鳥海山・行者岳 広大な雪斜面

山形県  行者岳2,159m、伏拝岳2,080m  2016年5月6日

山スキールート図集1

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薄い青空

まだ冷たい風

山の木々には春の息吹

そして山の旅人たち

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連休最後は鳥海山・行者岳。山形側・湯の台口から登るのは初めて。前日の嵐とは打って変わって雲一つない青空。朝もやにかすんだ鳥海が見えている。

冬季閉鎖ゲート手前で鳥海の頂上が姿を現わす。雪に覆われたその姿は神々しい。ゲートは通過でき、残雪のため車で進めないところまで上がり、そこから車道を歩く。GPSルートは道路の左の尾根だが、雪が無さそうなので車道を登る。

車道は雪があったり消えたりなので、シールで歩いたりスキーを外して歩いたりを何度も繰り返す。車道終点にあるトイレのところで最初の休憩。森林限界を抜け、青空の下の広大な雪原と、その向こうの鳥海山の頂上がすばらしい。

車道終点から広大な雪原をシールで延々と登る。広大なコースで見た人は祓川や大平コースと比べて実に少なかったが、いろんなコースが取れるようだ。だが、すぐ近くに見える鳥海頂上はなかなか近付かない。まっすぐ登るルートは上で雪が切れているようなので左へ回り込んでゆき、伏拝岳直下の急斜面下でアイゼンに切り替え、外輪・伏拝岳に達する。

外輪の北側は切れ落ちて千蛇谷になっており、その向こうに新山と七高山。伏拝岳から外輪を東にたどり行者岳に到達。

伏拝岳直下の急斜面から滑走開始。雪渓上部はかなりの急斜面で、雪質もよく、ごきげんショートターン滑走となる。登ってきた広大な雪斜面を滑りまくる。

車道終点のトイレまで降りたところで会った徒歩の人が、車道西側の尾根を滑れるというので、車道から沢を経て西尾根に上がる。雪が少なくて林間の障害物滑走となり、最後は雪を拾い、西尾根に戻ってきた車道に出て滑走終了。

フキノトウを袋一杯に摘んでいると、車道を二人が降りてきた。疲労困憊だが、満足の様子。確かに疲れたが、素晴らしい景色と山スキーを満喫できたツアーだった。

冬季閉鎖ゲート手前で鳥海の頂上が姿を現わす。雪に覆われたその姿は神々しい。行者岳は外輪山の一つで、写真正面の部分。
伏拝岳頂上付近で見た仏像
伏拝岳から外輪を東にたどり行者岳に到達。
伏拝岳直下の急斜面から滑走開始。雪渓上部はかなりの急斜面で、雪質もよく、ごきげんショートターン滑走となる。
6:23 駐車地点発 8:19 車道終点11:59 伏拝岳12:20 行者岳・・・・・・・・・・・登り5時間57分12:38 伏拝岳12:58 滑走開始13:25 車道終点14:11 滑走終了14:30 駐車地点・・・・・・・・・・往復(含休憩)8時間7分

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連休最後は鳥海山・行者岳。山形側・湯の台口から登るのは初めて。前日の嵐とは打って変わって雲一つない青空。朝もやにかすんだ鳥海が見えている。

冬季閉鎖ゲート手前で鳥海の頂上が姿を現わす。雪に覆われたその姿は神々しい。ゲートは通過でき、残雪のため車で進めないところまで上がり、そこから車道を歩く。残雪のところで駐車している車が数台。ペット2本にクッキー4本。ピッケルは持っていかず。GPSルートは左尾根を指しているが、雪が少なくヤブになっているので、迷わず車道を行く。車道の雪は消えたり現われたりで、しばらくはスキーを肩に担いで歩き、途中からシールにするが、その後も雪消え箇所があり、歩く。シールで車道を歩いていると、斜面から登ってきて車道を横切り、上の斜面に上がっていくシールの人。その人は途中で休んでいたが、私もそのあたりから車道をショートカットし始める。車道の雪は傾斜が出てきて、堅いので登りにくい。いったんスキーを外して登る。車道終点のトイレに着き、ザックを下ろして最初の休憩。

車道終点から広大な雪原をシールで延々と登る。広大なコースで見た人は祓川や大平コースと比べて実に少なかったが、いろんなコースが取れるようだ。だが、すぐ近くに見える鳥海頂上はなかなか近付かない。

