トヨニ     南日高の雪山に登る

北海道・日高山系  1,493m  2014年3月22日~23日(テント1泊)

(ネット情報) 

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名山一人旅

私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。

❄❄❄❄❄

野塚トンネル北口から尾根を登り、快晴の主稜線から望む白銀のトヨニ。この後、頂上に着いたときには吹雪になっていた。簡単には人を寄せ付けない厳しさが美しさを際立たせるのかもしれない。

スキーを履いて滑走開始。ナイフリッジの下からテント場までを慎重に滑走。苦労して登った細尾根の左右の斜面に滑り込み、一瞬の滑走で通過。最初は主稜線の雪庇の西側を細かく滑り、主稜線の西側がきつくなってきたところで東斜面に滑り込み、大きくターンして細尾根のアップダウンをまとめてトラバース。苦労が報われる快心の滑り。

支尾根の沢筋の雪はパウダーで実に滑りやすい。軽い雪を滑っているときのあの浮遊感はなんとも心地よく、休まずに滑り切る。

快晴の主稜線から見た白銀のトヨニ、晴天から一転して吹雪、ピッケルで通過したナイフリッジ、細尾根アップダウンをまとめてトラバースした快心の滑走、吹雪でロストしかけたがGPSで位置を確認し、ぴったり戻った駐車地点、思いがけない沢筋のパウダー滑走など、美しさと厳しさ、難行と快心の詰まった思い出のツアー。

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腰まで埋まる深雪だってェ

すっ転ばないように気をつけな-

波乗りの要領なんだよォ

泳いだことはないけどナ

そーら、すっ飛ばすぞォ

(パウダーの煙)

 快晴の主稜線から望む白銀のトヨニ。この後、頂上に着いたときには吹雪になっていた。簡単には人を寄せ付けない厳しさが美しさを際立たせるのかもしれない。左ピークは頂上手前のP3・1,470mで、トヨニ頂上(1,493m)はその右奥にわずかに見えている。右ピークは東峰(1,460m)。P3手前はナイフリッジになっており、慎重な通過を要する。
 テント場が淡い冬の朝焼けの光に染まる
 滑走開始
 野塚岳の雄姿。急峻な黒い姿。頂上付近は氷結している
思いがけない沢筋のパウダー滑走
D1  6:52 野塚トンネル北口(580m)発10:51 主稜線1,100m12:38 コル1・1,130m12:55 引返し13:10 コル1、テント設営・・・・・・・・・・・・登り6時間18分D27:50 テント発  8:41 P2・1,251m10:35 1,322m地点付近、スキー・デポ10:52 ナイフリッジ11:20 P3・1,470m11:46 トヨニ(1,493m)・・・・・・・・・・・・・・登り3時間56分11:49 トヨニ発12:10 P3・1,470m12:26 ナイフリッジ12:55 スキー・デポ地点、滑走13:30 テント着(撤収)16;33 主稜線からの滑走17:38 野塚トンネル北口・・・・・・・・・・・・トヨニから5時間49分           ・・・・・・・・・・・・D2合計9時間48分

TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT

D1

このツアーにはずっと漠然とした不安が付きまとっていた。「ちゃんと登れるさ」「いやダメだろう」「登らずに帰りたい」「トライせずに諦めたら、後悔するだろう」「それでも行きたくない」。木曜に健康診断があり、それもイライラの元だったが、それも終了して気分は楽なはずなのに、不安感は変わらない。

夜明けの日高(道の駅みついし)は雲ひとつない快晴。風は冷たいが南穂高が真っ白く見えている。それにしても急峻だ。あんな急な尾根を登れるだろうか。中央に見える鋭鋒は神威岳、その右後がソエマツだろうか。左はペテガリと中ノ岳?

R236に沿って西幌内で左折。気温はマイナス8度からマイナス13度まで下がり、正面に楽古岳のピラミッド。2009年に見て、登った山。そして左に真っ白なカギ爪のような山、これがトヨニだ。西にも長い支尾根を伸ばしている。トヨニと野塚岳の2ショット。野塚トンネルに入る直前に見た真っ白な山は、野塚の南にある双子山(オムシャヌプリ)だろうか。野塚トンネルまでに不安が高まり、落ち着かずにシャッターを切る。

トンネル出口左の駐車スペース(標高580m)に入る。そこは除雪されているが、車が一台、雪に埋もれている。山に登っているのだろうか(二日後には無かった)。心配していた沢は雪に埋もれていて、徒渉の心配はない。漠然とした不安はあるが、ここまでくればルーチンの準備をして出発する。

