二ノ森 四国・石鎚の名峰に沢から登る
愛媛県 1,929m 2015年8月17日
四国百名山
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名山一人旅
私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。
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鉄砲石川は白いナメがどこまでも続く美しい沢だった。堰堤を越え、その白いナメ床を歩く。沢靴に当たるナメの感触が心地よい。
最後の滝を越え、緊張感から解放されるが、辛いガレと笹原のツメの登りとなる。いつものことながら、我慢の前進。
ようやく稜線に上がると、石槌山から二ノ森への雄大な稜線が見えた。ノロノロ歩いて二ノ森に到達。苦労した頂上には憩いがある。
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片道6kmの半分は林道歩き。三つ目の橋から沢に下りるが、すぐ先に最初の堰堤があったので、それを越えてから沢靴に履き替える。鉄砲石川には長いナメ床がいくつもあった。堰堤が無ければもっと評価は高いのだろう。天気は悪いが、白いナメ床を歩くと、沢靴に当たるナメの感触が心地よい。私の記憶に残る長くて美しいナメ床は、北海道クワンナイと秋田・赤水沢だが、鉄砲石川のナメはこれらに比肩すると思う。(宮城・大行沢(おおなめ)、山梨・釜ノ沢のナメも美しかったが、それほど長くはないと思う)二つ目の堰堤の先に現れた二つ目のナメ床が最も長く、延々と続く。
(滝登り)
顕著な滝は4つのみ。F1トイ滝は右岸を歩ける。F2はナメ滝。傾斜があるので右岸のブッシュを登り、携帯ロープで沢中央に下る。F 3トイ滝は左岸の林の中を高巻き。最後のF4・連続する長いトイ滝が最難関だった。左岸の林の中を高巻くのが正解だろうが、直登を試みた。
F4の二つ目のトイ滝(F4-2)は左壁を直登。一番上が登りにくく、両手で左上の岩を掴み、右の岩棚に右足を乗せて越える。
F4最後のトイ滝(F4-3)も左壁を登り、一番上で行き詰まるが、落ち口の水の中のホールドを両手でつかみ、シャワーを浴びながら体を引き上げて滝の上に上がる。
その上はもう滝はなく、安全なところまで歩いてザックをおろして座り込む。ストレスからの解放。
そこからはガレ場となり水が枯れた先で登山靴に履き替えるが、そのときに雨が降り出す。しばらく本降り。ガレ場から樹林帯に上がるが、今度は笹原。寒くはないが雨で体温が下がりそうなので、途中でレインウェアを着込む。
雨がいったん止み、右上の尾根に上がると、雲のとれた二ノ森が見え、更に石槌山からの雄大な稜線が見えてくる。石鎚は稜線の上の城塞のようで、黒い姿が威圧的。主稜線に上がり休憩。バナナを2本食べ、座ったままうとうとする。ザックをそこに置いて二ノ森まで往復。石鎚の西にある西ノ冠山も城塞のような岩峰だが、二ノ森は三角形のピラミッドに近い姿をしている。ノロノロと歩いてその頂上に着くと、一等三角点があった。苦労して到達した頂上には憩いがある。四周の開けた頂上だったが、その頃、石槌山の主稜線は雲をかぶっていた。
下山の6kmはのんびり下る。のんびりしすぎて帰着21時前となり、温泉に入り損ねた。翌日の午前中は青空が広がり、石槌スカイラインから二ノ森と石槌山と鉄砲石川を見る。
周回距離12km、標高差1,200mのコースなので(ネットでは8時間くらいで周回している人もいたが)12時間はかかると覚悟していたが、更に3時間も余計にかかってしまった。天気が悪くて歩きにくかったこともあるが、体力がないのだろう。
入渓地点付近: 三つ目の橋から沢に下りるが、すぐ先に最初の堰堤があったので、それを越えてから沢靴に履き替える
最初のナメ床・・・最初の堰堤とガレの先に現われる
二つ目のナメ床・・・延々と続く長いナメ
二つ目のナメ床・・・延々と続く長いナメ(その2)
F2・ナメ滝・・・傾斜があるので右岸のブッシュ沿いに登り、携帯ロープをサポートに使って沢中央に下る
F4-2・トイ滝・・・左壁を直登。一番上が登りにくく、両手で左上の岩を掴み、右の岩棚に右足を乗せて突破。
笹原の登りの途中で視界が広がり、鉄砲石沢を見下ろす
二ノ森・・・笹原の登りの途中より
岩黒山、筒上山・・・笹原の登りの途中より。翌日は向こう側からこちらを眺める
石槌山・・・笹原の登りの途中より
西ノ冠山・・・主稜線より
二ノ森・・・主稜線より
鉄砲石川・・・主稜線より
ニノ森頂上・・・一等三角点。この時には雲が広がり、周囲の景色は隠れてしまった