斜面1を登っている途中から、はるか上の西雪渓上部を登る人影3つとそれを追う人影一つが見えていた。それを見て、東雪渓を避け、更に中央雪渓から西雪渓下部に移る。斜面1を登り切って雪原に上がると、雪原の下に滝の小屋、西雪渓の更に西の八丁坂を登る人影を見る。八丁坂を登っている人がおり、まっすぐ登るルートは上で雪が切れているようなので左へ回り込んでゆき、西雪渓に移る。西雪渓上部への連結部はハイマツ帯の中の細いルート3本になっており、その1本の入口で2回目の休憩。そこは伏拝岳直下の急斜面下で、アイゼンに切り替える。休み休みまっすぐ雪渓を登り、東側の先行トレースに入り、そこからはゆっくり休まずに登る。八丁坂の人もやってきたが、少し先行。テレマークの人がゆっくり下ってきた。練習中という感じ。こんなにいい斜面なのに、なんで飛ばさないんだ、と思ってしまう。やがて雪渓を登り切り、草むらや岩場を登って伏拝岳の祠に着く。外輪の北側は切れ落ちて千蛇谷になっており、その向こうに新山と七高山。伏拝岳には頂上東側に菩薩石像もあり。

伏拝岳から外輪を東にたどり、行者岳に到達。外輪の道は雪が融けていて泥んこの部分があり、歩きにくく、最高点周辺に頂上標識は見当たらなかったが、GPSをみて行者岳頂上を認定。見渡すと、新山に登っていく人、降りてくる人、千蛇谷を歩いている人影、頂上小屋に向かって新山を登っている二人。そして七高山付近にも人影を見た。戻っている途中、行者岳と伏拝岳の中間の下の雪渓をちょうど登ってきた人がいた。その雪渓の真下には車道や車道終点地点が見えており、滑っていけそうに見えた。しかし、その男性に「雪は切れてますか」と聞くと「1箇所切れている」というので、やはり往路を戻ることにする。伏拝岳に戻り、西側にある標識のところに行ってみると、そこにも祠があり、標識には「至→行者岳・山頂」とある。雪渓上端まで下り、そこでザックを下ろし、シールをはがしておいて休憩。ホットレモンを飲む。

伏拝岳直下の急斜面から滑走開始。雪渓上部はかなりの急斜面で、雪質もよく、ごきげんショートターン滑走となる。滑走トレースがまったく残らず、やや不満だったが、登ってきた広大な雪斜面を滑りまくる。タカかトンビが近くを飛び回っているのを写す。西雪渓上部の途中で右(西)に少しトラバースし、連結部の真上からハイマツ帯の間をショートターンで滑走。西雪渓下部に出て、更に大きく右(西)にトラバースし、雪渓末端に向けて滑走。傾斜が緩くなってきたのでターンは長め。滑走開始時点で見えていた、徒歩で降りていて、雪渓途中のハイ松で休んでいた人の横を滑り抜ける。西雪渓下部を末端付近まで滑り、左(東)に曲がって滝の小屋上雪原に出る。傾斜がなくなるが、雪は滑る。ここまで雪面の凹凸も少なく、滑りやすい。斜面1から再び急斜面のショートターン滑走。ややスキーが滑らなくなってくるが、それほどでもない。

車道終点のトイレの前でいったん滑走終了し、スキーを担いで車道を歩いていくと、徒歩の人が休んでいて、「例年、車道西側の尾根を滑る。東側を滑る人もいる」というので、西尾根に向かう。車道脇でスキーを付けて林の中に滑り込み、沢に出る。沢の対岸に渡って西尾根に上がろうとしたが、傾斜が垂直に近くなり、斜面下の雪が切れているようなのでバックして戻り、いったん沢筋に滑り込み、しばらく沢を滑走しながら西尾根に上がる。西尾根は思ったよりも雪が付いていて、障害物滑走だが、滑れないこともない。しかも徒歩の踏み跡があり、ここが通常のルートのようだ。車道が沢のこちら側に来る橋が近付き、いったん沢筋に降りるが、それは枝沢のようなので、スキーを外して尾根に登り返す。しんどい。