沢を渡り、正面右の支尾根に取付く。トヨニは右奥。支尾根の左の沢は、ブッシュがまばらに生え、狭く見えたが、その上には広い沢床が広がっていた。そっちを登っても良かったかもしれない。尾根はかなり急。新雪が積もっているが、その下にはアイスバーン。ビンディングを上げ、スキーアイゼンを出して九十九折りに登る。ディナフィットではアイスバーンまじりは難しいと思い、K2とフリーライドでガシガシ登る。ようやく傾斜が緩くなったところで、白樺に巻きつけられたピンクテープを見つける。ここを登っている人がいるのだ。少し安心感。そして尾根の右(北西)にトヨニに続く谷と主稜線が見える。音楽はホールズワース。1997年のフランクフルト・ライブから聞き始める。軽快なシックスティーン・メン・オブ・テインのリフ。

尾根はすぐに急になり、アイスバーンのところもあり、右スキーのシールが外れる。一回外れると何度も外れる。このシールの欠点かもしれない。やがて林を抜け、視界が一気に広がり、右手にトヨニが見える。東峰1,460mの方が目立っている。そして左(南)には野塚岳。沢筋の上、黒白のまだら模様の山並みの上に黒い姿でたたずむ。そして眼下にトンネル出口。私の車も見える。真っ白な三つのピークのトヨニ。背後には帯広の平野。支尾根の平坦部に達し、ザックを下ろして最初の休憩。これが二日間で唯一の休憩だった。いつものように右足小指がだんだん痛くなってきたが、クリーム等でケアし尾太のときと比べるとだいぶ楽。野塚岳の雄姿。急峻な黒い姿。頂上付近は氷結している。トヨニ1,493mの南にあるP3・1,470mは、直下を登っているときは頂上に見えた。いつの間にかトヨニに雲がかかってきている。野塚にも雲。トヨニの稜線を見ていて、あの細尾根を辿れるか、不安が増す。高度が上がり、はるか下にトンネル北口の北に続くR236が見える。もうすぐ主稜線だろうと思っていたが、まだ遠かった。主稜線の手前でブッシュの枝にピンクのテープ。

ようやく主稜線(標高1,100m)に着く。風があり、雲が湧いている。ブッシュの枝に古いテープが二つ巻いてある。これが支尾根に下る時の目印になるな。主稜線の先のトヨニは最初は見えなかったが、日が射した時にはるか遠くに見える。背後には野塚岳に連なる稜線があり、その手前のピークへの登りとなっている。主稜線を少し歩き、風で体が冷えそうなので、ザックを下ろしてレインウェアを着込む。上だけでも、と思ったが、スキーブーツのままでうまく下も履ける。それでずいぶん寒さをしのげた。手袋も分厚いスキー手袋に替え、しばらくの間、撮影画像の右に指先が入ってしまう。主稜線はアップダウンがあるが、トヨニの手前にあるP2・1,251mまでは下り。その手前にあるP1・1,162mにいったん登ると、眼下のR236号がはるか下に見える。

P1・1,162mからP2・1,251m手前のコル1・1,130mに下ったとき、コルの東側の斜面を見て、手前でテントを張るならここだな、と思う。風が強く、雪も降ってきたのでどうするかためらったが、時刻はまだ13時前。よし、ピリカヌプリ手前までという当初プランは無理だが、トヨニは越えておこう、と元気よく前進。アイゼンに替えるべきだったが、スキーのままでP2の東斜面をトラバースして登っていく。最初はスキーアイゼンが適度にひっかかって調子良かったが、傾斜が急になり、左にキックターンしたときに右のシールが外れる。この状態ではシールは貼り直せない。仕方ないので引き返すが、吹雪いてきたこともあり、本日はここでテントを張ることにする。

コル1・1,130mに戻り、テントを張る場所を探す。稜線の上では風が強い。ブッシュの間がいいだろう。急斜面を滑り降り、ザックを下ろし、スコップで斜面に穴を掘る。羽後朝日岳では手前部分がへこんでテントが傾いたので、今回は奥と足先をやや深めに均す。ブッシュの間隔は広く、ロープは1本しか結べず。しかし、これだけ穴を掘っておけば大丈夫だろう。テントに入る時、ポールが折れてびっくりしたが、折れたのではなく、はまっていなかっただけだった。良かった。まだ時間が早いので、シュラフにはいって手袋をはめ、ホールズワースを聞きながら本を読む。18時近くまで明るかったが、雪をジェットボイルに詰めて湯を沸かし、夕食にする。まずアルファ米を熱湯15分で戻し、夏用食器の湯に刻んできた白菜とソーセージを入れ、塩胡椒を入れて味付け。これはすばらしくうまかった。白米も夏用食器に入れて雑炊にして食べ、最後にコーヒーを飲む。満足。

