なぜ賑わう?ドイツ4万人都市の旧市街

Interlocal Journal はドイツ・エアランゲン在住のジャーナリスト・高松平藏が主宰するウエブサイトです。

前の記事高松平藏の記事一覧次の記事

なぜ賑わう?ドイツ4万人都市の旧市街

シュワバッハ市の『金箔ナイト』

2014年9月14日

執筆者 高松平藏(ドイツ在住ジャーナリスト、当サイト主宰)

金箔の生産で知られるシュワバッハ市で、このほど『金箔ナイト』というイベントが行われた。町のシンボルである『金』にひっかけた展示やイベントが旧市街の中で展開された。

大道芸も登場、シュワバッハ市の『金箔ナイト』

シュワバッハ市(バイエルン州)は人口約4万人。中世から金箔の製造で知られている町だ。

旧市街地で8月9日の夕方6時から10日深夜1時にかけておこなわれた『金箔ナイト』は、町中で大道芸をはじめ、『ゴールデンカー』の展示、音楽演奏、市役所などのライティングなどが行われた。

ゴールデンカーの展示。

教会のプログラムに登場する女性もキンピカスカート

町のシンボルである金が、これでもかと強調され、メイン会場の旧市街にそもそもは歩行所ゾーンになっているが、がちょうどテーマパークのような回遊性にとんだ空間を創出。元々ドイツの都市の旧市街地は景観が維持されている上、広場や商店、文化施設などが集積しており、質の高い公共空間になっている。そんな特徴がイベントでさらにはっきり出たかたちだ。

また旧市街地周辺に駐車場もあり、そこから旧市街地へシャトルバスを走らせている。いわゆる『パーク・アンド・ライド』システムだ。

同市は気候が乾燥していたことなどから中世から金箔の製造が行われていた。20世紀初頭には130の企業があり、最大1,200の雇用があった。その後、機会化が進み、近年では『金箔職人』という職業自体がなくなった。それでもロシアをはじめ世界中に金箔を輸出している。(了)

<以下、当日の写真>

ボディペインティング。金というより黄色だが。

銀行の看板も金色。旧市街地の店のほとんどがそう。

パンにソーセージやステーキをはさんだ軽食を売る屋台。

メニュー名は『金箔ステーキ』『金箔ソーセージ』

工事中の足場を覆うシートまでキンピカ!

少し市街からはずれたところにある。

市営ミュージアム。金のボールのオブジェが目立つ。

ミュージアムでは金の帽子を自分で作るコーナーがあった。

自作の金ピカ・ハットをかぶった子供が市街のあちらこちらで見かけた。

もちろん大人も作れる。

ミュージアムでは『金箔職人』の実演と解説も行われた。

広場の噴水、市役所、教会。

※引用される場合、高松平藏が執筆したことを明らかにして下さい。