列したが、並んでまで入ろうとは思わない。
陽はまだ高いし、サテどうするかと見回して、気が付いたのは会場の隣の森に出ていく「海上の森」見学ツアーであった。
万博会場を取り囲む垣根の一角をあけて、森のなかに出て行き、森林インストラクターにくっついて緑の中をまわるのである。この里山見学は面白かった。小一時間のコースで、また垣根をあけて会場の中に戻ってきておしまい。
それでもう退散してかえってきたから、結局は初の万博はひとつだけ見て、後は万博会場の外を見学したことになる。まあ、あのコースも会場のひとつではあるのだろうけど。
地球の叡智なるコンセプトから言って、おもちゃ箱をひっくり返したようなという常套表現がぴったりの人工物だらけの遊園地じゃなくて、人間が自然の一員として叡智をもって育てた里の森そのものが会場となるべきだろうから、わたしの選択は、へそ曲がりとは言え、かなり正しいと思っている。(20051002)