真夜中(23時頃)にトイレに起きる。外はすさまじく寒いが、なんと星明かり。満点の星空に、帯広の街の明かり、それにR236号の街灯が見えている。この山奥にいて、人の気配を感ずることができるのは本当に心強い。星座を同定できなかったのは残念。タオルを口に巻き、スキーウェアのフードをかぶり、足先にホットカイロを貼り(このときはまだ、ソックス・スリッパはなし)、シュラフカバーの口を閉めていたが、それでもすさまじく寒かった。アイポッドをイヤホンで聞いていたが、寒いために止まってしまう。胸のポケットに入れて聞く。ホールズワースのカンバーセーション・ピースから。

D2

テント場が淡い冬の朝焼けの光に染まる。余りに寒いので、日が昇って暖かくなってから出発しようと思う。二泊は止め、この日のうちに下ろう。それでもピリカヌプリまで行き、この日のうちに下れるだろう(無理だった)。明るくなり、外に出てみると、またもや快晴。ゆっくり湯を沸かし、昨晩の残りの白菜とソーセージをミニカップのソバに入れて食べる。これまたgood。

夜明けのゆがんだダケカンバ。夜明けのトヨニ。そして夜明けの日が射す。着替えをし、飲物とアイゼンとサブザックをザックに詰めて出発。それだけでもやけに重いのは、ザックの自重のためではなく、飲物4本、2リットル=2kgのためか。急斜面をスキーで登り、P2へはどうするか考え、アイゼンに替える。結果的に大正解だった。コルへの斜面には、テント場を伺ったと思われる動物の足跡があった。ウサギとネズミかな。

主稜線の南には凍った稜線の先に野塚岳。主稜線の北にはすぐ前に立ちはだかるP2の先にトヨニ。P2手前の雪稜。マイナーピークから見るP2。ようやくP2に着き、行く手のトヨニを眺める。・・・Oさんにプレゼントした一枚。野塚トンネル北口から尾根を登り、快晴の主稜線から望む白銀のトヨニ。この後、頂上に着いたときには吹雪になっていた。簡単には人を寄せ付けない厳しさが美しさを際立たせるのかもしれない。写真の左ピークは頂上手前のP3・1,470mで、トヨニ頂上(1,493m)はその右奥にわずかに見えている。右ピークは東峰(1,460m)。P3手前はナイフリッジになっており、慎重な通過を要する。P2・1,251m頂上の最高点は雪が深く、足が埋まった。その後も歩きにくい部分が間欠的に出現。軽量のコスモスでないともっと苦労しただろう。標高が上がり、背後の野塚岳に続く南の主稜線が大きくうねって続いている。その主稜線には結構なアップダウンがあり、帰りはシールでたどる。

コル2・1,230mへの歩きの下降は問題なし。グリセードとまではいかないが、だいぶうまくなった。コル2に着き、東斜面の雪の飛ばされている斜面やこれから登る痩せた急な尾根を見て、スキーをデポ。しかし、その急な尾根を少し登ったところで、そこから上は尾根の西もしくは東斜面を大きくトラバース滑走できると確信し、コル2に戻ってスキーを持っていく。小動物の足跡は、途切れながらもずっと続いていた。今朝のものに違いない。足の埋まる雪の尾根。背後の南の情景。野塚岳の奥に楽古岳、十勝岳、オムシャヌプリらしきピークが同定できる。楽古頂上の東のテラスは、なんとなく見覚えがある。P2・1,251mに達する前に、雲が湧き始め、その後、もう青空には戻らなかった

ナイフリッジ手前のマイナー・ピーク(1,322m?)を左から巻くところでスキーをデポ。ナイフリッジのところは両側とも滑れそうもない。それに、もう頂上はすぐそこだと思っていた(P3を頂上と思い違い)。風があるのでスキーを雪に射しておいたが、シールを外しておくべきだった。雲を引くトヨニとP3手前のナイフリッジ。イクシー3のシャッターの蓋が閉まりずらくなってきた。ナイフリッジのぼやけた姿。目の前のP3。ナイフリッジでは、小雪混じりの強風のため写真を撮る余裕はなし。ピッケルを片手に持ち、ナイフリッジを慎重に歩く。もうだいぶ時間が経ち、天気も悪化してきたが、時刻を確認して前進。トヨニの先にトヨニ北峰があり、そちらの方が標高が高いのだが、そこまで行くかどうか、マップを出して確認。いや、だいぶ距離があるなあ(1.1㎞)。もう同じ高さに見えるトヨニ東峰。

頂上だと思っていたP3・1,470mへはかなりの急傾斜で、ピッケルを打ちこみながらの登攀。簡単だと思っていたトヨニ頂上への登攀は、本格的な雪山登山になってしまった。最後には垂直に近い傾斜を登ってP3に立つと、更に奥にトヨニの頂上が見えた。やれやれ。もう引き返したい、という衝動に駆られたが、まだ12時前だ。トヨニ頂上までは行こう。トヨニの背後にトヨニ北峰もかすかに見えていたが、見た眼よりも距離があると分かっていたので行かなかった。吹雪に霞むトヨニ頂上と北峰。