もう車道が沢を渡っているはずのところで広くなったブッシュ雪原に下り、車道に出て滑走終了。そこは左カーブのところで、次の右カーブの先が駐車地点だった。フキノトウがたくさん咲いていたので、スキーを下ろし、コンビニ袋いっぱいに摘む(帰宅後、ほぼ毎日食べているが、現時点5/16においてまだ1/3くらい残っている)。フキノトウを積んでいる間に車道を二人が降りてきた。車に戻って片付けていると、ブヨがたくさん飛んでいるので着替えを止め、車を出す。車道をしばらく下ったところの駐車スペースで着替えをし、ブーツとスキーを拭く。すぐ近くに湯の平温泉があることを思い出し、引き返す。鳥海山の見える場所に立ち、露天からは月山が見えた。

朝もやにかすむ鳥海山・・・・・酒田市外付近から

湯の平の駐車地点・・・・・残雪でこれ以上進めない地点から、各車が縦列駐車

残雪の車道と鳥海山・・・・・車道の雪はすぐ先でいったん消えている。車道を外れ、斜面を登ってもよい。

車道終点のトイレ

車道終点の先の大雪原・・・・・正面の雪渓は上で切れている。中央左の雪斜面を登り、更に頂上左から回り込んでいく。雪が多ければ、まっすぐ登ってもよいのだろう。

「滝の小屋上雪原」から見る鳥海山・・・・・上の写真の中左斜面を登ったところにある雪原。背後(遠く)に滝の小屋がある。ここから大きく左回りに進み、正面の頂上直下に見える西雪渓上部を登る。

西雪渓上部・・・・・上の写真の拡大。この頃、この雪渓を登っている人が4人見えた。

中央雪渓(「滝の小屋上雪原」の左の位置)下部から見上げる西雪渓上部と頂上・・・・・左上の西雪渓に登り、そこから頂上に向かって雪の隙間を通って西雪渓上部に登る

中央に見えている雪の隙間末端でアイゼンに切り替え、頂上まで登る。西雪渓を登ってきた人もシールからアイゼン。上からはテレマークの練習らしき人がゆっくり降りていった。

滝ノ小屋

月山・・・・・この前日は強風でリフトが止まっていて、歩いて登ったがガスが晴れず、姥ヶ岳までで諦めた

月山森1,650m・・・・・これは鳥海山の一角。西雪渓の更に西側。背後は日本海。

笙ヶ岳1,635m・・・・・これは大平から登る途中にある山で、初めて鳥海山に登った時に登った思い出の山。月山森よりも更に西側

登ってきたルートを見下ろす・・・・・夏道のある滝の小屋は写真右だが、登ってきたのは中央に白く見える車道終点の先の雪原。

西雪渓上部の急斜面・・・・・アイゼンに替えてから、先行者の踏み跡をたどるとずいぶん楽。

伏拝岳の祠・・・・・雪渓から草と岩の外輪に上がると祠があった。山名板はなし。

行者岳・・・・・伏拝岳から見る行者岳。頂上には何もない。

鳥海山・新山・・・・・外輪の中央にある最高峰。中央右下の岩場に大物忌神社と山小屋があり、そこに向かって登っている人が二人見えた。新山に登っていく人、降りてくる人も数人。

伏拝岳・・・・・行者岳から見る伏拝岳

行者岳頂上・・・・・奥のピークは七高山(左奥)の南峰

七高山・・・・・立っている人が見える。ここにはいつも人がいる。一等三角点がある。

千蛇谷と稲倉岳・・・・・鳥海山に登らないと見れない絶景の一つ。

ブルーラインのビジターセンターがある鉾立から、断崖絶壁の反対側に稲倉岳の雄姿を見ることができる

伏拝岳頂上付近で見た仏像:

滑走開始・・・・・西雪渓上端で休憩後、スキーを履いて滑走開始。雪質よし。ショートターンを刻むが、滑走トレースがまるで残らず、やや物足りず。

滑走後に見上げる西雪渓上部・・・・・滑走トレースが残っているはずだが、まるで見えない

車道終点への滑走

車道西尾根の滑走・・・・・車道終点で会った男性に教えられ、車道西側の尾根を滑走。雪が少なく、灌木やブッシュを避けての障害物滑走。やがて西尾根に戻ってきた車道に出て、滑走終了。

問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com