三原山(マッコウ) 鳥取・岡山県境、カヤトの平原のある山

鳥取県  1,115m  2015年10月31日

中国百名山

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私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。

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マッコウと呼ばれるこの山の頂上に登れると知ったのはインターネットを見たとき。

整備された道を歩いて三原台に着くと、切り開かれたカヤトの平原の向こうに、青空の下にマッコウが立っていた。見事な、絵になる風景。

三原台のカヤトの平原から林の中の踏み跡を南に向かい、沢沿いを西に登り、八本越を経てマッコウ頂上に立つ。入念に準備していた分、登頂の喜びも大きい。


カヤトの三原台から見るマッコウ(左のピークが三角点1,115m)
マッコウ頂上
三国山から見たマッコウ(手前の黒い山)・・・・・四周を山に囲まれていて全く目立たない。遠目には特徴のない山のようだ。
6:41 駐車地点発(車道終点の少し手前) 8:03 三原台入口 8:07 三原台・・・・・・・・・・・・・・・・・・三原台まで1時間26分 9:03 八本越 9:20 マッコウ(三原山)・・・・・・・登り2時間39分 9:25 マッコウ発 9:37 八本越10:21 三原台入口11:02 駐車地点着・・・・・・・・・・・往復(含休憩)4時間21分

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マッコウと呼ばれるこの山の頂上に登れると知ったのはインターネットを見たとき。市販ガイドでは三原台までしか道がないとしているが、踏み跡が頂上まであるらしい。車で狭い林道を最奥の手前まで入り、そこから歩く。駐車地点から次のカーブを左に登ったすぐ先が車道終点で、駐車場になっていた。

整備された道が三原台まで続く。尾根の東側をトラバースする道のところで、三角点があるようなのでそこに寄ってみると、四等三角点だった。やがて行く手の樹間にカヤト*の平原と山が見えてくる。三原台とマッコウだ。背の高いカヤトだが、切り開かれていて、その中央に丘がある。カヤトの平原の左手(東側)は林になっていて、林とカヤトの境界に小屋が建っている。マッコウへの道はその小屋のあたりのはずだが、まず、三原台の丘まで行ってみる。切り開かれたカヤトの平原の向こうに、青空の下に立つマッコウ。見事な、絵になる風景。

*ススキやスゲなど一部のイネ科の植物を総称してカヤと呼び、カヤが広範囲に茂る場所をカヤトと呼ぶ(weblio)。

カヤトが一部切り開かれていたのは、萱葺き屋根に使うためだったのだろうか。丘の周囲は広く刈りはらわれており、小屋に戻らず、その刈り払いを南に辿って林に向かう。最後は刈り払いがなくなり、カヤトをこいで林に入る(小屋に戻ってからマッコウに向かうほうが正解。なお、三原台の最高地点888mは今回立ち寄った丘よりも奥だった)。

林に入るとヤブは薄くなり、ピンクテープに踏み跡があった。斜面をトラバースしていって稜線の南側に出て、沢筋を西に登る道になる。薄くなった「マッコウ」の案内標識があり、二つ目の「マッコウ」案内標識のところで沢の右岸のロープ場を登る。登った先が八本越だった。

八本越からは笹原を登り、ブッシュをかき分け、頂上付近でまた笹原となり、マッコウ頂上の二等三角点に到着。北東方向には佐治の町並みが見えるが、すぐ下にあるはずの三原台はそこからは見えなかった。

四周に山々が見えたが、私には知らない山ばかりで、写真と地図とネット情報などを後から必死で調べる。真北にあるのは高鉢山、北西方向が国見山、南西方向が三十三人ヶ山と角ヶ仙の稜線だろう。東には氷ヶ山があるはずだが、大きな黒いシルエットになっていて同定困難。南東遠くの双耳は那岐山ではないかと思う。

帰りに、三原台手前のトラバース路で、登ってくる二人連れに会う。三原台から先は正規の登山道ではないと思うが、登山者の間では良く知られたルートなのだろう。変化のある登山が楽しめ、景色も最高だった。

この日の午後、三国山に登り、その頂上から三原台とマッコウを見る。四周を山に囲まれていて全く目立たない。遠目には特徴のない山のようだ。

(参考)

山名の由来等 日本山岳会編集「日本山岳志」要約

国土地理院の地形図には一番高い1115.2m峰にも山名がない。北側は広大なカヤトの台地で、かっては麓の佐治町余戸地区が入会地として管理し、草屋根の材料の芽を刈っていた。佐治町側ではここを「三原台」または「三原台地」、一番高いピークを「皿ヶ真っか」、台地を含めた山域全体を「三原山」と呼び分け、津山市加茂町側では全体を「まっか」または「まっこう」と呼んで「真桑」の文字を当てている。

山は3つのピークから成り、最も東のピークに三角点がある。「三原」の由来はこの「3つのピークの下にある原」からきたものか、「美原」が変化したものかは定かではない

(参照先: geocities.komaithi )

車道終点・・・・・駐車地点から次のカーブを左に登ったすぐ先が車道終点で、駐車場になっていた。

三原台までの道・・・・・尾根の東側をトラバースする道を登るが、三角点があるようなのでそこに寄ってみる。四等三角点だった


四等三角点733.1m・・・・・登山道はここをトラバースしている。登山道から薄いヤブを登ってすぐ。


三原台入口手前からマッコウ・・・・・やがて行く手の樹間にカヤトの平原と山が見えてくる。三原台とマッコウだ。背の高いカヤトだが、切り開かれていて、その中央に丘がある。カヤトの平原の左手(東側)は林になっていて、林とカヤトの境界に小屋が建っている。マッコウへの道はその小屋のあたりのはずだが、まず、三原台の丘まで行ってみる。


山小屋・・・・・小屋には帰りに寄ってみたが、だいぶ傷んでいた


三原台・・・・・丘の周囲は広く刈りはらわれており、小屋に戻らず、その刈り払いを南に辿って林に向かう。最後は刈り払いがなくなり、カヤトをこいで林に入る(小屋に戻ってからマッコウに向かうほうが正解。なお、三原台の最高地点888mは今回立ち寄った丘よりも奥だった)


林の中の踏み跡・・・・・林に入るとヤブは薄くなり、ピンクテープに踏み跡があった。斜面をトラバースしていって稜線の南側に出て、沢筋を西に登る道になる


古い案内・・・・・薄くなった「マッコウ」の案内標識


八本越・・・・・二つ目の「マッコウ」案内標識のところで沢の右岸のロープ場を登る。登った先が八本越だった。


マッコウ頂上・・・・・笹原からブッシュ、頂上付近でまた笹原となり、マッコウ頂上の二等三角点に到着。北東方向には佐治の町並みが見えるが、すぐ下にあるはずの三原台はそこからは見えなかった。


二等三角点


佐治の町並み・・・・・田園、山村風景


高鉢山・・・・・真北に見える


三国山・・・・北東方向。中央の一番高いピークが三国山(北嶺)と思われる


三国山(北嶺)・・・・・この日の午後、三国山に登ったときの映像


那岐山・・・・・ではなかろうか(南東方向)


三十三人ヶ山から角ヶ仙(南西方向)・・・・・右手前が三十三人ヶ山、中央が天狗岩、左奥が角ヶ仙と思われる


三国山から見たマッコウ(手前の黒い山)・・・・・四周を山に囲まれていて全く目立たない。遠目には特徴のない山のようだ。


三国山から見る三原台(中央の平原、上の写真の左側)


紅葉(ウリハダカエデ?)・・・・・帰りに、三原台手前のトラバース路で、登ってくる二人連れに会う