ついにトヨニ頂上に到着。それは雪庇が南北に連なる狭い頂上。ストックを立て、四周を写す。北峰方面、東峰、P3、西尾根。トヨニ北峰1,529mの先にもうひとつ1,486m峰があり、ピリカヌプリはその先だが、その姿を見ることはできなかった。「今日は来るな」ということだろう。頂上から下山にかかり、雲を引くトヨニ頂上を見る。

スキーのデポ地点(1,322m?)に着き、シールを外すが、雪がたくさんついてしまう。急斜面の足場の悪いところでの作業なので仕方ない。スキーを履いて滑走開始。深雪に埋まるスキー。ナイフリッジの下からテント場までを慎重に滑走。苦労して登った細尾根の左右の斜面に滑り込み、一瞬の滑走で通過。最初は主稜線の雪庇の西側を細かく滑り、主稜線の西側がきつくなってきたところで東斜面に滑り込み、大きくターンして細尾根のアップダウンをまとめてトラバース。苦労が報われる快心の滑り。コル2手前の東斜面には雪が飛ばされている部分があり、慎重に歩いて通過。コル2の下にある沢筋を渡り、P2も東側をトラバース滑走し、コル1・1,130m手前の主稜線に出る。この間、ほとんど写真を撮っていない。

テントの前に滑り込み、テントを撤収。雪が降っているので、インナーサックに荷物を詰め込み、テントをザックに詰め込んでからインナーサックの荷物をザックに詰める。スキーのシールの雪をこすり落とし、スキーに貼る。ザックはずっしりと重い。主稜線の吹雪は激しく、視界は10数メートル。支尾根も見えず、イクシーを入れた胸ポケットに雪が吹きこむ。キューブスピーカーはトヨニ頂上付近でバッテリー切れ。スペアがあったが、取り替えなかった。

当初はすぐだろうと思っていた主稜線の支尾根・下降点までの復路は思ったよりもずっと長く感じた。写真は撮っていないが、途中にあるマイナーピークの登り返しや、その他大小のピークを越える度にブッシュの目印テープを探したが、ない。見覚えのある石は数回通過。稜線が広くなっているところ(たぶんそこが支尾根分岐で、テープは稜線の西側ではなく、東側のブッシュについていたため、見逃してしまったようだ)を通過し、野塚岳の前峰に向かう登りの途中であたりが暗くなり始め、東斜面に入ってテントでもう一泊することを考え始める。

暗くなってからでは遅いので、ビバークを決心し、雪庇の切れ目から東斜面に滑り込む。シールではエッジが利かず、数メートルをずり落ちるが、立木がたくさんあるのですぐに停止。立ち上がってみると吹雪が収まっている。主稜線から少し東に下っただけでこんなに違うのか。ゆとりができ、GPS(時代遅れのRegend)を起動。GPSには支尾根途中のマーキングがあり、マップとも照合し、明らかに支尾根・下降点を行き過ぎていることが確認できた。ならば、この東斜面を左に滑れば、支尾根に戻れるだろう。希望が膨らみ、シールを外して滑走再開。

東斜面を左にトラバース滑走していったが、下方の視界が開け、右手に広い沢筋がまっすぐ下まで続いているのが見える。尾根の雪は腐っていて滑りにくいが、支尾根の沢筋の雪はパウダーで実に滑りやすい。そこで、右手の広い沢に向かい、沢筋いっぱいを使った大きなターンで少しづつ下る。本来ならばショートターンで飛ばすところだが、朝から一度も休憩しておらず、水もテント撤収のときにテルモスのホットレモンを1本飲んだだけ。腐った雪のブレーキすらもがきつく、疲れ切っていたが、軽い雪を滑っているときのあの浮遊感はなんとも心地よく、休まずに滑り切る。

オーバーハングしている沢筋の先に、R236が見えてくる。よし、このまま滑れば駐車地点だ。広かった沢筋が豊似川出会手前で狭くなり、右に曲がっている部分があり、右岸を高巻いていくと、沢から左岸に登っていく登りトレースがあった。それは前日、自分の登ったトレースだ!よし、やっぱりここだった。登トレースに滑り込み、駐車地点に向かってやや登り返し。疲れ切ってはいるが、もう慌てることもない。林の向こうに私の車が見え、R236号を車が行く。私の車には少し雪が積もっていたが、バックドアを開け、ゆっくり片付け。湿っているサブザックとウェストバッグの中身は助手席で乾かすが、その他はザックに入れたままにし、スキーはあまり雪を落とさずにしまう。

車を出した時はもう暗くなっていた。車の中で少し休みたいところだが、温泉が閉まってしまうかもしれないので、道の駅みついしに向かう。からだは冷え切っていた。温泉まではずいぶん長く感じた。みついし温泉蔵三は道の駅と同じ敷地の南隣にある。着替えをもって温泉に行き、露天には入らず、室内の湯につかってからだを温める。少しづつ、生き返っていく。温泉から上がって、車の中で少し休んだと思う。それから道の駅新冠に向かう。

