夏木山 大崩山系北端の名峰
宮崎県 夏木山1,386m、五葉岳1,570m 2013年8月18日
(夏木山、五葉岳)九州百名山
37
名山一人旅
私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。
🌞🌞🌞🌞🌞
夏の暑い日、おもうち谷を遡って夏木山に登る。
やさしい沢だが、私にとって沢はいつも挑戦。手強そうなゴルジュや滝に挑み、高巻きが多いが、クリアしたのは良い思い出。
夏木山から稜線を西に辿って五葉岳まで行くと、傾山・祖母山から大崩山周辺まで、雄大な展望が広がった。絶景に見とれて時間が止まる。
-00-00-00-00-00-00-00-
ガイド「九州の沢と源流」に初心・初級者向きとなっているおもうち谷から夏木山に登るルートを辿るが、沢は私にとっていつも挑戦である。
おもうち谷の入渓地点は広い川原から林道が九十九折の登りになるあたり。やや分かりにくい。水枯れまでゴルジュ5、滝9、釜7、ナメ滝5があり、組み合わせて17箇所のうち直登11、高巻き6。できるだけ直登にトライ。
なお、「九州の沢と源流」には詳細の解説は余りなく、「斜滝が多く現われ、原生林とマッチしているが困難もなく源流である」としかないが、私にとっては十分に手強かった。
(当事のメモ)
最初の滝(釜1、F1・10m): 最初これを見たとき登れないと思ったが、よく観察し、右壁にホールド(手がかり)が取れると分かり、直登
中盤の滝(釜7、F7・20m斜滝): 今回最大の滝。3段20mくらい。段々になった右壁を登れると思ったが、ホールドが無くて断念。左側に回り、小さな潅木を頼りに高巻く。「九州の沢と源流」で紹介されている、ハーケン2本で越える22m滝のことかもしれない
最後の難場(ゴルジュ5、F9トイ滝): 最後のゴルジュ。手強そうだがルートがないか探る。左岸の高いところにバンドがあり、手前から伝っていけそうなので、そのバンドに登ってみると、比較的簡単に越えられた
手強そうなゴルジュや滝に挑み、高巻きが多いが、クリアしたのは良い思い出。源頭から辛いツメの登り2時間弱で、登山道に出てバンザイ。達成感と解放感に浸り、しばし休憩。登山道を左(東)に辿って夏木山に向かう。
岩場の細尾根を登り、思ったよりも広い夏木山の頂上に着く。奥に大きな三等三角点。中央の切り株に3つの頂上標識があったが、「九州の沢と源流」に記載されていた空ビン(登頂者の名前が入っている)というのは見当たらなかった。
引き返して西の五葉岳に向かう。五葉岳手前の1,402m峰は鹿ノ子山と言うらしいが、本当に鹿がいた。最初は私に気づかず、やがて気づいてから一声鳴いて逃げていった。
五葉岳頂上は岩峰で、四周の展望が楽しめる。南には鹿納山のピークとその向こうの大崩山、大きな大崩山頂上の左端に小積ダキがあり、手前にわく塚の岩峰が複数見えている。西には結局、夏木山は見えず、見えているのは新百姓山。北には傾山の全景に笠松山、本谷山の稜線。その先の祖母山には雲がかかっていて、その雲の上に祖母山の頂上がわずかに見えている。絶景に見とれて時間が止まる。
この後、北の見立への登山道を下る計画だったが、間違えて日隠林道に下ってしまい、駐車地点に戻ったのは早朝になってしまった。休憩を取りながら、あせらずゆっくり歩いた。再発防止のため、その後、下山路の事前調査に加え、GPSも買い換えた(この頃はまだLegendだったので、機能は限定されていた)。
おもうち谷、入渓点付近
最初の滝(釜1、F1)右壁を登れる
中盤の滝(釜7、F7・20m斜滝)左から高巻き
夏木山頂上
傾山
五葉岳頂上・・・奥に傾山
大崩山
鹿納山
本谷山
新百姓山
五葉岳(下山途中より)
大崩山方面から見た鹿納山(左)、五葉岳、夏木山(右?)の稜線