ピリカヌプリには行けなかったが、トヨニに登れただけで満足。快晴の主稜線から見た白銀のトヨニ、晴天から一転して吹雪、ピッケルで通過したナイフリッジ、細尾根アップダウンをまとめてトラバースした快心の滑走、吹雪でロストしかけたがGPSで位置を確認し、ぴったり戻った駐車地点、思いがけない沢筋のパウダー滑走など、美しさと厳しさ、難行と快心の詰まった思い出のツアー。

 D1

道の駅みついしの朝 

楽古岳(R236を東に向かう途中)

このツアーにはずっと漠然とした不安が付きまとっていた。「ちゃんと登れるさ」「いやダメだろう」「登らずに帰りたい」「トライせずに諦めたら、後悔するだろう」「それでも行きたくない」。木曜に健康診断があり、それもイライラの元だったが、それも終了して気分は楽なはずなのに、不安感は変わらない。

夜明けの日高(道の駅みついし)は雲ひとつない快晴。風は冷たいが南穂高が真っ白く見えている。それにしても急峻だ。あんな急な尾根を登れるだろうか。中央に見える鋭鋒は神威岳、その右後がソエマツだろうか。左はペテガリと中ノ岳?

野塚トンネル手前(南側)から見るトヨニ

R236に沿って西幌内で左折。気温はマイナス8度からマイナス13度まで下がり、正面に楽古岳のピラミッド。2009年に見て、登った山。そして左に真っ白なカギ爪のような山、これがトヨニだ。西にも長い支尾根を伸ばしている。トヨニと野塚岳の2ショット。野塚トンネルに入る直前に見た真っ白な山は、野塚の南にある双子山(オムシャヌプリ)だろうか。野塚トンネルまでに不安が高まり、落ち着かずにシャッターを切る。

トヨニと野塚岳

オムシャヌプリ?


野塚トンネル南口

野塚トンネル北口

トンネル出口左の駐車スペース(標高580m)に入る。そこは除雪されているが、車が一台、雪に埋もれている。山に登っているのだろうか(二日後には無かった)。心配していた沢は雪に埋もれていて、徒渉の心配はない。漠然とした不安はあるが、ここまでくればルーチンの準備をして出発する。

斜面取付き

沢を渡り、正面右の支尾根に取付く。トヨニは右奥。支尾根の左の沢は、ブッシュがまばらに生え、狭く見えたが、その上には広い沢床が広がっていた。そっちを登っても良かったかもしれない。尾根はかなり急。新雪が積もっているが、その下にはアイスバーン。ビンディングを上げ、スキーアイゼンを出して九十九折りに登る。ディアミールではアイスバーンまじりは難しいと思い、K2とフリーライドでガシガシ登る。ようやく傾斜が緩くなったところで、白樺に巻きつけられたピンクテープを見つける。ここを登っている人がいるのだ。少し安心感。そして尾根の右(北西)にトヨニに続く谷と主稜線が見える。音楽はホールズワース。1997年のフランクフルト・ライブから聞き始める。軽快なシックスティーン・メン・オブ・テインのリフ。

  


斜面を登る

 

深雪

ピンクテープ

支尾根の登り

尾根はすぐに急になり、アイスバーンのところもあり、右スキーのシールが外れる。一回外れると何度も外れる。このシールの欠点かもしれない。やがて林を抜け、視界が一気に広がり、右手にトヨニが見える。東峰1,460mの方が目立っている。そして左(南)には野塚岳。沢筋の上、黒白のまだら模様の山並みの上に黒い姿でたたずむ。そして眼下にトンネル出口。私の車も見える。真っ白な三つのピークのトヨニ。背後には帯広の平野。支尾根の平坦部に達し、ザックを下ろして最初の休憩。これが二日間で唯一の休憩だった。いつものように右足小指がだんだん痛くなってきたが、クリーム等でケアし尾太のときと比べるとだいぶ楽。野塚岳の雄姿。急峻な黒い姿。頂上付近は氷結している。トヨニ1,493mの南にあるP3・1,470mは、直下を登っているときは頂上に見えた。いつの間にかトヨニに雲がかかってきている。野塚にも雲。トヨニの稜線を見ていて、あの細尾根を辿れるか、不安が増す。高度が上がり、はるか下にトンネル北口の北に続くR236が見える。もうすぐ主稜線だろうと思っていたが、まだ遠かった。主稜線の手前でブッシュの枝にピンクのテープ。

野塚岳

そして左(南)には野塚岳。沢筋の上、黒白のまだら模様の山並みの上に黒い姿でたたずむ。

支尾根の登り

青空のトヨニ

青空のトヨニ(左から、P3、トヨニ、東峰)

薄曇りのトヨニ

薄曇りの野塚岳

野塚岳の雄姿。急峻な黒い姿。頂上付近は氷結している。

主稜線

ようやく主稜線(標高1,100m)に着く。風があり、雲が湧いている。ブッシュの枝に古いテープが二つ巻いてある。これが支尾根に下る時の目印になるな。主稜線の先のトヨニは最初は見えなかったが、日が射した時にはるか遠くに見える。背後には野塚岳に連なる稜線があり、その手前のピークへの登りとなっている。主稜線を少し歩き、風で体が冷えそうなので、ザックを下ろしてレインウェアを着込む。上だけでも、と思ったが、スキーブーツのままでうまく下も履ける。それでずいぶん寒さをしのげた。手袋も分厚いスキー手袋に替え、しばらくの間、撮影画像の右に指先が入ってしまう。主稜線はアップダウンがあるが、トヨニの手前にあるP2・1,251mまでは下り。その手前にあるP1・1,162mにいったん登ると、眼下のR236号がはるか下に見える。

主稜線とトヨニ

P1・1,162mからP2・1,251m手前のコル1・1,130mに下ったとき、コルの東側の斜面を見て、手前でテントを張るならここだな、と思う。風が強く、雪も降ってきたのでどうするかためらったが、時刻はまだ13時前。よし、ピリカヌプリ手前までという当初プランは無理だが、トヨニは越えておこう、と元気よく前進。アイゼンに替えるべきだったが、スキーのままでP2の東斜面をトラバースして登っていく。最初はスキーアイゼンが適度にひっかかって調子良かったが、傾斜が急になり、左にキックターンしたときに右のシールが外れる。この状態ではシールは貼り直せない。仕方ないので引き返すが、吹雪いてきたこともあり、本日はここでテントを張ることにする。

狭い主稜線

狭い主稜線とトヨニ

コル1・1,130mに戻り、テントを張る場所を探す。稜線の上では風が強い。ブッシュの間がいいだろう。急斜面を滑り降り、ザックを下ろし、スコップで斜面に穴を掘る。羽後朝日岳では手前部分がへこんでテントが傾いたので、今回は奥と足先をやや深めに均す。ブッシュの間隔は広く、ロープは1本しか結べず。しかし、これだけ穴を掘っておけば大丈夫だろう。テントに入る時、ポールが折れてびっくりしたが、折れたのではなく、はまっていなかっただけだった。良かった。まだ時間が早いので、シュラフにはいって手袋をはめ、ホールズワースを聞きながら本を読む。18時近くまで明るかったが、雪をジェットボイルに詰めて湯を沸かし、夕食にする。まずアルファ米を熱湯15分で戻し、夏用食器の湯に刻んできた白菜とソーセージを入れ、塩胡椒を入れて味付け。これはすばらしくうまかった。白米も夏用食器に入れて雑炊にして食べ、最後にコーヒーを飲む。満足。

P2・1,251m

真夜中(23時頃)にトイレに起きる。外はすさまじく寒いが、なんと星明かり。満点の星空に、帯広の街の明かり、それにR236号の街灯が見えている。この山奥にいて、人の気配を感ずることができるのは本当に心強い。星座を同定できなかったのは残念。タオルを口に巻き、スキーウェアのフードをかぶり、足先にホットカイロを貼り(このときはまだ、ソックス・スリッパはなし)、シュラフカバーの口を閉めていたが、それでもすさまじく寒かった。アイポッドをイヤホンで聞いていたが、寒いために止まってしまう。胸のポケットに入れて聞く。ホールズワースのカンバーセーション・ピースから。

 D2

テント場の夜明け

テント場が淡い冬の朝焼けの光に染まる。余りに寒いので、日が昇って暖かくなってから出発しようと思う。二泊は止め、この日のうちに下ろう。それでもピリカヌプリまで行き、この日のうちに下れるだろう(無理だった)。明るくなり、外に出てみると、またもや快晴。ゆっくり湯を沸かし、昨晩の残りの白菜とソーセージをミニカップのソバに入れて食べる。これまたgood。

夜明けのダケカンバ

夜明けのゆがんだダケカンバ。夜明けのトヨニ。そして夜明けの日が射す。着替えをし、飲物とアイゼンとサブザックをザックに詰めて出発。それだけでもやけに重いのは、ザックの自重のためではなく、飲物4本、2リットル=2kgのためか。急斜面をスキーで登り、P2へはどうするか考え、アイゼンに替える。結果的に大正解だった。コルへの斜面には、テント場を伺ったと思われる動物の足跡があった。ウサギとネズミかな。

夜明けのトヨニ

日の出

雪穴のテント

動物の足跡

主稜線の南には凍った稜線の先に野塚岳)。主稜線の北にはすぐ前に立ちはだかるP2の先にトヨニ。P2手前の雪稜。マイナーピークから見るP2。

主稜線の南

主稜線の北

P2手前のマイナーピーク(MP)

P2手前MPからの情景

白銀のトヨニ

ようやくP2に着き、行く手のトヨニを眺める。・・・Oさんにプレゼントした一枚。野塚トンネル北口から尾根を登り、快晴の主稜線から望む白銀のトヨニ。この後、頂上に着いたときには吹雪になっていた。簡単には人を寄せ付けない厳しさが美しさを際立たせるのかもしれない。写真の左ピークは頂上手前のP3・1,470mで、トヨニ頂上(1,493m)はその右奥にわずかに見えている。右ピークは東峰(1,460m)。P3手前はナイフリッジになっており、慎重な通過を要する。P2・1,251m頂上の最高点は雪が深く、足が埋まった。その後も歩きにくい部分が間欠的に出現。軽量のコスモスでないともっと苦労しただろう。標高が上がり、背後の野塚岳に続く南の主稜線が大きくうねって続いている。その主稜線には結構なアップダウンがあり、帰りはシールでたどる。

白銀のトヨニ

南の稜線

雪が飛ばされた部分

コル2・1,230mへの歩きの下降は問題なし。グリセードとまではいかないが、だいぶうまくなった。コル2に着き、東斜面の雪の飛ばされている斜面やこれから登る痩せた急な尾根を見て、スキーをデポ。しかし、その急な尾根を少し登ったところで、そこから上は尾根の西もしくは東斜面を大きくトラバース滑走できると確信し、コル2に戻ってスキーを持っていく。小動物の足跡は、途切れながらもずっと続いていた。今朝のものに違いない。足の埋まる雪の尾根。背後の南の情景。野塚岳の奥に楽古岳、十勝岳、オムシャヌプリらしきピークが同定できる。楽古頂上の東のテラスは、なんとなく見覚えがある。P2・1,251mに達する前に、雲が湧き始め、その後、もう青空には戻らなかった

R236

ナイフリッジ手前

ナイフリッジ手前のマイナー・ピーク(1,322m?)を左から巻くところでスキーをデポ。ナイフリッジのところは両側とも滑れそうもない。それに、もう頂上はすぐそこだと思っていた(P3を頂上と思い違い)。風があるのでスキーを雪に射しておいたが、シールを外しておくべきだった。雲を引くトヨニとP3手前のナイフリッジ。イクシー3のシャッターの蓋が閉まりずらくなってきた。ナイフリッジのぼやけた姿。目の前のP3。ナイフリッジでは、小雪混じりの強風のため写真を撮る余裕はなし。ピッケルを片手に持ち、ナイフリッジを慎重に歩く。もうだいぶ時間が経ち、天気も悪化してきたが、時刻を確認して前進。トヨニの先にトヨニ北峰があり、そちらの方が標高が高いのだが、そこまで行くかどうか、マップを出して確認。いや、だいぶ距離があるなあ(1.1㎞)。もう同じ高さに見えるトヨニ東峰。

南の主稜線

野塚岳、楽古岳、十勝岳、オムシャヌプリ(上の拡大)

雲を引き始めたトヨニ

ナイフリッジと雲を引くトヨニ

ナイフリッジ

P3・1,470m

頂上だと思っていたP3・1,470mへはかなりの急傾斜で、ピッケルを打ちこみながらの登攀。簡単だと思っていたトヨニ頂上への登攀は、本格的な雪山登山になってしまった。最後には垂直に近い傾斜を登ってP3に立つと、更に奥にトヨニの頂上が見えた。やれやれ。もう引き返したい、という衝動に駆られたが、まだ12時前だ。トヨニ頂上までは行こう。トヨニの背後にトヨニ北峰もかすかに見えていたが、見た眼よりも距離があると分かっていたので行かなかった。吹雪に霞むトヨニ頂上と北峰。

北側から見るナイフリッジ

トヨニ

トヨニ頂上から東峰

ついにトヨニ頂上に到着。それは雪庇が南北に連なる狭い頂上。ストックを立て、四周を写す。北峰方面、東峰、P3、西尾根。トヨニ北峰1,529mの先にもうひとつ1,486m峰があり、ピリカヌプリはその先だが、その姿を見ることはできなかった。「今日は来るな」ということだろう。頂上から下山にかかり、雲を引くトヨニ頂上を見る。

トヨニ頂上から北の情景

滑走開始

スキーのデポ地点(1,322m?)に着き、シールを外すが、雪がたくさんついてしまう。急斜面の足場の悪いところでの作業なので仕方ない。スキーを履いて滑走開始。深雪に埋まるスキー。ナイフリッジの下からテント場までを慎重に滑走。苦労して登った細尾根の左右の斜面に滑り込み、一瞬の滑走で通過。最初は主稜線の雪庇の西側を細かく滑り、主稜線の西側がきつくなってきたところで東斜面に滑り込み、大きくターンして細尾根のアップダウンをまとめてトラバース。苦労が報われる快心の滑り。コル2手前の東斜面には雪が飛ばされている部分があり、慎重に歩いて通過。コル2の下にある沢筋を渡り、P2も東側をトラバース滑走し、コル1・1,130m手前の主稜線に出る。この間、ほとんど写真を撮っていない。

テントの前に滑り込み、テントを撤収。雪が降っているので、インナーサックに荷物を詰め込み、テントをザックに詰め込んでからインナーサックの荷物をザックに詰める。スキーのシールの雪をこすり落とし、スキーに貼る。ザックはずっしりと重い。主稜線の吹雪は激しく、視界は10数メートル。支尾根も見えず、イクシーを入れた胸ポケットに雪が吹きこむ。キューブスピーカーはトヨニ頂上付近でバッテリー切れ。スペアがあったが、取り替えなかった。

沢筋の滑走

当初はすぐだろうと思っていた主稜線の支尾根・下降点までの復路は思ったよりもずっと長く感じた。写真は撮っていないが、途中にあるマイナーピークの登り返しや、その他大小のピークを越える度にブッシュの目印テープを探したが、ない。見覚えのある石は数回通過。稜線が広くなっているところ(たぶんそこが支尾根分岐で、テープは稜線の西側ではなく、東側のブッシュについていたため、見逃してしまったようだ)を通過し、野塚岳の前峰に向かう登りの途中であたりが暗くなり始め、東斜面に入ってテントでもう一泊することを考え始める。

暗くなってからでは遅いので、ビバークを決心し、雪庇の切れ目から東斜面に滑り込む。シールではエッジが利かず、数メートルをずり落ちるが、立木がたくさんあるのですぐに停止。立ち上がってみると吹雪が収まっている。主稜線から少し東に下っただけでこんなに違うのか。ゆとりができ、GPS(時代遅れのRegend)を起動。GPSには支尾根途中のマーキングがあり、マップとも照合し、明らかに支尾根・下降点を行き過ぎていることが確認できた。ならば、この東斜面を左に滑れば、支尾根に戻れるだろう。希望が膨らみ、シールを外して滑走再開。

沢筋の滑走

東斜面を左にトラバース滑走していったが、下方の視界が開け、右手に広い沢筋がまっすぐ下まで続いているのが見える。尾根の雪は腐っていて滑りにくいが、支尾根の沢筋の雪はパウダーで実に滑りやすい。そこで、右手の広い沢に向かい、沢筋いっぱいを使った大きなターンで少しづつ下る。本来ならばショートターンで飛ばすところだが、朝から一度も休憩しておらず、水もテント撤収のときにテルモスのホットレモンを1本飲んだだけ。腐った雪のブレーキすらもがきつく、疲れ切っていたが、軽い雪を滑っているときのあの浮遊感はなんとも心地よく、休まずに滑り切る。

オーバーハングしている沢筋の先に、R236が見えてくる。よし、このまま滑れば駐車地点だ。広かった沢筋が豊似川出会手前で狭くなり、右に曲がっている部分があり、右岸を高巻いていくと、沢から左岸に登っていく登りトレースがあった。それは前日、自分の登ったトレースだ!よし、やっぱりここだった。登トレースに滑り込み、駐車地点に向かってやや登り返し。疲れ切ってはいるが、もう慌てることもない。林の向こうに私の車が見え、R236号を車が行く。私の車には少し雪が積もっていたが、バックドアを開け、ゆっくり片付け。湿っているサブザックとウェストバッグの中身は助手席で乾かすが、その他はザックに入れたままにし、スキーはあまり雪を落とさずにしまう。

 D3

翌日のフェリー乗船

車を出した時はもう暗くなっていた。車の中で少し休みたいところだが、温泉が閉まってしまうかもしれないので、道の駅みついしに向かう。からだは冷え切っていた。温泉まではずいぶん長く感じた。みついし温泉蔵三は道の駅と同じ敷地の南隣にある。着替えをもって温泉に行き、露天には入らず、室内の湯につかってからだを温める。少しづつ、生き返っていく。温泉から上がって、車の中で少し休んだと思う。それから道の駅新冠に向かう。

ピリカヌプリには行けなかったが、トヨニに登れただけで満足。快晴の主稜線から見た白銀のトヨニ、晴天から一転して吹雪、ピッケルで通過したナイフリッジ、細尾根アップダウンをまとめてトラバースした快心の滑走、吹雪でロストしかけたがGPSで位置を確認し、ぴったり戻った駐車地点、思いがけない沢筋のパウダー滑走など、美しさと厳しさ、難行と快心の詰まった思い出のツアー。

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